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電子カルテとは?導入するメリットから機能まで詳しく解説

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患者の病名や主な症状、治療方法などの記録に使われる「カルテ」は、病院や歯科医院を営むうえで役立つ存在です。そんなカルテを有効に記録・管理できるツールが電子カルテです。電子カルテの導入を検討する医療関係者、または電子カルテについて詳しく知りたい企業担当者に向けて、電子カルテの基本情報やメリット、開発方法などをわかりやすく解説します。

 

目次

 

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電子カルテとは?

電子カルテとは、患者の症状や治療法などの記録を電子化して管理するシステムのことです。患者の病名や症状、治療方法などが記録されている点は従来のカルテと変わりませんが、データで保存ができるため、パソコンやタブレット端末からアクセスができます。カルテの内容を編集したり、医療チーム内で共有したりするのも、パソコンやタブレット端末を通じて行う仕組みです。

 

電子カルテと紙カルテの違い

電子カルテへの移行を検討するにあたり、紙カルテとの違いや移行によって得られるメリット・デメリットを把握しておきましょう。

 

●保存方法

電子カルテ・紙カルテともに診療が完了した日から5年間の保存が義務付けられており、保管場所の確保が必要です。電子カルテの場合はクラウドサーバや物理サーバ上にデータを保存できます。クラウドサーバであれば保管場所は不要で、物理サーバの場合は、サーバ設置スペースが要ります。一方で紙カルテの場合は、患者ごとにファイリングして院内や倉庫などに保管しなければならず、長く診療を行っている医療機関ほど保管すべき紙カルテの量が膨大になります。さらに、既存のカルテに加えて補充用紙の保管スペースも確保する必要があります。限られた空間の中で、保管場所をどのように工夫するかが紙カルテの大きな課題です。

 

●メリットとデメリット

電子カルテと紙カルテについて、メリットとデメリットを紹介します。

 

電子カルテ

電子カルテはリアルタイムで情報を共有できるほか、必要な情報に簡単にアクセスできるため、業務効率化を図れます。情報を素早く把握できるため、時間がかからない分、医療の質や安全性の向上につなげられるのがメリットです。また、電子カルテなら患者情報をクラウドやサーバ上に保存できるので、院内のスペースを圧迫しません。

一方で、電子カルテは導入や運用にコストがかかるのがデメリットになります。また、パソコンや電子カルテの操作法を覚える必要があるので、導入から定着までに時間がかかるのも難点です。システムの故障や停電で使えなくなる可能性があるほか、サイバー攻撃による情報漏洩にも注意しないといけません。

 

紙カルテ

紙カルテはハードウェアやソフトウェアを購入する必要がなく、さらにサーバ代や電気代などの維持費もかからないため、電子カルテに比べてコストを安く抑えられます。また、パソコンやシステムの操作法など新しい知識を覚える必要はありません。システムの故障や停電、サイバー攻撃などの災害時や緊急時に使えなくなる心配がないのも紙カルテのメリットです。

一方で、紙カルテは患者1人につき1部しかないのでスタッフ間での共有ができず、業務に支障が出ることもあります。そのほか、保管場所の確保が必要だったり、劣化のリスクがあったりするのも紙カルテのデメリットです。また、書き手の癖によってはカルテの字が読み取りにくいことがあり、誤った判断による医療ミスや業務効率の悪化につながる恐れもあります。

 

●保管方法の注意点

電子カルテはサイバー攻撃による情報漏洩のリスクがあるため、セキュリティ対策が重要です。また、ITリテラシーの低いスタッフによってデータが流出したり、患者データの入った記憶媒体を紛失したりなどの問題も考えられるため、ITリテラシー研修やマニュアルの整備なども必要となります。紙カルテについても、電子カルテと同様に患者のプライバシー保護と情報漏洩の対策が求められます。また、紙は劣化する恐れがあるため、空調をはじめとする適切な環境での保管が必須です。

 

電子カルテのメリット

省スペースの実現や情報共有の迅速化など、電子カルテを導入することで得られるメリットは様々です。具体的なメリットの例を、以下でピックアップしました。

 

