世界的なショッピングサイトとして知られる「Amazon」は、ビジネスやシステム開発に役立つサービスを数多く提供しています。
中でも、Amazon Web Services(AWS)やAmazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)というサービスはご存知でしょうか。
どちらもAmazonが提供しているサービスですが、これらのサービスをビジネスの現場で活用することで生産性の向上に期待ができます。
今回はAWSとAmazon EC2の基本情報や概要について、詳しく解説をします。
目次
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AWSの概要・基本情報・用途は?
Amazon EC2を解説する前に、まずはAWSについて解説しましょう。
●AWSの概要
冒頭でも触れたように、AWSは「Amazon Web Services」の略称です。その名の通り、Amazonが提供しているクラウドサービスの総称ですが、その歴史は古く2006年にサービスを開始しています。
ここでいうクラウドサービスとは、インターネットを経由して利用できるサービスです。そのため、企業で導入するのにもサーバなど設備をそろえる必要がありません。インターネットが接続していれば、アプリケーション、データベースなどITリソースを必要な時に必要な分だけ利用できます。
●AWSの具体的な用途
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仮想サーバの作成
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Webサイトの運用
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ビッグデータ分析
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システム開発環境の構築
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データベースの運用
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AI(機械学習)機能の利用
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動画や画像などのコンテンツ配信
AWSの具体的な用途は上記の通りです。とはいえ、複数のサービスの総称であるAWSは、大小合わせると700以上のサービスを備えています。そのためAWSをひと言で述べるなら、特定の用途に使用できるサービスよりも、「あらゆる分野で活躍が期待できるサービス」という表現のほうが正しいでしょう。
中でもAWSの代表的なサービスとしては、大量のデータを安全に保存し加工する「Amazon S3」や、ビッグデータの分析に特化した「Amazon EMR」などが挙げられます。これらのサービスの1つに、今回紹介するAmazon EC2というサービスがあるのです。なおAWSのサービスや特徴については、別ページでも紹介しています。より詳しく知りたい場合は下記ページをご覧ください。
■ AWSとは?Amazonが提供するクラウドサービスの基礎知識とメリット
Amazon EC2とは?
ここまでAWSの概要などを紹介しました。Amazon EC2がAWSの数あるサービスの1つということが理解できたかと思います。以下ではAmazon EC2をより深堀し、基本情報からメリットなどを紹介します。
●Amazon EC2の基本情報
Amazon EC2(Amazon Elastic Compute Cloud)は、Amazonが提供する「クラウドサーバ」です。ここでいうクラウドサーバは、クラウド上に「仮想のサーバ」を簡単に構築できるサービスを指します。
サーバにはデータを保管しておく役目があり、サーバがないとメールの送受信やサイト構築などを行うことができません。従来はサーバを構築するとなると、クラウド上ではなく物理的なハードウェアとしてのサーバを準備し、さらにネットワークを構築する必要がありました。そのため準備の時間と、人的なコストがかかっていました。ですが、Amazon EC2はクラウド上にすぐにサーバを構築することができ、時間と業務を大幅に削減できます。結果として、業務の効率化につなげやすくなるのです。
●クラウドサーバとレンタルサーバ・VPSの違い
Amazon EC2はクラウドサーバですが、類似する言葉に「レンタルサーバ」があります。レンタルサーバも、インターネットを通じてサーバを利用する点では同じですが、サーバの使い方に差異があります。
レンタルサーバの場合は、「1つの物理的なサーバを複数の人がレンタルする」サーバです。1つのサーバのCPUやメモリは限界がありますので、どこか企業(または個人)が稼働しすぎることで他の利用者の処理に悪影響を及ぼすことがあります。アクセスが集中しすぎると、他社のサイトの動きも遅くなってしまうのです。さらに、サーバ内の設定やスペックは決まっているので変更することができません。
一方でクラウドサーバは、物理的なサーバ内に「自社専用の仮想サーバ」を作ることができます。このため他の利用者の影響を受けることがなく、自社内でOSやスペックなど自由に変更できるのです。また他のユーザーの処理が影響することがなく、安全に稼働することができます。サーバを「大きな部屋」に例えれば、複数人で部屋をそのまま使うのがレンタルサーバ、小さな部屋に分割して使うのがクラウドサーバなのです。
さらにクラウドサーバは、複数のサーバを契約することも可能です。Amazon EC2は仮想サーバの数の単位を「インスタンス」で表します。インスタンスを増やすことで複数のサーバを設定できます。このインスタンスは既存のインスタンスをコピーし、新しいインスタンスを作るなど自由に操作可能です。レンタルサーバの中にも、仮想サーバを作れるサービスは存在します。ですが、契約後にスペックを変更できないものが多く、複数のサーバを使用する場合は、1つずつ契約が必要です。このように、同じ仮想サーバを構築しても自由度がクラウドサーバより劣ります。
Amazon EC2のメリット
