
ゲームの要素をマーケティングや教育などさまざまな領域に応用する『ゲーミフィケーション』。既存顧客の継続率向上などへの活用を検討する企業も多いのではないだろうか。健康食品を扱うアイリンクス株式会社でも、サプリメントの定期購入継続や新規顧客獲得にゲーミフィケーションを取り入れようと、アプリ開発を企画した。試行錯誤しながら開発を進める中、同社は発注ナビを介してゲーム開発の実績・知見を豊富にもつ株式会社クロスゲームズと出会う。ゲーミフィケーションでは、通常の開発と何が違うのか。アイリンクス株式会社 課長代理 掛 康太氏、株式会社クロスゲームズ 取締役 松永 学氏のインタビューから紐解いていく。
| 社名 | アイリンクス株式会社 |
|---|---|
| 事業内容 | 健康食品の開発および通信販売、同梱物の制作・CRM、保育園グループの運営など |
| 依頼内容 | 視力トレーニングアプリの開発 |
- 獲得コストの高騰と継続施策の不足:Web広告の競争激化や、既存顧客の継続率向上の施策に課題があった。
- 開発知見の不足と外部連携の限界:初の開発でナレッジがなく、オフショアでの開発に限界を感じていた。
- 柔軟な開発体制と円滑な対話の実現:密なコミュニケーションにより、短期間で3回のアップデートをスムーズに実施。
- ユーザー利用頻度10%向上:ルールの変更や報酬の調整などにより、アプリの利用頻度が向上した。
- サプリ定期購入の継続率向上:アプリとの相乗効果により、同時利用者のサプリ継続率に向上の兆しが出た。
アイケアサプリの顧客獲得・継続率UPのため視力トレーニングアプリを企画
アイリンクス株式会社
課長代理 掛康太氏
―― アイリンクス様の事業について教えてください。
アイリンクス株式会社 掛氏:福岡県福岡市に本社を置き、『健康食品事業』と、モンテッソーリ教育を取り入れた保育園(4園)の運営などを行う『おやこみらい事業』の2つの事業を展開しています。三和ホールディングス株式会社のグループ会社であり、グループ内には総合不動産サービスを手掛ける三和エステート株式会社があります。
私が所属する健康食品事業部では、15年ほど前からアイケアのサプリメント『アサイベリープラチナアイ』を中心に定期購入モデルで販売し、多くのお客様に長くご愛用いただいています。
―― なぜ視力トレーニングアプリを開発することになったのですか。
掛氏:これまでの新規顧客獲得は広告によるものが中心で、そのほとんどがWeb広告でした。しかしWeb広告は競争が激化しており、購入いただくまでのコストが上がり続けています。また、新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客の継続使用のための施策もテコ入れが必要と考えていました。
これらを解決する方法として出たアイデアが、アプリの活用でした。スマートフォンはかなり普及していますし、私たちが提供するサプリメントと相乗効果を期待できるアプリが良いのではと、『ゲーム感覚で目のトレーニングができる』コンセプトのアプリを企画しました。目の栄養の補給をサプリメントで行い、脳の視力に関係する領域への刺激をアプリで行う。この両方を組み合わせて継続してもらいたいという考えです。
海外企業とプロトタイプを開発するも、コミュニケーションギャップに限界を感じる
―― 今回はこのアプリの開発というご相談でした。
掛氏:実は一度、海外の会社に依頼してプロトタイプを開発しています。このアプリは新規事業のため、時間や費用を抑えたいという事情もあり、よりコストを抑えられるオフショア開発で進めたという経緯です。1~2年ほどでプロトタイプは完成したものの、開発中はコミュニケーション面でのミスマッチが多かったため、完成後のアップデートなどを考えると、やり取りの継続には限界を感じていました。
本来であれば、経験豊富なプロジェクトリーダーを社内でアサインするなどの体制を整えたうえでオフショア開発を利用できれば良いと思うのですが、私たちはアプリ開発自体が初めてでナレッジがなく、どう進めれば良いかもわからない状況でした。言語の壁もありますが、そもそも「開発はこう進めるものだ」という業界慣習の部分でも認識の差を感じる場面が多く、うまく進まないもどかしさばかりが募っていきました。
