
近年、様々な分野で、AI・人工知能を活用した「画像認識システム」が注目されています。画像認識システムとは、画像に映る人物や物、文字などを過去に登録されているパターンデーターと比較し認識するシステムです。人物であれば過去に登録されているパターンをもとに、画像に映る人が誰なのかを認識させたり、人物の顔だけでなく物や文字などの判別が可能です。
活用例としては、生活に身近な場所であれば、パソコンやスマートフォンへのログイン、Googleの画像検索などで、AI・人工知能を活用した画像認識システムがあります。そのほかにも、セキュリティ対策や、物の仕分けなど、様々な用途で活用されています。本記事では、画像認識システム開発を成功させるためのポイントにかかせない、システム導入の目的や外注した際の費用目安について解説します。
目次
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画像認識システムの開発工程の費用目安
画像認識システム開発・導入を担当されている方の中には、ざっくりとしたシステムの料金目安はわかっていても、どのタイミングで費用が発生するのか知りたいという方も多いです。しかし、AI・人工知能を活用した画像認識システムの開発・導入は、目的や課題などにより仕様が大きく異なります。ここからはAI・人口知能を活用した画像認識システムの開発・導入の工程と費用目安について説明をしていきます。
画像認識システムを開発するにあたっては、主に次のような工程があります。
- ヒアリング
- コンサルティング
- AIの適応ができるか検証
- プロトタイプ(PoC)作成
- 本開発
- 運用
●ヒアリング
ヒアリングは、企業が抱えている課題や問題を明確化することです。外注先のパートナーが持っている技術などのプレゼンを受けることで、AI・人工知能を活用した画像認識システム開発の概要を検討していきます。画像認識システム開発にどの程度のコストがかかるのか、概算コストも合わせて検討する段階です。概算コストについては、ヒアリングのレベルにもよりますが、一般的に無償で受けられます。
●コンサルティング
画像認識システムを開発したい目的や、現状の課題の整理が基本的にできていない場合は、コンサルティングを外部業者へ依頼することになります。コンサルティングは、現状を把握することで、発生している問題点や課題の整理、システム要件定義書を作成する工程をサポートが主になります。コンサルティング費用の相場としては、40万~100万円ほどです。大規模な案件になるほど高額になりますが、安心して画像認識システムを開発・導入前に土台を準備できる、重要なポイントになります。
●AIの適応ができるか検証
近年の画像認識にはAIの技術が使われることが多いですが、必ずしもAIを使うわけではありません。場合によってはAIの使用ができない可能もあります。AIモデルが制作できそうなのかの可能性についてチェックをするフェーズが必要です。また、データを保有している数、データの種類、AIに求める精度などを総合的に検証することが大切です。
この工程にかかる相場としては、一般的にコンサルティング40万~100万円ほど、モックアップ開発という工程では200万円からが相場といわれています。ただ場合によっては無料で対応できるケースもあるので、自社の課題や問題を、開発委託企業へ相談してみましょう。
またAIを適用させるために必要な教師データを保有していない場合、教師データ収集や、アノテーション(教師データ作成)の作成費用として別途、数百万円ほどの費用が必要になるケースも少なくはありません。そのため、教師データをすべて保有しているか、教師データとし使うことができるかを調べておくことで、開発予算の費用に大きな差異を出さずに済みます。
●プロトタイプ(PoC)作成
AIの適応ができるかの検証ができたら、次にプロトタイプ(試作品)を作成します。プロトタイプは、企画した仕様や機能を実現できているかを検証します。既存のデータを使い実際に、機械学習モデルを実装し、求めていた精度になっているかなどの検証を行うフェーズです。AI機能や開発機関により異なるため、目安を設けるのは難しく、数百万円程度の費用はかかります。プロジェクトの規模や内容によって費用は大きく変わるため、具体的な費用を知りたい場合は、専門の開発会社に見積もりをとることをおすすめします。
一般的なAIシステムは、すでに開発会社が構築しているモデルをカスタマイズして開発できることから、比較的費用を抑えることができます。ただ一方で、これまでに開発していないような独自のAIモデルとなると、開発期間も長くなることから開発コストも高くなります。そうならないためにも、自社で開発したいAIモデルについてしっかり把握しておくことが大切です。
●本開発
プロトタイプでの検証が成功すると、実際に運用できるシステムの開発を行います。プロトタイプで見つかった課題や懸念項目の修正、AIモデルのチューニングなどを行います。開発の規模により異なりますが、期間は約3ヶ月から半年は見ておいたほうが良いです。開発は一定数のエンジニアとデータサイエンティストを揃えた開発体制を整えたラボ型で開発を進めるのが一般的です。エンジニアのレベルと人数により開発費用は異なりますが、月額80万~250万円程度が相場といわれています。
