昨今、ビジネスが変化するスピードがとても早くなってきており、企業は変化のスピードに適応していくことが求められています。ビジネスの変化に対応していくためには、自社の運用体制を適したものに変化し続ける必要があります。様々な基幹システムなどを活用して業務を行っている現代において、それぞれのシステムを円滑に運用するための基盤システムは欠かすことができません。基盤システムを導入することは、自社の業務をスムーズにし、市場での競争力を維持することに貢献します。そのため基盤システムの導入を考えている企業は多いでしょう。本記事では「基盤システムとはどのようなものか」という基本的な点から、自社の基盤システムの見直すべきポイント、失敗しない基盤システムの導入方法などを解説します。
目次
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基盤システムとは?
基盤システムとは、企業が業務で利用する基幹システムなどを運用していくための下地になるシステムです。情報システムのインフラと言われることも多く、企業活動における根幹を成すシステムと言っても過言ではありません。
基盤システムは、企業が行う基幹業務である人事管理、購買管理、財務会計、営業支援、在庫管理などの基盤になるものです。そのため基盤システムの動きが停止してしまうことは、企業の業務も停止してしまうことを意味します。企業が業務を行うためには、安定性のある基盤システムが欠かせません。基盤システムが機能することは、様々なアプリケーションが問題なく運用することにつながります。
基盤システムの役割
基盤システムの役割は、企業が導入しているシステムやアプリケーションのすべてを制御して最適な状態で運用していくことです。そのため業務で扱う以下のようなものは、すべて基盤システムによって制御されています。
要素 | 主な機能 |
---|---|
サーバー | 業務システムなどを稼働させるために、運用するコンピューター。 |
ネットワーク | 業務で扱うデータなどをコンピューター同士でやりとりを行う接続技術。 |
OS | 「Operating System」の頭文字を取ったもの。ユーザーとハードウェアをつなぐ役割を果たす基本ソフトウェア。 |
ミドルウェア | ソフトウェアの一つで、OSとアプリケーションの間に位置するもの。ミドルウェアを活用することで、複雑な処理が可能になる。 |
データベース | 業務で扱うデータを集めたもの。決まった形式で整理されており、コンピューターシステムに電子的に格納されている。 |
LAN | 「Local Area Network」の頭文字を取ったもので、限定されたネットワークを結ぶことができる。社内で扱うものを「社内LAN」などと呼ぶ。 |
PC、スマホ、タブレット、プリンタ | 業務で扱うシステムやアプリケーションを操作するもの。様々なデバイスを活用することで、業務効率化につながる。 |
業務アプリケーション | 企業で行う業務にコンピューターを活用して、効率的に進めるために開発されたプログラム。 |
基盤システム導入の目的
基盤システムを導入する目的は、様々な業務を基盤システムによって統合することで、企業の競争力を強化していくことです。ビジネスのグローバル化が進み、従来のビジネスの進め方では競争力を保つことができなくなってきています。企業として競争力を強化することが求められてきています。また、昨今では働き方改革の重要性が高まっており、業務効率化や生産性向上はもちろんのこと、出社しなければ業務が行えないという考え方も見直されるようになってきました。こうした背景からITの積極的な活用が進められ、これらの課題を解決しようという動きも増えています。
例えば、人事管理、購買管理、財務会計などに基幹システムを導入し、業務の効率化を図っている企業は数多くあります。しかしこうした基幹システムで運用している業務でも、データ等をきちんと扱えなければ効果を発揮しているとは言えません。グローバル化が進んでいる現代において、様々な業務から抽出されたデータを統合し、効果的な施策を打つことは必須です。データを効果的に扱えることで、適正な経営判断ができ、競争力の強化につながっていきます。
また、基盤システムを導入すると、ITインフラが整備されます。ITインフラが整うと、働き方改革にも大きな影響を与えることが可能です。新型コロナウイルス感染症の拡大をきっかけに、多くの企業でテレワークの推進が行われました。テレワークなどの業務をスムーズに行うためには、ネットワークやPC、業務アプリケーションなど、様々な環境整備が必要です。働き方改革を実現させ業務効率化を達成するために、インフラとして機能する基盤システムの導入が重要になっています。
自社の基盤システムを見直すべきポイント
自社の基盤システムで見直すべきポイントは、主に以下の3点です。
それぞれのポイントについて、具体的にどのように見直すべきかを解説していきます。
●安全性
