
Djangoは、Pythonで開発されたオープンソースのWebアプリケーションフレームワークです。標準機能が充実しており、小規模なアプリケーションから大規模なシステムまで幅広く対応できます。Djangoを採用することで、開発の効率化やコストの抑制、セキュリティ向上といった多くのメリットが得られるでしょう。
本記事では、Djangoの基本的な特徴や利用の幅広さ、企業にとってのメリットについて解説。また、導入の流れや開発プロセス、発注者が注意すべきポイントについても説明します。Djangoの導入を検討する際の参考にしてください。
目次
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Djangoの基本と概要

Djangoは、Pythonで開発されたオープンソースのWebアプリケーションフレームワークです。オープンソースであるため、誰でも自由に利用やカスタマイズが可能で、予算に制約があるプロジェクトでも採用しやすい点が特徴です。ここでは、Djangoの基本的な特徴とその活用範囲について解説します。
●Djangoは幅広く活用できる
Djangoは、小規模なプロジェクトから複雑なWebシステムまで対応できる柔軟性があります。例えば、ブログや掲示板のようなシンプルなアプリケーションから、Eコマースサイトや管理システムのような大規模なプロジェクトまでです。そのため、多くの開発者や企業が活用しているフレームワークです。
また、Djangoには開発を効率化する仕組みが整っているのも特徴です。搭載されている標準機能を使って、ゼロからコードを書く必要を最小限に抑えられます。
さらに、Djangoには公式や有志が多くのドキュメントを公開しています。そのため、開発中に何か問題が生じても、それらを利用すれば解決できるでしょう。結果、限られたスケジュールで進めるプロジェクトでも、効率的に開発を進めやすいフレームワークといえます。
●ユーザー認証機能を手軽に導入できる
Djangoには、ログインやログアウト機能が標準で備わっており、認証関連の基本機能を手軽に導入できます。また、パスワード管理や新規アカウント作成にも対応しており、ユーザー情報の管理もしやすいでしょう。
さらに、ユーザーの権限に応じて情報の公開範囲や操作を制御できるアクセス管理機能を簡単に設定できます。このため、複雑な要件を持つアプリケーションにも対応可能です。
●管理画面を自動生成できる
Djangoには、データの登録、更新、削除を直感的に行える管理画面の自動生成機能が備わっています。標準で多くの機能をサポートしており、追加の開発作業を最小限に抑えつつ、効率的な運用が可能です。
また、カスタマイズ性にも優れており、プロジェクトの要件に応じた機能の追加やデザイン変更に対応できます。
●テンプレートエンジン機能
Django独自のテンプレート言語が標準装備されています。
テンプレートエンジンでは、テンプレートと入力データを合成して、ダイナミックHTMLを作成できます。
●ページネーションの機能
ページネーション(ページング)を、 標準的なWebアプリケーション機能として備えています。
ページネーションとは、膨大な数の情報を、ページを分けて表示する機能であり、一覧表で見やすく管理可能です。
●セキュリティ機能
セキュリティ機能が充実しており、あらゆるサイバー攻撃に対応できる仕組みになっています。
例えば、サイバー攻撃の1つであるSQLインジェクションへの対策をして、不審な操作を防ぐことが可能です。
他にも、サイトを訪れたユーザーを攻撃するクロスサイトスクリプティング (XSS)への対策をして、マルウェアへの感染や情報漏えいを防ぎます。
Djangoでできること

Djangoを活用する前に、できることを整理しておきましょう。
どのように活用するかの具体例として、ぜひ参考にしてみてください。
●サイトマップの読み込み
Djangoでは、 Webサイトの全体構成をリスト化したサイトマップの生成が可能です。
Googleなどの検索エンジンは、サイトマップを読み込むため、サイトマップがある方が検索したときに表示されやすくなります。
●RSSフィードの作成
Webサイトのニュースやコラムなどの更新情報を自動配信するRSSフィードを生成できます。
RSSフィードがあれば、最新の情報をユーザーにいち早く見つけてもらえるメリットがあります。
企業がDjangoを選ぶ7つのメリット

