今回は、「HP制作にかかる費用」について。
HP制作には、ネット上の特性による独特の費目があることを理解しよう
制作費の内訳を理解して、制作会社を客観的に比較しよう
見積書で、費目ごとの単純比較は意味がないことを理解しよう
はじめに
ホームページ制作費の内訳を知ろう
ホームページ(以後HP)の外注を検討する際、複数のweb制作会社から見積書を取り寄せ、料金やサービス内容を比較検討するのが一般的ではないかと思います。しかし、見積書に記載された費用の内訳(費目)が具体的にどのような作業を意味するのか理解できなくては客観的な比較ができません。
見慣れない名称のものも多いと思いますが、これらの費用内訳の意味を知っておくと、見積書を比較する際に便利ではないでしょうか。
1. ディレクション費(制作進行費)
ビジネス用のHPは、「知名度向上」「ブランド構築」「売上増進」などの具体的な目的を実現するために制作されます。こうした目的なく、漠然と「見た目のキレイなHP」をつくっただけでは達成はできないと思われます。
HP制作費に計上される「ディレクション費」とは、こうした目的を達成するため、ディレクターが絞る「知識と知恵」に対する報酬と考えていいでしょう。なお、会社によっては「プロデュース費」「企画費」などの費目になることもあります。
2. デザイン費
HPのデザインは、印刷物などのデザインとは異なり「ユーザーに届けたい情報を適切に届ける」といったインターフェースデザインも含まれています。また検索エンジンなどからのユーザーがサイトの下層ページに直接ランディングした場合、「このページがサイト内でどのような層に位置するのか」「このサイトはそもそも何のサイトか」といった情報を直感的にユーザーに伝えるといった役割も含まれており、サイト構造の構築とも密接な関係があります。
3. コーディング費
HPの各ページは「HTML」という言語で書かれています。HTMLはプログラム言語ではありませんが、それに近い形式になっています)。
HTMLを記述することを「コーディング」と呼びますから、コーディング費は「実作業費(コーダーの人件費)」と考えてよいでしょう。
4. 写真使用料
HPに使用する写真は、オリジナルで撮影を行うもののほか、イメージフォトなど、既成品の写真素材を使用する場合があります。これらの写真素材はネット上で無料提供されているものもありますが、クオリティが高く、なおかつコンテンツに適切な素材を選ぶためには、リース/レンタルフォト会社の有料写真素材を使う場合があります。これらの有料素材は、用途によっては数万円もするものがあり、独立した費目として見積書に計上されます。
5. サーバー管理費(メンテナンス費)
HPのデータを格納するサーバーを管理するための費用です。制作会社のサーバーを利用する場合と、ほかのレンタルサーバーや自社サーバー上でHPを運用する場合とでは費目の内訳が変わってきますが、コンテンツの更新、外部からの不正侵入防止など、制作会社が何らかの責任を持ってサーバー運用に携わる場合はこうした費用が必要になります。
注意点
各制作会社から提出される見積書を比較検討する際、「ほかの会社はこの費目がもっと安い」など、他社の見積書を値切りの材料にするのは危険です。会社のHP制作フローによって費用の配分は異なっており、費目ごとに金額を比較することには意味がありません。
また、費用とクオリティには密接な関係があり、無理な値切りによってトータルクオリティのバランスが壊れてしまい、HP制作のそもそもの目的が達成できなくなってしまう心配もあります。
見積書と予算とが適合しない場合、値切るよりも「この予算内でできる範囲のことを提案してください」というような相談形式にした方が、制作会社のモチベーションも下がらず、より協力的な姿勢を引き出せるでしょう。
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