最終的に「目指しているアプリを実現するには、パートナーとなる会社を選び直した方が良い」という結論になり、条件として『アプリ開発の知識や知見がなくてもコミュニケーションしやすい国内の企業であること』『今回の開発において重要な要素であるゲームやゲーミフィケーションの経験・知見があること』を挙げ、改めてパートナー探しから始めることにしました。
―― それで発注ナビをご利用いただいたのですね。
掛氏:以前は別のマッチングサービスを利用し、かなり多くの会社を紹介してもらいました。サービスを変えれば、これまでと違った会社と出会えるのではと考え、開発会社のマッチングサービスを検索する中で見つけたのが発注ナビです。
基本的に、自分に知見がない領域でパートナーなどを探すときは、マッチングサービスに間に入ってもらった方が効率的で安心と考えています。今回もクロスゲームズさんを紹介してもらえて、いい結果が得られました。
ゲーミフィケーションでは『どんな機能を作るか』よりも『目的をどう解決するか』が鍵
株式会社クロスゲームズ
取締役 松永学氏
―― クロスゲームズ様の事業について教えてください。
株式会社クロスゲームズ 松永氏:ゲーム開発を中心としつつ、昨年からはゲーミフィケーションの案件も平行して手掛けています。
発注ナビでもゲームやゲーミフィケーション関連の案件には必ずエントリーするほか、一般的なWeb・アプリ開発の中でも、特に高いクオリティが求められる案件に対して積極的に手を挙げています。今回はゲーミフィケーションの案件でしたから、迷わずエントリーしました。当社はゲーミフィケーションの実績もありますし、そのあたりも強みになると思いました。
―― ゲーミフィケーションと通常の開発は、何が違うのでしょうか。
松永氏:ゲーミフィケーションは、ゲームの仕組みや体験設計をゲーム以外の領域に取り入れることで、継続率やリテンションなどの問題解決を目指すものです。『利用を継続させたい』『顧客単価を上げたい』など目的によって適した機能が違いますから、まずは、どんな課題があるのかをじっくり伺うことから始め、課題や目的を解決するための提案をしていきます。
また、通常のアプリ開発のように要件定義をきっちり作っても、まずその通りには進みません。事前に決めた機能を実装するのではなく、『何を解決し、どのKPIを達成するか』という部分にコミットする提案をしていくイメージです。
多くの企業からさまざまな情報を得たうえで、提案の納得度が高かったクロスゲームズを選定
―― クロスゲームズ様に発注を決めた理由を教えてください。
掛氏:発注ナビから紹介された開発会社の中でも、クロスゲームズさんはアプリ開発をきちんと『事業』として捉え、『なぜアプリを開発したいのか』といった背景を踏まえてバックアップしようという姿勢が見えました。開発費という投資をどれくらいで回収するかといった投資対効果まで一緒になって考えてくれたことも心強かったです。
また、拠点が福岡にあり、場所が近いのも魅力でした。Web会議でもコミュニケーションは取れますが、何度もオフィスに足を運んでくれた安心感が後押しになりました。
オフショア開発の際はウォーターフォール型の開発だったため、最初に全ての仕様を決めており、仕様変更は別料金でした。一方、先ほどのお話にもあったように、クロスゲームズさんは「最初は大枠だけ決めて、後は話しながら決めていきましょう」という柔軟なスタイルです。進め方についてもかなり具体的な説明があり、一緒に進めていくイメージができたので、クロスゲームズさんに発注を決めました。
―― 発注ナビからは10社紹介しました。
掛氏:元々、なるべくたくさんの会社と会ってから決めたいという思いがありました。オフショア開発での経験による所もありましたが、やることが似ていても会社によって違う話が出てくる傾向がゲームの領域では特に多いだろうと予想していました。できるだけ多くの情報を踏まえて吟味したいという理由から、最初に5社紹介してもらった後、さらに追加で5社紹介をお願いしました。
10社から選定となると、各社2~3回ほどの打ち合わせで判断することになります。多くの企業とお話ししましたが、私たちの疑問に対して最も腹落ちする回答をいただけたのがクロスゲームズさんでした。何度もオフィスまできて対話を重ねてくれたことで、十分な納得感を持って判断できました。
すでに3回アップデートし、利用頻度増加など徐々に効果も
―― 開発の状況はいかがですか。