以下では、Amazon EC2を利用するメリットを3つに絞って紹介します。
●サーバの構築や維持にかかる時間を削減しやすい
Amazon EC2の大きなメリットの1つは、サーバ構築までが短期間で済むことです。ハードウェアのサーバの場合、サーバを自社で準備をして、細かい設定作業をしなければなりません。さらにサーバを運営する間も人的なコストがかかります。中には、サーバの管理を担うサーバエンジニアを抱えていない企業も少なくありません。仮想サーバであるAmazon EC2は、物理的なサーバよりも簡単に構築することができます。さらに、用途ごとに複数のサーバを作れるので、サーバ構築の時間を大幅に削減することができます。
●状況に合わせてスペックの変更しやすい
2つ目のメリットは、利用者の状況に合わせて、サーバのCPU、メモリ、容量などのスペックを簡単に変更できる点です。
例えば、繁忙期や日中の忙しい時間帯だけサーバのスペックを上げることもできます。データ容量が増えた場合には、メモリを増やすこともできるなど、臨機応変な使い方を実現しやすいでしょう。さらに、「あらかじめ数値を決めておいて、その数値を超えたら自動的にリソースを追加する」といったように、スペックの変更を自動化できます。このように、Amazon EC2じゃ状況に合わせてITリソースを無駄なく使用可能です。
●従量課金制によりコストを抑えやすい
Amazon EC2には、無料お試し期間があるため、新規のサインインから一年間は無料で利用できます。また、Amazon EC2は従量課金制ですので、使った分だけの料金が発生する仕組みです。使わなくなったサービスは停止してデータを削除すれば、コストを安くすることもできます。一定期間は無料で使用できる、必要な費用が発生しにくいという特徴は、サーバの運用コストを抑えやすいメリットにつながるでしょう。
Amazon EC2の料金体系
Amazon EC2の料金体系についてご紹介します。Amazon EC2は3つの料金体系があります。状況に合った料金体系を選択してください。
●オンデマンドインスタンス
オンデマンドインスタンスは、サーバが稼働している時間の料金が発生する料金体系です。使わない時間は料金が発生しないので、固定費の削減につながります。先に料金を支払う必要はなく、あくまでも使った分だけ料金が発生する仕組みです。短時間使用したい場合におすすめの料金体系といえます。
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オンデマンドインスタンス
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リザーブドインスタンス
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スポットインスタンス
●リザーブドインスタンス
リザーブドインスタンスは、あらかじめ使用するキャパシティを予約する料金体系です。長期の契約になりますが、その分オンデマンドインスタンスより大幅な割引価格で使用することができます。使用量が多い場合や長期間稼働しないといけない場合はリザーブドインスタンスがおすすめです。
●スポットインスタンス
スポットインスタンスは、先に挙げたものよりも特殊な料金体系です。AWSには多数のサーバリソースが存在し、その中には使われていないものもあります。スポットインスタンスは、この「使われていないリソース」を使用し、そのリソースをオークション形式で落札するのです。
まず、1時間あたりに支払うことができる「上限価格」を設定し、市場価格がそれよりも低ければ、インスタンスを使用することができます。このため、市場価格が上限価格を超えると、インスタンスが停止してしまうので注意が必要です。その分スポットインスタンスは、オンデマンドインスタンスよりも安価な価格で使用することができます。とにかく価格を抑えたい場合や、インスタンスが途中で止まっても、ある程度問題ないような場合はおすすめです。
Amazon EC2の導入方法
最後にAmazon EC2の導入方法について簡潔に紹介します。
まずは、AWSのオフィシャルページから、「AWSマネジメントコンソール」にログインします。ログインしたらアカウントをセットアップします。この時アカウントがまだない場合は、新たにアカウントを設定しましょう。次に、自分の使う用途に適したスペックのインスタンスを選択します。インスタンスは途中で変更したり増やしたりすることもできます。選択が終わったら、Amazon EC2ダッシュボードを開き、「インスタンスを起動」をクリックしてください。インスタンスの起動後、手順に沿ってセットアップを行えば、晴れて初期設定は完了です。
なおAWSだけに限らず、クラウドサービスはアップデートに伴い導入方法が変わる可能性がある他、新しいプランが登場することもしばしばです。そのため最新のサービス内容や料金体系、導入方法を調べる場合は、サービスのオフィシャルサイトを確認することをおすすめします。
Amazon EC2の扱いが得意な企業は?
ここまでご紹介したように、Amazon EC2はAWSに含まれるサービスの1つです。そのためAmazon EC2だけではなく、AWSの他のサービスも使用したいという企業も少なくないでしょう。
ですが、サーバをはじめとしたインフラ構築は、専門的な知識が必要です。ITの知識が豊富でなければ分からない部分もでてきて、時間がかかる可能性があります。そこで、おすすめなのが外部のシステム会社に依頼する方法です。多少コストはかかりますが、システム開発の時間を削減することができ、理想のインフラを構築することができます。Amazon EC2をはじめとした、AWSの導入や構築を得意とする企業は、別ページで詳しく紹介しているため、参考にしてみてはいかがでしょうか。
今回は、Amazon EC2とAWSについて概要から導入方法までご紹介しました。AWSやAmazon EC2はクラウドサービスなので、ハードウェアが不要でサービスを早く導入することができます。外部に依頼する場合は、発注ナビが便利です。無料で見積もりが出せて、悩みに沿った適切な外注先を探すことができます。まずは気軽に相談してみましょう。
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