株式会社ユキサキは、『デザインとIT』を活用して、各種プロダクトやサービスの企画・開発とブランディングをサポートする京都のデザインファームだ。ホームぺージ制作や動画制作、WebシステムやWebサービスなどを手がける同社では、『デザインだけではなくシステムやサービスの領域まで企画・開発できる』という自社の強みを発揮できる新規案件を獲得するため、発注ナビの利用を開始。これまでに3件の案件獲得に成功した。同社の代表取締役社長である神野 太志氏に発注ナビを選定した理由や利用して分かったメリットなどについて伺った。
社名 | 株式会社ユキサキ |
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所在地 | 京都府京都市右京区三条通神泉苑西入今新在家西町29-3 三条未来Factory room1 |
従業員数 | 1 – 30名 |
事業内容 | グラフィックデザイン、WEBサービスの企画運営、プロダクトデザイン、ブランドコンセプトデザイン、WEBデザイン、広告・商品の企画開発、イベント企画運営 |
掲載カテゴリ |
- 導入前の課題
リファラル(紹介)案件を中心に事業を拡大してきたが、それまでは同社の強みである『デザインとIT』のうちの”デザイン”が評価されてのホームぺージ制作案件が多かった。WebシステムやWebサービスの企画・開発というもうひとつの強みを発揮できる新規案件を獲得したかったが、営業リソースとノウハウどちらも不足しており、思うような営業活動ができていなかった。
- 導入後の効果
発注ナビを利用したことで、これまでなら出会うことができなかった業種・業界の企業や大学といった顧客から3件の新規案件を獲得。発注ナビの専任アドバイザーとの毎月1回の定例を通じて『受注出来た案件と失注した案件の違い』を自社なりに分析できるようになったほか、営業ノウハウも自社内に蓄積でき、新規開拓に積極的に取り組める体制を強化できた。
『デザインとIT』という強みを活かした新規案件をどう獲得していくか
株式会社ユキサキは、グラフィックデザインや京都ならではの伝統工芸とのコラボレーションによるプロダクトデザイン、Webデザイン、Webシステム開発、Webサービスの企画・開発、動画制作、メタバースなどを得意としている。ブランディングやプロモーションの一環として空きスペースを活用したイベントの企画・運営なども行っており、2014年の設立から現在に至るまで、実に多岐に渡る事業を展開してきた。
同社のように得意とする領域が幅広い企業の場合、目に見える商品や決まったサービスを売り込む一般的な営業活動で新規顧客を開拓するのは難しいだろう。2014年の設立からこれまで、どのように事業を拡大してきたのだろうか。
神野氏は、「営業らしい営業は、ほとんどしませんでした」と話す。同社は、事業のユニークさが示すように、スタッフ全員がデザイナーやエンジニア、マーケター、プロデューサーといった各専門領域で力を発揮するプロフェッショナル集団だ。「営業専門部署もなく、営業担当社員もいません。当社から積極的に営業を仕掛けることはせず、お客様やスタッフの知り合いからの紹介で新規の案件を得ていました」(神野氏)という。
いわゆるリファラル営業だけでも、継続的に案件を受注できるのであれば何も問題はないはずだ。しかしリファラル営業がメインとなってしまうことの本質的な問題は別にある。基本的に紹介をしてもらう受け身の立場になるので、紹介される案件を選別することが難しくなるのだ。そのため『こういう案件を紹介してもらえるとありがたい』と願っていても、希望通りになることはそうそうない。
同社の場合も、紹介されるものは当社のWebデザインを高く評価してくれた顧客からのホームぺージ制作案件が中心だったのだという。「ただ、それだけではデザインとIT、つまりシステム開発やWebサービス開発ができるという当社の強みを活かせません。Webデザインだけでなく裏側で動くWebシステム、さらにそれらを活用したブランディングやプロモーションまで支援できるのが当社の強みです。そうした強みを活かせる案件をどう獲得していくか。そこに悩んでいたのです」(神野氏)。
『質の高い商談』ができる発注ナビを利用し、3件の新規獲得に成功
こうした状況の中で、同社はマッチングサービスの利用を検討した。同社のようなデザインファームでは営業専任社員を雇っても、自社の強みを正確に理解したうえで、それを顧客開拓に結びつけられるようになるまでには時間がかかるだろう。マッチングサービスを使ってさまざまな発注者からの案件を事前に確認し、当社の強みを発揮できると思える案件に的を絞ってアプローチしていくほうが効率が良いと考えた神野氏は、発注ナビを含めた複数のマッチングサービスを比較検討したという。
その中で発注ナビを選定した理由について、神野氏は「発注ナビでは契約する前に、実際にどのような案件があるのかを確認できます。そのとき『どのような発注者』が『どのような案件内容』でホームぺージ制作会社やシステム開発会社を探しているのか、それがきちんと示されていると感じました」と話す。
ここは、比較検討した他のマッチングサービスと大きく違ったところだったという。発注ナビには、発注者が本気で発注する気かどうかわからないような適当な案件や曖昧な案件が少なかったため、神野氏が案件の質が高いと思えたことが決め手だったのだ。
