JSPとは?業務理解のために押さえる基礎ポイント

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JSPとは?業務理解のために押さえる基礎ポイントのイメージ図

Webアプリ開発では技術が移り変わりますが、JSPは今も多くの企業システムで使われています。サーバ側でHTMLを動的に生成できる点が特長で、管理画面や帳票などで力を発揮します。本記事では、JSPの定義と用途、仕組み、ServletやJavaScriptとの違い、メリットと課題、現在の開発トレンドの中での位置づけまでを順に解説します。

 

目次

 

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システム開発「はじめの一歩」ITのプロから学ぶ基礎知識

この資料でわかること
・システム開発の流れ
・専門用語の解説
・開発手法によるメリット・デメリット
・失敗を防ぐコツ

 

JSPの定義

●JSPとは何か

JSPは「JavaServer Pages」の略称で、サーバ側で動的なHTMLを生成するための技術です。JSPは拡張子.jspのファイルとして用意され、HTMLの中にJavaコードを直接埋め込みます。ユーザーがJSPにアクセスすると、サーバは埋め込まれたJavaコードを実行して最終的なHTMLを作り、ブラウザには完成したHTMLだけを返します。ブラウザ側からはJavaのソースが見えないため、表示はシンプルで、セキュリティの観点でも理にかなっています。

JSPは画面表示を担うテンプレート技術として位置づけられます。過去にはServlet内で文字列としてHTMLを出力する方法が一般的でしたが、JSPはHTML主体で書けるため、見た目の編集が直感的になり、ロジックとデザインの分離を促します。JSPでは、ページ全体の設定を行うディレクティブ(<%@ … %>)、処理を記述するスクリプトレット(<% … %>)、値を直接出力する式(<%= … %>)、共通で使う変数やメソッドを定義する宣言(<%! … %>)といった構文を使い分けます。

 

●どこで使われるか

JSPは企業システムの管理画面や帳票生成など、安定したデータ表示を重視する場面で力を発揮します。小規模なECサイトや予約システム、掲示板のように、フォーム入力と一覧表示が中心のアプリケーションでも有効です。サーバで生成した情報をそのままページに反映できるため、要件が明確でUIの変更頻度が高くないケースに向いています。JSPが主流だった時期に構築されたレガシーシステムも多く残っており、保守や改修ではJSPの知識が欠かせません。

 

JSPの仕組みと動作原理

JSPの内部動作を理解すると、パフォーマンスの振る舞いや、開発・運用時の注意点が読み解けます。ここではリクエストからレスポンスまでの流れと、コンパイル・キャッシュの仕組みを説明します。

 

●サーバサイド実行の流れ

ブラウザがJSPページをリクエストすると、Webコンテナ(例:Apache Tomcat)がJSPをJavaソースへ変換します。変換されたソースの正体はServletのクラスであり、HTML部分はout.println(“…”)のような出力命令に、JSP内のJavaコードはメソッドの処理として組み込まれます。次にコンテナはそのServletクラスをコンパイルし、生成されたバイトコードをメモリにロードして実行します。実行結果として動的にHTMLが組み立てられ、HTTPレスポンスとしてブラウザに返されます。ブラウザは受け取ったHTMLを描画するだけなので、ユーザーはサーバ内部の処理を意識する必要がありません。

 

●コンパイルとキャッシュ

JSPからServletへの変換とコンパイルは、原則として初回アクセス時に一度だけ行われます。初回はコンパイルの分だけわずかな遅延が生じますが、生成されたクラスはコンテナにキャッシュされ、2回目以降は変換とコンパイルを省略できます。開発中に.jspを編集すると、コンテナは変更を検知し、次のリクエスト時に自動で再コンパイルします。本番運用では初回遅延を避けるため、デプロイ時にJSPを事前コンパイル(プリコンパイル)しておく運用が選ばれることがあります。

 

JSPとServletの違い

JSPとServletは補完関係にあります。両者の役割を明確にすると、設計が整理され、保守性が向上します。

 

●記述スタイルの違い

JSPはHTMLを中心に必要な箇所へJavaを差し込みます。見た目と構造を直感的に把握しやすく、画面設計に向きます。ServletはJavaのクラスとして記述し、HTMLを文字列として出力します。制御や処理の実装に集中できる一方で、複雑な画面をJavaで組み立てるとコードが冗長になりがちです。

項目 JSP Servlet
MVCでの役割 View(画面表示) Controller(リクエスト処理)
主な記述形式 HTMLベースにJavaを埋め込む JavaベースでHTMLを出力
拡張子 .jsp .java(コンパイル後 .class)
目的 表示とUI描画 入力受付、処理、画面遷移制御

 

●実務での使い分け

実務ではMVCモデルが基本です。Servletがリクエストを受け取り、入力検証やビジネスロジックの呼び出し、データベース処理を行います。その結果データをJSPへ渡し、JSPが最終的なHTMLに整えて表示します。この分担により関心事が分離され、コードの見通しが良くなります。バックエンド開発者は処理に、フロントエンド担当者やデザイナーはテンプレートに集中でき、並行作業が進めやすくなります。

 

JSPとJavaScriptの違い

同じ「動的」でも、JSPとJavaScriptは実行場所と役割が異なります。両者を正しく使い分けると、快適さと保守性を両立できます。

 

●サーバとクライアントの対比

JSPはサーバ側で実行され、リクエストごとに一度処理してHTMLを生成します。ブラウザには出力済みのHTMLだけが渡され、JSPのコードは見えません。JavaScriptはブラウザ側で動作し、読み込み後もユーザー操作に応じて何度でも実行されます。ブラウザの開発者ツールからソースを確認でき、画面の一部分だけを素早く更新するような操作に向いています。

