Webシステム・Webアプリの開発現場では「フロントエンド」「バックエンド」と分野を分けて制作を行います。フロントエンドはユーザーが目にする部分を指し、バックエンドは舞台の裏側ともいえるサーバー側を担う部分です。いずれも、WebサイトやWebシステムなどの開発に必要であり、開発に携わるエンジニアは需要な役割を担っています。今回は、フロントエンド・バックエンドそれぞれの概要や各エンジニアに必要なスキル、開発の流れを見ていきましょう。ぜひ採用活動に役立たせてください。
目次
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フロントエンド・バックエンドの明確な違いとは?
フロントエンドとはWebシステムやWebアプリにおいてユーザー側の目に触れる部分のことです。対してバックエンド開発とはサーバー側のシステムやデータベースのことです。
フロントエンド | バックエンド | |
---|---|---|
開発領域 | Webサービス、Webアプリなどの操作画面 | サーバー側 |
使用言語 | ・HTML ・CSS ・JavaScriptなど |
・Java ・Ruby ・PHPなど |
内容 | Webデザインが設計したデザインをプログラムに落とし込む | ・システム構築 ・データベース構築 ・保守・運用 |
上記の表のように、フロントエンド・バックエンドにはこれだけの違いがあることがわかります。それらの違いを詳細に解説していきます。
●開発領域の違い
フロントエンドの開発領域は、Webシステム、Webアプリなどの操作画面です。直接ユーザーが目に触れて操作する部分、とも言い換えられます。
逆にバックエンドの開発領域は、サーバーサイドの処理に関する開発や構築です。例えば、会員情報の登録やクレジットカード決済に必要な個人情報の読み込みなどが該当します。
●使用言語の違い
フロントエンドでは「HTML」や「CSS」、「JavaScript」などを使って作業をします。フロントエンドにかかわる処理をする人物を、フロントエンドエンジニアといいます。
HTMLはWebページを作るための言語であり、フロントエンドにおいても基本となり、CSSはWebページを見栄え良く整えるための言語です。フロントエンドエンジニアは、ユーザーが使いやすいように構築するのが仕事であり、CSSの知識が必須といえます。JavaScriptはWebページに動きを与える言語で、ユーザーが楽しくシステムを利用するために必要です。
バックエンドは「Java」「Ruby」「PHP」などの言語を活用して開発を行い、バックエンドの開発者を「バックエンドエンジニア」と呼びます。バックエンドに必要な開発言語や言語別のフレームワークの知識がないと、バックエンド開発は難しくなります。
●業務の違い
フロントエンド開発の業務は、ユーザーが見る画面のデザインをいかにプログラムに落とし込んで再現するかがポイントです。。フロントエンド開発では、いかに見やすく使いやすいWebシステムにできるかが問われます。使いやすいフロントエンドは、ユーザーのストレス軽減にもつながるため重要です。
バックエンドでは、サーバー側のシステム構築やデータベース構築を行います。つまり、Webサービスにおける根幹ともいえ、バックエンド開発がなければシステムそのものが成り立ちません。ユーザーは表示している画面を見てシステムを操作しますが、こうしたフロントエンドの仕組みも、バックエンドで行うシステム構築によって稼働します。
開発領域が違えば開発の流れも違う
ここまでフロントエンドとバックエンドの違いについて解説してきましたが、開発領域が違えば開発の流れも異なります。続いては、フロントエンド開発とバックエンド開発の流れとその違いについて見ていきましょう。
●フロントエンド開発の流れ
フロントエンド開発の流れは以下の通りです。
- 画面全体の初期設計
- 画面コンポーネント定義
- アクション・レスポンス定義
- HTML・CSSマークアップ
- JavaScript・TypeScript実装
- ブラウザ検証
フロントエンド開発は、ユーザーが見る画面全体の初期設計から始まります。ページごとに表示する情報やユーザー操作について検討し、ページの遷移図を作ることも必要です。
続いて、Webサイトやアプリの複数ページで共通して使用する要素や、部品である画面コンポーネントの定義を行います。例えばナビゲーションやボタンなどは共通パーツの1つです。
次に、ユーザーが操作をした時のレスポンスについて定義します。応答の表示や画面遷移に加えて、反応速度や表示時間の定義も必要です。
ここまで完了したら、HTMLやCSSでマークアップします。それぞれのページを作り上げる大切な作業です。マークアップ実装に次いで、共通パーツに動きをつけるJavaScript・TypeScript実装をします。
すべての実装が完了すると、いよいよブラウザ検証です。画面表示に不具合や乱れがないかを確認します。クライアントにも動作確認をしてもらい、使い勝手をチェックすることも大切です。
●バックエンド開発の流れ
バックエンド開発は、システム開発と大差なく、ほぼ同じ流れで行います。全体の流れは以下の通りです。
- 企画・要件定義
- 設計
- 開発
- テスト
