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ICT(情報通信技術)とは?ITとの違いと政府が進めるICTの利活用

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ICT(情報通信技術)とは、PCだけでなくスマートフォンやスマートスピーカーなど、さまざまな形状のコンピュータを使った情報処理や通信技術の総称です。
よく知られる言葉に「IT(情報技術)」がありますが、ICTはITにコミュニケーションの要素を含めたものです。
実際の意味はほぼ同じですが、国際的にはITよりもICTのほうが普及しています。
今回は、ICTの基礎知識やITとの使い分け、活用例などについてご紹介します。

 

目次

 

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この資料でわかること
・システム開発の流れ
・専門用語の解説
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ICTとは?

ICTは「Information and Communication Technology(情報通信技術)」の略で、通信技術を活用したコミュニケーションを指します。情報処理だけではなく、インターネットのような通信技術を利用した産業やサービスなどの総称です。

ICTは、ITに「Communication(通信、伝達)」という言葉が入っており、ITよりも通信によるコミュニケーションの重要性を強調しています。単なる情報処理にとどまらず、ネットワーク通信を利用した情報や知識の共有を重要視しています。スマートフォンやIoTが普及し、さまざまなものがネットワークにつながって手軽に情報の伝達、共有が行える環境ならではの概念です。

 

ITとの違いと使い分け

これまではICTよりもITが主に使われてきました。では、ICTとITはどのように使い分けているのでしょうか。

 

●ITとは?

ITは「Information Technology(情報技術)」という意味で、PCのハードウェアやアプリケーション、OA機器、インターネットなどの通信技術、インフラといった、さまざまなものを含みます。コンピュータやデータ通信に関する「情報技術」を指し、2000年にIT基本法が制定された頃から日本でも広まりました。

 

●ICTとITの使い分け方

ICTとITは、ほぼ同じ意味の言葉ですが、具体的には使い分けされており、何を重視するかがポイントです。ITは、ハードウェアやソフトウェア、インフラなどコンピュータ関連の技術そのものを指す用語です。一方、ICTは情報を伝達することを重視し、医療や教育などにおける技術の活用方法、またはその方法論といったものを指します。

また、省庁によってもICTとITのどちらを使用するかが異なります。経済産業省では通信技術そのものを扱うことが多いので「IT」を用いており、総務省では情報通信産業を扱うことが多いので「ICT」を使っています。

 

●国際的にはICTのほうが定着している

日本政府は、2000年に「e-Japan」構想を打ち出し、「高度情報通信ネットワーク社会形成基本法」(通称「IT基本法」)を成立させました。当時は、ITという用語を使っていましたが、2004年に「e-Japan」構想を「u-Japan」構想に改正した頃から、ICTという用語を使っています。

なお、国際的にはICTという言葉が広まっており、日本で言うITの意味合いも含めてICTと呼ばれています。そのため日本でもITに代わってICTが広まりつつあります。

 

ICTの活用例

ICTはすでに身近な生活の中で活用されており、ニュースやCMでも取り上げられています。ここでは、ICTが活用されている事例をご紹介します。

 

●機器の導入だけではICTとは言えない

PCやタブレットなどの情報端末を設置し、無線LANのような接続環境を整備しただけでは、ICTを実現したとは言えません。導入するだけでなく、情報や技術をどのように活用するかが重要です。

 

●ICTの活用事例

<教育>

教育現場では、PCやタブレットなどの教材が活用されています。教員がPCやタブレットを操作して授業をより楽しく、わかりやすくするだけでなく、生徒情報の管理にもIT技術が使われています。授業で使う資料作成の簡易化も可能です。
将来的には、遠隔地や海外の学校と通信を使って交流したり、クラウドを利用して学校に来られない生徒が家で学習したりする仕組みも考えられています。

 

<高齢者見守りシステム>

介護業界では深刻な人手不足が続いていて、独り暮らしの高齢者の増加は大きな社会問題になっています。そこで、ICTを活用することで、インターネットを通じて離れた場所にいる高齢者の状況を確認できるサービスが普及しつつあります。IoT技術によって部屋や水道、家電製品などにセンサーを設置し、高齢者の安否を離れた場所にいる親族に伝えることができます。取得した情報は、ホームヘルパーやケアマネージャー、看護士、医師など、関係者の間で共有し、健康管理に役立てています。
今後は高齢者の中にもPCやタブレットなどを使いこなせる層が増えてくるので、買い物の支援や行政サービスの申し込み、遠隔健康相談システムなど、利用の幅は広がると予想されています。