●省スペースにつながる

医療カルテは、電子カルテ・紙カルテともに対象となる診療が完了した日から5年間保存することが義務付けられています。紙カルテの場合、院内のバックヤードや倉庫などにファイリングして物理的に保存する必要がありますが、電子カルテであればその必要はありません。電子カルテのデータはサーバやクラウド上に保管されます。カルテの数が増えてもかさばらず、収納スペースが圧迫されることがありません。「紙カルテが増えすぎて管理するのが大変」と考えている方であれば、省スペースの実現に電子カルテが役立ちます。

 

●カルテの検索がしやすくなる

紙媒体のカルテは、患者の情報を確認する際に「カルテを探す手間」が発生します。対する電子カルテには検索機能が搭載されているため、必要な情報を入力するだけで瞬時に該当するカルテを呼び出せるのが魅力です。また、パソコンやタブレットなどの端末とインターネット環境があれば、場所を問わずカルテを呼び出し、表示できます。カルテの保管場所まで足を運んで探す必要もありません。

 

●カルテの文字が読みやすくなる

デジタルで文字を入力する電子カルテは、誰にとっても文字が読みやすいカルテを作れます。紙媒体は手書きで文字を書く分「字が汚くて読みづらい」「書いた方にしか読めない」という事態に陥りやすいという問題がありました。カルテの文字を読み間違う心配が少なくなれば、カルテを入力した本人でなくても正確に患者の症状を把握でき、医療ミスの防止にもつながります。

 

●医師・看護師それぞれの業務効率化につながる

電子カルテを導入することで、医師と看護師それぞれの業務効率化が実現します。例えば、「頻繁に入力する項目のテンプレートを作成する」「診察頻度の高い症状や体の部位などの情報を患者ごとに登録する」といったことが可能です。必要な情報がすべてデジタル化されるため、看護師間のカルテの受け渡し作業や、口頭確認の時間も省略可能になります。

 

●ほかの機関との情報共有がスムーズになる

電子カルテを導入することで、医療機関やセカンドオピニオンとの情報共有がしやすくなります。これにより、患者を多角的な視点で診療できるようになるのです。紙カルテを搬送・保管したりする手間も省けるため、これらのコスト削減も期待できます。

 

●患者の待ち時間が減る

電子カルテによって院内の業務が効率化されれば、患者の待ち時間が短縮されます。待ち時間に対するストレスを軽減したり、時間に余裕を持って診察がしやすくなったりといった効果が見込めるのです。くわえて、クリニックの回転率が上がって利益率の向上も期待できます。

 

電子カルテのデメリット

電子カルテを導入するにあたり重要なのが、メリットだけでなくデメリットも把握しておくことです。電子カルテのデメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。

 

●紙のカルテからの移行時に工数がかかる

医療機関で電子カルテを導入する際は、今まで管理していた紙媒体のカルテを電子化させなくてはなりません。新規に医療機関を立ち上げる場合は別ですが、扱っている紙媒体のカルテが多いと、電子カルテへ移行するのに相応の手間が発生します。移行に伴う作業の負担を軽減するため、電子カルテの導入支援を行っている企業もあります。こうした導入支援や移行支援サービスを活用するのも手です。

 

●情報漏洩につながることもある

カルテには患者の氏名や生年月日のほか、病名・主な症状・治療方法などの個人情報が多く記録されています。デジタルで管理を行う分、電子カルテは紙媒体よりも情報漏洩のリスクがあることに注意しましょう。ファイアウォールや認証システムによる基本的なセキュリティ対策はもちろん、院内の情報セキュリティに関する教育を徹底することも重要です。情報漏洩は外部からの攻撃や不正アクセスだけでなく、使用者側の不注意によって引き起こされることも少なくありません。例えば、電子カルテのデータが保管されているデバイスを紛失したり、USBメモリやハードディスクなどにデータを保存して無断で持ち出したりといった行為が情報漏洩へつながるのです。

電子カルテと紙カルテの違い

 

医療DX令和ビジョン2030とは

医療DX令和ビジョン2030は2022年5月に自由民主党政務調査会から提言された施策で、医療分野のDX化を推進することで医療の効率化と情報共有の改善を目指しています。

 

●医療DXについて

DXとは、デジタル技術によって社会や生活などの形を変えることを意味しています。医療DXは保険・医療・介護の各段階で発生する情報やデータを最適化し、より良い医療・ケアを受けられる社会や生活の形に変えていこうという取り組みです。

