今やネットオークションは身近なものとなり、身の回りの不要なものはとりあえずオークションに出品するという人もいるかもしれない。その中でもやはり注目されるのは、コレクターが集い、緊張感のある競り合いが展開される美術品やアンティークのオークションだろう。
株式会社ミントミントオークションは、国内外の歴史的なコイン、いわゆる古銭のオークションを開催している企業だ。以前から、同社は従来のオークションにおける諸課題を抱えており、解決のために新たなシステム導入を検討していた。そしてシステム開発の外注先探しに発注ナビを利用し、理想的な開発企業と出会うことができたそうだ。
同社が抱えていた課題とは何か、発注ナビ利用に至った経緯はどのようなものだったのか、発注先選びの決め手はどこにあったのかなど、株式会社ミントミントオークションの中谷康史郎氏に詳しくお話を伺った。
自社で開催する古銭のオークションにリアルタイム性を持たせたシステムを導入し、落札金額を伸ばしたい!
――株式会社ミントミントオークション様は古銭のオークションを開催していると伺いました。いつ頃からこのビジネスを手掛けていらっしゃるのでしょうか。
株式会社ミントミントオークション 中谷氏:2017年に創業してから、かれこれ6~7年ほどが経ちます。もともと私の父(同社代表である中谷泉一氏)がコインのコレクターをしており、その流れからオークションビジネスを始めたのが成り立ちです。
――オークションはどのような形で開催しているのでしょうか。
中谷氏:主に2種類のオークションを開催しています。
1つは、月に1回程度の頻度で行われる、入札期日が設けられたネットオークションです。当社では『ミニオク』と呼んでいます。ミニオクは、期日までに入札されたデータを集計し、1番高い入札があった方が落札するという仕組みです。
もう1つは、年に数回開催している会場を借りて行うタイプのフロアオークションです。当社では『第〇回ミントミントオークション』と呼んでいます。
――今回の発注内容は、インターネットオークションサイトの開発とお聞きしました。
中谷氏:私は2022年に当社に入社したのですが、当社が開催しているオークションは、サイトを経由してはいましたが、手法がアナログだったため、これをデジタル化したいという思いがありました。
――具体的に、どのような部分に課題があったのでしょうか。
中谷氏:たとえば、ヤフオクを利用したことがある方は分かると思いますが、ネットオークションでは誰かが入札するたびに価格が変動し、それを見て上回る金額を誰かが入札するという仕組みです。しかし当社のミニオクでは、期日までに入札をし、締め切った後に最高値だった方が落札するという方法であるため、リアルタイムでの入札状況が分からず落札金額が伸びないという悩みがありました。同業他社は、ほとんどがリアルタイムで入札状況が把握できるようになっています。
また、フロアオークションの方では会場の外からのライブ入札への対応ができていませんでした。フロアオークションで会場の外から参加する場合は、オークションの数日前を期限に当社ホームページより事前に入札をしていただき、その事前入札の価格と当日会場にお越しのお客様との間で落札者を決めるというやり方でした。ライブで参加するわけではないため、やはり落札金額が伸びないという点が課題でした。
主に、この2点を解決するオークションシステムを導入したいというのが発注の検討に至った経緯です。
オークションサイトの開発実績がある開発会社を探したものの、思うように見つからず、発注ナビにたどり着いた
――発注ナビはどのようなきっかけで知ったのでしょうか。
中谷氏:システムを発注しようと動き出したのは2022年頃でした。過去勤めていた会社でお付き合いのあった知り合いのシステム開発会社さんに声をかけてみました。
ところが、そもそもオークションというものがどのようなことをするのかを先方がご存じでなく、これでは今回の発注先としては期待できないと判断しました。
そこから、ライブオークションのシステム開発経験がある発注先を探すべきだという考えに至り、ネット上でライブオークションの開発実績をキーワードに含めて開発会社を検索してみまして、1件だけヒットしました。
その会社も良かったのですが、1件しかないということがあるのだろうか、と。もしかすると検索のやり方がいけないのかな、と少し悩みました。
開発にはまとまった費用も発生しますし、しっかりとした開発先に発注しなければトラブルも発生しかねません。できればいくつかの開発先を比較検討した上で選びたいと思っていたところ、ネット上で発注ナビの存在を知りました。
――発注ナビにいただいたご依頼内容に基づき、複数の開発会社をご案内差し上げました。その中からどのように最終的な発注先を決定されたのでしょうか。
中谷氏:発注ナビからは6社ほど紹介され、5社につきましてはいずれも最低1度は打ち合わせをしました。
打ち合わせをする中で、オークションの知見があまりないのでは、と感じた会社については早い段階でお断りし、最終的に2社に絞り込みました。
1社はオークションサイトの開発経験があり、しかもライブ配信機能も開発していました。
もう1社はオークションサイトの開発経験こそないものの、ご担当の方が別分野のオークションに何度か参加したことがあり、またそこでの知見を活かして様々なご提案をいただきました。
