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エッジ処理ってどんな処理?システム開発の分野で役立つの?

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通信機器や技術の発達に伴い、インターネットにおける通信速度やデータ量などは年々増加しています。
通信速度やデータ量が増えれば、当然「データの処理速度」が求められるようになりますが、この処理速度を向上させる方法として、「エッジ処理」という技術が普及しています。
今回は、新たな通信技術として注目されているエッジ処理の基本情報やメリット・デメリットなどを詳しく解説しましょう。

 

目次

 

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エッジ処理(エッジコンピューティング)とは?

エッジ処理とは、分散コンピューティングの仕組みなどを指す言葉です。より分かりやすく言えば、エッジ処理は「データ処理や計算処理を分散化させて負荷を抑える技術」という認識でも良いでしょう。

エッジとは、「端、刃物の刃」といった意味をもつ単語ですが、ここでは「データの収集・活用の端」という意味で使われています。従来のデータ処理や計算処理機能は、1ヶ所に集約したサーバにデータ(情報)を集め、端末側では表示だけを行うモデルが一般的でした。クラウドコンピューティングモデルが現れるとデータの集約がますます容易になり、「すべてのデータをクラウド環境へ」という動きが顕著になりました。

しかし、データ量が増加し続けている昨今、通信速度に依存するクラウドに情報を集約してから処理をするモデルでは、膨大なデータを処理するためにタイムラグが生じる可能性が高く、結果としてリアルタイム性が失われるという弱点があったのです。クラウドだけに頼ったデータ処理が難しくなったため、クラウドの弱点を補う形で「エッジコンピューティング」という考え方が生まれました。

 

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出典:総務省|令和2年版 情報通信白書|5Gの実現のために導入されている技術

 

ちなみに、携帯電話やスマートフォンの通信規格として知られる「5G」にも、エッジ処理の技術は使用されています。上記、総務省のオフィシャルページでは、5Gに搭載されているエッジ処理の解説を確認できます。

 

エッジ処理を行うメリットって?

●リアルタイムに情報のやり取りが可能

「中央集権型」のクラウドに対して、エッジ処理は「分散型」です。個々の端末が処理を行うので、処理速度が早いのがエッジ処理のメリットです。クラウドのように通信を通した情報のやり取りが不要のため、応答速度も早くリアルタイム性を維持できます。

スマート化された工場では、各機器の作業進捗をリアルタイムでやり取りできるからこそ、どんなに複雑でややこしい工程を踏むものであっても正確かつ無駄なく作業を行うことができます。大量のデータを有するクラウドに処理を任せるとネットワークの遅延・障害が生じやすく、最新の情報を受け取る速度がまちまちになることもあるため、各機器の連携がうまく取れないリスクがあります。

このような場面では、ネットワークの通信環境に依存するクラウドよりも、エッジ処理で進めるほうが、都合が良いのです。

 

●セキュリティ性の高さにも定評がある

社外秘のデータを多く扱う会社は、クラウド環境にデータを蓄積するのが難しいという問題があります。通信データの暗号化や強固なユーザ認証を取り入れたり、自社だけのクラウドを作ったりしてセキュリティを強化することは可能ですが、インターネットという「外部」に重要なデータを送信することには代わりありません。

このように、クラウドへ送りたくない情報を有するケースでは、エッジ側で情報処理を行うことが求められるでしょう。もちろん、自社でデータを扱うから安全と言うわけではありませんが、エッジ処理を採用することで外部に出してもよい形に変換した上でクラウドへの集約が可能となります。

この点で、クラウドに全データを集中させるよりも漏洩リスクを軽減できるコンピューティングモデルといえます。

 

エッジ処理を行うデメリットは?

●管理コストが高くなりがち

エッジ処理を取り入れるデメリットは、管理コストの高さです。負荷を抑えるためサーバを分散させるのがエッジ処理の仕組み。つまり、現場に複数のサーバを増設する必要があり、増やした分だけ維持・管理コストがかかります。拡張性があるクラウド環境は、必要な時には広げることも、不要な時には縮小することもできます。

その分、初期費用や管理費用も必要に応じて抑えることができるのですが、サーバを構築しなければならないエッジ処理ではそう簡単にはいかず、結果として維持・管理費用がクラウドよりもかさんでしまいます。ただし、ローカルデータを扱うエッジ処理では、ネットワーク上にデータを送信する頻度が減るため、クラウドと比べると通信料の削減に繋がります。

 

●データの一部が消失してしまうことがある

エッジ処理は、端末付近のサーバでデータ処理を行い、重要なデータだけをクラウドに送ることができます。必要なデータだけを遅れるというメリットは、裏を返せば、クラウドに送らなかったデータは消失するリスクにさらされるというデメリットにも繋がります。必要な情報を失わないためにも、あるいはどの情報が必要なのか明確に把握するという意味でも、エッジ処理特有の「データ消失の可能性」というデメリットを把握しておく必要があるでしょう。

 

エッジ処理を活用している分野とは?