●運用
画像認識システムの実装段階での確認作業が終わると運用フェーズへ進んでいきます。システムが問題なく安定して稼働し続けるための保守、企画構想段階で設定した目標の達成ができているかの確認を定期的に行い、PDCAサイクルを回すことで、画像認識システムの安定運用が実現ができます。運用における費用相場はシステムの規模やAI機能により異なりますが、一般的には、月額10万~100万円程度といわれています。
AI・人工知能を活用した画像認識システムを開発会社へ依頼した場合にかかる相場は、システム規模やAI機能のより異なりますが、一般的には以下のとおりです。
| 内容 | 費用相場(目安) |
|---|---|
| ヒアリング | 無料 |
| コンサルティング・要件定義 | コンサルティング四十万円から百万円程、モックアップ開発は二百万円程 |
| AI化できるかの検証 | 40万~100万円 |
| プロトタイプ(PoC)作成 | 約百万円から数百万円 |
| 本開発 | 月額五十万円から数百万円 |
| 運用費 | 月額十万円から百万円程 |
開発予算の決め手となる要素
画像認識システムの導入・開発相場について説明してきました。画像認識システムに限らず開発費用は、様々な要因で左右され大きな幅があります。画像認識システム開発予算の決め手になる要素について説明していきます。
●開発期間と工数
画像認識システム開発費用の大半は、エンジニアの人件費です。そのため、エンジニアを確保する期間として、どの程度の作業量が必要なのか、つまり開発期間と開発工数は開発予算を決める重要な要素となります。
その計算方法としては、前項でも説明しているように「人月単価×人月=エンジニアの人件費」として計算します。この計算のように開発期間が長く、作業量が多いほど開発費用はかさんできます。開発期間や作業量を抑えるためには、はじめに要件定義を詳細に決めておくことが重要です。
●エンジニアのスキルレベルや人数
「開発期間と工数」とも関係していますが、開発に携わるエンジニアの1人ひとりのスキルレベルと人数により人件費は左右されます。高いスキルと実績があるエンジニアほど、人月単価は高くなります。エンジンアの一般的な相場は、上級SEであれば120万~200万円と高額になります。次に表は、エンジニアレベル別の人月単価の目安です。
| エンジニアのレベル | 相場人月単価 |
|---|---|
| PG(下請け・フリーランス) | 40万円から80万円 |
| PG(大手開発会社) | 60万円から100万円 |
| SE(初級) | 60万円から100万円 |
| SE(中級) | 80万円から120万円 |
| SE(上級) | 120万円から200万円 |
以上の人月単価は、依頼先の企業によって異なります。
●AI機能
画像認識システムにどんな機能を実装するか、AI・人工知能をどう作るかによって開発費用は大きく異なってきます。システムへのログインや、画像の判別程度のシンプルなシステムであれば既存のモデルを利用することで、開発は短期間で済み費用も低価格で開発できます。しかし、今までにない新しい機能をもつAIの開発が必要になった場合、開発期間も長く、高いスキルを持つエンジニアが必要になり、開発費用も高額になります。
画像認識システムを外注委託する際には、開発期間や工数、エンジニアのスキルレベル、AI機能の3つの要素を十分に精査し、システム要件定義書と見積書・見積仕様書を見比べることが大切です。
画像認識システム開発に関するよくある質問(FAQ)
Q. 画像認識システム開発の主な工程と、それぞれの費用目安を教えてください。
画像認識システム開発の主な工程と費用相場は、初期のコンサルティング・要件定義やAI適応の検証にそれぞれ40万~100万円、プロトタイプ(PoC)作成に約100万円~数百万円、本開発に月額50万円~数百万円、その後の運用費に月額10万~100万円程度が必要です。初回のヒアリングは無料で行われるのが一般的ですが、本格的なプロジェクト開始にあたっては、エンジニアやSEの人月単価(月額80万~250万円程度)をベースにした開発費用が算出されます。また、検証フェーズにおいて本格的なモックアップを構築する場合は別途200万円以上の開発コストが必要となることもあり、開発規模やプロジェクト期間、人員数によって総額が大きく変動します。
Q. 画像認識システムの開発費用(予算)を左右する主な要因は何ですか?
画像認識システム開発の予算規模を決定する主な要因は、「プロジェクトの開発期間と総工数」「稼働するエンジニアのスキルレベルや人数」「実装を求めるAI機能の難易度」の3点です。開発費用は基本的に「人月単価×必要人月」で計算されるため、期間が長期化し関わる人員数が増えるほど総コストは跳ね上がります。特に高度な実績を持つ上級システムエンジニアは、人月単価が120万~200万円と高額になり、さらに既存のAIモデルではなく自社専用の完全なオリジナルAIモデル(独自機能)を一から研究・開発する場合は、長い開発サイクルと極めて高い技術力が必要になるため費用が高額化しやすくなります。