実績だけではなく、営業担当者からの提案や業務知識など、それ以外の部分にも魅力を感じたことが発注の決め手に
――オークションシステムの開発経験がない会社も最終候補に残っていますが、どの点が評価されたのでしょうか。
中谷氏:実績がないこと、見積り額が他社の提示額よりも2~3割高いことが懸念材料でしたが、レスポンスがとても早く、かつ営業の方が面白い提案をどんどん出してくれるところに興味を引かれました。正直、最後まで迷いました。
――結果として開発実績のある会社に発注されました。決め手はやはり実績だったのでしょうか。
中谷氏:決め手は『断る理由』がなかったことです。
最初に打ち合わせた際に『先月もオークションサイトを作った』という話を聞き、相当数の実績があることが分かりました。その中には、有名なオークションサイトも含まれていました。もちろんそうした実績は大きな決め手になりましたが、それ以外にも魅力的な部分はありました。
――実績以外というのは、どのような部分でしょうか。
中谷氏:こちらもやはり営業の方がポイントでした。
まず、営業担当が技術者出身だったことです。それゆえに、こちらから『こんなことはできますか?』と尋ねると『こういう理由でこれはできるが、これはできません』という理路整然とした答えがすぐに返ってきました。
また、『この技術ではできないけれど、別の技術で似たことができる』というような代替の提案も出てくるので、いちいち技術要件確認のため持ち帰り検討するということがなく、打ち合わせがとてもスムーズでした。
それから業務知識の有無です。営業の方が、自らフロアオークションに出かけたこともあるそうで、オークションの進行やその場の空気感なども把握されていました。発注する側の身としては、業務知識の有無で担当者への安心感が全然違います。
付け加えるなら、費用も想定よりも3割ほど抑えられる点も魅力でした。作り慣れているから、もしかすると、ひな形のようなものがあるのかもしれません。
アナログ要素は残らず排除。オークション後の処理もすべてシステム上から管理できる仕様を依頼
――システムは現在開発中ということでしょうか。
中谷氏:はい。2024年4月に公開予定で、開発は現在進行中です。1回につき2~3時間の打ち合わせを週2回のペースで行い、モックアップの画面をひとつひとつ確認しながら仕様を固め、開発の進捗を確認しています。当社の業務に差し支えがないよう、打ち合わせを夜19:00以降に設定してくれているので、とても助かっています。
――その他にも、発注に際して仕様などでこだわった部分はありますか。
中谷氏:入金管理や落札品の発送管理など、オークションが終わってからの業務の管理を、これまで紙ベースで行っていたのですが、今回のシステム上から管理できるようにしてもらいました。『この作業だけはアナログで』というのはどうしても避けたかったので、業務の流れを点検しすべてをシステム化するようにお願いしました。
一方で、ライブでのオークション参加ではどうしても通信の遅延などで入札タイミングがズレたり、中継が止まったりしてしまうという事故も起きかねません。これはいくらシステムソフトウェア側で頑張っても避けられないため、開発会社さんとも打ち合わせた結果、きちんと利用規約を定めて利用者に明示することでクリアしています。
発注ナビは使いやすく、紹介してくれる企業の精度も高い。今後は古銭収集の世界に若手を取り込んでいくためにも、自社の知名度を向上させていきたい
――発注ナビをご利用いただいた感想をお聞かせください。
中谷氏:発注ナビはとても使いやすかったと思います。システム画面上の説明も分かりやすく操作も直感的で、初めての利用でも迷うことはありませんでしたし、発注ナビ側の担当者さんの対応が丁寧で、やりとりもとてもスムーズでした。
実は、今回発注した先は、発注ナビ利用前に自分で調べたときに見つけた会社でした。ここも紹介企業に含まれていたということは、紹介する企業の精度は高いと言えるのかなと思いました。
――御社のビジネスについて、今後はどのようなビジョンをお持ちでしょうか。
中谷氏:古銭収集の趣味の世界は全体として年齢層が高めで、果たして10年後にこのビジネスがやっていけているのかという不安が常につきまとっています。今後は、もっと若い人たちに興味を持ってもらうように、様々な箇所にアンテナを張って取り組んでいきたいと考えています。
幸いにも現在、金価格が高等しているので、金貨などは資産として購入する人も増えています。そうした動きを上手に取り込んでいければいいですね。
そのためにもまずは知名度を上げることが重要です。当社の社名は、まだあまり知られていません。せめて同業他社と並べるぐらい認知度を上げていきたいですね。
また、古銭専門のオークション会社は関東エリアの方が圧倒的に多いのが実情です。きちんと調べたわけではありませんが、西日本エリアでは当社だけかもしれません。それだけに『西ならミントミントオークション、東ならどこそこ』と言われる、古銭オークションの代名詞のような存在になれたら嬉しいですね。
――ありがとうございました。
■関連リンク
システム開発会社選びはプロにお任せ完全無料で全国5000社以上からご提案
■発注ナビへの掲載について
「発注ナビ」掲載のご案内(システム開発会社様はこちら)