発注ナビには、エントリーや紹介件数に関わらず月額固定で利用できるプランと、案件が紹介に至ったタイミングで初めて費用発生する従量課金プラン(リードジェンプラン)がある。リードジェンプランは、どちらかと言えばお試し目的で使われることが多い。しかし、中にはリードジェンプランを使い続ける企業もある。その一つが株式会社JIRAN JAPANだ。同社で発注ナビ運用を担当する与沢氏、米田氏の両名にお話を伺った。
社名 | 株式会社JIRAN JAPAN |
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所在地 | 東京都港区東新橋2-12-1 PMO東新橋7F |
従業員数 | 1 – 30名 |
事業内容 | 情報セキュリティ事業、クラウドストレージ事業、ビッグデータソリューション事業、Webサイトのデザイン・制作・運営 |
- 導入前の課題
システムセキュリティ関連を強みにシステム開発を手掛けていたが、新たにホームページ制作事業を展開。しかし、数多のホームページ制作会社がひしめく中で自社だけでの顧客獲得では限界を感じ、何らかの営業ツールを必要としていた。
- 導入後の効果
有名大学や大手企業といった、自社集客では巡り合えない案件に出会うことができた。加えて、案件が不足したタイミングでスポット的にエントリーすることで、案件数の谷間を埋めることができ、コンスタントに受注獲得ができるようになった。
セキュリティ関連を強みにシステム開発を展開していたがホームページ制作にも参入
JIRAN JAPANは、ジラングループの日本事業を統括するために設立された持株会社だ。情報セキュリティソリューションを提供する株式会社JSecurity、ビックデータ処理ソリューションを提供する株式会社MSystem、企業用オンラインストレージサービスを提供する株式会社ダイレクトクラウド、オフライン市場の顧客分析サービスを提供するOxyzen株式会社など、様々な分野で活躍するグループ企業をサポートする役割を果たしながら、自社の製品・サービスの提供も同時に行っています。その中のひとつにWebサイトのデザイン・制作・運営事業があるようだ。
「当社は2011年に設立され、主にシステム開発を手掛けています。その出自からアンチウイルスやメールの誤送信防止など、セキュリティ関連に強みを持っています。韓国のグループ会社では20年ほど前からホームページ制作も手掛けていましたが、当社でも3年ほど前から手掛けるようになりました」(与沢氏)
同社では「マルっとホームページ」というサービスを提供している。コスパに優れたWebサイト、メンテナンスまでをサポートするもので、新規サイト制作、リニューアル、ホスティングサービスをはじめ、文章・画像差し替えなどのメンテナンスサービスをリーズナブルな価格で提供している。それでいながら、スマホ対応はもちろん、自社オリジナルのCMSを提供しており、編集機能にも標準で対応しているというお得感のあるサービスだ。
競合が多い世界に参入するには何らかの営業ツールが必要だった
そんな同社だが、ホームページ制作の世界に新規参入するにはハードルもあったという。
「ホームページ制作会社は東京だけで数千社あると言われています。自社サイトでのプロモーションだけではとても集客を見込めないことは明らかで、何らかの手を打つ必要があると考えていました」
いろいろと検討した結果、ビジネスマッチングサービスの導入に至ったという。
「発注ナビ以外にも2~3社検討しました。現在も発注ナビと、他サービスを併用しています。発注ナビを選んだのは、発注ナビの親会社であるアイティメディアに馴染みがあったからです。セキュリティ製品の販売促進にアイティメディアが提供するサービスを利用していたことがあります」
発注ナビの使い勝手の良さについて次のような点を挙げてくれた。
「発注ナビは案件紹介に至った時だけ費用がかかり、初期費用や月額固定費が掛からず利用できる点が魅力です。また、先着順ではない点も良いです。他社サービスには、先着順に紹介するものもあり、それだと、新着案件をずっとモニタリングしていなければなりません。そうした手間がかからないところも発注ナビの良さだと思います」
トータルコストを考え、リードジェンプランを使い続けている