安全性とは文字通り、自社の業務を安全に行うために確認するポイントです。自社で扱う業務は、バックオフィス業務から現場の最前線で行う業務まで幅広く存在します。現代において、これらの業務は別々で独立しているわけではなく、ネットワークを介してつながっていることがほとんどです。企業によっては、クラウド環境などを活用して外部にデータを保存している場合もあるでしょう。こうしたネットワークは一歩間違えてしまうと、不正アクセスなどのトラブルが起こってしまう危険があります。そのためネットワークの安全性を高める施策を実施し、セキュリティを強化することが必要です。
具体的には内部対策と外部対策の2つです。
内部対策とは、自社に勤める従業員および役員に向けた対策です。社内でのセキュリティに対する規定を明文化し、周知徹底することで安全性が高まります。業務で扱うデータをUSBにコピーすることを禁止したり、ウイルス対策ソフトが最新版になった場合、速やかにアップデートを行うよう周知したりします。
一方、外部対策としては、セキュリティシステムを導入することが挙げられます。セキュリティシステムを導入することで外部からの不正アクセスを遮断する、ログ追跡ができるようにするなどの対策が可能です。企業で扱っている情報が外部へ流出してしまった場合、企業の社会的信用は失墜してしまいます。事前の十分な対策が求められるでしょう。
●快適性
快適性とは、業務がスムーズに行われ、生産性が向上することです。PCやサーバーを導入したからといって、安心はできません。導入しているシステムやアプリケーションを稼働させるためのスペックが足りない場合、スムーズな業務を行うことはできません。特にシステムの入替時に、以前から利用していたPCを継続して利用しようとすると処理能力が大幅に低下してしまい、業務効率が落ちてしまうことがあります。業務効率が落ちると、生産性は向上しません。従業員のモチベーションも落ちてしまいます。反対にPCの処理能力が十分あれば、データの確認などに無駄な時間が発生せず、業務の快適性が向上します。そのためにはPCやサーバーのスペックを十分に確保する、ネットワーク環境を強化することが重要です。業務が快適に進められるかを確認することも、基盤システムを導入する際に見直すべきポイントになります。
●耐障害性
耐障害性とは、ネットワーク障害が発生した際に速やかに復旧できる体制を整えておくことです。昨今では自然災害などが断続的に発生しており、想定外の事態によって業務が停止してしまうことも少なくありません。こうした事態に備えるために「BCP対策」を行っている企業も多くあります。「BCP対策」とは、緊急時に事業資産の被害を最小限に抑え、速やかに事業を復旧・継続していくための対策です。なるべく業務を止めない施策を、企業側が実施することが求められています。
具体的な対策としては、既存の業務環境をクラウド環境に移行することなどです。クラウド環境に移行することで、災害などで事務所が利用できない場合でも、インターネットに接続できる環境であれば、速やかに業務を再開することが可能です。システムの停止が起こらないような施策を実施するのはもちろんのこと、停止した際にも速やかに通常業務に戻り、業務を止めないように対策を行うことが大切です。特に基盤システムが停止してしまうと、企業の根幹にかかわる業務が停止してしまいます。基盤システムが停止しないような施策、障害発生時の復旧プランなど事前に考えておくと良いでしょう。
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基盤システム導入・見直し時の失敗例
基盤システムは闇雲に導入しても、きちんとした運用ができず失敗に終わってしまいます。事前にどのような失敗例があるかを確認しておくことで、自社の導入時に同じ失敗を起こさないように対処することができます。本章では、基盤システム導入時にどのような失敗が多いかを解説していきます。
●マッチングの失敗
基盤システムを導入する際は、自社に適したものを導入しなければなりません。基盤システムを導入したとしても、自社が求める要件に適していなければ、活用できない業務が出てきてしまう恐れがあります。加えて、導入後にスムーズな運用ができなければ、担当者の負担は大きくなってしまいます。事前に自社のニーズをきちんと把握し、対応した基盤システムを導入することが大切です。
●現システムの業務内容を継承できない
基盤システムは、現在自社で活用している基幹システムの基盤となるものです。既存の基盤システムとの親和性も大事になります。現行システムの親和性が取れていない場合、基盤システムを導入することによる変更が大きくなってしまい、業務への影響や社内の混乱も大きくなってしまいます。最悪な場合、アナログ的に解決する必要が出てきてしまうため、現行システムから業務内容を継承できるかなどの親和性のチェックは重要です。
●扱える人材がいない
基盤システムを導入したとしても、扱いづらいシステムだとその効果を最大限に発揮することができません。システムの運用が難しく、社内に扱える人材がいなければ、せっかく良いシステムを導入したとしても本末転倒になってしまいます。誰でも利用がしやすい、使いやすいシステムを選ぶことが大切です。また、あまりにもシステムの利便性ばかりに目を向けてしまうと、現システムからの変更が大きくなってしまう恐れもあります。変更が大きすぎると、従業員の混乱も大きくなってしまうため、バランスを見るのが大切です。