デジタル化によって物事の仕組みや形を変化させることがDXのため、アナログの記録を単にデジタル化させただけではDXとは呼びません。例えば電子カルテを通じて情報共有を行ったり、電子カルテのデータを二次利用したりなど、紙カルテではできなかった新たな仕組みやスタイルを作ることが医療DXに該当します。

厚生労働省では医療DX令和ビジョン2030の実現に向けて、データヘルス改革推進本部に推進チームを設置。専門家や関係省庁と連携しながら、医療DXを推進しています。

参考:「医療DX令和ビジョン2030」厚生労働省推進チーム(厚生労働省)

 

●医療DXの具体的な取り組み

医療DX令和ビジョン2030を推進するための具体的な施策として、「全国医療情報プラットフォームの創設」「電子カルテ情報の標準化」「診療報酬改定DX」を掲げています。

例えば全国医療情報プラットフォームの構築は、これまで各医療機関や自治体などでバラバラに管理されていたレセプトや特定検診、予防接種、電子カルテなどの情報をネットワークで共有・交換できるようにしようという施策です。情報を一元化して必要な情報をすぐに入手できるようにすることで、より質の高い医療の提供や効率化が期待されています。

 

●電子カルテの役割と標準化

電子カルテは、医療DX推進の骨組みとなる重要な要素です。一方で、現在の電子カルテは医療機関によって規格などにバラつきがあり、円滑な情報共有の妨げになっています。医療機関での情報共有を促進する取り組みとして、医療DX令和ビジョン2030が掲げているのが電子カルテの標準化です。

電子カルテ情報のフォーマットと互換性を標準化することで、医療機関の間での情報共有が迅速かつ正確に行えるようになり、医療の質の向上や効率的な診療を目指しています。

 

●標準型電子カルテの開発と普及

電子カルテの導入は非常に高額な投資になることから、小規模な医療機関では普及が遅れているのが現状です。そこで医療DX令和ビジョン2030では、電子カルテの普及を進めるために、病床数200床未満の中小病院・診療所を対象とした標準型電子カルテの開発に取り組んでいます。

標準型電子カルテとは、標準規格に準拠したクラウドベースのシステムで、情報共有に最低限必要な機能を備えているのが特徴です。紙カルテのままだと全国医療情報プラットフォームに患者情報の集積ができないため、政府は小規模な医療機関でも導入しやすい標準型電子カルテを開発し、2030年までに電子カルテの100%普及を目指しています。

 

●医療DXの方向性

医療DXは、医療の効率的かつ効果的な提供によって、診療の質の向上や治療などの最適化を推進することが目的の1つです。少子高齢化が進む日本において、国民の健康増進や切れ目のない質の高い医療を提供するには、医療DXによる保健・医療情報の積極的な利活用の推進が非常に重要です。また、新型コロナウイルス感染症の流行への対応を踏まえ、平時からの迅速なデータ収集やデジタル化による業務の効率化、データ共有を通じた医療の見える化を進めることが急務とされています。

 

電子カルテ情報共有サービスとは?

電子カルテ情報共有サービスとは政府が進めているDX政策の1つで、全国医療情報プラットフォーム上で電子カルテの医療情報を共有するサービスのことです。2025年4月からの開始が予定されており、令和6年度の診療報酬改定でも電子カルテ情報共有サービスの評価および活用が盛り込まれています。

 

●サービスの概要

電子カルテ情報共有サービスは、「紹介状送付サービス」「健診文書閲覧サービス」「6情報閲覧サービス」の3つのサービスから構成されています。

 

1. 紹介状送付サービス

診療情報提供書(紹介状)をデジタルデータとして医療機関の間で共有するサービスです。紹介状の印刷や封入、宛名書きなどの作業が必要なくなり、業務の効率化を図れます。紹介先の医療機関で紹介状のデジタルデータを取得できるので、患者が紹介状を紛失する心配もありません。また、電子カルテへ情報を手入力する作業も削減できます。

 

2. 健診文書閲覧サービス

健診結果を全国の医療機関や患者本人が閲覧できるサービスです。これによりオンライン資格確認において閲覧可能な特定健診に加え、企業健診や人間ドッグなどの結果についても順次閲覧できるようになります。

