ある特定の技術領域に強みを持つスタートアップが直面するのが、新規顧客の開拓という課題だ。創業当初こそ、それまでの人脈などをベースにした紹介(リファラル)案件を中心として事業を軌道に乗せることができても、リファラルが一巡したタイミングで必ず、今後の新規顧客をどう獲得していくかという問題に直面する。
ノーコード・ローコード開発に特化した合同会社Luminoxも、まさに新規顧客開拓の課題に直面していた。その解決のために選んだのが発注ナビの利用だった。同社の代表取締役である粟津 慎之助氏と、最高技術責任者である八尋 義航氏にお話しを伺った。
社名 | 合同会社Luminox |
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所在地 | 神奈川県横浜市港南区丸山台2-29-14 |
従業員数 | 1 – 30名 |
事業内容 | ソフトウェア開発およびそれに付随する業務 |
掲載カテゴリ |
- 導入前の課題
設立当初は技術的な強みを武器に、紹介(リファラル)案件を中心に事業を軌道に乗せることができたが、将来のさらなる事業拡大を見据えると、新規顧客の開拓が必須となる。ただし同社はスタートアップだったため営業専任の担当者を新規に雇うだけの余裕はなく、インサイドセールス代行サービスやテレアポ代行サービスでは、ノーコード・ローコード開発という同社の強みを発揮できる新規案件を獲得するのが難しかった。
- 導入後の効果
さまざまなビジネスマッチングサービスを比較検討した中で、『案件の質の良さ』と『スタートアップに優しい料金体系』のメリットから発注ナビを選定。一定期間内で利用する月を自由に選べるセレクトプランで利用開始し、実質4か月という短期間の利用でアップセルも含め約800万円の新規案件2件の獲得に成功した。同時に、エントリー時に次につながる期待が持てる案件へ積極的にアプローチすることで、継続的に新規顧客を開拓する体制を整えることもできた。
リファラルが一巡したときに直面した新規顧客開拓という課題
神奈川県横浜市に本社を置く合同会社Luminoxは、ノーコード・ローコード開発に特化したシステム開発会社だ。2021年8月と新しい設立であることを考えると、同社の特徴は『ノーコード・ローコード開発に特化した首都圏のスタートアップ』となるだろう。同社代表の粟津氏は、「当社は、新規事業の実現可能性を短期間に低コストで試せるMVP(Minimum Viable Product)開発が得意です。ノーコード・ローコードのツールを活用してMVPをスピーディーに作り、お客様が新規ビジネスの実現可能性を探るお手伝いができるのが当社の強みです」と語る。
同社のように、ある特定の技術領域に強みを持ち、それを武器に受託開発案件を獲得していこうというスタートアップは多い。しかし、そうしたスタートアップが創業からしばらくして直面するのが、新規顧客の開拓という課題だ。
同社も、リファラルがちょうど一巡したタイミングで新規顧客をどう獲得していくかという課題に直面していた。「将来の事業拡大を考えると、新規顧客の開拓が必須でした。ただ、創業したばかりで人的リソースも限られる当社には営業専門の担当者はいなかった。インサイドセールスやテレアポ代行サービスを活用することも考えましたが、それらのサービスが当社の強みをきちんと理解し、お客様に説明したうえでのアポイントが、果たしてどれだけの確度で取れるのかが不安でした」(粟津氏)と振り返る。
確かに、同社のように特徴的な強みを持つスタートアップであればなおさら、自社に何ができるのかをきちんとお客様に説明し、それを理解してもらったうえで提案・商談へと進む必要があるだろう。そうでなければ、「ただ安価にシステムを作ってもらえればそれでいい」、「とりあえずシステム開発の費用感だけを知りたい」といった内容のアポイントばかりが増えて、『質の良くないリード情報』ばかりになってしまう懸念があるからだ。「そうしたことを考えると、新規開拓につながるリード情報をテレアポなどで獲得できる可能性はかなり低いと考えました。そこでマッチングサービスを使ってみたのですが、それもアポイントを取るまでに想像以上に手間や工数がかかりました」(粟津氏)という。
具体的には、リード情報を受け取った後で提案や商談のアポイントを確定しようと連絡をしても返信がなく、何度もフォローのメールや電話をしなくては実際に発注者と会うことができなかったのだ。少人数で運営しているスタートアップにとっては、いくら営業のためとはいえメールや電話に工数をかける余裕はない。
そうした状況の中、同社はいくつかのマッチングサービスを比較検討した結果、2023年9月から発注ナビの利用を開始した。
案件の質の良さとスタートアップに優しい料金体系が決め手に
粟津氏によると、発注ナビを選定した理由は、大きく分けて二つあった。その一つ目が、案件の質の良さなのだという。
