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生成AIを独自開発RPAに組み込むという新発想~ASCUBEのチャレンジ~――株式会社ASCUBE

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株式会社ASCUBEの扉

東京、大連、ソウルに拠点を構え、グローバルに「技術特化型」のシステム開発を展開している株式会社ASCUBE。同社は独自開発の業務プロセス自動化ツールに生成AIを組み込みという新発想の開発にチャレンジしています。業務の中で「ベテラン従業員のノウハウに基づく判断」が必要なところに生成AIを介在させて、業務フローが一気通貫で自動化されるようなシステムの開発を目指すという、同社のプロダクトマネージャーにお話を伺いました。

 

最新技術を「ちょっと違った視点」で活用する

―― ITコンサルティングや各種業務システムの開発、サーバー環境の構築など「守備範囲が広い」システム開発会社、という印象です。御社の強みは、やはり「守備範囲の広さ」ですか。

ASCUBE プロダクトマネージャー: たしかに、オフィスのパソコンで使うデスクトップアプリケーションからWebシステムや業務システム、サーバー側のプログラムまで、幅広く対応していますので、その意味では守備範囲が広いことは当社の強みのひとつです。ただし、「守備範囲が広い」と言うと、「広く浅く」とも思われがちですよね。その視点で考えると当社はまったく違います。むしろ「技術特化型」で、「テクノロジーをコアとするハイエンドなITソリューションプロバイダー」です。

 

―― ハイエンドなITソリューションプロバイダーですか……、すいません、なんとなく技術力のあるシステム開発会社だということはわかるのですが。

プロダクトマネージャー: わかりにくいですよね(笑)。言うなれば、「最新のテクノロジー」を普通のシステム開発会社とは「ちょっと違った視点で活用してみる」、そんな提案を得意とするシステム開発会社といえると思います。最新技術を「ちょっと違った視点で活用する」ことで、「ハイエンドなITソリューション」、ようするに「なかなか思いつかないような課題解決策」を考えだす、そんなシステム開発会社です。

 

―― 最新技術を「ちょっと違った視点で活用する」というのは面白いですね。「ちょっと違った視点」とは、例えばどんな視点で活用しているのですか?

プロダクトマネージャー: 例えば、業務の効率化や自動化のためにRPA(Robotic Process Automation:ロボティクス・プロセス・オートメーション)を導入しようという企業は多いと思います。ところが、実際にRPAを導入してみるとよくわかるのですが、きちんと業務を自動化するには、ただ導入しただけではうまくいかないのです。

RPAは、あるひとつの単独業務を自動化するのは得意ですが、みなさんの実際の仕事では「複数の業務」が「複雑に連携」していますよね。つまり、さまざまな業務が複雑に連携している全体のプロセスを丸ごと自動化できないと効果がでないのです。

 

RPA(Robotic Process Automation)の現在

 

―― なるほど、確かに「毎朝決まった時刻に銀行の口座を確認して、前日までの入金をチェックする」といった「単独業務」の自動化ならRPAは得意だけど、実際の仕事は入金確認後にその数字を売上管理システムに反映させたり、入金が確認できたらその資金をもとに必要な資材を発注したりと次々に繋がっていきますよね。

プロダクトマネージャー: その全体のプロセスを一気通貫でスムーズに自動化するには、単独業務を自動化して得られた結果を「次の業務に受け渡す」という作業が不可欠になります。その受け渡しの部分でどうしても「人の手が介在してしまう」のです。わかりやすく言うと、ベテランのノウハウのようなもの。「入金を確認して、その額がいくら以上になっていたら、その資金をもとにA社に必要な資材を●●個、発注する」とか。このノウハウを頭の中に持っているのがベテラン社員で、その人の手を介在させないと業務が回らない、だから「RPAを入れても結局、人が絡むから思うように効果がでない」となってしまうのです。

 

―― それが、RPA導入時に多くの企業が直面するお困りごとなのですね。

プロダクトマネージャー: はい、そうです。そうした課題に対して、ASCUBEは注目の最新AIテクノロジーである「生成AI」を活用しようとしているのです。

 

ベテラン社員の代わりに生成AIがプロセスを判断

―― 生成AIをRPAに組み込むということですか? 生成AIといえば、一般的には文章を作ってくれたり、何かを質問するとまるで専門家のように答えてくれたりすることがよく知られています。それをRPAに組み込むのは、たしかに 「最新技術をちょっと違った視点で活用する」ことといえそうです。

プロダクトマネージャー: 当社は、さまざまな定型業務が組み合わさった業務プロセスを自動化できる独自のパッケージソフトである「SmartPA(スマート・プロセス・オートメーション、以下SPA)を自社開発しています。このパッケージをベースにさまざまにカスタマイズすることで、企業の煩雑で複雑な業務プロセス全体の自動化を支援してきたのです。

SPAを開発した当初は、今ほどAIの活用が進んでいなかったのですが、最近ではChatGPTをはじめ、さまざまな生成AIが誕生しています。そこで、生成AIを取り込むことで、業務の効率化を一層高めることができる新しいSPAの開発を進めています。

SPAはプロセスの処理、つまりはプロセス全体の自動化を得意としています。データがSPAに入力されると、SPAが自動的に処理して結果を出力し、それが次の業務プロセスを自動化する処理のトリガーとなって自動的に処理され再び結果が出力され、それが次の自動化処理のトリガーとなって、というように異なるプロセスを連結して実行させることができるのです。メールの受信やアプリケーションの起動などをトリガーとすることもできますので、メールの受信をきっかけにして、SPAが指示内容に基づいて業務を自動的に処理し、結果をメールで送信したり、データベースに保存したりといった作業ができます。

 

―― そのSPAのどこに、どういうように生成AIを組み込む、あるいは組み込もうとしているのですか? 

