CMSとは、Webサイトの制作やコンテンツ管理などができるシステムのことですが、世界的に有名なWordPress(ワードプレス)をはじめ、数多くのCMSがリリースされています。
今回は、数あるCMSの中でもMovable Type(ムーバブルタイプ)に焦点をあてて、具体的な機能や導入メリット、WordPressとの違いなどについてご紹介します。
目次
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Movable Type(ムーバブルタイプ)とは?
Movable Type – クラウドもオンプレミスも幅広く対応可能なCMS – Six Apart
Movable Typeは、アメリカ企業の「シックス・アパート株式会社(Six Apart, Ltd.)」が開発し、提供するCMSです。Webサイトを作るうえで必須となるIT知識が必要なく、ブログ形式で手軽にサイト製作や管理ができる機能が取り揃えられています。小規模な個人サイトから、企業が運営する大規模なコーポレートサイトに至るまで、幅広いサイトに役立つCMSです。現在もなお、細かなアップデートや機能の改修などが行われており、汎用性の高さと優れた性能から、企業や教育機関などで導入されることも少なくありません。
実際に企業でMovable Typeを導入するには、まずそれぞれの機能を知っておくことを推奨します。以下の項では、Movable Typeに搭載されている具体的な機能について解説します。
Movable Typeの機能って?
●独自のテンプレートタグ
Movable Typeには、テンプレート内で使える独自のタグ(MTタグ)があります。HTMLのみでテンプレートを構成するときと比べ、データの管理や更新、応用を効率的に行えるのが魅力です。どのようなコードも管理でき、スマートフォンサイトや、デザイナーが理想とするデザインを形にできます。HTMLによく似たテンプレートタグなので、プログラミングの知識がなくても扱えるのが大きなポイントです。
このMTタグは、大きく分けて「ブロックタグ」、「ファンクションタグ」の2種類があります。前者のブロックタグは通常のHTMLのように開始タグと閉じタグを記述します。一方ファンクションタグは単体で使用可能で、よりシンプルな構成を可能とします。「記事のタイトルを表示させたい」、「最新記事5件を非表示にしたい」、「カスタムフィールドの入力内容を表示させたい」など、あらゆる要望をMTタグが叶えてくれます。
●ブロックエディタ機能
日々のサイト運用において、最も使われるCMS機能は「Webページの編集画面のエディタ」です。Movable Typeのエディタとして搭載されている「ブロックエディタ」は、テキストブロック(段落・見出し・太字などの調整)や画像(alt・表示サイズ・位置指定)など、標準で用意された8種類のブロックを組み合わせて使います。
配置したブロックの順番は、ドラッグ&ドロップもしくは矢印ボタンで移動して自由に並び替えが可能です。データの管理さや扱いやすさを考えて開発された機能なので、初心者でも使用しやすいのが大きな魅力と言えます。複数の画像をスライドショー形式で表示したり、吹き出し付きのインタビュー記事を作成したりと、さまざまなレイアウトを実現できます。
●スパム判定
Movable Typeには、投稿されたコメントやトラックバックに対して「スパム判定」をする機能が備わっています。「スパムを削除する」という項目では、スパムと判断されたコメントやトラックバックを自動削除するまでの日数指定なども可能です。「自動削除設定」にチェックをすれば、スパムと判断されたコメントやトラックバックを、その指定期日経過後に自動で削除します。企業サイトを開設するうえで、サイトに訪れたユーザーがコメントやトラックバックを送れるようにしたい際に重宝する機能です。
このほかにも、アップロードされた画像を調節する機能や、サイト管理をスマートフォンやタブレット端末から行える機能など、Movable Typeにはサイト製作と管理をアシストする数多くの機能が備わっています。ただし、Movable Typeのバージョンによっては機能が異なるケースもあるため、詳細は上記シックス・アパート株式会社のオフィシャルページ上で確認しましょう。
開発でMovable Typeを導入するメリット
●動的静的問わずページ作成が可能