発注ナビでは、どのような案件があるのか(案件情報)を無料で確認できるが、それを確認した際、発注者が本気でシステムを導入したいと考えているなと思える案件が多いことに驚き、これなら受注したい案件にも出会えるのではないかとピンと来たのだという。
もう一つの理由は、スタートアップに優しい料金体系だったことだ。
発注ナビでは、サービスの内容によってさまざまな料金体系が用意されているが、同社が選んだのは一定期間のうち発注ナビを利用する月を任意に選べる『セレクトプラン』だ。同社は有効期間36か月の中から任意の12か月を選んで利用できるプランだったため、エンジニアのリソースが手一杯の時には発注ナビを利用せず、既存の開発案件が一段落している間に新規案件獲得のために利用を再開……というように、自社の状況に応じて利用できる。
多くのマッチングサービスにあるように、案件対応に手一杯で新規案件を受ける余裕がない状況にもかかわらず、利用期間と見なされ当月分の料金を支払わなくてはならない、ということにはならない。ここがスタートアップに優しい料金体系だったということだ。
また、ほかのマッチングサービスでは成約すると紹介料や手数料を取られたり、追加で保守案件などを受注した際にも継続的な紹介料や手数料の支払いが必要になったりというケースもあったという。
その点、発注ナビは分かりやすい料金体系だったほか、専任アドバイザーがきめ細かくフォローをしてくれる。「アドバイザーからは、コンスタントに応募(エントリー)していけば、一定の割合で発注者を紹介してもらえて、商談の機会を得ることができると説明されました。ということは、続けていけば確実に新規顧客を獲得でき、いつかは支払った費用を回収できるという計算も成り立ちます。利用して損はしないサービスだと確信しました」という。
強みを活かせる案件に絞り込むことで、わずか4か月で814万円の案件を成約
こうして2023年9月からセレクトプランで発注ナビを利用開始した同社だが、2024年上期(6月まで)の期間で実質4か月間ほどの利用ということになる。そしてそのわずかな期間に、2件の新規案件を獲得している。「受注できたのは、レンタルサイクルの予約プラットフォームの開発案件と、リフォーム業者や工務店と顧客とのマッチングシステムでした。それぞれ異なる発注者の案件ですが、2件で合計814万円の新規案件を獲得できたことで満足しています」(粟津氏)。
短期間にもかかわらず新規案件を獲得できた背景には、発注ナビを利用するうえでの同社なりの工夫があったようだ。例えば、商談の場で同社の強みであるノーコード・ローコード開発について、発注者にとってどういったメリットがあるのかという視点に立ってきちんと説明したことだ。
さらに、同社はエントリーの方法も工夫している。日々、発注ナビがお知らせする案件に対して、むやみやたらにエントリーせずに、発注者が本気でシステムを導入・活用したいと思っていると判断できる案件だけに絞り込んでエントリーしている。
「発注ナビから送られてくる案件情報では、まず予算と納期を確認します。ここが明確に書いてある案件は、システムをいつまでにこのくらいの費用で作りたいという本気度が高い案件といえるでしょう。反対に予算も納期も曖昧な案件は、その後に商談となったとしても『とりあえずこういったシステムを作るとしたら、いくらぐらいでできるのかを知りたかっただけ』ということもありえます」(八尋氏)という。その見極めをしっかりとしてエントリーしているのだ。
そして、もう一つ。予算と内容を確認して、これだけの機能をこの費用で、フルスクラッチで開発するのは無理だろうと思える案件にこそ積極的にエントリーしているという。「そういった案件であれば、高品質なシステムをスピーディーに低コストで作れるというノーコード・ローコード開発の強み、すなわち当社の強みをフルに活かすことができます。フルスクラッチでは難しいような予算や納期の案件に積極的に応募した結果だと思っています」と八尋氏は語る。
栗津氏曰く、同社は今後もむやみやたらに案件へエントリーはせず、自社の強みを生かせる案件、さらには生成AIなど新しい技術のキャッチアップが必要なチャレンジングな案件を狙っていきたいと考えているのだという。同時に「予算と納期のうち、予算面で多少は小規模だと思える案件でも、『次につながる』可能性を感じられる案件であればエントリーをしていきます。そして2024年度内に、発注ナビで合計2000万円を超える受注を目標にしていきたいですね」と話す。
同社の目標は明確であり、後はコンスタントにエントリーを続けていくだけだ。
新規案件開拓の課題は「発注ナビ」で解決!システム開発に特化したビジネスマッチング
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