同社では初めて発注企業をご紹介して以降、取材時点までに、案件の紹介は約50件、うち成約に至ったのは7件という結果だ。
これだけエントリーしていれば、月額固定プランへの移行も視野に入れてもおかしくないが、リードジェンプランを使い続ける理由はどこにあるのだろうか。
「発注ナビでは、紹介する制作会社を4~5社までに絞り込んでいるので、エントリーしたら必ず紹介されるというわけではありません。そのため、自社で対応できると思われる案件には積極的にエントリーを行っています。」
複数サービスを利用しているため、トータルのコストを勘案した上で、リードジェンプランを使い続けているという。では、エントリーの判断はどのように行っているのだろうか。
「通常の案件は私の判断でエントリーし、難しそうな案件については、現場に判断してもらってからエントリーしています。案件の規模や予算は判断の目安にしています」
ある程度の規模感や予算感のある案件を吟味するために時間を要する為、月数件のエントリーになるといい、それゆえにリードジェンプランの利用を続けているとのことだ。
お客様に、いかに完成形をイメージしてもらうかが受注時のポイント
発注企業が紹介された後、案件受注に向け、同社なりに心掛けていることもある。
「初めてホームページを発注されるお客様の場合は、ひときわ丁寧なヒアリングを心掛けています。ホームページでできること、できないことを、ご理解されていない経営層もいらっしゃることが多いので、ごく基本的なことから丁寧にご説明差し上げることも少なくありません」(米田氏)
とりわけ、完成形のイメージを事前に伝えることが一番難しいという。
「根気よく噛み砕いてご説明するのはもちろんですが、やはり言葉だけでなく、目に見えるカタチにしておくことが大切です。パワーポイントでラフイメージを作り、メインビジュアルの写真は、写真素材販売サービスサイトなども活用しながら、お客様にも分かりやすいイメージに仕上げて、ご提案していきます」
このとき、お客様からの事前ヒアリングがとても大切だという。
「ホームページを作ることで“一番に何を求めているのか”ということは明確にしていただいています。集客がしたいのか、デザインをカッコよくしたいのか、ブランドイメージを定着させたいのか、自社製品やサービスの詳細を知って欲しいのかなど、目的は様々です。それをカタチにするとどうなるのか、あらかじめイメージできていないと、出来上がったら思っていたのと違っていたということになりかねません」
一方で発注し慣れているお客様には、核心的な部分から商談に入ることもあるなど、臨機応変に対応している。
「お客様によっては、全体のニュアンスだけ伝えて後は全部こちらにお任せというケースもありますし、アイコンからビジュアルまですべて指定されるお客様もいらっしゃいます。お客様のご要望にNOと言いませんが、やらない方が良いこと、たとえば、安定した堅実なイメージを持つ士業では派手な色使いやポップな表現は避けるようにアドバイスを差し上げることはあります。また、当社の得意分野でもあることから、セキュリティ関連のアドバイスを差し上げることは多いですね」
また、同社では、ドメイン名やサーバーの維持・管理に関しても相談を受け付けている。
「お客様からはドメイン名の取得・維持やサーバーの維持・管理はできる限り低予算でというご要望も多く、そうした部分は柔軟にご相談に乗るようにしています。また、既存のサイトの維持費が適切でなければ、代替サービスをご提案していくこともあります」
今後はホームページ+システム開発の案件も受注していきたい
最後に、ホームページ制作を含めた同社の今後のビジネス展開についても伺った。
「ホームページ制作は今後も継続してご提供していく予定です。当社のビジネスはセキュリティが中核にありますが、それ以外にも関連ビジネスがたくさんあります。たとえば、不正アクセスでダークウェブに情報が漏れていないかどうかを検索するSaaS型サービスの展開なども始めました。今後はシステム開発、ホームページ制作、セキュリティ関連サービスに加え、自社のSaaS型サービスも拡充し、そうした中から当社なりの価値をご提供していきたいですね」(与沢氏)
同社における発注ナビの活用は今後変わっていくかもしれない。
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