企業のブランディングや、ホームページ制作、ロゴ制作といったクリエイティブ案件を得意とするキュア合同会社。設立当初は紹介案件がほとんどで、新規顧客の開拓に課題を抱えていた。そこで同社は発注ナビの利用を始めたが、想定していた成功イメージとのギャップがあり上手く使いこなせていなかったという。それでもカスタマーサクセスのアドバイスを受けながら使い続け、自社なりの使い方を確立し、利用開始1年で3件の案件を受注することができた。成功の秘訣について、代表の本田 友樹氏にお話を伺った。
社名 | キュア合同会社 |
---|---|
所在地 | 東京都国分寺市南町3-22-31 島崎ビル402 |
従業員数 | 1 – 30名 |
事業内容 | ブランドデザイン・マネジメント関連事業(コンサルティング、企画、制作、運用、開発) プロモーション、商品開発、イベントの企画、制作、運営 グラフィックの企画、制作 Webサイトの企画、デザイン、運用、開発 雑誌・書籍の編集およびデザイン、広告デザイン |
掲載カテゴリ |
- 導入前の課題
設立当初は以前からの実績を基とした紹介案件で回っていたが、ホームページ制作の周期は3~5年に1回程度と考えると、今後の事業拡大のために新規顧客の開拓が必須に。早速、営業担当者やインサイドセールス代行業者に委託して開拓を進めたが、関係性がまだ十分に出来上がっていない新規顧客に対して「困りごとをクリエイティブの力で解決できる柔軟な対応力」という自社の強みをアピールすることが難しく、案件の獲得につながらなかった。
- 導入後の効果
発注ナビの利用開始当初はサービスを上手く使いこなせていなかったが、専任アドバイザーとの話し合いで利用方法をブラッシュアップしながら、とにかく使い続けることを重視。「コンスタントなエントリーを継続する」、「工数と予算のバランスが良い案件やクリエイティブの重要性への理解が深い案件を選ぶ」など、アドバイスを基に自社なりの発注ナビ利用法を少しずつ確立していき、利用開始約1年間で3件のホームページ制作案件を受注することに成功した。
事業拡大のためリファラル中心からの脱却が急務に
2015年設立のキュア合同会社は、ホームページ制作やCMS構築をはじめ、企業のブランディングとブランドデザイン、ネーミング、ロゴ制作から、会社案内やカタログ、パンフレットなどの印刷物まで幅広く対応できるクリエイティブのプロ集団だ。
代表の本田氏はクリエイティブ業界で30年以上のキャリアを誇り、同社のメンバーにもエンジニアやデザイナー、カメラマンにライターなど、それぞれの分野のエキスパートが揃っている。「お客様から『こんなことできないかな』とご相談をいただければ、大抵のことは社内のプロフェッショナル同士でチームを組んでやり遂げることができます。これが当社の最大の強みです」(本田氏)という。
企業の多くは、自社のホームページ自体は持っているものの、企業ブランドのコンセプトを打ち出せていないケースが多い。同社では企業の個性を打ち出すブランディングや世界観を伝えるようなデザインを提案し、顧客の困りごとをデザインの力で解決することを目指している。ホームページの新規制作はもちろん、リニューアルにも力を入れており、顧客が抱える課題の解決に貢献し、ブランド向上につながるようなクリエイティブに取り組んでいる。
このような特徴を持つ同社は、設立からしばらくは本田氏の長いキャリアからくる紹介(リファラル)案件を中心に、新規案件の獲得に困ることはなかったのだという。
しかし、企業がホームぺージをリニューアルするのは一般的に3~5年に一度くらいのペースとされている。そうなると、ホームページの新規制作を同社に発注した顧客から再び制作を依頼されるのは最長で5年後になる。もちろん、その間にホームページの運用保守、メンテナンス、小規模な改修などの依頼を受けることもあるだろう。しかし本田氏は、それなりの規模の案件を継続的に受注するのは、やはり新規顧客の開拓が必須だと考えるようになった。
そこで、同社では営業担当を雇って新規顧客開拓を任せてみたり、インサイドセールスの営業代行サービスを利用したりしたという。しかし本田氏曰く、成果は全く出なかった。
そもそも、同社の強みは『顧客からのリクエストに対する柔軟な対応力』だ。その強みを発揮するには、まずは顧客から困りごとやリクエストを聞けるだけの関係性を作らなくてはならない。営業担当者や、インサイドセールス代行業者に依頼するにしても、この商品・サービスをいくらで売っていますと目に見えるモノを一定の価格で売るのとは営業スタイルが全く異なる。その点に同社は苦慮したのだという。「当社の強みや特徴をしっかりと理解して、新規のお客様に説明する、まずは、そこが難しいのか、全然、成果はありませんでした。そこで、マッチングサービスの利用を検討したのです」(本田氏)。
エントリーすれば確実に新規顧客との商談機会を得られるのが発注ナビのメリット
マッチングサービスを利用すれば、少なくともリード情報は手に入るはずだ。リード情報を手に入れることさえできれば、それを基に連絡を取り、同社の強みや特徴を説明する機会を得て、新規案件の獲得につながるかもしれない。そう考えた同社はいくつかのマッチングサービスを検討し、2018年、発注ナビに登録した。ただし同社は2018~2023年までの約5年間は無料登録のままであり、実際は発注ナビの利用はほぼゼロの状態だった。