 

3. 6情報閲覧サービス

傷病名やアレルギー、薬剤禁忌、感染症、検査、処方の6種類の情報を全国の医療機関や患者本人が閲覧できるようにするサービスです。これらの情報が医療機関において電子カルテに登録されると同時にデータベースに蓄積されることで、医療機関や患者が閲覧できる仕組みとなっています。

 

●情報共有の仕組み

電子カルテに登録された情報を医療機関の間で適切に共有するには、既存の電子カルテシステムに情報共有プロトコールを組み込む必要があります。

日本には多くの電子カルテメーカーが存在し、それぞれのメーカーがシステムを独自開発してきたため、システム間での情報共有の難しさが課題となっています。この問題を解決するために政府が採用を決定したのが、国際的標準規格の「HL7 FHIR」です。アメリカの非営利団体が医療情報システム間での情報交換に関するルールを定めたもので、アメリカをはじめとする40ヶ国で採用されています。

この国際的標準規格を全国の電子カルテシステムに搭載することで、共通フォーマットを用いた情報共有が可能となります。

 

●導入のスケジュール

電子カルテ情報共有サービスは2023年から設計および開発・テストが行われており、2024年中に医療機関での運用テストの実施を経て、2025年4月から運用が開始される予定です。医療機関でのテストについては、全国9地域で2025年1月から標準規格に対応した電子カルテ情報共有サービスのモデル事業を順次開始するとしています。中核病院を中心に周辺の病院・診療所が一体となりながら、電子カルテ情報の有用性や機能の検証、課題の収集を行います。

 

電子カルテにはどんな種類がある?

電子カルテの種類は、大きく「オンプレミス型」「クラウド型」「ハイブリッド型」という3つのタイプに分けられます。それぞれの特徴としては、以下のとおりです。

 

●オンプレミス型

クリニック内に構築したサーバとローカルネットワークを使って運用するタイプの電子カルテです。物理サーバやパソコンの中に、患者のデータを保存する仕組みとなります。クリニック内でデータを管理する分情報漏洩の心配が少ないうえ、必要に応じてシステムのカスタマイズも可能です。反面、管理コストの発生や、機器が大掛かりになりやすい分、初期費用が発生しやすいという欠点があります。

 

●クラウド型

インターネット上(クラウド上)にデータを保管するタイプのシステムです。クラウド上のサーバをそのまま使うため、クリニック内に物理的なサーバを構築する必要がありません。「初期費用を抑えやすい」「さらなる省スペースを実現しやすい」といった利点があります。また、インターネット環境と端末があれば、どこからでもカルテの情報へアクセスでき、医師・看護師間のデータの共有も簡単です。ただし、クラウド型はネットに個人情報を記録する分、オンプレミス型よりも情報漏洩のリスクが高くなります。

 

●ハイブリッド型

オンプレミス型サーバと、クラウドサーバの特徴を兼ね備えたタイプの電子カルテです。通常時はオンプレミス型電子カルテとして使用し、災害時や非常時にはクラウド型の電子カルテへ切り替えて使用するなど、シーンに合わせた使い分けが可能。万が一の備えとして、ハイブリッド型を導入するという手もあります。

電子カルテの種類

 

電子カルテの機能例

電子カルテの機能は、製品やカスタマイズの内容によってやや異なります。以下でご紹介するのは、電子カルテの基本機能の一例です。

 

●カルテ入力

カルテを作成できる機能です。患者の基本情報をはじめ、主な症状や病歴、アレルギー、検査および入院後の経過などの基本項目を記入できます。事前にカルテを作成できる機能もあるので、診療時のカルテ作業を簡潔化することも可能です。

 

●過去カルテの検索や閲覧

過去カルテを検索し、患者の基本情報や診療履歴、受付ステータスなどをチェックできる機能です。禁忌となる事項・治療やアレルギー情報など、治療を進めるにあたって必要な情報もひと目で確認できます。検査結果や治療経過などのデータを、時系列に並べて経過観察に役立てることも可能です。

 

●受付状況の照会

当日の患者の受付状況をリアルタイムで確認できる機能です。患者の氏名や性別、カルテナンバー、担当医師名などもチェックできます。また、システムによっては初診の患者情報を登録したり、受付ステータスによって患者情報を絞り込んだりといった機能を搭載しているものもみられます。