自社リソースで基盤システムを設計・構築するべきか
基盤システムを導入する場合、自社リソースで導入するケースと外部委託を活用するケースが考えられます。それぞれのケースでも、自社に合う基盤システムを導入することが最も大切です。本章では、それぞれのケースでのメリットについて解説していきます。
●自社リソースを使うメリット
自社のリソースを使うメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。
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情報が外部に漏れる心配がない
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コストを抑えられる
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自社に合ったシステムを作りやすい
まず「情報が外部に漏れる心配がない」ことがメリットです。外部委託をしてしまうと、自社内のシステム要件などを外部に公開する必要があるため、情報の外部流出の恐れがあります。一方で社内リソースであれば、すべて社内で完結できるため情報が外部に漏れる心配はありません。
社内リソースを活用することで、外部委託よりコストを抑えることも可能です。システムに精通している人材が多い場合は、社内リソースを有効活用すると良いでしょう。また、自社のシステムのことをきちんと分かっている人材が開発するので、自社に合ったシステムが開発できます。導入後にきちんとした運用が行えないなどの恐れは少なくなります。
●外部委託するメリット
外部委託を行うメリットは以下のようなものが挙げられます。
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開発のプロが行う
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生産性の低下が起こらない
外部委託をお願いするシステム開発会社は、文字通りシステム開発のプロになるため、安心してシステム開発を任せることができます。システム開発時にディスカッションやコミュニケーションを頻繁に取ることで、自社の運用に合っていないシステムが開発されてしまうなどの恐れが少なくなります。
また、外部委託を行うことで、自社のリソースを基盤システム開発に割く必要はなくなります。そのため自社の業務に集中することができます。自社のリソースが整っていない、社内に高度な技術者がいない場合は、外部委託を積極的に検討するのも良いでしょう。
失敗しない基盤システムとその委託先の選び方
外部委託をする場合、自社に合っていない委託先を選んでしまうと自社の発展にはつながらなくなってしまう可能性があります。本章では以下の3つの観点から、失敗しない基盤システムとその委託先の選び方を解説していきます。
●自社業務への適応が容易
現在の自社の業務内容から大きく改革を行いたくない場合は、適応が容易なシステムを選ぶことが大切です。適応が容易なシステムを選ぶことで、社内に大きな混乱を起こすことなく、スムーズな運用を開始できます。特に日本企業には複雑なフローが存在していることが多々あります。こうした複雑なフローに対応できるシステムを選択することも良いでしょう。
●セキュリティ対策が十分
セキュリティ対策は最も重要です。繰り返しになりますが、情報等が外部流出してしまうと企業の社会的信用が失墜してしまうからです。具体的にはアクセス権限を細かく設定できる、アクセスログがきちんと残るシステムであると良いでしょう。万が一、情報漏えいが起こってしまった場合、アクセスログをたどることで迅速な対応が可能になります。
また、こうしたログが残ることで、社内のセキュリティ意識が高まり、不正処理等のリスクも軽減できます。
まとめ
基盤システムを有効的に活用することで、自社の業務を効率的に進められるようになります。自社内の基幹システムの運用で、情報共有などが上手くいっていない場合は、基盤システムを見直すことがおすすめです。ぜひ自社に適した基盤システムを導入して、市場での競争力の維持や働き方改革などにもつなげてみてください。
基盤システムを導入したいけれど、自社でシステムを開発するにはリソースが足りていない場合などは、外部委託で基盤システムを開発するのがおすすめです。外部委託を検討する場合は、発注ナビをぜひ活用してみてください。発注ナビでは、専門のコンシェルジュが要望をしっかりとヒアリングし、最適な開発会社の紹介を行います。相談からお見積もりまで完全無料ですので、まずは気軽にご相談ください。
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