顧客への請求書をWordやExcel請求システムを使って発行する企業は少なくありません。しかし、WordやExcelでの請求書発行は効率が悪くなりがちです。また、使い勝手の悪い請求システムを使ってしまい、新しい請求システムを探している方も多いでしょう。そこで今回は、必要な機能を押さえた請求システムが必要という方に向けて、失敗しない請求システムの選び方や費用相場を中心に解説していきます。
目次
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請求システムを導入するメリットとは
請求システムを導入するメリットとして、以下のものが挙げられます。
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請求書の作成効率化
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発送作業の手間の削減
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請求漏れや誤請求の防止
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クラウド化でのリモートワーク支援
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チーム内での見積もり共有
●請求書の作成効率化
請求システムには、予め請求書作成のフォーマットが用意されています。WordやExcelで作るものよりも高品質なものが多く、かつ簡単に請求書が作成できます。取引先や品目が同じ場合、毎回一から入力するのは手間がかかります。しかし、自動作成機能があれば、同じ入力項目は自動的に次回以降も表示されます。そのため、大幅な業務効率化が見込めます。
●発送作業の手間の削減
請求書を一つ一つ手作業で発送すると、取引先が多い企業の場合は特に、それだけでかなり工数がかかってしまいます。しかし、請求システムの郵送代行サービスを活用すれば、1通あたり150円から200円程度で発送作業の代行が可能です。発送作業を代行している間に、別の業務に取りかかることもできる、そういった面でも業務効率化が見込めるといえます。顧客によっては電子メールで請求書を送ることもでき、発送作業自体が必要なくなります。請求システムの中には自動でメールを発送してくれる機能もあるため、積極的に活用していきましょう。
●請求漏れや誤りのある請求の防止
請求漏れや誤りのある請求は、企業間の信頼に影響を及ぼします。ヒューマンエラーによるミスは、完全に防止するのは困難です。ただし、請求システムのミス防止のための機能を活用すれば、そのリスクを最小限に抑えられます。
●クラウド化でのリモートワーク支援
インターネット環境で使える請求システムがあれば、場所を問わず請求書の作成・発送作業が進められます。そのため、クラウド環境で利用できる請求システムを用意することで、経理部門や営業部門のリモートワーク化を進めることも可能です。
●チーム内での見積もり共有
請求システムがクラウド上で管理・操作できるものの場合、チーム内で見積もりの共有が可能です。リアルタイムで情報が更新され、クラウド上なら誰でも同じファイルの操作ができます。その機能を活用すれば、より業務が効率化できます。
失敗しない請求システムの選び方
請求システムを選ぶ際には、以下のポイントを押さえて選ぶことが大事です。
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業務範囲
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現在運用しているシステムとの連携性
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業務自動化の範囲
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業務形態に合う機能の有無
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十分なセキュリティレベルの有無
●業務範囲
請求システムは、どこからどこまでの範囲を処理していくかによって選ぶシステムが変わってきます。請求書作成から発送までの処理ができるものだけでなく、入金管理や催促などの範囲まで対応できるシステムもあります。どこまでの業務範囲をシステム化するか考えた上で、導入する請求システムを決めましょう。また、将来的にシステム化したい部分が増える可能性もあります。そのため、システムのカスタマイズ性も視野に入れておくのが理想です。
●現在運用しているシステムとの連携性
請求システムでできるのは請求書の作成からで、請求金額を取り込む作業は別のシステムの役割になってきます。そのため、別システムと請求システムとの連携性も必要です。ただ、請求書の作成頻度がそこまで多くない場合、請求システムだけでも請求金額の取り込みは簡単です。請求金額の取り込みにかかる手間の大きさを踏まえて、システムの連携性も考慮してください。
●業務自動化の範囲