Djangoを採用することで、企業には多くのメリットがあります。ここでは、特に注目すべき4つのメリットについて詳しく解説します。
●1.開発効率の向上
Djangoは、「バッテリー同梱主義(Batteries Included)」の理念に基づき、Webアプリケーション開発に必要な機能を標準で備えています。これにより、フロントエンドとバックエンドの連携がスムーズに進みます。
また、DjangoのORM(Object-Relational Mapping)を活用することで、SQL文を記述せずにデータベース操作が可能です。この仕組みは、エラーのリスクを減らすため、開発時間の短縮につながるでしょう。結果、開発効率が向上します。
●2.開発コストの削減
Djangoを活用することで、Webアプリケーションの開発コストを削減できます。
その理由は、多くの機能が標準装備されているため、追加のライブラリやツールを最小限に抑えられるためです。また、幅広い機能を1つのフレームワーク内で利用できるため、複数のシステムを組み合わせる手間も不要です。
例えば、Djangoにはキャッシュ機能が標準搭載されており、これを活用することでアプリケーションの動作を効率化し、運用コストを低減できます。このように、Djangoは開発にかかる時間と費用を抑え、効率的な運用ができるでしょう。
●3.小規模から大規模まで幅広いプロジェクトに対応できる
Djangoは、小規模なアプリケーションから大規模なプロジェクトまで、幅広く対応できるフレームワークです。その理由は、Djangoが柔軟性とスケーラビリティを兼ね備えており、プロジェクトの規模拡大や将来的な拡張にも適しているためです。
また、大規模なトラフィックを処理する仕組みや複数の開発チームが並行作業を進めやすい構造も備えています。例えば、小規模なブログからEコマースプラットフォームのような大規模システムまで、Djangoを活用したプロジェクトの事例は数多くあります。さらに、多言語対応や時間帯設定の柔軟性を持つため、国内外の幅広いユーザー層を対象とするアプリケーションにも採用。このように、Djangoは多様なプロジェクトに対応が可能です。
●4.運用と保守がしやすい
Djangoは運用と保守を効率化する仕組みを備えたフレームワークです。その理由は、「DRY(Do not Repeat Yourself)」の原則に基づく設計によって、同じコードを繰り返す必要がなく、コードの再利用性が高まるためです。これにより、変更や修正が簡単になり、作業負担が軽減されます。
加えて、標準搭載の管理画面は、データの登録、更新、削除を直感的に操作でき、カスタマイズも可能。例えば、運用担当者がプロジェクトごとの要件に応じて管理できるほか、Djangoのデバッグツールやテスト機能を活用することで、問題の発見と対応を効率化できます。このように、Djangoは運用と保守の負担を軽減し、長期的なプロジェクト管理をサポートしてくれます。
●5.Webアプリケーションの実装に必要な機能が揃っている
ウェブアプリケーションを実装するために必要な機能がすべて揃っているため、DjangoでWebアプリケーション制作が完結します。
豊富で充実した機能があるため、比較的大きな規模のアプリケーション制作も可能です。
ちなみに、Instagramや音楽ストリーミングサービスのSpotifyは、Djangoで制作されたアプリケーションです。
●6.安全なセキュリティ対策
セキュリティ対策が万全であるため、安心して利用できます。
例えば、キャッシュの動作を管理する「Cache-Controlレスポンスヘッダ」を設定すると、情報漏洩を防ぐことができます。
他にも、パスワードはハッシュ化して、データベースに格納するため、直接保存しないため、不正利用を防ぐことが可能です。
●7.メンテナンス・拡張がしやすい
メンテナンスや拡張がしやすい仕様となっています。
メンテナンスがしやすい理由としては、モジュールの独立性が高いことが挙げられます。
モジュールとは、システムやソフトウェアなどを構成している部品のことであり、基本的に複数の機能を同時に動作させるものです。
Djangoはモジュールの独立性が高いため、他のモジュールを気にせず、1つのモジュールのメンテナンスが可能です。
Djangoのデメリット

Djangoのデメリット面も知って、効率的に活用しましょう。
●豊富な機能をすべて把握するためには時間がかかる
Djangoは、機能が豊富すぎるため、すべての機能を把握するためには、膨大な時間がかかるという点がデメリットです。
せっかくの豊富な機能が使いこなせないのは、もったいないことだといえるでしょう。
●日本語の情報が少ない
英語表記となっている場合が多く、日本語での情報が少ないという点がデメリットです。
翻訳ツールを使いながら、英文を読解して使っていく必要があります。
Djangoの導入プロセスと開発の流れ