掛氏:2026年2月から本格的に開発をスタートし、すでに3回ほどアップデートを実施しました。6月までには4回目のアップデートを予定しており、思っていた形に近づいてきたと感じています。
クロスゲームズさんに「こういう風にしたい」と相談すると、過去の経験などを踏まえて「客観的にこれはいいと思うが、こういう懸念がある」など細かなアドバイスがもらえます。いわゆる『壁打ち』のようなこともさせてもらっていて、こういったコミュニケーションがうまくできているからこそ、開発もスムーズに進んだのではと思います。
オフショア開発で作ったプロトタイプの課題も整理してくれたため、これからやるべきことも明確になりました。
―― アップデートによる効果はいかがですか。
掛氏:アプリを長期で使用しているユーザーが熱量の高い状態を保てています。アプリに愛着を持って使い続ける『粘着性』を図る指標として、月にアクティブになったユーザー数のうち、日にアクティブになったユーザー数の割合を出して利用頻度を見ているのですが、4月初旬に10%ほど伸びました。
サプリメント購入ユーザーがアプリユーザーの7割を占めるため、これがアプリによる効果なのかは精査が難しい所ですが、ゲームのルール変更や報酬の割合変更など複合的な修正を反映した後に変化が見えたため、何かしらの影響があったのではないかと考えています。
―― 開発で工夫した点をお聞かせください。
松永氏:とにかく近くでコミュニケーションを取ることです。最初に役員の方も含めて、『何を課題にしているのか』をかなり詳しく伺い、目標・目的を共有いただきました。そのうえで、ゲーム会社として私たちが対応できるラインアップから、『こういうのはどうですか?』と提案していきました。今回の開発は完全なゲームではないため、どうしても思ったほどの数字が出ないこともあり、今はまだいろいろと模索しながら進めている段階です。
アプリとサプリメントで連携し、さらなる効果に向けて取り組みを進めていく
―― 発注ナビを利用した印象を教えてください。
掛氏:クロスゲームズさんといういい会社とマッチでき、発注ナビ利用の満足度は高いです。最初のヒアリングでも『どういう会社を探しているのか』などかなり細かく聞いてもらいました。追加での紹介を依頼したときも、親身に対応いただいて、サポートが手厚い印象があります。
―― 今後の予定をお聞かせください。
松永氏:投資対効果の観点では不十分な所があり、まだ課題があると感じています。6月のアップデートで全てが揃った後、アプリとサプリメントで連携しながら、どこまで効果を伸ばせるのかにかかっています。会員数の増加など発注いただいた以上の効果にまでスピード感をもってつなげていきたいですね。そのための提案は既にしていますから、アイリンクスさんとも一緒に順番を決めて進めていければと思います。
掛氏:アプリのアップデート後、アプリとサプリメントを一緒に利用しているユーザーのサプリ継続率が向上したというデータが出ています。まだ因果関係を明確にできていませんが、アプリとサプリメントを同時に使い始めた方の継続率が向上する兆しがあり、これこそまさに当初狙っていた効果です。ここをさらに伸ばすために、7月からの来期以降も取り組みを進め、事業としてクロスゲームズさんと長くこのアプリを育てていきたいです。
―― ありがとうございました。
■関連リンク
アプリ開発会社選びはプロにお任せ完全無料で全国8000社以上からご提案
■発注ナビへの掲載について
「発注ナビ」掲載のご案内(システム開発会社、アプリ開発会社様はこちら)
発注事例の関連コンテンツ
発注事例の関連事例コンテンツ
アプリ開発の関連コンテンツ
人気記事
- SIer(エスアイヤー)とは?基礎知識から仕事内容まで詳しく紹介
- SQLとは?データベース言語の基礎知識をわかりやすく解説!
- Linuxとは?初心者でもわかる基本情報とメリットを紹介
- ICT(情報通信技術)とは?ITとの違いと政府が進めるICTの利活用
- Accessとは?Excelとの違いや基本操作を紹介!
関連記事
発注先選定支援サービスです。
テクノロジー
こんなお悩みありませんか?
見つからない。
発注内容をまとめられない。
時間がない。
「アイティメディア株式会社」
グループが運営
ご紹介企業は第三者調査機関にて信用情報・事業継続性を確認済です。
発注先探しの
ご相談フォーム
徹底的にサポートします。
お気軽にご相談下さい。