プロダクトマネージャー: 業務と業務の間、データの受け渡しなどが行われるプロセスのところです。そもそも当社が業務プロセスの自動化を進めてきた背景には、業務と業務の間(プロセス)を人手に頼っている企業を多く目の当たりにし、これが非効率的だと考えたからです。例えば、営業部門が受注業務の自動化のためにRPAを入れても、自動で出力された受注データを今度は製造部門の担当者が設備の稼働状況などを確認しながら手作業で製造管理システムに入力し直していたりする、そんな業務フローをそのままにしておいては、絶対にDX(デジタル・トランスフォーメーション)など起こせるはずがありませんよね。

しかも、今の例で考えると、製造部門の担当者が設備の稼働状況を見ながら製造計画を立てたりするところに長年のノウハウというか、ナレッジがあったりする。担当者はそのナレッジデータベースを参照しながら、このくらいの稼働状況ならこの設備とこの設備を活用して製造すると効率的にできる、などと作業を進めているケースが多々あります。

ナレッジデータベースとは業務を進める上で参照するマニュアルのようなもので「こういう事象が起きたときは、このように対応する」といったことが書かれているものです。これは、企業によって呼び方は違えど、どんな企業でもほとんどの業務に用意されているものです。多くの企業では表計算ソフトなどを活用して、ドキュメントベースでナレッジデータベースを管理していますが、わざわざ人がそれを確認しないとならないところが業務効率化や生産性向上のボトルネックとなっているのです。

そこで、この「ナレッジデータベースを参照する」という従来、人がやっていた仕事を生成AIに任せてみようと思ったのです。生成AIに「こういう結果がでてきたら、ナレッジデータベースを参照して最適な回答を引き出し、結果を出力して、次の業務に受け渡してください」と指示しておくのです。このように、現在、SPAに生成AIを組み込むことに取り組んでいます。

 

プロセス間処理: SPAロボット君のご提案

 

「プロセスオートメーションといえばASCUBE」を目指したい

―― うまくいきそうですか?

プロダクトマネージャー: うまくいかせます(笑)。ポイントは、生成AIにナレッジデータベースを参照させて最適な回答を引き出すという作業、つまりは生成AIに判断させるテーマの粒度を小さくすることです。わかりやすく言うと、「判断させる内容をできるだけ具体的にする」ということ。テーマの粒度が大きいと、漠然とした回答しか返ってこないことが懸念されます。テーマの粒度を小さく、具体的にすることで生成AIの本領を発揮できると考えています。

 

―― 生成AIに判断させるテーマの粒度を小さくするというのは、例えば「受注数が1日100個を超えたら●●する」というように具体的にすることで、これが「受注数が『増えたら』●●する」とか曖昧だと判断にブレが生じて、思うような効率化が図れない懸念があるということですか。

プロダクトマネージャー: 「粒度を小さく、具体的に」ということのイメージはそうです。SPAと生成AIの組み合わせがうまくいけば、これまで人のノウハウに頼っていた業務のプロセスの部分も含めてスムーズに自動化できるようになるでしょう。

現在、市場にはさまざまな自動化システムがありますので、RPAにAIを組み合わせることに取り組んでいるのはASCUBEだけではないでしょう。ただし、私どもはベースとなるSPAというRPAツールを独自技術で自社開発しています。自社開発なので、そこに生成AIを組み込むことも問題なくできます。他社の場合は、既存に公開されているRPAをカスタマイズしてAIを「連携させる」というイメージですが、当社はSPAに生成AIを連携させるのではなく、「組み込む」ことができます。お客様の実際の現場の業務フローに合わせて、より使いやすく作り込むことも自由自在です。

すでに、当社のSPAをご活用いただいているお客様企業に対して、生成AIを組み込んだニューバージョンのSPAをご提案しようとしています。

当社のような技術特化型の開発会社にとっては「お客様との長いお付き合い」がとても大切です。最新技術を違った視点で活用するというソリューションをご提案し、実際にお使いいただき、フィードバックをもらいながらさらにブラッシュアップしていく。そして、長きにわたってお客様の課題解決を支援し続けるパートナーとして伴走していきたいと考えています。

そして、将来的には「プロセスオートメーションといえばASCUBE」と誰もが思ってくれるような開発会社になれれば最高ですね。

 

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株式会社ASCUBE

 

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