情報化社会になって、データベースの存在は企業にとってかなり大きなものとなりました。そこでデータベースの構築を検討している方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、データベース構築にかかる費用相場やデータベース構築の基本要素、データベース構築の流れについて解説していきます。
この記事では、「データベース構築にかかる費用」、「データベース構築の流れ」、「データベース構築でありがちなミスと解決方法」といった3つのポイントを中心にご紹介します。
目次
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データベース構築にかかる費用相場
データベースと一言でいってもその種類はさまざまで、小規模なものから大規模なものまであります。そして、どのくらいの規模感なのかによって費用は変わってきます。
実際にデータベース構築にかかる費用相場は以下の表の通りです。
データベースの種類 | 費用相場 |
---|---|
SOHO向けのシンプルなデータベース | 5万円~ |
中小企業向けのシンプルなデータベース | 20万円~ |
業務システム用のデータベース | 100万円~ |
大企業向けのシンプルなデータベース | 300万円~ |
基幹システム用のデータベース | 500万円~ |
簡易なものであれば5万円程度で構築することができますが、その企業の根幹をなすシステムとなってくると500万円以上かかってくることも珍しくありません。ただ、実際は企業規模の大小というよりデータベースを構築する、「テーブル:シート」、「レコード:行」、「カラム:列」、「フィールド:セル」などが費用相場の大小を左右しています。
これらのデータベースを構築する要素の数量が多いと料金相場が高くなり、少ないと料金相場が安くなるのがポイントです。データベースの表を見てわかるように誰向けのものでどういった目的のデータベースなのかによっても分類されています。テーブルやレコードとカラム、フィールドの数をデータベース構築の参考にしてみてください。
契約前に見積書の作成を依頼しよう
データベースの構築を依頼する前には、いきなり依頼をするのではなく、見積書の作成を依頼するところから始めたほうが良いです。いきなり依頼をすると想像していたよりコストがかかってしまうという可能性があります。少しでも機会損失の発生を抑えてコストをカットするためにも、複数の企業に対して見積もりを取って、最も条件の良いところにデータベース構築を依頼するようにしましょう。
また、見積書のどういったところを見れば良いのかわからない方もいると思われます。
その場合は、以下のリンクに見積書のどこを見れば良いのかまとめてあるので、気になる方は「システム開発における見積もりって何をチェックすればいい?」をチェックしてみてください。
依頼するシステム開発企業の見極め方
データベースの構築をシステム開発企業に依頼する場合は、どこに依頼するのかが問題となってきますが、単に見積書で算出された金額だけで判断して良いわけではありません。システム開発企業をどこに依頼するか判断するために、以下のことを意識して見極めていく必要があります。
-
データベースエンジニアが在籍している
-
システム開発企業の設計スキルや経験・実績を調査する
-
開発企業の得意分野を把握する
●データベースエンジニアが在籍している
システム開発にはいくつもの分野があって、システム開発企業によって得意分野・専門分野は異なります。そのため、データベースの構築を依頼する際には、データベースエンジニアが在籍しているシステム開発企業にターゲットを絞ることをおすすめします。
また、中にはプロジェクトの管理だけを行って、開発業務はアウトソーシングしているところもあります。その場合は、アウトソーシング先にデータベースエンジニアがいるかどうか確認してみてください。芋づる式に下請け先が広がっていると業務管理が大変になるので、依頼先が直接管理から開発まで直請けしてくれるほうが安心はできるかもしれません。
●システム開発企業の設計スキルや経験・実績を調査する
単にデータベースエンジニアがいればそれで良いわけではありません。依頼する企業やその企業のデータベースエンジニアが、データベース構築の高いスキルや経験・実績を持っているかどうかということも大事です。経験や実績の高さは、理想とするデータベース構築を再現させる可能性の高さに反映されます。確実にシステム開発の依頼を成功させるためにも、システム開発の依頼時には経験・実績を意識しましょう。自信がある企業は、人員のスキルや実績例などをコーポレートサイトといった媒体で公開しているはずです。
●開発企業の得意分野を把握する
データベースエンジニアが所属するシステム開発企業の中でも、どういった業種のデータベースを構築するのが得意なのかはそれぞれ異なります。そのため、データベース構築のシステム開発企業の得意分野を把握しておく必要があります。
理想とするデータベースの構築内容に限りなく近い実績を持つシステム開発企業は、優先的に見積もりを依頼してみたり、相談を持ちかけてみたりしてみてください。
データベースの構築は自力でもできる?