項目 JSP JavaScript
実行環境 サーバ(Webコンテナ) クライアント(ブラウザ)
主目的 送信前の動的HTML生成 読み込み後のDOM操作と応答
コード可視性 ブラウザから不可視 ブラウザから可視
実行タイミング リクエストごとに1回 イベントに応じて継続的

 

●併用パターン

併用の基本は、JSPで初期画面とデータを組み立て、JavaScriptで操作性を高める構成です。たとえば、JSPがログインユーザー名や一覧データを埋め込んだHTMLを返し、JavaScriptが入力チェックや部分更新を担います。両者は競合しません。JSPが静的に近い初期表示を整え、JavaScriptがインタラクティブ性を補うと、実装が整理されます。

 

JSPのメリット

JSPのメリットは、既存資産の活用しやすさと、ビュー変更のしやすさに集約されます。ここでは代表的な利点を具体的に見ていきます。

 

●既存Java資産をそのまま活用できる

JSPはJava EE(現Jakarta EE)の標準技術です。既存のビジネスロジック、認証・認可、フレームワークやライブラリと自然に連携できます。長年Javaに投資してきた環境では、学習コストや移行コストを抑えた統合が可能です。

 

●ビュー実装を手早く更新できる

JSPは本質的にHTMLなので、テキスト修正やレイアウト変更、スタイルの当て直しが素早く行えます。Javaロジックを再コンパイルせずに見た目だけを直せるため、画面調整のリードタイムを短くできます。

 

●JSTLやELで表示ロジックを簡潔にできる

スクリプトレットを避け、EL(${…})やJSTL(<c:if>、<c:forEach>など)を使うと、ビューのコードが簡潔になります。たとえば、<%= user.getName() %>は${user.name}のように短く書けます。ビューに残すのは表示に必要な最小限のロジックだけとし、可読性と保守性を確保できます。

 

●MVCで役割分担を徹底できる

Servletをコントローラー、JSPをビューとして使い分けると、処理と表示の境界がはっきりします。チームでの分業が進めやすく、レビュー観点も明確になります。結果として、変更の影響範囲が読みやすくなり、品質担保がしやすくなります。

 

●アプリサーバ標準と親和的に動かせる

JSPは標準仕様に準拠しているため、Apache TomcatやWildFly、IBM WebSphereなどのアプリケーションサーバで動作します。特定ベンダーへの依存を避けつつ、運用環境の選択肢を保てます。

 

JSPのデメリット

一方で、現代的な開発潮流と比べると課題もあります。設計と運用の工夫で緩和できますが、弱点の把握は重要です。

 

●ロジック肥大で可読性が落ちやすい

自由度が高いぶん、スクリプトレットで複雑な処理を書き込みやすく、HTMLとJavaが絡み合ったスパゲッティコードになりがちです。ビューに過剰なロジックを置くと、デバッグや改修が難航します。JSTLとELの徹底が前提になります。

 

●モダンフロントとの相性に課題が出やすい

ReactやVue、Angularのようなコンポーネント志向と、JSPのページ単位レンダリングは思想が異なります。SPAのようにクライアント主導で画面を構築・更新する設計と並立させると、非効率や複雑さが目立ちます

 

●初回コンパイルやテンプレート構造で負荷が偏りやすい

JSPは初回アクセスで変換とコンパイルが走るため、遅延が発生します。回避には事前コンパイルが有効ですが、運用上の手当てが必要です。サイズが大きく複雑なJSPは描画負荷も高くなり、チューニングが求められる場合があります。

 

現在の開発トレンドの中での位置づけ

JSPは長年の実績がある「成熟した技術」といえますが、UI構築の主導権がサーバからクライアントへ移った歴史的背景から、一部で「レガシー」と評されることもあります。しかし、評価の文脈を正しく理解すれば、適材適所での強みが見えてきます。

 

●フロントエンドの進化とのギャップ

コンポーネントを組み合わせる現代の開発では、画面遷移なしの滑らかな操作やホットリロードが一般化しました。JSPのページ全体を返すモデルは、こうした体験と比べると古風に映ります。開発サイクルの体感速度でも差が出やすい点が評価に影響します。

 

●APIファーストとの乖離

バックエンドとフロントエンドを分離するAPIファーストでは、サーバはデータ提供に特化します。JSPはHTMLを返すため、複数クライアントで共用するデータAPIという発想とは合致しにくい構造です。

 

●テンプレートとロジック混在のリスク

JSPはServlet内のHTML混在問題を解決しましたが、今度はHTML内にJavaが混在する課題を抱えます。保守性の低下、テストの難しさ、デザイナーとエンジニアのコラボの阻害など、分離の不徹底がさまざまな問題を引き起こします。JSTL/ELの徹底や設計規律が不可欠です。

 

JSPを活用する際に意識したいポイント

JSPはサーバ側で動的にHTMLを生成する技術であり、管理画面や帳票のように安定した表示が求められる領域で今も使われています。新規の一般向け開発では、APIとモダンフロントを分離する構成が主流です。JSPを健全に使う要点は、MVCに基づく役割分担を守り、スクリプトレットを避け、JSTLとELでビューを簡潔に保つことです。現行システムでは、維持か移行かを要件・コスト・拡張性から見極める判断が求められます。適材適所で選び、設計の意図をチームで共有しましょう。

 

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著者情報
発注ラウンジでは、システム開発・ホームページ制作やSaaS製品など、ITの発注に役立つ情報をお届けしています。 運営元はIT業界に特化したビジネスマッチングサービスを運営する「発注ナビ」。IT専門のメディアを展開する東証プライム上場ITmediaのグループ企業です。
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