
多くのシステム開発会社に共通する課題といえば、まずは『新規顧客の開拓』だろう。営業専門部署がない中小規模のシステム開発会社では、既存顧客からの紹介(リファラル)案件から脱却、つまり『自力での新規顧客開拓』が喫緊の課題となる。また、提案力や技術力のあるシステム開発会社なら、そうした自社の強みを正しく顧客に理解してもらうチャンス(出会い)が少ないことも、大きな悩みの種だ。フィールドシステムズ株式会社も、そんな課題を抱えていた。そこで発注ナビを利用したところ、月平均約4件の新規顧客のリードを得ることができ、1年間で7件の成約を獲得することに成功した。同社の取り組みについて、代表取締役の園田 規正氏にお話を伺った。
| 社名 | フィールドシステムズ株式会社 |
|---|---|
| 所在地 | 福岡県福岡市博多区博多駅南1-7-22 5F |
| 従業員数 | 1 – 30名 |
| 事業内容 | 運送会社向けパッケージソフト開発、システム設計/開発、物流業向けコンサルタント |
| 掲載カテゴリ |
- 導入前の課題
既存顧客からの紹介案件が中心だったが、コロナがきっかけで顧客の売り上げが落ち、以前のように案件を紹介してもらえなくなった。また同社は物流系システムが強いという特徴を持っているため、それ以外のシステムはできないと先入観を持たれてしまうことがあった。実際はサーバやインフラなどの構築、制御系システムなど幅広く対応でき、自社の強みをきちんと説明すれば理解してもらえるのだが、説明する前に断られてしまうケースが多く、新規顧客のリード獲得に悩んでいた。
- 導入後の効果
自社の強みが活かせる案件、やってみたい案件に絞ってコンスタントにエントリーし、月平均で約4件、新規顧客のリードを得ることができた。商談に持ち込めれば成功する自信があったが、実際、最初の提案時にモックを作って持っていき、動く画面を見せるなどしてお客様の信頼を得ることに成功。発注ナビを使い始めて1年間で7件の成約を獲得することができた。
紹介案件だけでは将来の事業拡大にリスクあり、新規顧客開拓が不可欠に

代表取締役
園田 規正氏
フィールドシステムズ株式会社は、2010年12月創業の福岡県に本社を置くシステム開発会社だ。物流システム『太郎』シリーズの開発・販売、システムの受託開発、サーバ構築とネットワーク運用の三本柱で事業を展開している。設立当初はSES事業が中心だったが、より幅広い業種・業態のシステム開発を手掛けたいと考え、設立3年が経過した頃からシステムの受託開発に舵を切った。
得意としているのは、物流会社向けのシステム開発だ。特に、倉庫を保有している物流会社向けに、ハンディターミナルとRFIDタグを活用した在庫管理システム、トレーサビリティシステム、ラベル発行ソフトウェアなどの開発実績がある。もちろん、物流システム以外にも医療機器通信システムや検査センター向けシステム、販売代理店管理システム、給付管理システムなど幅広いシステムを開発してきた。
こうした強みを持つ同社だが、以前は『3つの課題』があったという。1点目は新規顧客開拓が難しかったことだ。これは、同社に専任の営業社員がいないこともあって営業活動を園田氏が一人で担当していたことが要因となっていた。「営業をしながらエンジニアとしてシステム開発も担当していたので、営業に専念することができず、自力での新規顧客開拓がうまくできませんでした。どうしても既存顧客からの紹介案件が中心になっていました」と園田氏は振り返る。
2点目の課題は、物流システムの実績や経験が豊富という特長が裏目に出たこと。特筆すべき同社の強みが逆に顧客に対してネガティブに捉えられ、『物流システムしかできないシステム開発会社』と見られてしまうことがあったというのだ。園田氏曰く、自社の強みをきちんとアピールする以前に、つまり商談、提案、プレゼンをさせてもらう前に断られてしまうこともあったという。当然のことだが、同社は物流システムだけではなく、インフラ周りやサーバの構築、運用、制御系システムなど幅広く対応できる。「そこまできちんと当社のことを理解しようとしてくれるお客様は、なかなかいらっしゃいません。どうすれば、当社の強みをきちんとアピールできるのか、そこにも頭を悩ませていました」(園田氏)。
そして3点目が、同社が福岡を拠点としていたことだ。園田氏は「最近ではオンライン会議システムなどを活用してお客様と商談も打ち合わせもできるので、福岡を拠点としていることのデメリットは全く感じません」と明言する。ただし、現在ほどオンラインでの商談や打ち合わせが浸透しなかった頃は、顧客との物理的な距離が新規受注の足かせとなることもあったという。園田氏は「福岡をはじめ九州エリアの開発案件、もしくは福岡のシステム開発会社でもかまわないという開発案件をいかに効率的に探すか、そこも考えていました」と振り返る。
アドバイスをくれる担当者の存在が決め手、先着順ではなくエントリー制なのも評価
こうした課題を感じてした同社は、マッチングサービスの活用を検討した。ところが、実際にいくつかのマッチングサービスを利用してみると、思うように新規案件を獲得できなかった。「あるマッチングサービスは案件が開示されると、早い者勝ちで開発会社が決まってしまうのです。このシステムで新規案件を獲得しようと思ったら、システムに貼りついて案件が開示されるタイミングを待ちつつ、すぐにエントリーしなければなりません。さらに、アクセスが集中するのでサイトそのものが開かないこともしばしば。『人気アーティストのライブチケット』を毎日、購入するようなこの仕組みは当社に合わない感じ、利用を止めました」(園田氏)。