 

政府が進めるICT

ICTはITに替わる言葉として、行政機関や公共事業などで用いられるようになってきています。国際的にはITよりもICTが普及していることから、日本でも世界基準に合わせるためです。総務省で発行している「IT政策大綱」も、2004年から名称を「ICT政策大綱」に変更しています。

政府や行政機関でも、公共事業や地域活性化など各分野でICTを活用するためのさまざまな計画が立てられています。ここでは、総務省の取り組みをご紹介します。

 

●IoT・データ活用

IoTは「Internet of Things」の略で、「モノのインターネット」という意味です。IoTにより、あらゆるモノがインターネットにつながり、データを送受信して情報を受け取ったり、遠隔地から機器を操作したり、いろいろなサービスを受けたりすることができます。インターネットにつながっているデバイスもIoTと呼びます。
例えば、外にいてもスマートウォッチでインターネットからの情報を受け取ったり、スマートスピーカーなど自宅にあるIoT家電で子供の帰宅やペットの様子を確認したり、自宅の家電を操作したりできます。

IoTの活用により、インターネット上にはIoTからの膨大なデータ(ビッグデータ)が集まります。総務省ではIoTをいろいろな分野に導入し、一定のルールのもとにデータを収集してビッグデータとして活用することを目標としています。また、それによってオフィスでの生産性や家庭生活での利便性が向上すること、これまでにない革新的なIoT機器やサービスを開発することも目指しています。

 

●地域活性化

総務省では、「一億総活躍社会」や「地方創生」を実現する手段のひとつとして「ふるさとテレワーク」を推進しています。テレワークとはオフィスではない場所、とくに遠隔地で勤務することで、柔軟な働き方を可能にするうえで効果的です。テレワークにより都市部以外の地方でも仕事をできるようにすることで、地方の人口を増やす取り組みでもあります。
ICTを活用して、地域でも都市部と同じように仕事をできるようにしたり、地方ならではの情報を発信したり、都市部に劣らない医療・介護・教育・子育て支援などのサービスを提供したりすることが期待されています。

 

●サイバーセキュリティ

ICTによって、さまざまなデバイスが常にインターネットに繋がることになります。そのため、安心・安全なネットワーク環境の実現が必要です。なかでも、インターネットバンキングやリモートワークなどでは、高いセキュリティを要求されます。インターネットを使いやすくするためにネットワークを強化するだけでなく、機密情報の保護やサイバー攻撃対策も重要になるでしょう。

 

●医療・健康・介護

超高齢社会への突入による社会保障費の増大や介護・医療現場の人手不足も、ICTを活用した対処が期待されています。ICTによって業務を効率化して人手不足を解消したり、医療の安全性を向上させたりして、高齢者が暮らしやすく健康に暮らせる社会の実現を目指しています。

 

●教育・人材

教育現場でもICTの活用が求められています。クラウドなどを活用し、地方でも都市部に劣らない教育が受けられるようなICTシステムの環境構築が進められています。入院や不登校などの事情で学校に来られない子供も在宅で教育を受けることができるようになります。

 

●防災(G空間、Lアラート、Wi-Fi)

地震などの天災から国民を守るために、Lアラート(災害情報共有システム)を活用した災害情報伝達手段の普及拡大も求められています。G空間情報(地理空間情報)を活用することで、ピンポイントで詳細な防災情報を発信できます。防災拠点など人の集まる場所での無料Wi-Fi環境の整備も進んでおり、被災者が情報を受け取りやすくしたり、素早く安否確認できるようにしたりしています。

 

ICTとIoTでさらにネットワークを活用する社会に

インターネットが普及したと言っても、これまではWebサイトを見たり、メールやメッセージサービスを使ったりするだけのライトユーザーが多数でした。
しかし、ICTの活用が広まるにつれて、そうした状況は変わりつつあります。
これまでのように情報を受け取るだけでなく、誰もが情報を発信し、積極的にインターネットを活用していくことになるでしょう。
そのためにはユーザーの側もICTやインターネット、セキュリティについてもある程度の知識を持つことが求められています。 

 

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