動画制作のニーズが高まっている。特にZ世代をターゲットにした施策では動画が効果的と言われるが、Webサイト制作とは勝手が異なり、戸惑う企業も多いのではないだろうか。
電子カルテや医療事務システムなどを手掛ける株式会社エム・オー・エム・テクノロジーもそんな企業のひとつだ。新卒採用強化にあたって、大学構内のデジタルサイネージに動画広告を出稿することになったものの、動画の知見も頼れる先もない。1カ月後には出稿開始というタイトなスケジュールの中で、発注ナビを介して出会ったのが株式会社PRstoreだった。動画制作に加え、学生を対象としたマーケティングや採用に関する知見まであり、期待以上の提案があったと振り返る。株式会社エム・オー・エム・テクノロジーの人事部部長 箱谷聖羅氏と、実際に案件を担当した株式会社PRstore代表取締役 杉林諭氏に、詳しい経緯を伺った。
新卒採用を強化する中、大学のデジタルサイネージの動画広告枠を確保
―― エム・オー・エム・テクノロジー様の事業についてお聞かせください。
エム・オー・エム・テクノロジー株式会社 箱谷聖羅氏:当社は、富士通のパートナー企業として、電子カルテや医療事務システムを扱うソフトウェアベンダーです。設立以来、医療業界一筋で事業を展開してきました。電子カルテは「医療インフラ」のひとつですが、高額なため導入は大病院が中心で、日本では先進諸国に比べて普及率が低い状況にありました。しかし近年、政府主導で「2030年までに電子カルテ普及率100%」という目標が掲げられ、中小規模の病院でも導入が加速しています。当社でも案件数が増えていることから、人材が不足しており、特に新卒採用に注力している状況です。
―― 今回の動画制作も採用活動の一環と伺いました。
箱谷聖羅氏:はい。理系学生の採用を増やしたいと考えており、何校かターゲットにしている大学がありました。これまでも学生にアプローチする施策は行っていたものの、思ったほどの効果を得られず、どう進めるのか模索していました。そうした中で、広告代理店から「ターゲット大学の一つが構内に新たにデジタルサイネージを設置するので、動画広告を出稿してはどうか」と提案されたのです。これまでとは違ったアプローチだったこともあり、すぐに出稿は決めたものの、広告代理店は動画制作をしておらず、自分たちで用意する必要がありました。これまで動画は制作したことがなく、お願いできる会社を探すところから始めることになりました。
―― これまでに取引のあった制作会社では難しかったのですか。
箱谷聖羅氏:以前からWebサイト制作をお願いしていた会社はありましたが、その会社はあくまでもこちらで方針から内容まで決めた上で作業をお任せするという形であり、企画や提案などはお願いしていません。今回、初めて動画を制作するにあたり、何も知見がない中で、自分たちで全て調べて発注するのは負担が大き過ぎると感じました。また、出稿まで1カ月ほどしか期間もなく、自分たちが主導して制作するのでは間に合わないため、動画の知見がある会社に頼みたいと考えました。
動画制作会社を探すことに。しかし、選定基準すら分からない
―― 発注ナビを利用した経緯を教えてください。
箱谷聖羅氏:最初は「動画制作」のキーワードでWeb検索をしたのですが、大量の制作会社がヒットし、途方に暮れました。社内では「外注時には3社以上から見積もりを取る」というルールがあるのですが、検索結果から3社選ぶとしても、判断基準もなく、制作会社を選定するための知識を収集するところから始めなければならないような状況でした。
そんなときに発注ナビを見つけ、試しに問い合わせたところ、すぐに連絡をいただきました。電話で簡易的なヒアリングがあり、その中でやっと「動画制作を依頼するには、どんな情報が必要なのか」「こちらで何を決めなければならないのか」が分かりました。要件を整理するという意味でもヒアリングはとても有効だったと思います。「3社紹介してほしい」という要望も伝え、その後も発注ナビがうまくリードしてくれて、スピーディに進みました。初めてのことばかりで戸惑っていたので、とてもありがたかったです。
―― PRstore様が今回の案件にエントリーした理由を教えてください。
株式会社PRstore 杉林諭氏:当社はWebマーケティング支援を行っており、集客や採用などの課題を解決するために、どのような施策が効果的か、企画から制作まで一貫して対応することを強みとしています。Webサイトの制作・改修だけでなく、動画制作、またLINEを使ったマーケティングや集客動線の改善なども行います。
発注ナビでは、Webサイト制作と動画制作の2軸でエントリーすると決めていますが、私自身、専門学校の教職員として8年間勤め、これまでに3,000名以上の学生からの進路相談を受けてきた経験から、Z世代集客を得意としています。大学や専門学校のクライアントも多く、採用募集は強いと自負しており、「大学のデジタルサイネージに掲載する採用のための動画制作」という案件は、タイトルを見た瞬間にエントリーするしかないと思いました。
動画だけでなく、採用集客の知見も持つPRstoreからの提案は期待以上
―― 発注先にPRstore様を選んだ理由を教えてください。
