近年は、YouTubeやTikTokなどの動画系SNSの急速な普及によって、動画制作の需要が高まっています。しかし、ニーズが増えたことによって以前よりも動画制作のハードルが下がったことから、Web制作会社が動画制作に参入したり、個人で動画クリエイターになったりという方も増え、競争が激化しているのが現状です。
本記事では、動画制作会社が行う営業の重要性や営業の流れ、案件獲得方法、成約率アップのポイントなどについて詳しく解説します。
目次
新規案件開拓の課題は「発注ナビ」で解決システム開発に特化したビジネスマッチング
動画制作会社が行う営業の重要性
近年、動画マーケティングは、数多くあるマーケティング方法の中でも注目を集めています。
ユーザーの視覚と聴覚に訴える優れた情報伝達力という動画の特性を活かしたマーケティングを用いることで、サービスや商品の魅力を明確に伝えることができるためです。また、動画マーケティングはYouTubeやTikTok、Instagram、X(旧Twitter)などのSNSでの拡散による宣伝効果やSEOの評価が上がりやすい点もメリットとして挙げられます。そのため、動画市場は今後さらに成長を遂げ、レッドオーシャン化していくことが考えられます。
2022年10~12月に株式会社サイバーエージェントが行った調査によると、2022年時点の動画広告市場は133.2%の5,601億円に到達しており、2023年には7,209億円、2026年には1兆2,451億円に達する見込みと発表されています。
レッドオーシャン化することがみえている市場だからこそ、自社の利益獲得や競争力の維持や同業他社との差別化のためにも営業を行うことが大切です。
参考:サイバーエージェント、2022年国内動画広告の市場調査を実施 | 株式会社サイバーエージェント
動画制作会社の営業の流れの例
制作会社やクライアントの規模にもよりますが、動画制作会社の営業の流れは以下のとおりです。
上記の流れについて、1つずつみていきましょう。
●各種営業方法でクライアントと接触
まず、各種営業方法でクライアントと接触することがスタートです。
主な営業方法としては、テレアポやメール、SNSなどが挙げられます。
テレアポでの営業
テレアポは動画制作会社に限らず、多くの企業が活用している営業方法の1つです。電話と見込み客の名簿さえあれば、簡単に行えることがメリットです。通話料が安いIP電話を使用すると、より費用対効果の向上が期待できます。
テレアポで営業を行う場合は、「動画の魅力」ではなく、「動画によって解決できること」を意識して伝えましょう。
また、売り込みの際に「売上アップ」という言葉を使いがちですが、「新規リードの獲得」「成約率の底上げ」「認知拡大による、受付突破率の改善」などといった具体的な成果をイメージできる言葉を選ぶことがテレアポのコツです。
なお、テレアポの目的はアポイントの約束を取り付けること。テレアポの段階では売り込みをしないことがポイントです。そのため、実際の商談は顧客と会ってから行いましょう。
メールでの営業
メールを用いた営業も、テレアポと並ぶメジャーな営業方法です。コストをかけずに手軽に営業できる点がメリットです。また、テレアポと比べると、直接会話しないぶん心理的な負担が軽いため、営業が初めての方でも難易度が低いといえます。
ただし、営業メールの開封率は低い傾向にあるため、成果につながりにくい点がデメリットです。
そのため、メールでの営業は開封率を高める工夫をすることが重要なポイントです。例えば、件名をキャッチーな内容にするだけでも開封率が向上します。ほかにもメールチェックに充てやすい早朝や昼休み明けに送付するなど、送信時間を工夫することも効果的です。
SNSを活用した営業
X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSを活用した営業は、非常に効果的です。アカウントを無料で開設できるので、費用をかけずに見込み客にアプローチできます。
SNSのみで成約につなげることは困難ですが、自社の認知度の向上に大きく役立ちます。
SNSを活用した営業を行う場合、フォロワーに露骨な売り込みをすると嫌悪感を抱かれてしまうため、注意しましょう。フォロワーにとって有益な情報を配信し、ファンになってもらうことが成功の秘訣です。
●打ち合わせ/企画提案
営業活動が成功し、成約となったら打ち合わせや企画提案を行います。
打ち合わせでは、以下のことを中心に確認しましょう。
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動画で紹介したい製品やサービスについて
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映像を作る目的
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ターゲット層や具体的なターゲット像
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大まかな制作費用
打ち合わせで確認した内容を踏まえて、企画を提案します。企画提案を行う際は、企画書といわれる書面にまとめて提出しましょう。
企画書に記載する内容は、以下のとおりです。
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動画の目的
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動画のコンセプトや方向性
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動画の大まかな流れ・ストーリー