Movable Typeは、静的と動的の両方のページ作成が可能なCMSです。静的ページとは、いつ誰がどこでアクセスしても毎回同じものが表示される、HTMLファイルで作られたページのことです。一方、動的ページとは、アクセスしたときの状況に応じて異なる内容が表示されるページで、掲示板やショッピングサイトなどが動的ページに該当します。
動的ページは、サイトへアクセスがあるたびにデータベースからデータを取得しなければなりません。一方、静的ページはデータベースの設置が必要ないため、動的ページと比べるとセキュリティ対策がしやすいことがメリットとして挙げられます。
●公式サポートが受けられる
Movable Typeは、企業が製品としてリリースしている分、オフィシャルのサポート体制が充実しており、保守サポートを企業が責任を持って行っています。ライセンスを購入した場合は、開発会社シックス・アパート株式会社のサポートを1年間受けることが可能です。メンテナンスを更新すれば、サポート期間を1年単位で任意の期間に延長できます。標準サポートは、電話ではなくメールでのサポートのみ。問い合わせ先が明確である分、不具合が起こった際にも迅速な回答・対応が受けられるので、安心して利用できます。
開発でMovable Typeを導入するデメリット
●ライセンス料が高い
Movable Typeを個人で利用する場合は無償ですが、商用利用では有償になります。もし企業サイトの運用や開発でMovable Typeを導入するなら、初期費用を踏まえた上で検討してください。
●プラグインの数が少なく拡張性に劣る
機能拡張ツールであるプラグインが、WordPressと比べて圧倒的に少ないことが挙げられます。それに加え、ほとんどのプラグインが有料です。WordPressのように、プラグインの優れた面を活かしたカスタマイズは難しいとされています。
Movable TypeとWordPressは何が違うの?
日本国内で人気があるCMSのMovable TypeとWordPress。両者の違いを通じて、自社が希望するサイトのテイストに沿ったCMSを選びましょう。
●ライセンスが無償・有償であるかの違い
一番分かりやすい違いは、ライセンスの無償もしくは有償の点です。WordPressは世界中で定番のCMSで、2020年1月時点では62.4%と高いシェアを占めています。その大きな理由としては、ライセンス費用が必要ないことです。誰でも無償で利用できるので、コストを抑えたい企業のほか、自分のブログを作りたい方に人気を集めています。
●オープンソースであるかの違い
オープンソースとは、公開されたソースコードのことです。WordPressの場合、オープンソースであるため、中身の構造を誰でも閲覧・構築できる仕組みとなっています。それゆえに、無償で利用ができます。信頼性が高いCMSではありますが、普及率が高い分、攻撃の標的になることも少なくありません。その点、Movable Typeは、ライセンスの購入が必要なCMSです。制作者側・対応できる技術者が限られていますし、WordPressよりも普及率が低いため、標的にされる心配はさほどありません。既にアクセスが多い、もしくは増加が見込まれるWebサイトの構築やセキュリティを重視する場合は、Movable Typeのほうが適しています。
●適したサイトの違い
WordPressはアクセスごとの動的出力のため、アクセス数や画像が多いサイトでは、表示に時間がかかります。Webサーバーに負荷がかかる分、1つのWordPressにつき、1つのサイトを構築するのが基本です。自社サイトやブログサイトの構築をする際は、WordPressが適しています。WordPressのメリットであるSEOに強い点を活かして、商用サイトを作るのもおすすめです。商用向けのデザインテンプレートが多数用意されているので、テーマによってデザインを大きく変えることも可能です。
一方、Movable Typeは1つのCMSで、複数のWebサイトを構築できるのが大きな特徴です。ページ数やカタログページが多い大規模サイトの構築や、複数サイトの一括運営に向いています。Movable Typeを導入している企業は「NTT都市開発ビルサービス株式会社」「株式会社アニマックスブロードキャスト・ジャパン」などです。また、新着情報といったタイムリーな情報を更新する際、Movable Typeを使用すれば、スピーディーに更新できるのはもちろん、コスト削減にもつながります。
Movable Typeの導入方法とは?