請求システムやほかのシステムとの連携で、どこまで自動化させられるのかもチェックしておきましょう。例えば、先に挙げた郵送代行機能も自動化できる機能です。郵送する必要のある請求書が多い場合には、この機能を積極的に使っていきましょう。
●業務形態に合う機能の有無
このほか、請求書作成の業務形態に合った機能があるかどうかも確認してください。企業によって案件ごとに請求書を作成するところもあれば、顧客ごとに請求書を作成するところもあります。どちらの形態なのかによって適切な請求システムが変わってきます。また、請求システム導入の前に、請求書発行の業務の見直しをしてみても良いでしょう。
●十分なセキュリティレベルの有無
発行した請求書の情報が漏洩しないように、請求システムのセキュリティレベルの高さも配慮しましょう。企業間の取引情報が漏れると、そこから新事業や新商品の情報など機密情報が漏れてしまうこともあります。現代は、いつ情報が盗まれるかわからない時代であるため、セキュリティ面を考慮しておくのが良いでしょう。
チェックしておきたい基本機能
請求システムを導入する際には、以下の機能があるかどうかをチェックしておきましょう。
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請求書作成機能
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取引先への送付機能
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書類の保存と管理機能
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会計ソフトとのAPI連携機能
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自動入金消込機能
●請求書作成機能
基本的な機能として、請求書作成機能は必須です。取引先、品目の自動入力補助機能が搭載されているため、ある程度慣れてきたら効率的に請求書作成ができます。請求書作成機能と合わせて、CSVインポートによってCSVデータを読み込む機能も必要です。また、請求書と納品書のフォーマットを自由に変えられる機能や請求書を複製、合算できるような機能もあると便利です。
●取引先への送付機能
また、取引先への送付を効率化させる機能も重要です。たいていの請求システムでは、請求書の作成が完了すると、取引先に請求書を添付したメールが発送できる機能も備わっています。中には、そのメールのやり取りの際にパスワード設定ができる、セキュリティを意識したものもあります。このほか、郵送代行の機能が備わった請求システムもあります。郵送での処理が必要な場合は、郵送代行機能を使い、ミスを少しでも減らせるようにしましょう。
●書類の保存と管理機能
請求書を保存する機能や、その請求書をすぐに呼び出してチェックできる管理機能もあると便利です。請求書をステータスやタグで検索したり、入金アラートなどで支払期限の管理をしたりできます。中には、請求書に記載されているデータから直接仕訳するものもあります。
●会計ソフトとのAPI連携機能
会計ソフトとのAPI連携機能があるかどうかも、システムの導入前にチェックしておきましょう。ここでいうAPIはソフトウェアやプログラムなどの間をつなぐインターフェースのことです。基幹システムの顧客情報と連携させることで、請求書の自動作成もできます。
●自動入金消込機能
一部の請求システムの中には、請求書の消込を自動で行える機能も備わっています。金融機関と連携することができ、一度手動で消込を行えば、それ以降は同じ内容の請求書が自動で消込されていきます。毎回消込する必要がなく、業務を効率化させることが可能です。
導入タイプで考える費用相場
請求システムを導入する際には、パッケージソフトで導入する方法とゼロから独自開発して導入する方法の2つがあります。
それぞれの方法の違いを以下の表に簡単にまとめました。
パッケージソフト | 独自のシステム | |||||||||
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費用相場 | <クラウド型> 初期コスト:無料~5万円程度 月額料金:500~1,000円程度 <オンプレミス型> 初期コスト:50万~200万円 |
100万円程度 | ||||||||
特徴 | スタンダードな機能が備わっているソフトを購入する方法 | ゼロから自社専用のシステムを開発してもらう方法 | ||||||||
・すぐに導入しやすい | ・自社の業務に合ったシステムが導入できる | |||||||||
メリット | ・クラウド型だと安いコストで導入しやすい | ・システムの運用・管理までしてもらえる | ||||||||
・オンプレミス型だとカスタマイズもしやすい | ・機能のカスタマイズも可能 |
こちらの表を基に、それぞれの導入方法の特徴などについて見ていきます。
●クラウド型のパッケージソフト
パッケージソフトは、初めからスタンダードな機能が搭載されており、すでに1つのシステムとして形ができているものです。契約すればすぐに使えるため、早く請求システムをすぐに導入したい方におすすめの方法です。また、クラウド型のパッケージソフトは、中小企業でも簡単にシステムを導入しやすい特徴があります。月額課金制となっており、毎月一定額が発生する代わりに初期コストを抑えてシステムを導入できます。