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イメージ画像(ラフ画)
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動画の尺
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動画制作の段取りやスケジュール
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動画制作にかかる具体的な費用
もし、クライアントと自社間で、齟齬が生じていた場合は、企画提案の段階で解消できます。企画書は、制作会社とクライアントどちらにも共有される資料です。打ち合わせに齟齬が生じないようきちんと目を通し、理解しておきましょう。
●ディレクション
企画書の内容に同意を得られたら、ディレクションに進みます。ディレクションとは、企画提案で大まかに決めた動画のストーリーを固めることです。
絵コンテで動画の構成や演出など詳細な流れが決まったら、台本にまとめましょう。
台本制作は、動画における骨格作りといえる重要な工程です。この段階で、クライアントとの間に齟齬が生じたまま進行すると、やり直しの手間が増えてしまいます。気になる部分があれば、お互いに確認を取り合って台本を完成させることが大切です。
●動画制作(撮影/編集)
ディレクション時に制作した台本をもとに、実写やアニメーション・CGによる動画制作を行います。実写の場合、撮影に起用するキャストのアサインは、代理店や動画制作会社、もしくはクライアントが芸能事務所に直接依頼するなど、様々です。
基本的に、実写動画は動画完成後に修正ができないため、撮影当日はクライアント側のスタッフに現場に立ち会ってもらいましょう。
撮影が完了したら、次は編集作業です。編集では、実際に撮影した動画に文字やイラスト・テロップなどを加え、完成台本のイメージどおりになるように作業を行います。編集後は、動画をクライアントに送り、チェックや修正をしてもらう試写を行います。動画の流れや演出などで、クライアントからのフィードバックがあった場合は、それをもとに動画を修正します。
●MA作業
MA作業とは、「Multi Audio(マルチオーディオ)」の略称で、音を完成させる作業を指します。具体的には、修正した動画に対し、ナレーション収録・BGM・効果音などを加えていく作業です。MA作業にも、クライアントの立ち会いが必要です。やり直しが行えないため、声のトーンやナレーションなど、違和感がある部分はその場で修正を行います。
●納品
MA作業が完了したら、仮の動画データをクライアントに送付します。クライアントからフィードバックがあれば、再度修正を行います。その後、クライアントが納得する動画が完成したら、正式な動画データを共有し、納品となります。
動画制作会社・動画制作者の案件獲得方法
動画制作会社、動画制作者の主な案件獲得方法としては、以下の4つが挙げられます。
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アウトバウンド/インバウンド営業を展開
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クラウドソーシングを活用
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SNSを活用
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専用マッチングサービス
制作会社かフリーランスかによって、営業方法や案件獲得方法に大きな違いはありません。ただし、クラウドソーシングを経由した営業はハードルが低い傾向であるため、フリーランスでも利用しやすいといった細かな傾向の違いはみられます。
それぞれの方法について、詳しくご紹介します。
●アウトバウンド/インバウンド営業を展開
アウトバンド営業とは、テレアポやDM、メール営業、問い合わせなど自社から顧客にアプローチを行う手法です。反対に、インバウンド営業は、SNSやホワイトペーパー、セミナーなどで顧客から自社を見つけてもらう手法になります。どちらも企業で一般的に行われる営業方法です。営業担当者の実力が問われる手法ですが、お客様と直接かかわるチャンスがあるため、継続的につながれるケースも多い傾向にあります。
また、ダイレクト営業の場合は、競合やライバルがいないパターンが多いので、自身の営業力をフルで発揮しやすいというメリットがあります。
●クラウドソーシングを活用
クラウドソーシングとは、企業がインターネット上で不特定多数に業務を発注する業務形態を指します。近年は利用者が増加しており、個人でも参入しやすい点が特徴です。そのため案件数も多く、それに比例して競合も多い傾向にあります。
仕組み化されたサービスを利用するため、手数料が発生する点がデメリットです。また、内容として割に合わなかったり、動画制作でやる必要がなかったりというような低単価案件も多いため、注意しましょう。
●SNSを活用
SNSは、無料で始められることから制作会社やフリーランスともに活用しやすいプラットフォームです。そのため、近年はSNSで案件を獲得する方が増加しています。
アウトバウンド/インバウンド営業と同様、顧客とも直接つながりやすいため、ポートフォリオが活用できる点がメリットです。ポートフォリオとは、自身の履歴書や名刺代わりになる「自身の手掛けた制作物を見やすい形にまとめた作品集」を指します。
また、SNSではほかの動画クリエイターとの交流も望めるため、そこから案件獲得につながることもあります。
ただし、 SNSで直接案件を獲得していくためには、自分の強みを売り込んでいくことが重要です。まずは、多くの方とつながることを意識しましょう。