箱谷聖羅氏:予算内で、付加価値のある提案をいただいたことです。これまでの経験から、制作は自分たちが主導しなければならないと思っていたこともあり、最初は動画の制作だけできる会社が見つかればいいと考えていました。それだけに、採用・集客の経験や知見があるPRstoreさんに企画からサポートしてもらえるというのは期待以上でした。もちろん世の中には、採用コンサルなどを行う企業があることは知っていましたが、今回お願いできるとは思っておらず、最初の提案を聞いて「全てお任せできる!」と感激したのを覚えています。提案も「ここまでできたらいいな」と思い描いていたことにぴったりフィットする内容になっており、迷わず決めました。
―― PRstore様では、どのような提案をしたのでしょうか。
杉林諭氏:もともと「15秒のアニメーション動画で、音声も付かない」という要件で、大体の予算感を聞いていました。ただ、弊社の見積もりでは、要件通りに動画を制作しても予算にかなり余裕があります。また、広告出稿期間は1年ということでしたが、15秒の動画だけでは認知のみで終わってしまい、エム・オー・エム・テクノロジーさんの良さまでは伝わりません。そこで今後の資産性も考えて、15秒動画とトーンなどを合わせて、より詳しく会社を紹介する2~3分の動画を制作するように提案しました。もちろん、両方含めて当初の予算に収まる形です。
デジタルサイネージ広告の出稿と合わせて、ガイダンスの開催なども予定していると聞いており、そこで2~3分の動画を流せば、15秒動画の認知とつながり、統一した印象を残すことができます。動画制作というだけでなく、背景にある採用活動での効果まで考えた提案を評価いただいたのだと思います。
制作にあたっては、ルートを明示してもらい、悩むことなくスムーズに進行
―― 実際の制作はいかがでしたか。
箱谷聖羅氏:15秒動画と3分動画の2本の制作をお願いすることになり、一般的にはまず長いものを制作してから短縮するのかと思っていたのですが、期限の近い15秒動画を先に制作し、3分動画は別途打ち合わせして、しっかり制作しようというお話でした。正直、ここまで考えてもらえるとは思わず、驚きました。
動画のテイストに関しても、「実写よりはアニメーション」程度のイメージしか持っていなかったのですが、イラストのテイストも複数パターン提案していただき、一気に具体化しました。採用のノウハウをもとにどうすれば良いかをはっきり教えてもらい助かりました。提示いただいた案から良い方を選ぶだけでスムーズに進行していきました。こちらで何かを調べたり、悩んだりすることがほとんどなく、とてもやりやすかったです。
杉林諭氏:当社で動画を制作する場合、通常、1本あたり平均1カ月ほど掛けます。今回は通常より若干タイトな進行だったため、クオリティを落とさず、いかにスピーディに進められるかという点に特に気を配りました。中でも、今回の案件にマッチするアニメーターなど、メンバーのスケジュールを押さえるところが肝だったと言えるかもしれません。今回はベストメンバーを揃えられ、企画構成は私自身で担当し、エム・オー・エム・テクノロジーさんの協力もあったことでかなりスムーズに進行しました。
―― 発注ナビを使った感想はいかがでしたか。
箱谷聖羅氏:実は見積もり比較サイトのように、業者からたくさん連絡が来るのではと覚悟していたのですが、そんなことは一切なく、最初に発注ナビからヒアリングの電話があった程度で、以降はサイト内で完結しました。やり取りもシンプルで使いやすく、動画も無事に予定通り完成し、満足しています。
学生への訴求は動画がたくさんある方が良い。今後は“情緒に訴える”動画などの提案・検討も
―― 今後、両社でのビジネス展開などで考えていることがあれば教えてください。
箱谷聖羅氏:今の学生は動画で情報収集している、というのは肌で感じるところがありますし、PRstoreさんからも聞きました。今は3分動画を制作しており、完成次第YouTubeで配信する予定ですが、1本だけではなく複数コンテンツを掲載した方が集客につながります。動画の評判が良ければ、今後も採用に向けた動画の制作を継続してお願いしたいと考えています。
杉林諭氏:採用活動を考えるならば、アニメーションではなく社員の方に出演いただく実写動画も良いのではないでしょうか。最近は「情報」が溢れていますが、情報は信じるか・信じないかになってしまい、訴求しにくくなっているところがあります。その中で、ショートムービーやショートドラマなど「情緒」に訴求する動画が注目されており、実際こういった依頼もいただいています。エム・オー・エム・テクノロジーさんの先輩社員を被写体にドラマを制作し、「こういう風に働きたい」「こんな仕事に憧れる」など情緒に訴えかけるのも一つの方法です。最新のトレンドも踏まえながら、エム・オー・エム・テクノロジーさんに合ったものを提案していければと思います。
――ありがとうございました。
今回学んだ、発注が上手くいくポイント
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発注ナビ担当者とのヒアリングを通して「依頼に何が必要か」「自分たちで決められるものはどれか」などの具体的な要件を整理し、依頼内容を明確にする
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単なる動画制作だけでなく、採用や集客の知見による課題解決などの付加価値を提供できるパートナーを選ぶ
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