実は、同社は発注ナビに登録をしたのとほぼ同じタイミングで、ほかのマッチングサービスの利用も開始している。当初は発注ナビよりも別のマッチングサービスの方がホームページ制作やクリエイティブに関する案件が多くあったため、新規顧客開拓は別のマッチングサービスを中心に行っていたのだ。
発注ナビは登録しただけでいわば『様子見』の状態だったが、2023年から改めて本格的に利用を開始した。「無料登録期間中にどのような案件があるのを確認できるのですが、当社が狙っている企業や商品・サービスのブランディングなども考慮したコーポレートサイトの制作といった案件が徐々に増えてきたのです。そこで、2023年に本契約をして利用を開始しました」(本田氏)。
本田氏が発注ナビの利用を開始した大きな決め手は案件数が安定していることだが、一方で発注ナビのシステムにもメリットを感じたという。
同社が利用していたもう一つのマッチングサービスは、エントリーしたシステム開発会社やホームぺージ制作会社の情報を発注者が確認し、どこに発注するかを選定できるような仕組みだった。
対して発注ナビは、発注者がエントリーしてきた中から発注先を選ぶケースもあれば、案件に適したシステム開発会社やホームぺージ制作会社を発注ナビ側が選び、発注者に紹介するというケースもある。「当社がエントリーした案件数のうち一定割合が紹介案件になる。それなら、コンスタントにエントリーをしていけば毎月数件は新規の商談の機会を得られることになります。これは当社にとってメリットが大きいと感じました」(本田氏)。
最初はうまくいかなくても、使い続けることで着実に成果は出る
こうして同社は2023年3月から本格的に発注ナビの利用を開始し、1年数か月の間に3件のホームページ制作案件(総額180万円)の受注に成功した。本田氏はこの成果にある程度満足はしているものの、最初から簡単に受注できたわけではなかったと話す。「実際に利用を開始してみると、さまざまなところで契約前のイメージと違うことがあったのです」(本田氏)。
具体的な例を挙げると、発注ナビから日々送られてくる案件情報の内容だ。企業名は伏せた状態で送られてくる上、案件詳細の主要箇所の一部分が伏字の場合もある。そのため本田氏は、発注者がどういう企業なのかが正確に分からず、案件情報を見てもその案件が本当に自社にマッチしたものなのかが判断できなかったためにエントリーを迷うことがとても多かったのだそうだ。
「正直、最初の頃は戸惑いや不満、『契約前に聞いた話と少し違うのではないか』と思うこともありました。それでも、発注ナビの利用を止めようとは思いませんでしたね。発注ナビの専任アドバイザーがこちらの疑問や不満に対して真摯に耳を傾けてくれて、逃げずになんとか応えようとしてくれているのを、なんとなく感じていたからです」(本田氏)。
同社に限らず、実際、発注ナビを利用開始してから『こういうものだとは思っていなかった』と不満や疑問を感じる加盟社もあるかもしれない。そうならないよう、事前に無料登録期間を設定したり、丁寧な説明をしたりすることを心掛けてはいても、お互いの認識のわずかなズレも完全になくすことは難しいときもあるかもしれない。そんなときでも本田氏は、「戸惑いや不満があるからといって、利用をやめてしまっていては、非常にもったいなかったと思います」と振り返る。
「専任アドバイザーに疑問点などを率直にぶつけて改善してほしいことをリクエストしたり、相談してアドバイスをもらったり、商談でコンペになった他社のやり方から自分たちが反省すべき点を学んだりしていく中で、『自社なりの発注ナビ利用法』をブラッシュアップしていけば、安定した受注を獲得できるようになると思っています。まさに当社がそうでした。だから3件、受注できたのだと思っています」(本田氏)。
自社に合った発注者と出会うまでは我慢も必要。発注ナビは一緒に我慢してくれる
さて、使い続けることで成果を挙げた同社だが、本田氏によるとエントリーでの工夫にも余念がないようだ。「単純に金額の大小だけではなく、『工数と金額のバランス』を考えること、もう一つは『クリエイティブの重要性を理解している発注者かどうか』を見極めること。この二つを考えてエントリーしています」(本田氏)。その上で、クリエイティブの重要性を理解していると見込まれる発注者の案件なら、仮に予算が100万円なら10万円程度を削った見積もりを出し、受注後の長い付き合いを想定して戦略を立てるなどの匙加減もしているとのことだ。
本田氏は今後も、発注ナビを積極的に使っていきたいと考えている。「エントリーから紹介案件になって商談という流れは、正直、発注者との巡り合わせが左右する部分もあると感じています。それでもコンスタントに使い続けて結果を出していくこと、その気持ちが大切だと感じています。発注ナビに限らず、マッチングサービスはその特性から、良い発注者と出会えるまでは我慢も必要だと思っています。その点、発注ナビはサポートしてくれる担当者がついてくれるので、一緒に我慢をしてくれる感じです(笑)。相談したり情報を共有してもらったりすることで、仲間が一人増えた、と思えるサービスです」(本田氏)。くじけず頑張るという姿勢を大切に発注ナビを使い続けたことで、同社は確かな手応えを感じているようだ。
新規案件開拓の課題は「発注ナビ」で解決!システム開発に特化したビジネスマッチング
■関連リンク
■導入事例インタビュー