 

●テンプレート文面の入力

定型文やよく使う表現、同じ病状などを事前登録し、テンプレートとして入力できる機能です。入力作業を簡潔にできるほか、再診患者情報の入力や対応時にも役立ちます。

 

●手書き入力・音声入力

タッチペンを使って紙カルテに近い感覚でカルテを作成できる機能や、音声をそのまま文字に変換する音声入力機能が備わっている電子カルテもあります。患者との会話や医師からの指示、看護師同士のやり取りをその場ですぐに記録したい時に役立つ機能です。やり取りの簡易的な議事録やログとしても活用できます。

 

●他社システムとの連携

クリニック内の各種システムと連携させ、電子カルテの機能をさらに拡張することも可能です。電子カルテと連携させられるシステムとしては、以下のものが挙げられます。

  • 問診予約システム

  • レセプトシステム

  • 検査システム

  • 医療用画像管理システム

  • リハビリ機能

  • 薬剤管理システム

 

紙カルテから電子カルテにする場合の注意点

紙カルテから電子カルテへのスムーズな移行を進めるには、いくつかの注意点を把握したうえで、事前の準備が必要です。

 

●運用に適した電子カルテの選定

医療機関の規模や診療科などによって適した電子カルテが異なるため、自院の運用に合ったものを選ぶ必要があります。

すべての部門が情報共有できる環境の構築が求められる大病院の場合、大容量のサーバの設置が必要です。院内にサーバを設置して管理するオンプレミス型の電子カルテだと、ネットワークインフラの整備やサーバなどの代金が発生するので初期費用がかなり高額になります。初期費用や維持費を抑えたいのであれば、サーバの設置が不要なクラウド型の電子カルテを選定すると良いでしょう。

また、メーカーによって自由診療に特化したものもあれば、特定の診療科にフォーカスしたものもあるため、自院の業務上の課題や診療の特徴にフィットした電子カルテの選定が求められます。

 

●過去の紙カルテ情報のデータ移行

現在使っているレセプトコンピューターはそのままに、電子カルテに移行する場合は紙カルテの情報をどのように管理するのかも考えないといけません。すべての紙カルテを一度に電子化するのは負担が大きいため、多くのクリニックでは過去の紙カルテはデータ移行せずに、新しい診療内容から電子カルテに記載するという方法を採用しています。もしくは、PDF化するという方法もあります。

レセプトコンピューターを含めて一新する場合は、オンライン請求で使用しているレセプトデータを用いて移行するのが一般的です。現在使用しているメーカーや移行するメーカーによって対応が異なる場合もあるため、メーカーの担当者に相談しながらデータ移行を進めましょう。

 

●業務フローの変更

電子カルテへ移行する際、従来の業務フローの見直しが必要です。医師によってカルテの入力内容が異なったり、システムの刷新によってこれまでの帳票が使用できなくなったりする場合があるため、入力内容のテンプレート化や帳票の代替手段を用意するといった対策が求められます。操作に慣れるまでは業務効率が一時的に低下することも考えられるので、余裕を持って移行を進めることが大切です。

 

●セキュリティ対策の強化

患者情報をデジタルデータとして管理することになるため、サイバー攻撃や内部不正などによる情報漏洩の恐れがあります。情報漏洩を防ぐには、ログ管理やアクセス管理など入念なセキュリティ対策が必要です。

 

●停電時の対応

電子カルテを利用するには電力供給が必要なため、万が一の停電に備えた対策が求められます。電力が復旧するまで紙カルテや検査伝票に一時的に切り替えられる体制を整えたり、ノートパソコンやタブレットなどの予備機材を用意したりして停電時でも対応できる環境を構築しておくことが重要です。

 

●習熟期間の確保

電子カルテの導入や移行を成功させるには、システムを正しく効率的に使いこなすための習熟期間が必要です。十分なスタッフ研修や導入後の継続的なサポート体制を整備し、スムーズな運用開始に備えましょう。

 