●オンプレミス型のパッケージソフト
パッケージソフトの中でも、オンプレミス型は自社にサーバーを設置してシステムを運用するシステムです。自社にサーバーを設置するとなるとそれだけ高いコストがかかってしまいます。しかし、システム管理が自社で完結するため、セキュリティ性が高いものが多いです。さらに、クラウド型だと機能面のカスタマイズ性に欠けてしまいますが、オンプレミス型ならカスタマイズもしやすいです。
●オンプレミス型の独自開発品
独自開発して請求システムを導入する方法では、ゼロから自社に合ったシステムを導入することができます。そのため、自社の業務に合わないといったことが起こりにくい特徴があります。同じ業種でも会社ごとで独自の業務システムを採用しているところも少なくありません。独自開発のシステムならその仕組みに合った請求システムを導入しやすい点はメリットといえます。ただ、コストや導入までの時間がかかりやすい点を留意しておきましょう。
システム開発会社を選ぶ時のコツ
請求システムを独自開発で導入する場合、開発環境やノウハウがないと、自社で開発するのが困難です。そういった場合は、システム開発会社に外注(アウトソーシング)する方法がおすすめです。アウトソーシングでシステム開発会社を選ぶ際には、以下の点をチェックして依頼先を決めるようにしましょう。
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業績が安定しているか
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自社の扱う業種での開発実績が豊富か
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コミュニケーション能力が高いか
独自開発でシステムを導入する場合、基本的に5年から10年程度の長いスパンで運用し続けていきます。そうなると、その過程で機能改善やアップデートが必要です。しかし、その作業をしてくれる依頼先がなくなってしまってはアップデートも困難になります。そのため、業績が安定しているところのほうが安心して依頼しやすいでしょう。
また、システム開発会社によって持ち合わせている実績は異なります。自社で扱っていない業種での実績より自社で扱っている業種の実績があるところのほうが失敗のリスクが少なくなります。さらに、実績のあるところはコミュニケーション能力が高く、顧客の要望に沿ったシステムを作ってもらいやすいところも多いでしょう。評判などもチェックしつつ、システム開発会社ごとの実績も確認して依頼先を決めていきましょう。
●開発を依頼する時の注意点
システム開発会社を選ぶ際には、最低でも以下の4つに注意してアウトソーシングしてみてください。
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システムの仕様をあらかじめ決めておく
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費用だけで依頼先を決めない
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システム開発を依頼先に丸投げしない
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運用方針も考えておく
システム開発を依頼するからといって、全部をシステム開発会社に丸投げするのはおすすめしません。システムの導入は、課題があってその課題を解消するために行うものです。どういった課題を抱えているのかは、現場の従業員でないとわかりません。事前に自社でどんな課題があり、その課題の解消にどんな機能が必要なのかを決めておく必要があります。その際に、システム導入後の運用方針も考えておくと良いでしょう。
開発環境やノウハウが自社にない場合、独自のシステムはシステム開発会社へ依頼するのが理想です。おすすめシステム開発会社は以下のページでご紹介しています。
しっかりと要件を確認して業務の効率化を
請求システムは請求書の作成だけでなく、相手の企業への請求書送付、過去の請求書の管理や活用にも役立つシステムです。請求システムを導入すれば、請求書関連の業務が効率化できます。その分新しい事業に着手したり、業務効率化によって生み出すことのできた利益を社員に還元したりできます。
しかし、これまで請求システムを導入してきて失敗したという方もいるかもしれません。そういった方は、業務範囲や既存システムとの連携性、業務形態に合った機能の有無などを確認してみてください。もし明確な課題があることでシステムを導入していないなら、今回の記事の内容を参考に、再度システム導入を検討してみましょう。
もしも、自分たちだけでのシステムの導入が不安な場合は、外注の開発会社に委託するのも手です。発注ナビでは専門コンシェルジュがしっかりとヒアリングを行い、最適な開発会社とのマッチングをお手伝いします。外注の開発会社委託をされる際には、ぜひご利用ください。
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