大阪・難波を拠点とする制作会社である、株式会社エイジップ。同社はこれまで、主に広告代理店経由で制作案件を受注してきたが、今後は大手企業を中心とした優良顧客からの直接的な受注実績をいかに増やしていくかが課題だった。大手企業との直接取引の実績を増やし、その実績をもとにさらに大手企業の新規顧客を開拓していく、その戦略を実現するパートナーとして同社は発注ナビを選んだ。同社代表取締役である直井 康孝氏にお話しを伺った。
社名 | 株式会社エイジップ |
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所在地 | 大阪市中央区難波5-1-60 なんばスカイオ27F |
従業員数 | 1 – 30名 |
事業内容 | 各種グラフィックデザイン、グラフィック制作、WEBサイト制作業務、WEBサービス業務、映像・動画の撮影および編集 |
- 導入前の課題
従来、広告代理店経由でコンスタントに制作案件を受注できていたため、営業専門の部署がなく営業専任の担当者もいなかった。そうした状況の中で今後のさらなる事業拡大のために、大手企業を中心とした新規の優良顧客をいかに開拓し、直接受注の案件をどうやって増やしていくかが課題となっていた。
- 導入後の効果
発注ナビを利用したことで、営業専門部署や営業専任の担当者を配置することなく、広告代理店経由では出会えなかった企業と出会うことができるようになった。しかも、発注ナビから紹介される案件は大手の優良企業からの動画を中心とした制作案件が多く、大手企業との直接取引の実績が増えることで、その実績をもとにさらに新規顧客開拓へとつながる波及効果も期待できる。
中堅・中小規模の動画制作会社がいかに新規顧客を開拓していくか
株式会社エイジップは、映像や動画、Webサイト、グラフィックデザインなどクリエイティブ制作に強みを持つ制作会社だ。2008年の設立以来、本社のある大阪を拠点に、主に広告代理店から依頼される制作案件を中心に事業を展開してきた。
代表取締役の直井 康孝氏は「当社は品質の高いクリエイティブが強みです。そこが評価され、多くの広告代理店からコンスタントに制作案件を依頼されるようになってきました。しかし今後のさらなる事業拡大を見据えると、新規顧客を独自に開拓していく体制をいかに整備するかが課題だと感じていました」と説明する。
実は、同社のような悩みを抱える企業は多い。システム開発やWeb制作、動画制作など、得意とするジャンルを問わず、同社のように品質に強みがある企業の場合、顧客となった企業から次の顧客を紹介してもらえることはよくある。自社に営業専門の部署や営業専任社員を持たなくても、いわゆるリファラル営業で安定的に案件を獲得できるからだ。
しかも、こうした悩みを持つのは安易にマンパワーを増やすことが難しい中堅・中小規模の企業に多い。「当社のような規模の会社の場合、今、多くの案件を受注できていても、それが来年も再来年も継続するとは限りません。そのリスクを少しでも軽減するには新規の顧客開拓が必須ですが、実行するにはマンパワーが足りない。このジレンマをどう解決するか。悩んだ末に、ビジネスマッチングのサービスを検討しました」(直井氏)。
約1年間の無料プラン利用を経て発注ナビのメリットを理解し本格利用を開始
同社では、発注ナビを含めて複数のマッチングサービスを検討したという。直井氏は、「利用料金が高額なものから比較的安価なものまで、複数のサービスを利用しましたが、いずれも『これだっ!』と思えるものではありませんでした」と振り返る。
たとえば、あるマッチングサービスは1案件につき最大5社が入札できる仕組みだった。5社コンペなので受注できる確率もそれほど低くなく、実際、複数の案件を受注できるなど効果もあった。しかし優良な案件を紹介してもらえたのは最初だけで、利用を続けるうちにだんだんと良い案件を紹介してもらえなくなり、結局利用を中止してしまったのだという。
一方、別のマッチングサービスは利用料金こそ低額だったものの、1案件に最大15社が競合するものだった。しかも参加資格は早い者勝ちで、案件が紹介されたらすぐに『参加します』と返信しないとマッチングに参加できない仕組みになっていた。仮に15社の中に入ったとしてもそれだけ参加する会社が多ければ選ばれるのは至難の業のため、直井氏は『受注できたらラッキー』という感覚しか持てなかったという。
こうした経験をしていたら、ビジネスマッチングサービスそのものに疑念を持ったり、利用するメリットを感じなかったりしたのではないかと思えるが、同社はそうではなかった。
直井氏は、「確かにどれも満足のいく成果を得られていませんでしたが、広告代理店からの紹介案件では出会うことのない新規顧客と出会える可能性、メリットは強く感じていました」と語る。しかも、東京などの関東圏の案件の商談にも参加することができ、大阪を拠点に活動している同社にとってはその点も魅力的だった。そこで、同社ではさらにビジネスマッチングサービスの利用を検討し、その過程で発注ナビを選んだ。
発注ナビの利用を決めたと言っても、同社の場合、最初は無料の会員登録だった。2022年7月から約1年間は無料会員として、実際に発注ナビを利用したら具体的にどのような案件を紹介してもらえるのかを確認し、1年後に有料契約に移行したのだ。
