IP電話とは?固定電話との違いや特徴を解説

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IP電話とは?固定電話との違いや特徴を解説のイメージ図

IP電話は、インターネット回線を使って音声をやり取りする電話サービスです。電話専用のアナログ回線を新たに引かずに導入でき、初期費用や月額料金を抑えやすいのが特長といえます。個人から企業まで幅広く利用が進んでおり、単なる“安い電話”ではなく業務の効率化にもつながっています。

この記事では、IP電話の仕組みと利用できる番号の種類、固定電話との違いを整理します。続いて、導入のメリットとデメリット、料金の考え方、サービス選定のポイントを順に解説し、自社に合った使い方を考えるための手掛かりを示します。

 

目次

 

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この資料でわかること
・システム開発の流れ
・専門用語の解説
・開発手法によるメリット・デメリット
・失敗を防ぐコツ

 

IP電話とは

IP電話は、従来の電話網の代わりにインターネット回線を使って音声をやり取りする電話サービスです。IPは「インターネットプロトコル」を指し、音声をデジタルデータに変換して相手へ届けます。電話専用のアナログ回線を新たに引かなくてよいので、導入時の初期費用や月額料金を抑えやすいのが特長です。個人からコスト意識の高い中小企業、グローバルに展開する大企業まで、幅広い層で活用されています。ここからは、仕組みや番号の種類まで順に解説していきます。

 

●IP電話の仕組み

IP電話の中核には「VoIP(Voice over Internet Protocol)」という技術があります。発信者の声というアナログ信号を、端末やアダプターがデジタル信号へ変換し、圧縮したうえで小さな「IPパケット」に分割します。各パケットには宛先のIPアドレスなどが付与され、インターネット網を経由して相手へ送られます。到着後は正しい順番に並べ替えられ、デジタルデータから再び音声に戻されて相手の受話器から聞こえます。長い手紙を複数のハガキに分けて送り、相手側で元どおりに並べるイメージだと捉えやすいでしょう。

この流れを支えるのが「VoIPゲートウェイ」と「SIP(Session Initiation Protocol)」です。VoIPゲートウェイは、従来の電話網とIPネットワークの“翻訳機”として、アナログとIPの相互変換を担います。SIPは通話の開始・維持・終了といった呼制御を管理し、音声データをやり取りする通信経路(セッション)を確立します。端末は据え置き型のハードウェアタイプと、PCやスマートフォンにアプリを入れて使うソフトウェアタイプ(ソフトフォン)の2種類があり、用途に合わせて選べます。

なお、IP電話は音声をデータとして送る「パケット交換方式」を採用します。効率よく伝送できる一方で、回線混雑時には遅延(レイテンシ)、順序の乱れ(ジッター)、データ欠落(パケットロス)が起き、音質低下や通話の途切れにつながる可能性があります。この点は仕組みに伴うトレードオフだといえます。

 

●IP電話で利用できる番号

IP電話で使える番号は主に3種類です。

 

050番号

まず「050番号」は、地域情報を持たない11桁の番号で、インターネット接続さえあれば国内外どこからでも同じ番号で発着信できます。移転が多い企業やリモートワーク中心の働き方に向いており、導入コストが比較的安価なサービスが多いのも魅力です。一方で市外局番がないため、従来の固定電話番号より社会的信用度が低いと見なされる場合があります。

 

0ABJ番号

次に「0ABJ番号」は、03(東京)や06(大阪)など市外局番から始まる10桁の番号です。地域に事業所が実在する証明となり、顧客や取引先に安心感を与えます。IP電話事業者が0ABJ番号を提供するには、総務省が定める「接続品質」「総合品質」「安定品質」「ネットワーク品質」の基準を満たす必要があり、固定電話と同等の高い品質が期待できます。

 

番号不要型

最後に「番号不要型」は、LINEやSkypeのように電話番号を使わず、ユーザーIDやアカウント同士で通話する方式です。アプリ間の通話は無料であることが多く、社内の情報共有などに向きます。ただし、一般の固定電話や携帯電話との発着信はできないのが前提です。