●電子カルテの導入費用

電子カルテの導入費用は、オンプレミス型かクラウド型かによっても変わります。システムによっては必要な機能が追加料金のかかるオプション扱いのケースがあります。オプションをつけることで予算オーバーになる可能性があるため、必要な機能が標準搭載されているシステムを選ぶようにしましょう。また、使用するかわからないが便利そうだから、という理由でオプション機能を搭載するのもできるだけ避けたほうが無難です。また、ランニングコストがどのくらいかかるのかを計算しておくことも、予算内で収めるポイントです。

 

電子カルテの導入を検討するうえでの注意点

電子カルテを導入する際は、厚生労働省によって定められている「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」を遵守することが大切です。このガイドラインでは、「電子保存の三原則」として真正性・見読性・保存性を守ることが定められています。

 

●真正性を遵守

電子カルテにおける真正性とは、「記録された情報が正確であること」「第三者からみてカルテ作成の責任の所在が明確であること」などを指します。また、「過失や故意によるカルテの虚偽入力や改ざん、消去などの心配がなく適切な記録が残されている」という点も真正性で求められる要素です。

 

●見読性を遵守

見読性とは、必要に応じて肉眼で見て読む、確認できることです。作成した電子カルテは、誰が読んでも内容を理解できるものにする必要があります。また、監査をはじめ日々の診療や患者への説明、監査などの際に、電子カルテの情報をすぐに提供できるような体制も整えなくてはなりません。

 

●保存性を遵守

保存性とは、「記録データを安全に保存できているか」を指します。記録データが、法令に則って一定期間中適切に保存されていなくてはなりません。定められた期間中にデータが残存していることがもちろんですが、真正性と見読性を保っていることも求められます。記録データを守るためにも、機器やソフトウェアの障害や、外部からの不正アクセスなどに対する対策が必要です。

参考:「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第5版」(厚生労働省)

 

●使いやすさを左右する操作性に注目

優れた機能を搭載していても、「操作画面が見づらい」「使いにくい」という電子カルテでは院内に定着しません。操作画面がわかりやすく、直感的に操作できる電子カルテを選定しましょう。無料トライアルが用意されているのであれば、そちらを使用して操作性をチェックすることをおすすめします。

電子カルテを院内に定着させるためには、まとまった研修時間や操作のレクチャー時間を確保することも大切です。医師や看護師、受付などスタッフ全員が操作に慣れれば、ストレスなく電子カルテを使いこなせるようになり、さらなる業務効率化につながります。

 

電子カルテを上手く使いこなす方法

電子カルテの利便性を最大に活用するために、上手く使いこなすポイントを紹介します。

 

●操作を習得するための研修

電子カルテを使いこなせるように、操作方法や機能を理解するための研修や操作説明会を実施しましょう。メーカーによっては導入前に研修を行って、スムーズな運用開始をサポートしてくれるところもあります。スタッフ全員が操作方法を理解できるように、実際に電子カルテを使いながら実演するのが効果的です。

 

●自院の操作マニュアルの作成

電子カルテで扱う項目は、看護師、受付スタッフなど職種によって異なるため、それぞれの業務に応じた操作マニュアルを整備することが重要です。操作マニュアルがあれば使い方に迷った時もすぐに確認でき、業務効率の低下を防げます。メーカーから提供されるマニュアルだと複雑でわかりにくい場合もあるため、院内スタッフが中心となって使いやすい内容に編集しましょう。

 

●ITシステム人材の育成

スタッフ全員が電子カルテを使いこなせるようにするには、操作に困った時にサポートしてくれる存在が必要です。電子カルテに精通したITシステム人材を育成することで、研修講師をまかせたり、院内でトラブルに対処したりできます。もし、人材育成が難しい場合は、外部から採用するのも有効です。

 

●定期的な運用改善

電子カルテは定期的に機能を見直して、運用改善を図ることも重要です。機能が多すぎるとかえって使いこなせなくなることもあるため、定期的に機能を見直しながら使っていない、もしくは必要ない機能を洗い出し、不要な機能は削除しましょう。逆に、必要な機能を追加で搭載する、ほかシステムと連携させた方が効率が良くなるといった意見も取り入れて、システムを改善していきます。

 