膨大なデータを処理しなければならない業務や、処理速度が求められる業務がある分野で、エッジ処理の導入が進んでいます。下記では、エッジ処理を活用している分野の事例を紹介します。

 

●自動運転

自動運転では物体検出をしてブレーキやハンドル操作を行いますが、処理に一瞬でも遅延が発生すると人命に関わります。遅延や通信障害が一瞬でも起きてはいけない分野においては、通信状況に左右されるクラウドに依存することができません。

自動運転においては、エッジ側の端末に情報処理を一部任せ、重要な情報だけをクラウドに送ることで、リアルタイムの処理を可能にしています。

リアルタイム性が重要なこの分野でエッジ処理を行うAIは、「エッジAI」とも呼ばれており、エッジ処理とともに注目を集めています。

 

●気象予測

「細分化された観測データをリアルタイムで処理する」というのは、エッジ処理の得意分野です。近年は気象予報シミュレーションシステムにもエッジ処理が取り入れられ、より正確な気象予報を提供できる体制が整いつつあります。

エリアを細かく区切るほど、その地点の気象予報の精度は上がります。一方で、細分化すればするほど、データセンターに送られる情報量は膨れ上がります。膨大なデータの通信は受け渡しの速度や処理速度の低下を招く上、大量の通信によるコストもかさむため、気象予報の精度には限界がありました。

その限界を破ったのがエッジコンピューティングです。エリアごとにエッジ処理を行い、広域の気象予測に必要なデータのみをクラウドに送信することで素早いシミュレーションが可能となったのです。

 

●エンターテインメント分野

エンターテインメントの分野では、インターネットという言葉が存在しなかったローカルの時代から、厳密なリアルタイム性を要するジャンルです。活動領域をオンラインに広げてからもそれは変わりません。

フレーム単位のレスポンスが求められるオンライン対戦型のシューティングゲームやアクション・格闘ゲーム、自分の動きが反映されるVR、現実とバーチャルが連動するAR(拡張現実)、オンデマンド動画配信システムなど、この分野で高速レスポンスが求められるものは枚挙にいとまがありません。快適なユーザ体験を提供するためにも、ミリ秒レベルのレスポンスは必須なのです。昔から、高速処理を重要視していたゲーム開発などのエンターテインメント分野ではいち早くエッジ処理を導入し、快適なユーザ体験の提供に活用しています。

 

クラウドコンピューティングとは何が違う?

最後に、エッジとクラウドの違いについて簡単に解説しておきましょう。エッジコンピューティングは、クラウドコンピューティングの対極にある仕組みです。エッジがローカルでリアルタイム処理を提供する仕組みであるのに対し、クラウドはインターネット上のサーバで処理を行い、インターネットを経由してサービスを利用できる仕組みとなります。

クラウドを利用したサービスには、メールシステムに代表されるGmailやYahoo!メールなどが挙げられます。インターネットに接続できる環境さえあればソフトウェアをインストールする必要はなく、どの端末でもサービスの利用ができます。また、インターネット上にデータを保存しているため、データを破損しても復旧しやすいというメリットがあります。

端的に言えば、エッジとクラウドは「データ処理を行う場所が異なる」という認識でも良いでしょう。エッジがローカルでデータを分散処理するのに対し、クラウドはクラウドサーバー上でデータを集中的に処理する仕組みです。

「エッジ処理」は、IoT機器の普及によって広がりを見せています。一時期はクラウド化の波が押し寄せましたが、クラウドのデメリットが浮き彫りになり、弱点を補填する形でエッジコンピューティングが注目されるようになりました。しかし、クラウドにもエッジにもそれぞれメリットがあり、当然デメリットもあります。クラウドは情報管理・共有が容易で、サーバと違い拡張性があり、大量のデータを有する企業にはなくてはならない存在です。

「クラウドにするか、エッジにするか」という極端な話ではなく、双方を取り入れてお互いの弱点を補いながら運用するのが理想の形となっていくでしょう。

 

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