●専用マッチングサービス
専用マッチングサービスとは、発注者(動画制作を依頼したい企業)と受注者(動画制作の案件を受けたい企業)を結びつけるサービスを指します。クラウドソーシングもマッチングサービスに含まれます。
マッチングサービスのシステムは、大きく分けて「プラットフォーム型」と「エージェント型」の2種類です。
プラットフォーム型は、案件が掲載された後、利用者が直接応募し、クライアントとのやりとりを通じて案件を獲得する方法です。前項のクラウドソーシングはプラットフォーム型に該当します。
一方、エージェント型は転職エージェントと同様のシステムを採用しているのが特徴です。マッチングサービスに登録するとエージェントやコンシェルジュが付き、おすすめの案件を紹介してくれます。
仕事探しだけでなく、連絡や交渉などの手間がかかる作業をサポートしてくれるケースが多いため、案件を効率良く探しやすいのが魅力です。
発注ナビは、このエージェント型の専用マッチングサービスに該当します。
営業と同時進行で実践したい成約率アップのポイント
営業活動にプラスαを加えることで、成約率をさらに上げられます。
営業と同時進行で実践したい成約率アップのコツとして、以下の4つが挙げられます。
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自社のホームページを見直す
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制作実績の露出機会を増やす
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マッチングサービスへ登録する
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営業担当としての基礎スキルも磨く
それぞれの項目について、詳しく解説します。
●自社のホームページを見直す
ホームページは企業の信頼度を高めたり、見込み顧客へアプローチしたりする効果が見込めます。もし自社のホームページがない場合は、制作しましょう。ほかにも、自社のホームページを持つことで、以下のメリットがあります。
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常に自社の最新情報を社外に発信できる
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掲載する情報量の制限がない
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企業のブランドイメージを向上できる
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ビジネスチャンスを増やせる
特に、4つ目のビジネスチャンスは成約率アップにつながります。こまめに情報を更新しているコーポレートサイトであれば、自社に対する理解を深めてもらえます。それによってユーザーの信頼を獲得することで、Webサイトを経由しての相談や問い合わせなど、思わぬビジネスチャンスにつながる可能性もあります。
また、ホームページを公開してから年月が経過すると「掲載している情報が増えすぎて整理ができなくなった」「見た目が古くなってしまった」などといった問題点が生じます。定期的な更新はもちろん、情報やデザイン・UIの古さが気になるのであれば、リニューアルも検討しましょう。
●制作実績の露出機会を増やす
動画制作案件を獲得するためには、制作実績の露出機会を増やすことも重要です。
スキルや実績を公開することで、発注者側が、「安心して依頼できるか」といった判断がしやすいため、成約率アップに貢献してくれます。
これまで制作した動画は、自社サイトでしっかりアピールしていきましょう。
また、自社のホームページ以外にも、YouTubeやInstagram、ブログなどのSNSを活用して、露出機会を増やしましょう。
拡散力の高いSNSを利用することで、自社の動画制作サービスの認知度向上や新規顧客の獲得に期待できます。さらに、ホームページやSNSなどにお客様の声などを掲載してみるのも、自社の魅力を広める手段としておすすめです。実際のお客様の声は、見込み顧客からの信頼度が上がる可能性があるだけでなく、自社(自身)のスキルをアピールできるメリットがあります。
●マッチングサービスへ登録する
「制作が忙しく営業する時間がなかなかとれない」もしくは「新規顧客の開拓に苦労している」という場合は、マッチングサービスへ登録しましょう。専用のマッチングサービスであれば、エージェントやコンシェルジュがサポートしてくれるため、営業する時間を削減できるメリットがあります。また、自社と相性の良い発注者を探したい方にも効果的な方法です。受注者と発注者を結びつける専用のマッチングサービスであれば、自社に合った案件・発注者を紹介してもらえます。
●営業担当としての基礎スキルも磨く
営業担当としての基礎スキルを磨くことも成約率アップに必要です。必要な基礎スキルは以下の13点が挙げられます。
- コミュニケーション能力
- ヒアリング力
- 課題発見力
- 自己管理能力
- 時間管理能力
- ストレスマネジメント力
- マーケティング能力
- 人脈力
- クロージング能力
- 論理的思考力
- 行動力
- 交渉力
- 臨機応変な対応力
顧客は、営業担当者の人柄やビジネスパーソンとしての力量もみています。高い提案力や傾聴力、丁寧な対応など、営業担当者としてのスキルも底上げしていきましょう。
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