●医療クラークの活用

カルテの入力以外の業務が多い、または電子カルテを使いこなせるか不安な場合は、医療クラークによる代行入力を活用するという選択肢もあります。医療クラークに電子カルテの入力を代行してもらうことにより、医師は最終的なカルテの入力内容をチェックするだけで済むので、これまで入力にかかっていた事務作業を大幅に短縮できます。その分、本業である診療に時間を割けるのも医療クラークを活用する大きなメリットです。

 

電子カルテの活用事例

電子カルテの活用事例をご紹介します。

 

●共立美容外科の事例

マーケティング担当者や経営陣の提案に留まっており、現場の意見を反映した電子カルテのシステムや予約カルテシステムの導入ができていなかったという共立美容外科。現場が使いこなしやすく、現場の声が反映されたシステムの構築を目指して試行錯誤し、電子カルテとそれに伴う医療システムを刷新・構築しました。導入により、医院全体のキャパシティ増加を実現しています。

 

●AILE Clinicの事例

AILE Clinicでは、紙カルテから電子カルテへの情報転記、予約情報との照合に課題がありました。そこで、電子カルテやWeb問診票などが一体化している医療システムを導入することで、転記作業や照合作業、確認作業のロスの減少を実現しました。ほかのシステムと連携できる電子カルテを導入することで、スタッフの業務効率化につながった事例だといえます。

 

●オーロラクリニックの事例

オーロラクリニックの課題となっていたのは、予約管理です。カルテ情報や問診票、予約サイトなど様々な媒体から患者の予約情報が集まってくるため、度々ヒューマンエラーが起こっていました。そこで、電子カルテシステム・予約システム・Web問診票が一体となった医療システムを導入。ミスの防止につながったほか、患者の待ち時間の軽減やカルテ管理の利便性向上にもつながりました。

 

●ミニマムスキンクリニック銀座

ミニマムスキンクリニック銀座は元々、紙を使用したカルテ管理をしていました。具体的には、「問診票を患者に記入してもらい、その問診票をもとに医師や看護師がカルテを作成する」という方法です。電子カルテを導入することで、患者へ事前にWeb問診票を配布が可能になりました。あわせてカルテの自動生成ができるようになったため、カルテ作成作業そのものが大きく簡略化し、患者の待ち時間短縮にもつながりました。

 

電子カルテを導入する方法は?

クラウド型とオンプレミス型のどちらにおいても、パッケージ販売されている電子カルテは数多く存在します。製品のオフィシャルサイトでは、電子カルテを導入したい医療施設に向けて、資料請求のフォームを設けているほか、製品の体験会などを開催しているケースもあります。これらを通じて、電子カルテの機能や使い勝手、コストなどを比較検討したうえで導入しましょう。

 

電子カルテの開発を外注する際のポイント

既存の電子カルテを導入するほか、オリジナルの電子カルテを開発することも可能です。電子カルテの開発を外部のシステム開発会社へ依頼する際は、以下のポイントに注目しましょう。

 

●電子カルテの開発実績はあるか

電子カルテの開発実績をチェックしましょう。企業の公式サイト内で、開発実績や対応実績を公開しているシステム開発会社を中心に選定します。実績内容が確認できれば、実際に開発してもらえそうな電子カルテのイメージを具体的に持てます。また、実績を確認することで「イメージしていたものと違う」というミスマッチの防止にもつながります。

 

●対応範囲は明確か

開発作業をどこまで依頼できるのか、対応範囲をしっかりと確認しましょう。「上流工程を中心に対応」「開発や運用・保守を中心に対応」など、対応範囲を明確に棲み分けている開発会社も少なくありません。

 

●開発後のサポート体制が整備されているか

電子カルテのゴールは、開発・導入することではありません。開発・導入後に運用するために、どの程度のサポートを得られるかも重要なポイントです。長期的・定期的な運用や保守を依頼できるか、不具合があった際に迅速に対応してもらえるかもチェックしましょう。導入後のことを視野に入れていないと、後になって思わぬ追加費用が必要となる可能性もあります。

電子カルテを活用できれば、カルテ作成業務をはじめとする幅広い業務を効率化できます。発注ナビは全国6000社以上の開発会社の中からご要望や案件内容に合った開発会社を厳選してご紹介。「自社に合った開発会社がわからない」「選定にできるだけ時間をかけずに電子カルテを導入したい」とお考えのご担当者様は、ぜひ一度ご検討してみてはいかがでしょうか。

 

 

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