データベースの構築をシステム開発企業に依頼したり、パッケージソフトを利用したりせず、個人で自作できないかと考えている方もいると思われます。実際そのほうがコストカットできますが、専門知識やデータベース構築に必要なスキル、有料のソフトウェアを準備しなければなりません。頭を悩ませる部分は専門知識やスキルなどと思われます。自信のない方でもMySQLやSQLiteなどの無料のデータベースをダウンロードして活用することで、データベースを構築しやすくなります。
ただ、いきなり企業のシステムの根幹を担うようなデータベースを構築するとなると大きなリスクを伴います。自力でデータベースを構築する際は、なるべくテーブルやレコードなどの数が少ないものから始めてみることをおすすめします。どうしてもある程度しっかりしたデータベースを用意しなければならないという場合は、無理に自作せずにシステム開発企業への依頼を検討しましょう。ビジネスへ使うデータベースを正確に、ある程度規模感を持って作ろうとすると結局自社制作でもコストがかかってしまうからです。
データベース構築における考え方の基本
データベース構築の際には、情報の重複を避けて、情報の正確さと完全性を追求する姿勢が求められます。管理すべき正しい情報かどうかを精査して、データベース内にその情報が重複していないかチェックしましょう。そして問題ない場合に正しい形で格納していくことで、質の高いデータベースを維持することが可能です。
そこで求められるのが「DB設計」という考え方です。
DB設計と検索すると、ディスクサイズの検討や初期化パラメータ設計、ERモデリングなどさまざまな情報管理に必要な方法がヒットします。しかし、DB設計の本質はその考え方にあります。
DB設計は情報システムにおいて、格納すべき情報かどうかを判断して、必要な情報をどういった形で保持するか設計していくことを意味しています。DB設計を行うことで、情報の正確さと完全性が整ったデータベースが構築できます。
DB設計の具体的な手法はいくつも存在しています。自分で調べてみて、これならできそうといったものから着手して、DB設計のスキル向上を目指していくことがデータベース構築において大切なことです。
データベース構築の流れ
データベースの構築をシステム開発企業に依頼する方法、パッケージソフトを利用する方法、あるいは自作する方法があります。しかし、どの方法を採用するとしてもデータベース構築がどのように行われるか知っておいたほうがイメージしている理想のデータベースが作りやすくなります。
データベース構築の流れは以下の通りです。
- データ項目を調査し分析する
- データベースの設計を計画し開発を始める
- テストを行う
- データベースを保守する
●データ項目を調査し分析する
まずはデータベース構築に必要な情報の調査や分析を行います。業務をしていく中で多少なりとも使うであろう情報かどうかを判断して、必要な情報を選別していきます。情報の選別が完了したら、概念データモデルというものを作成していきます。概念データモデルとはいくつかの情報の関連性を図で表現したもので、作成しておくと情報の関連性が誰からも視覚的に見えやすくなり、情報を共有しやすくなります。
概念データモデルを構築する際には、どういった見た目の表にして、列構成や属性をどうするか決めていきましょう。
●データベースの設計を計画し開発を始める
概念データモデルの構築が完了したら、分析したデータを概念データモデルに沿った形でパソコン上にどのように処理させるかを検討して、データベースの開発作業に取りかかっていきます。当然ですが、データベースそのものの型が完成した段階ではまだ情報が入っていません。その情報をデータベース内に入れていく作業を行っていきます。データベース内に入れていく初期情報は、まとめてすぐに入れられるように外部ファイルにまとめておいて、情報がバラバラにならないようにしておく必要があります。
●テストを行う
初期データをデータベース内に格納できたら、実際にデータベースが問題なく運用できるかテストをしていきます。外部ファイルからの情報が正確にデータベース内に反映されているか、条件を指定して検索をかけてみましょう。そして求めている情報が抽出されるかなどを確認して、業務で使えるデータベースにしていきます。実際に運用した際に、トラブルまみれで業務が円滑に進められないといったことが起こらないように、時間をかけてさまざまなパターンのテストをしてから実際に運用を進めていったほうが良いです。
●運用・保守
データベースを導入してからも、定期的にデータベースが問題なく使えるか管理したり問題があれば直していったりと、保守作業を行っていく必要があります。運用・保守作業を円滑に行うためにも、サーバーに負荷がかかっていたり、システムがダウンしたりといったトラブルが発生した際にすぐに対処できる体制を整えておいたほうが良いです。体制を整えてから、データベースを現場で運用していくようにしましょう。
データベース構築でありがちなミスと解決方法
データベースを構築する際には、以下のようなミスが起こりやすいです。
-
正規化によるミス
-
マイグレーションによるミス
-
SQLのバージョンによるミス
これらのミスがないようによく確認してデータベースを構築していかなければなりません。
●正規化によるミス
正規化はデータなどを一定のルールに合わせて整理して利用しやすくすることを意味しています。データベース内のデータを正規化することで、どの項目が更新可能なものなのかが明確になって、プログラムの不具合を防ぐことが可能です。データベースの設計をする中で正規化が行われるようにシステムを構築していくので、正規化によるミスが発覚するとその後の作業に大きな影響が出てしまいます。そのため、正規化の作業は慎重に行うことを心がけてください。
●マイグレーションによるミス
マイグレーションはデータを別の環境に移転させたり、新しい環境に移行させたりすることを意味しています。
データベースを新しくした際に項目の属性が変わっている場合に、データのマイグレーションを行うと、必要なデータが正しく表示されないということが起こりやすいです。すべて手作業でマイグレーションを行うとヒューマンエラーが発生しやすいです。マイグレーションによるミスを防いで作業の途中で後戻りすることがないように、スクリプトを利用したマイグレーションツールを使うことをおすすめします。
●SQLのバージョンによるミス
SQLはデータベースの操作に必要な言語で、そのバージョンは定期的に新しいものに更新されています。SQLのバージョンが変わるとデータベースシステムも変更されていることが多く、思うようにプログラムが機能しないこともあります。それを防ぐためにも、SQL文の見直しを定期的に行うようにしましょう。
データベース開発は正確さを重視して
データベースは企業のシステムの根幹を担うものであり、正常にプログラムが働いて必要なときに必要な情報が正しく表示されるものにしておかなければなりません。そのため、できれば実績のあるシステム開発企業に依頼したり、パッケージソフトを利用したりして導入を進めることをおすすめします。開発会社の選定には発注ナビがおすすめです。また、データベース開発を得意とする企業については、以下のページでも詳しく解説しています。データベース開発を検討する企業担当者の方は、こちらのページもご参照ください。
どうしても自分でデータベースを作りたいという方は、データベース構築の流れを理解してミスなく作れるようにしていきましょう。
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