また、発注ナビでは、契約後に加盟社の案件獲得をサポートする専任アドバイザーがつく。「その説明を聞いたときに、当社と発注者との間に当社の強みを理解してくれている発注ナビがサポートに入ることで、商談に至るまでの過程をフォローしてもらえると感じました。案件の質と合わせて『質の高い商談』のテーブルにつける仕組みがきちんと整っていると感じ、そこに安心感がありました」(神野氏)。
こうして同社は2021年11月に発注ナビの利用を開始し、これまでに2回の契約更新を経て、3件の新規顧客の開拓に成功した。受注した案件は、大学のホームぺージ制作が1件、企業のプロモーション動画制作が2件だ。
新規案件を獲得できたのは、毎月1回の専任アドバイザーとの定例があったから
順調に新規案件を獲得しているように思える同社だが、実は発注ナビを利用開始したばかりの頃には、思っていたよりも受注するのが難しそうと感じたという。当初、神野氏は質の高い商談のテーブルにつけるチャンスを多く獲得できると踏んでいたのだが、実際のところはエントリーしてもなかなか紹介されず、商談にまでたどり着くことができなかったと振り返る。
その流れが変わったのは、専任アドバイザーとのやり取りがきっかけだったという。
ある案件を紹介されたとき、発注者に商談のためのメールを入れても返事がこなかった。そのまま「この案件も商談につながらないのかと半ば諦めていたら、専任アドバイザーから『神野さんから電話するなど、もっと積極的に連絡を入れないとうまくいきません』とアドバイスをもらいました」(神野氏)という。
元々の営業経験がほとんどなく、営業のセオリーも知らなかったと振り返る神野氏だが、やり取りの中で、電話でもメールでも発注者との連絡を迅速にマメに取ることや、提案を分かりやすくまとめることなど、さまざまな営業に関するノウハウを教えられたのだという。
アドバイスの中でも神野氏が特に効果を実感したのが、商談のテーブルにつけた後の提案内容の工夫だ。「当社の強みであるデザイン力を活かして、パッと見てすぐに提案内容が伝わるようにビジュアル化しました。その効果もあって、徐々に最終選考に残る案件が増えてくるなど手ごたえを感じるようになりました」(神野氏)。
そして、先述の通り3件の新規顧客の開拓に成功した。神野氏はこうした成果について、専任アドバイザーと毎月1回、打ち合わせができたことが大きかったと語る。
例えば、商談をして失注した案件については、発注者へのアンケートをもとに、「受注した企業のこういうところが評価されていました」という分析と説明を行っている。その説明を聞くと、会社に何が足りていないのか、失注の理由が明確になってくるのだという。
また、発注ナビでは商談中の案件でも『現在、どんな会社と競合しているのか』という状況の確認と共有を行っている。神野氏はその情報が受注のためにできる施策を考えるベースになったと語り、会社に不足している営業力を補い、自分たちなりの分析を行って、次なる受注に向けたアドバイスをもらえるというのが大きかったと振り返る。
神野氏は、「一般的なマッチングサービスは、発注者と開発会社・制作会社側を機械的に結びつけるだけのドライなイメージですが、発注ナビは『血の通ったサービス』だと感じています」と話す。
「新規顧客の開拓は、誰もが初めての経験でいわば手探り状態です。発注者への提案もプレゼンテーションも、このやり方でいいのかと不安になりますが、そのときに誰にも相談できないと孤独感が募ります。それをフォローしてくれる発注ナビの存在は私にとってはとてもありがたかった。専任アドバイザーと毎月1回、打ち合わせができたことが受注につながったと感じています」(神野氏)と高評価だ。
発注ナビは『中長期でとても有益なサービス』
今後の発注ナビの利用について、神野氏はすでに明確な方向性を持っている。
まず、エントリーについては、これまで通りに自社の強みを活かせる案件に絞っていく。そして、受注した案件が同社はこれまでに受注したホームぺージ制作や動画制作の案件であっても、それをきっかけに発注者と深い関係性を作り、WebシステムやWebサービスなどの追加開発を提案できるように働きかけていくという。
神野氏は、発注ナビを利用したメリットについて、「当社のような小さなデザインファームでは出会うことができないような発注者ともつながりができ、しかも、発注ナビを使い続けることで自社内に営業ノウハウが蓄積されてきました。長い目で見ると当社にとって非常に有益な仕組みだと感じています」と話す。
そのうえで、神野氏は次のように続ける。「受注できるかできないかは、実は『ほんの少しの差』だと思います。しかし、そのほんの少しの差については、自社だけで考えてみても気がつかないことが多い。それに対して発注ナビなら、発注者へのヒアリングやアドバイスを通じて確認したことなどを含めて、さまざまな形でそこに気づかせてくれます」(神野氏)
受注と失注との間にあった『ほんの小さな差』が一体何だったのか。第三者的な視点からのアドバイスで、自社なりにその差異を分析できるようになる、そこに発注ナビを使い続ける意味を感じているようだ。
新規案件開拓の課題は「発注ナビ」で解決!システム開発に特化したビジネスマッチング
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