 

固定電話との違い

固定電話にするかIP電話にするかを判断するには、回線、料金、番号という3つの観点を押さえることが近道です。それぞれの違いが、そのまま運用のしやすさやコストに跳ね返ります。

 

●回線の違い

固定電話(アナログ回線)は、電話機から交換局まで銅線でつなぐ「回線交換方式」です。通話中は発信者と受信者の間に専用線が確保されるため、安定性とクリアな音質が得られます。一方、IP電話は光ファイバーやADSLなどのブロードバンド回線を用い、メールやWeb閲覧と同じ回線を共有する「パケット交換方式」です。専用線の安定性と引き換えに、共有回線ならではの効率性と柔軟性を手にします。

また、NTTは公衆交換電話網(PSTN)のIP網への移行を進め、2024年1月以降、固定電話の裏側でもIP技術が使われるようになりました。ただし利用者に提供されるサービスや料金、機能の違いは残っており、選ぶべきは“技術”ではなく“サービスパッケージ”だと理解しておくと判断しやすいでしょう。

 

●料金の違い

固定電話の新設には「電話加入権(施設設置負担金)」の購入や回線工事費が必要になり、月額の基本料金も相対的に高めです。対してIP電話は電話加入権が不要で、既存のインターネット回線があれば大がかりな工事なしに導入できます。通話料も性格が異なり、固定電話は相手までの距離が遠いほど高くなるのに対し、IP電話は距離の概念がなく全国一律の料金が適用されます。国際通話でもコストを抑えやすい点が目立ちます。

 

●番号の違い

固定電話は市外局番から始まる0ABJ番号のみですが、IP電話は0ABJ番号と050番号の両方を選べます。社会的信用を重視する代表番号なら0ABJ、機動性とコスト重視なら050が候補になります。機能面では、0ABJ番号(固定電話・IP電話の光回線系)なら110番・119番といった緊急通報や0120などの特殊番号に発信できます。一方で050番号では緊急通報に発信できないのが一般的で、フリーダイヤルに接続できないサービスもあります。

 

IP電話を使うメリット

IP電話は、単なる通話手段の置き換えにとどまらず、コスト構造と働き方の見直しを後押しします。ここではビジネスで感じやすいメリットを具体的に紹介します。

 

●通信コストを削減できる

IP電話は、以下の3つの効果が見込めます。

  1. 電話加入権が不要で初期投資を圧縮できる
  2. 月額基本料金を低く抑えやすい
  3. 距離に依存しない通話料で長距離や国際通話の負担を下げられる

 

同一事業者のシステム内であれば内線通話が無料になるケースも多く、多拠点間のコミュニケーションコストを抑えやすいのも利点です。

 

●導入が手軽にできる

クラウド型を中心に工事不要のサービスが多く、既にインターネット環境があれば申し込みから最短即日〜数日で使い始められるものもあります。初期設定は管理画面で完結する場合が多く、専門知識がなくても進めやすいでしょう。

 

●スマホやPCでも利用できる

スマートフォンやPCに専用アプリを入れるだけで、外出先や自宅から会社の番号で発着信できます。テレワークやハイブリッドワークと相性がよく、私用番号を業務に出さずに済むため、プライバシーとプロフェッショナルな印象の両立にも役立ちます。

 

●複数拠点でも使いやすい

クラウドPBXと組み合わせれば、地理的に離れた拠点を一つの電話システムとして統合できます。拠点間の通話は内線扱いで無料になるのが一般的で、事業の拡大・縮小に合わせた回線の増減も設定変更で柔軟に行えます。

 

●オプション機能を活用できる

通話録音、自動音声応答(IVR)、CRM連携(CTIで着信時に顧客情報を自動表示)、インターネットFAXなど、業務プロセスを効率化する機能と連携できます。音声という非構造化データを活用可能な形に変えることで、対応品質の底上げにもつながります。