こうしていくつかのマッチングサービスを利用・検討した中で、発注ナビを選定した。その決め手について、園田氏は「当社専任のサポート担当者が付いてくれることでした」と話す。「これまでは自社の営業の方針や具体的な方法について、全てを私一人で考えて判断していました。発注ナビを利用すれば、その専任のサポート担当者に色々と相談できます。そこが大きな決め手になりました」(園田氏)。実際、発注ナビでは同社の利用にあたって、受注したい案件にエントリーする際の自社の強みの書き方や、自社の強みのアピールの仕方などについて、担当者からアドバイスを送っている。
また、システム開発会社を探している発注者側へのヒアリングが丁寧に精度高く実施されていると感じたことも決め手になったという。発注ナビでは、発注者に要望するシステムの構成、予算や納期などをヒアリングし、その情報をベースに発注案件情報として日々、開示している。同社は、発注ナビの正式契約前のお試し期間に、実際にどのような発注案件があるのかを確認した。園田氏はその際、ヒアリング内容がとてもしっかりしていたと感じたのだという。「他のマッチングサービスでは、紹介された案件について詳しい話を発注者に聞いてみたら、『最初に紹介されたときと話が違った』ということがあるのですが、発注ナビならそういったミスマッチは少ないだろうなと思いました」(園田氏)。
さらに、先着順で受注するシステム開発会社が決まるのではなく、数日間の締切期限までにエントリーした会社の中から選定され、その後に発注者への提案・商談へと段階を踏んで決められていくという仕組みだったことも、決め手のポイントだったという。
案件情報を吟味してコンスタントにエントリー、1年で7件の新規顧客開拓に成功
同社は2024年8月に発注ナビと正式に契約し、利用開始から1年が経過した。園田氏は「非常に有益だと感じています。新規のお客様を毎月平均で3~4件、ご紹介いただいている状況で、これまでに7件、新規の開発案件を受注できました」とその効果を示す。
短期間でこれだけの成果を上げることができた秘訣は何だろうか。同社は、エントリーの仕方を工夫しているとのことだ。「やりたい案件、もしくは今までやったことはないけれどやれそうな案件にコンスタントにエントリーしています。結果として、それが月3~4件の紹介に繋がっていると思います。また、他の企業は避けるような案件、例えば予算が少ない案件でも、これまでの経験上、次はこういうシステムが必要になるだろう、こういう改修やバージョンアップを提案すれば規模が拡大するだろうといった『予測』を立てられればエントリーしています。実際、スタートが数万円規模だった案件が、その後の追加開発で100万~200万円規模になった案件もあります。案件情報をしっかり読み解くことが重要だと思います」(園田氏)。
また、実際に発注ナビを使ってみて、園田氏は「発注ナビ担当者のフォローが効果的だと改めて感じています」と感想を語る。「他のマッチングサービスでは、うまく受注できない場合には『断られた』『失注した』という結果だけが残ります。本当に知りたいのは『どういう理由で断られたのか』、『当社の提案はどう評価されたのか』といった失注の裏側にあることです。発注ナビでは担当者がそこまでをお客様に確認してくれることもあり、その情報がとても役立っています」(園田氏)。
発注ナビで業界のトレンドを把握。事業の方向性を決めるのにも活用したい
園田氏は発注ナビについて、他のシステム開発会社にも推奨できる有益なサービスと評価している。ただ、「使いこなせるかどうかは五分五分です」(園田氏)という。「発注ナビは、中長期的に使ってこそメリットが出るサービスです。当社のように目先の受注ができるかどうかにこだわり過ぎずに、コンスタントにエントリーし続けることが何よりも大切です。コスト的にも営業社員を一人採用するのと比べればはるかに安価です。営業社員を採用して新規顧客の開拓を検討しているのなら、発注ナビを利用することをおすすめします」(園田氏)。
同社では今後も、発注ナビを積極的に活用していきたいと考えている。「システム開発の業界にはトレンドがあり、10年前の案件が今でもお客様が望む案件とは限りません。発注ナビに毎日流れてくる案件を見ていると、最近のトレンドが分かります。お客様はこういう課題を持っていて、こういうシステムを求めているというのが分かります。それも、発注ナビを今後も使いたい理由の一つです。最近はAIに興味を持っているお客様が多いので、弊社もやろうか検討しています。そういう意味では、事業の方向性を決めるのにも役立つのが発注ナビだと思っています」(園田氏)。
元々広かった対応領域の幅をさらに広げることも、発注ナビの利用をきっかけに検討しており、将来を前向きに検討することにも発注ナビを役立てていくようだ。
新規案件開拓の課題は「発注ナビ」で解決!システム開発に特化したビジネスマッチング
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