開発を始める前にクライアントにヒアリングを行い、仕様や要件を把握しておかなければなりません。そのうえでバックエンド開発の企画を行い、要件を詳細まで決めていきます。
要件がまとまったら、その通りに詳細に設計します。続いて、設計をもとにバックエンドを開発していきます。すべての要件に関する開発が完了したら、テスト段階です。
テストでは、システムテストとユーザーテストを行います。開発したシステムが、ユーザー側の環境で正常に動作するかをチェックする大切な工程です。
それぞれの開発には専門エンジニアが必要
フロントエンドとバックエンドは、開発を行うエンジニアが異なります。前章でも触れたように、フロントエンド開発を担うのは、フロントエンドエンジニアです。一方、バックエンド開発はバックエンドエンジニアが担当します。
それぞれのエンジニアは特徴や役割は異なり、フロントエンドもしくはバックエンドエンジニアの募集をかけるには、細心の注意を払わなければなりません。そのため、フロントエンドエンジニア・バックエンドエンジニア両方の役割や必須スキルを理解しておく必要があります。
●フロントエンドエンジニアの役割と必須スキル
フロントエンドエンジニアは、Webデザイナーが作成したデザインをブラウザに再現する仕事です。HTMLやCSS、JavaScriptを駆使して、実装していきます。ユーザーが見やすいフロントエンドの設計・構築が主な仕事内容です。
基本的に、Webデザイナーやコーダーと連携を取りながら作業を行いますが、ディレクターやバックサイドエンジニアとやり取りをすることもあります。また、コーディングも同時に行うケースもあるため、業務領域は広いといえます。
フロントエンドエンジニアを募集するならHTMLやCSS、JavaScriptのスキルはもちろんのこと、Webデザインの知識があると重宝します。
また、技術力だけでなく、複数人で行う作業が多いためコミュニケーション能力も必要です。いくら知識やスキルが高くても、デザイナーやコーダーなどと適切なやり取りができなければ、業務に影響するからです。
●バックエンドエンジニアの役割と必須スキル
バックエンドエンジニアはサーバー側で行われるサーバー構築やプログラム開発、リリース後の保守・管理、システム開発に欠かせないハードウェアの選定や導入、セキュリティ管理、ユーザーが求める情報の管理などを請け負います。
サーバーサイドエンジニアと呼ばれることもあり、開発段階からリリース後まで対応する重要な役割です。フロントエンドエンジニア同様、幅広く業務に携わるため様々な知識やスキルが必要となります。
バックエンドエンジニアを募集するならJavaやPHP、Rubyの扱いに長けていることが必須です。ほかにも、フロントエンドエンジニアが製作したアプリをOSにつなぐためのミドルウェアに関する知識や、大規模なプログラムに携わる場合はGitHubといった開発プラットフォーム関連のスキルがあるかもチェックしましょう。
また、フロントエンドエンジニアには見た目を良くするデザイン性が必要になるのに対して、バックエンドエンジニアにはロジカルな思考が必要です。それだけでなく、バックエンドで不具合が起こるとフロントエンドに影響するため、注意力が高く隅々まで意識して細かいミスにも気がつく方かどうかも見極めましょう。
フロントエンド・バックエンドエンジニアの需要は高い
2022年現在、フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアの需要は高まっています。理由は、IT業界全体で人手不足が起こっているからです。
IT業界は近年市場規模の拡大が続いていることで人材の需要が増えていく一方で、技術の進歩が速いことから、企業の間で最新技術を使いこなせる人材の奪い合いが発生しています。さらに技術者の高齢化により、定年退職で社員数が減ってしまっていることも、人材不足に拍車をかけています。
需要は高いけれども人材の取り合いが発生しており、即戦力になるフロントエンド・バックエンドエンジニアを募集するのは、一筋縄ではいきません。
●フロントエンド・バックエンドに長けた人材はさらに貴重
フロントエンド・バックエンドの両方の業務を1人でこなせる人材をフルスタックエンジニアといいます。マルチエンジニア(万能エンジニア)とも呼ばれ、設計から実装、運用までトータルして行える貴重な人材です。
フロントエンド・バックエンドそれぞれの専門分野に関する技術や知識を持っているため即戦力として期待できますが、先述したような人手不足になっていることから、競合企業との人材の取り合いを覚悟しなければなりません。
フロントエンド・バックエンドの人材が欲しいなら
フロントエンド・バックエンド開発は、それぞれにスキルや知識が求められる仕事です。それぞれに特徴や求めるスキルを踏まえたうえで、採用活動をしなければなりません。
とはいえ採用をかけたとしても、フロントエンドやバックエンドの開発を経験している人物がすぐやってくるとは限りません。採用するかどうかの判断は書類選考に加えて、いくつもの面接を実施しなければならないからです。
そこで困った時は、外注に出すのも1つの手段です。
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