 

IP電話のデメリット

一方で、導入前に理解しておくべき制約もあります。ここを押さえ、対策をセットで考えることが失敗を避ける近道です。

 

●緊急通報に対応できない場合がある

050番号は仕組み上、発信者の正確な位置情報を特定しにくく、110番や119番などの緊急通報に発信できないのが一般的です。オフィスの安全確保を重視する場合は0ABJ番号を選ぶのが無難でしょう。050を主に使うなら、緊急時は携帯電話や別回線を使う運用を社内に周知しておく必要があります。

 

●停電時に利用できない

IP電話機やモデム、ルーター、VoIPゲートウェイは外部電源に依存します。停電時は機器が停止し、通話できません。対策としては、UPS(無停電電源装置)で一定時間の電力を確保する、停電時の連絡手段として携帯電話を準備する、などが有効です。

 

●通信環境に左右される

社内で大容量データ通信が行われると、音声パケットに遅延や欠落が生じ、音切れやノイズの原因になります。十分な帯域を確保した回線の採用に加え、ルーターで音声通話を優先させるQoS(Quality of Service)設定を行うと、混雑時でも品質を保ちやすくなります。

 

IP電話の料金

IP電話の料金は「基本料金」と「通話料」で構成され、全体としてシンプルでコストパフォーマンスに優れる傾向があります。ここでは傾向と具体例を確認します。

 

●基本料金

IP電話は固定電話に比べて低廉なことが多く、月額数百円からのプランもあります。中には月額基本料0円のサービスもあり、利用頻度が低い場合の固定費を抑えられます。光回線事業者のセット割引が用意されているケースもあるため、回線と合わせて検討すると全体最適がしやすいでしょう。

 

●通話料

国内は距離に関係なく一律料金が適用されます。固定電話宛の相場は「3分あたり約8.8円」、携帯電話宛は「1分あたり17〜18円程度」とされるケースが一般的です。同一事業者間の通話が無料になる特典も見られます。

 

IP電話を選ぶときのポイント

最適なサービスを選ぶには、コストだけでなく運用面も含めた多角的な評価が欠かせません。以下の観点をチェックリストとして活用してください。

  • 利用目的に合っているか:コスト重視なら050、信用や品質重視なら0ABJ、といった優先順位を明確にします。
  • 現在の番号を引き継げるか:代表番号は資産です。番号ポータビリティの可否と条件を事業者に必ず確認します。
  • 緊急通報やフリーダイヤルに発信できるか:業務要件として必須なら、対応するサービスを選びます。
  • サポート体制と障害時の対応:対応時間、問い合わせ手段、復旧実績や情報公開の透明性を確認します。
  • 拡張性とテレワーク対応:回線追加の容易さ、スマホアプリの使い勝手、CRMなど外部システムとの連携可否も評価します。

 

IP電話を導入して通信コストを見直そう

IP電話は、導入費用と通信費の両面でコスト最適化を図りやすい選択肢です。長距離・国際通話が多い企業や、多拠点を抱える組織ほど恩恵を感じやすいでしょう。一方で、050番号では緊急通報に発信できない場合がある、停電時は使えない、通信環境に左右される、といった注意点もあります。0ABJ番号の活用、UPSの導入、QoS設定など、想定リスクに応じた対策をセットで検討すると安心です。

最終的には、自社の利用シーンと事業戦略に最も合うサービスを選ぶことが大切です。番号の種類、必要な機能、サポート、拡張性を比較し、無理のない運用計画を描きましょう。

 

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著者情報
発注ラウンジでは、システム開発・ホームページ制作やSaaS製品など、ITの発注に役立つ情報をお届けしています。 運営元はIT業界に特化したビジネスマッチングサービスを運営する「発注ナビ」。IT専門のメディアを展開する東証プライム上場ITmediaのグループ企業です。
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