●導入手順・方法
Movable TypeはPerl(パール)というプログラミング言語で作られているので、Perlが動く環境かどうかを先にチェックします。実行環境を確認するためのコマンドは「$whereis Perl」です。環境の確認を終えたら、3つのファイルを保存するディレクトリを作成しましょう。
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アプリケーションディレクトリ…スクリプト・ライブラリ等を主に管理
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スタティックディレクトリ…主にコンテンツ投稿などで用いる画像などを管理
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ウェブサイトディレクトリ…Movable Typeを用いて作成したウェブサイトを管理
インストール先を生成したら、文字コードを「utf-8」に変更してください。最後に、サーバーでの動作確認を行うスクリプト「mt-check.cgi」を実行して、きちんとシステムが作動するかチェックします。システム確認が終わったら、Movable Typeのオフィシャルページからファイルのダウンロードを実行しましょう。
●各製品の利用料金
Movable Typeにはさまざまな製品があります。
参照:製品・サービス | シックス・アパート – CMSソフトウェア、サービスを提供
「Movable Type クラウド版」は、管理画面の動作が高速で快適に利用できるのが大きな特徴です。Movable Type 6 / Movable Type 7 / Movable Type Premiumの3種類があり、6と7を使用するプランであれば、月額5,000円から利用可能。Movable Type Premiumにはフォーム機能が付いているので、月額8,000円からのスタートです。
「Movable Type ソフトウェア版」は1年間のメンテナンスが付いているプランです。価格は90,000円で、多機能であるにもかかわらず、操作性に優れていることが大きな魅力です。大規模運用のサイトを考えているなら「Movable Type Advanced」がおすすめ。無制限サーバー・無制限ユーザーで120万円と少し価格は張りますが、そのぶんスムーズに運営ができます。
スマートフォンサイトの運用を中心に考える方に適しているのは「Movable Type.net」の製品です。シンプルで分かりやすい管理画面が特徴で、フルカスタマイズ可能な本格CMSを利用できます。
一番安い料金である月額2,500円のライトプランから、多機能が備わる月額75,000円のアドバンス250プランまでと、幅広い料金設定が設けられているのも魅力の一つ。まずお試しで始めるなら、スタンダードの月額4,500円を選びましょう。Webサイトやランディングページにメールフォームを設置するなら「MovableType.net フォーム」が最適です。サイトに溶け込むように設置でき、フォームのデザインもカスタマイズ可能。Movable Type以外のサイトでも利用できるのも嬉しいポイントです。1つのフォームのみを設置するなら、無料のフリープランを選びましょう。
ただし、上記のプランや料金は製品のアップデートやキャンペーンによって変更される可能性があります。そのため、具体的なプランや料金を確認する際は、直接Movable Typeの提供元であるシックス・アパート株式会社のオフィシャルサイトで確認することをおすすめします。
今回は、Movable Typeの基本情報や具体的なメリット・デメリットについて解説しました。冒頭で紹介した通りCMSは手軽にサイトやブログを運営管理できるシステムのことですが、「すべての作業を任せることは不可」であること留意しておきましょう。確かに、Movable Typeを使えばサイトの運営管理を楽に行えるようになりますが、「実際にサイトが流行るかどうか」は運営方針やコンテンツの内容などに左右されます。
したがって、初心者に易しいMovable Typeであっても、場合によってはサイト構築をするうえでWebデザインやマーケティングなどの専門知識が必要となる点に注意してください。システム会社の中には、Movable Typeを使ったサイト製作や運営管理などを提供している企業も多いため、必要に応じてサービスの利用を検討することをおすすめします。
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