
業界を問わず、多くの企業が頭を悩ませている人手不足。新たな人材を確保するための採用活動は、企業にとって重要な課題のひとつとなっています。中でも世界に冠たる「モノづくり日本」を支える製造業においては、専門性を持つ人材の確保や、着実な技術承継に向けた定着率向上など、さまざまな課題があります。
採用サイトや企業のブランディングサイトの制作を数多く手がけてきた株式会社コンテナは、そうした採用課題の多くは情報発信のやり方で解決が可能であるとして、新たに「採用コミュニケーション設計サービス」を軸とした採用活動支援の各種施策を提供しています。
同サービスはどのようなものか、製造業の採用活動にとってどのようなメリットがあるのか、新規事業開発室 吉澤哲也氏に詳しくお話を伺いました。
製造業では企業側の発信情報が求職者にきちんと伝わっておらず「もったいないな」と感じていた。
―― 製造業の採用活動は厳しさを増しているのでしょうか。
吉澤氏: 製造業に限った話ではありませんが、昨今、経営層や人事担当者から、採用に関する次のようなお悩みの声を耳にします。
新規事業開発室
吉澤哲也氏
・求人を出しても、若手がこない
・条件だけで比べられ、大手に取られる
・応募はあっても社風に合う人材に出会えない
・採用してもすぐに辞めてしまう
・候補者の共感を得る発信ができていない
・採用と離職の繰り返しで現場が疲弊している
こうした悩みを解決するのが「採用コミュニケーション設計サービス」です。このサービスは、当社がこれまでお客様企業の採用支援を行ってきた中で培ったさまざまなノウハウを結集して、採用や定着率に悩む中堅製造業のお客様に向け、2026年4月よりスタートしました。
―― なぜ、対象を製造業に絞っているのですか。
吉澤氏: 当社では、これまでもいろいろな業界のお客様の採用のお手伝いをしてきたのですが、特に製造業では、企業側の発信情報が求職者にきちんと伝わっていないケースが多く「もったいないな」と感じていました。
―― 「もったいない」というのは、たとえばどういうところですか。
吉澤氏: BtoCの会社であれば、日頃から商品や広告を目にする機会が多いので、学生さんでもその会社の名前や製品を知っているかもしれません。しかし、たとえばBtoBの部品メーカーの場合、上手に発信していかなければ、学生さんにはその部品がどのような製品に使われているのかもよく分からず、社名を知る機会も限られてしまいます。情報発信の方法を工夫することにより、そうしたBtoBの部品メーカーでも、広く社名を知ってもらうことは十分可能です。
また、会社や仕事の紹介に、当たり前のように技術用語や専門用語が登場してしまい、読み手がついていけていないといったケースも多く見られます。業界内や取引先相手に向けたサイトならば、そのままでも通じるかもしれませんが、採用サイトではそうはいきません。もう少し自社のビジネスの内容をかみ砕いて紹介してあげれば、より良く伝わるのに、と思うことはよくあります。
―― なるほど。情報の解像度を調節する必要があるということですね。
吉澤氏: はい。採用コミュニケーション設計サービスでは、「誰に」「何を」「どう届けるか」を根本から設計することで、お客様企業の採用戦略・採用ブランディングを確実なものへと変え、お客様企業を「定着する人材から選ばれる会社」にしていきます。
「採用コミュニケーション設計」で基礎をしっかりと固めた上でブレることのないメッセージを発信していきます。
―― 御社の提供する「採用コミュニケーション設計サービス」について詳しく教えてください。
吉澤氏: 近い言葉として採用広報や採用ブランディングがありますが、指している範囲が異なります。採用広報は、自社の情報を発信する活動そのものを指します。オウンドメディアやSNSでの発信が代表例です。
採用ブランディングは、発信を通じて「この会社はこういう会社だ」という認識を形成する取り組みです。中長期で効果が現れる性質のものです。採用コミュニケーション設計は、その手前にある工程です。誰に、何を、どの接点で伝えるかを決め、発信と体験の全体を組み立てます。広報やブランディングは、この設計の上に成り立ちます。

もちろん、採用コミュニケーション設計を行った上で、当社も採用広報や採用ブランディングのお手伝いを行っていきます。基本的な設計をした上で、それぞれの施策を実施していくことで、ターゲットに適切なタイミングで、適切な情報を届けることができるようになります。
―― やはり最初の設計が大切なのですね。
吉澤氏: 基本的なことを決めずに情報発信をしていると、たとえば自社の採用サイトの発信内容と、求人媒体や会社合同説明会での発信内容が異なってしまうことがあるかもしれません。もし、そうなったら求職者は、その会社に対して大きな不信感を抱いてしまうでしょう。
また、どの接点に対してどういう情報を発信するのかも、あらかじめきちんと決めておかなければなりません。
―― 具体的には、どのようなことをするのでしょうか。
吉澤氏: そうですね。たとえば採用サイトのビジュアルデザインや画像については、最新のトレンドを追ったものにしている制作会社さんも増えています。しかしサイトの構成までは見直していないことも少なくありません。