利用するマッチングサービスを発注ナビに決めた具体的な理由について、直井氏は以下の3点を挙げた。
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発注者に大手企業が多く、紹介してもらえる案件の質が良かった
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発注者1社につき競合3~5社程度となる割合が適切だと感じた
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早い者勝ちではないため、期間内に案件を精査し提案内容を検討する時間を確保しやすいと考えた
直井氏はさらに、「日々、送られてくる案件の中から自分たちでやりたい案件を探して『この案件はぜひやりたい』とエントリーできることにも魅力を感じました。しかも、エントリーした複数の競合の中から『紹介企業』となるまでは課金されません。これは、当社のような中堅規模の制作会社にとっては、とても利用しやすい料金体系です。決め手のひとつになりました」と語った。
また、発注ナビがソフトバンクグループ、東証プライム上場のアイティメディアのグループ会社で、安心感があったことも選定のポイントになったという。
大手企業と直接取引の実績が増やせる!発注ナビの『波及効果』に期待
さて同社では、発注ナビの利用を開始した直後の2023年10月に東京の大手総合商社の動画制作案件を受注した。発注ナビを利用して、比較的短期間で手ごたえを感じることができたのだが、直井氏は「受注できたことや受注した金額以上の『波及効果』が大きいと感じています」と話す。
発注ナビを経由して受注できた案件は、従来のような広告代理店経由の案件とは異なり、発注者から直接依頼を受けた自社実績としてホームページや提案資料に記載するなどしてアピールができる。直井氏は、その効果が思いのほか大きいのだと語る。
というのも、「当社のように広くは知られていない大阪の中堅・中小規模の制作会社に大手企業が動画制作を発注する場合、まず気にするのは『大手企業と直接取引して制作した実績』があるかどうか」(直井氏)だからだという。
確かに発注者にしてみれば、その制作会社に実績があり、きちんとできると判断できてから、初めて提案内容や制作料金の話し合いへ進んでいこうと考えるだろう。実績がほぼなく、できるかどうかわからない制作会社からは、どんなに素晴らしい内容の提案を受けても常に不安がつきまとうことになる。
同社は現在、大手総合商社の案件を受注できた実績を活かして他の大手企業案件にもエントリーを続け、受注実績を増やしていく波及効果に期待を膨らませながら発注ナビを利用している。「発注ナビは、案件ごとに発注者の企業属性が個人事業主、中小企業、上場企業と表示されているので、エントリーするときの参考にしています。当社は現時点では大手企業の実績を増やしてアピールしていくことが大きなメリットになると考えていますので、上場企業の案件であれば、迷わずエントリーしています」(直井氏)。
専任アドバイザーから良心的なアドバイス、発注ナビは信頼できるパートナー
また、直井氏は発注ナビの専任アドバイザーの対応も評価している。同社は、発注ナビとは年間契約ではなく、案件の紹介を受けた場合に1件ごとに課金される『リードジェンプラン』を契約している。見込み顧客=リードとなる案件を紹介されたときだけ費用が発生する従量課金制であるのが特長だ。同社では、リードジェンプランを利用していく中で、ほぼ毎月のように優良案件があるので、年間プランに移行しても良いという意向を専任アドバイザーに伝えたという。
発注ナビにとってもリードジェンプランより年間プランの方が実入りが増え、メリットがあるだろうと思ってのことだったのだが、専任アドバイザーからは「今が御社にとって新規顧客を継続的に開拓していけるかどうかの分岐点です。まずは大手案件を確実に受注するという当初の目標を徹底しましょう、というものでした」(直井氏)。
要するに、年間プランへの移行は分岐点を超えて、新規顧客を確実に開拓していけるという明確な手ごたえを得てからでも遅くはないということ。「当社のことを深く考えたうえで、とても丁寧なアドバイスをくれました。信頼できるパートナーであることを体感できたことで今でも印象に残っています」(直井氏)という。
直井氏は、今後の発注ナビの利用について、「エントリーから最終選考に残り実際に発注者と直接商談できる件数を増やしていきたい」と語る。「発注ナビでは、動画制作のカテゴリーが新設されたばかりで、動画制作の案件そのものはまだ多いとはいえないと感じています。逆に言えば参加している競合となる動画制作会社も少なく、先行者優位が働く可能性もあるでしょう。目標は「週一ペースで毎月4件の商談です」(直井氏)。
前を向くその視界は良好のようだ。
新規案件開拓の課題は「発注ナビ」で解決!システム開発に特化したビジネスマッチング
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