Q. 画像認識システムの開発コストを抑えるためにはどのような対策が必要ですか?
画像認識システムの開発コストを効果的に抑えるためには、設計初期における「詳細な要件定義の確定」、一からの開発を避けた「既存AIモデルの積極活用」、そしてあらかじめ「上限となる開発予算枠を設定しておくこと」の3つの対策が不可欠です。早い段階で実装する機能範囲を厳密に定義しておくことで、後からの仕様変更による不要な作業時間の発生や手戻り工数を防ぎます。また、コスト高になりがちな独自の新規学習AIの開発ではなく、すでに公開・提供されている実績豊富なオープンソースのモデルやAPIを活用・カスタマイズすることで、開発工数を劇的に圧縮できます。さらに、最初から予算上限を設定してその範囲内で優先順位の高い機能を実装していくことで、全体の出費が想定外に肥大化するリスクを確実に回避できます。
Q. AIを適用するための「教師データ」を自社で持っていない場合、費用に影響はありますか?
AIの精度を担保するために必須となる「教師データ」を自社で保有していない場合、データの収集やラベリング作業(アノテーション)の工数が発生するため、別途数百万円規模の追加費用が請求されるなどコストに極めて深刻な影響を及ぼします。画像認識AIの学習には大量 of 正解データが必要であり、これをゼロから撮影・収集したり、画像一枚一枚に何を指しているかのタグ(注釈)を手作業で付与するアノテーション作業は莫大な工数がかかります。正確な開発予算を見積もり無駄な追加支出を避けるためにも、自社にどのようなデータが蓄積されているか、学習用として加工・転用できるデータが本当に一切ないかをプロジェクト開始前にくまなく調査し確認しておくことが強く推奨されます。
Q. 画像認識システム開発で失敗しないためのポイントを教えてください。
画像認識システムの開発を成功させて失敗を防ぐための極めて重要なポイントは、「システムによって解決したいビジネス課題や導入目的の明確化」「あらかじめ上限を設定した現実的な開発予算枠の算定」「開発会社へ任せきりにしない密な相互協力体制の構築」の3点です。解決すべき課題が曖昧なまま開発会社へ丸投げしてしまうと、不要な機能追加やオーバースペックなインフラ設計を招き費用が跳ね上がります。また、開発プロセス中も現場固有の業務ルールや画像データの特性を丁寧に開発チームにフィードバックし、定期ミーティングで動作モックを確認しながら進めることで、実際の仕上がりと期待値のズレをなくし、余計な手戻りによる追加開発費の発生を徹底的に抑えることができます。
開発で失敗しないためのポイント
画像認識システム開発を外注する際には、予算や費用に関していくつか失敗しないためのポイントがあります。ここからは開発で失敗しないためのポイントについて説明していきます。
●課題や目的を明確にする
「画像認識システムを利用すれば、業務全体が今以上に改善されるだろう」「とりあえず導入すれば、様々な活用シーンが見つかるのではないか」など、目的を明確化せずに開発に着手するのはおすすめできません。最終的な開発の着地点が見つからずに、開発の期間と費用を増やすことになり、予算が膨らんでしまいます。そうならないためにも、画像認識システム開発の目的、解決したい課題を明確化したうえで、開発会社と相談することが大切です。
●コスト・予算を算定する
今までにないような独自機能をもったAI開発をする際は、より多くの開発費用が必要になります。一方、既存のAIモデルを元にカスタマイズをした場合は、開発費用を抑えることはできますが、実際に開発をしてみないと正確な費用がわからないリスクがあります。
開発費用が膨らむことを未然に防止するためには、あらかじめ開発予算枠を決めておくことが大切です。
●開発会社と協力する
開発会社へ委託したとしても、委託先に任せきりにしないことが重要です。開発会社は、開発のプロですが、あなたの会社が抱えている課題や、製品、サービスの業務や特徴などまでは把握していません。そのために開発会社へ任せきりにしてしまうと、例え、画像認識システム自体は優れていても、実際の業務や特徴などに適していないシステムが完成してしまうリスクがあります。
必要がない機能まで付属することとなり、余計な開発費用がかかる恐れもあります。希望や要望している機能と完成品のズレを起こさずに、必要最低限の期間と開発費用でシステムを完成させるように、開発の進捗状況をこまめに確認しながら進めていきましょう。
画像認識システム開発・導入は、機能や予算など様々な検討事項がありますが、外注へ委託することで解決できる検討項目が多くあります。画像認識システム開発・導入を検討する際には、まず受託開発している企業へ相談することをおすすめします。
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