採用サイトも、ターゲットによって動線が違ってきます。いまや、求職者の親も採用サイトをチェックする時代です。また、内定者や中途採用の人たちも閲覧する可能性があるでしょう。立場の異なる人たちの中で情報の分断が起きないように、ターゲットごとに適切な情報を届けられるようにサイトを設計しておかなければなりません。
―― どの接点でどのような情報を発信するかを間違えてはいけないということですね。
吉澤氏: はい。こうしたサイトの構成や発信する情報次第で、サイトからの離脱率やエンゲージメント率も違ってきます。理解がないまま応募してしまい、面接の段階や入社後に、お互いに「あれ? 思っていたのと違う」というような事態は、できる限り避けなければなりません。
しっかりした基礎の上に各種の施策を展開。運用支援まで一貫して行っていきます。
―― 設計した後の展開はどのようになりますか。
吉澤氏: このサービスでは全体を3つのステップに分けて進めていきます。設計した後は、その設計に沿った制作や運用支援もしっかりサポートしていきます。
●ステップ1:言語化 ~戦略~
メッセージ開発~ 徹底した現場ヒアリングと競合分析を行い、貴社が「選ばれる理由」を明確に定義します。
●ステップ2:制作 ~情報発信ツールの制作~
言語化した戦略に基づき、サイトや動画、求人原稿など具体的なクリエイティブへ落とし込みます。
●ステップ3:運用支援 ~コンテンツの運用改善~
公開して終わりにせず、データの分析と改善提案を行い、採用のPDCAを回し続けます。
設計・制作だけでなく、その後の運用においても、きちんと伴走していきますのでご安心ください。
―― 制作や運用支援の部分についても詳しく教えてください。
吉澤氏: 主なものとして、採用サイト制作、採用動画制作、採用ピッチ資料制作、求人原稿作成、採用オウンドメディア、採用ツール導入支援などのサービスをご用意しています。
- 採用サイト制作
お客様企業の魅力・現場の空気感を多角的に伝える採用サイトを構築。コーポレートサイトでは伝えられない、求職者が「ここで働きたい」と感じるストーリーを、デザインとコンテンツで設計し、応募意欲を高める採用サイトを制作します。
- 採用動画制作
テキストでは伝わらない現場の実態を映像で視覚化。求職者の応募意欲を高めるコンテンツとして活用いただけます。
- 採用ピッチ資料制作
面接・説明会で候補者の志望度を高める会社紹介資料。採用ブランディングの一環として、選考の場で刺さるプレゼンテーション資料を制作します。
- 求人原稿作成
求める人材が集まる求人媒体への原稿を、ヒアリングをもとに作成。仕事のやりがいや職場の雰囲気を言語化することで、自社に合う人材からの応募を増やします。
- 採用オウンドメディア
継続的な情報発信で採用候補者との接点を構築。社員インタビューや現場レポートなどのコンテンツを通じて、求職者との長期的な関係を築き、採用活動全体を支えます。
- 採用ツール導入支援
採用管理ツールの選定・導入をサポート。自社の採用手法・採用フローに合ったツールを提案し、運用定着まで伴走します。
採用コミュニケーション設計で固めた方向性に基づき、これらの制作物や支援体制を通じて、お客様企業の魅力を効果的に発信していきます。
お客様企業の魅力をさまざまな角度から掘り下げ、情報発信へとつなげていきます。
―― 情報発信の方向性はどのように決めていくのですか。
吉澤氏: 打合せには営業担当とプランナーが同席します。当社は企画に力を入れており、お客様の要件を聞き取った上で、さまざまな提案を行っていきます。ターゲットが広過ぎるなと感じれば「狙うのはここじゃないか」と、こちらから絞り込むといったこともします。
―― お客様企業の中には、自社の魅力がどこにあるのか、自己分析できていないというケースも多いのではないでしょうか。
吉澤氏: 確かに自社の魅力がよくわからないというお客様もいらっしゃいます。その会社の社内では当たり前のことでも、外から見ると魅力だったりすることもたくさんあります。そこで当社では、競合分析をもとにそうした部分を洗い出したり、インターネット上での評価や口コミを調べたり、AIを活用して見つけ出すなど、さまざまな取り組みを行っています。時には社内での雑談に加わり、そこから隠れた魅力を拾い出していくといったこともしています。そのほか、社内へのヒアリングシートの配布・回収、キーパーソンへの取材なども臨機応変に行いながら、お客様企業の魅力を掘り下げていきます。
―― 最後に、採用に悩む製造業のお客様にメッセージがあればお願いします。
吉澤氏: 製造業の採用においては、社名の周知、専門知識を学んできた人材の確保、入社後の定着率、あるいは世代交代のための技術承継など、さまざまな課題があります。そうした課題も、情報発信のやり方次第で解決できることが少なくありません。そのためにも、しっかりと基本方針を定め、採用コミュニケーション設計を固めた上で、情報発信に取り組んでいくことが大切だと考えています。
なお、当社では「製造業採用ラボ」という、製造業のお客様が情報発信をしていくための手がかりとなる情報を掲載したオウンドメディアを展開しています。ご興味があれば、そちらもぜひご参照ください。
―― ありがとうございました。