Djangoを活用したWeb開発を成功させるには、要件定義からデプロイまでのプロセスを適切に進めることが重要です。ここでは、Djangoを利用した開発プロジェクトを進めるうえでの基本的な流れを解説します。
●1.要件定義と設計
Djangoを使ったプロジェクトの第一歩は、必要な機能や目標を整理し、明確なゴールを設定することです。この段階では、システム全体の要件を具体的に洗い出し、Djangoの標準機能をどのように活用できるかを検討します。
例えば、認証機能や管理画面の自動生成機能は、多くのWebアプリケーションで有効に活用できる代表的な機能です。ただし、標準機能では対応できない要件がある場合、追加開発が必要になることもあります。
こうした要件を事前に整理することで、開発の優先順位を明確にし、効率的なスケジュールを立てやすくなります。また、システムの拡張性を考慮した設計を行うことで、将来的な変更や機能追加があっても対応できるでしょう。
●2.開発とデザイン
要件定義と設計が終わった後は、開発とデザイン作業に移ります。Djangoが提供するテンプレートエンジンを活用することで、動的なWebページを効率的に生成可能です。このエンジンはHTMLコードの再利用を促進し、視覚的なデザインと機能をスムーズに組み合わせるのに役立ちます。
また、Djangoの構造は、バックエンドとフロントエンドの作業を並行して進められる仕組みになっています。これにより、開発チームはそれぞれの担当領域で同時に作業を進行でき、全体の開発期間を短縮できるでしょう。
例えば、バックエンドチームがデータベースやAPIの設定を進める間に、フロントエンドチームはユーザーインターフェースのデザインを仕上げることが可能です。
●3.テストとデプロイ
開発の途中でテストを適切に実施することは、品質を確保するために重要です。Djangoには標準でテスト機能が搭載されており、ユニットテストや統合テストを簡単に行えます。
例えば、特定のモデルやビューが正しく動作しているかを確認するテストスクリプトを作成することで、問題を見つけて修正できます。
最終段階では、Djangoアプリケーションを本番環境にデプロイします。HerokuやAWSなどのホスティングサービスを利用すれば、短時間でアプリケーションを公開可能です。また、デプロイ時にはセキュリティ設定やデータベースの最適化など、運用に必要な項目を確認することが大切です。
さらに、継続的デプロイの仕組みを取り入れることで、将来的に行うアップデートを効率的に進められます。
発注者が気をつけるべきポイント

Djangoを導入する際には、発注者がいくつかのポイントを押さえることが大切です。ここでは、開発チームの選定、スコープの明確化、運用体制の準備といった観点から、具体的に注意すべき事項を解説します。
●開発チームの技術力の確認
Djangoを活用したプロジェクトでは、開発チームの選定が成功の基盤となります。過去のプロジェクト実績を確認することが重要です。類似プロジェクトの経験や、異なる規模のプロジェクトを成功させた実績を持つチームであれば、プロジェクトのリスクを抑えやすくなります。
また、チーム内の役割分担が明確であることも欠かせません。例えば、フロントエンド、バックエンド、デザイン担当者が分担されていると、作業効率が向上するでしょう。Djangoの特性を理解し、適切に活用できるチームであれば、プロジェクトの成果につながります。
●プロジェクトの適正なスコープ設定
Djangoを選ぶ際には、プロジェクトのスコープを適切に設定することが重要です。特に、プロジェクトの目的や規模に応じてDjangoを選ぶかどうかを慎重に検討する必要があります。
例えば、単純なブログや小規模なWebサイトでは、Djangoの標準機能を十分に活用しない場合もあるため、別のフレームワークが適している場合もあります。また、過剰な機能を盛り込むことで開発コストや期間が膨らむリスクを避けるため、必要な機能に絞ることもあるでしょう。
発注者は、現実的なスコープを設定して開発チームと共有することで、効率的なプロジェクト運営を目指すことができます。
●開発後の運用体制の確認
Djangoを外注して開発を進める際には、事前に開発後に管理画面を運用担当者がスムーズに利用できるかどうかの確認が必要です。この管理画面はカスタマイズが可能ですが、外注先と十分に要件を共有しなければ、実際の運用で使いにくくなる場合があります。
また、保守やメンテナンスの計画を外注先と協議し、事前に明確にしておくことも欠かせません。例えば、定期的なシステム更新やトラブル時の対応フローを決めておくことで、運用中の問題を最小限に抑えられます。
Djangoの活用で効率的なWeb開発を
Djangoは、その多機能性と柔軟性により、短期間で高品質なWebアプリケーションの開発を実現します。オープンソースでありながら、標準機能が豊富に揃っているため、基本的な開発作業を効率化し、独自の価値を持つ機能に集中できます。
また、セキュリティ機能が充実していることから、安全性を重視する企業にとっても信頼できる選択肢です。さらに、小規模から大規模なプロジェクトまで対応可能なスケーラビリティを備えている点も、大きな魅力といえます。
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