企業のIT・WEB開発は、その成功の可否が企業の経営戦略上においても、非常に大きな影響を及ぼします。そんな重要プロジェクトを成功させる鍵は、自社の課題を理解し、最適な提案をしてくれるシステム開発会社の存在。 よいパートナーを選ぶために、気をつけるべきポイントなど、システム開発会社の立場から具体例を交えてアドバイスをいただきます。
「予算の規模感」と「ゴール(何がしたいのか)」、
この2つを早い段階で整理することが大切です。
Q. ユーザーが開発会社に初めて相談をする際、開発会社の立場からユーザーに対して、「最低限これだけは決めておいて欲しい」と思うことは何でしょうか?
木越 私たちが実際にお客様からご相談をいただく際、例えば「ウェブサイトが古いから、そろそろリニューアルしたい」「複数のシステムを統合したい」「ウェブマー ケティングを強化したい」というように、初めはおよそのご要望を頂くことが大半です。非常に具体的に仕様が固まっている状態でご相談いただくケースははほ とんどございません。ですので、私たちにご相談頂く場合、最初は漠然としたご相談内容でも構いません。お客様と当社とのお打ち合わせを通して、お客様の本 質的なニーズを確認して、具体的に仕様を詰めてまいりますので、、ご安心してご相談をいただければと思います。
ただ、できればお客様にお願いしたいのは、「予算の規模感」と「ゴール(何がしたいのか)」、この二つを早い段階で整理して欲しいことです。
やはり、予算次第で物理的にできること、できないことがありますので、予算のイメージがあれば、やりたいこと、できること、使えるツールなどを、優先順 位を付けながら、現実的な対応を踏まえた提案をお出しすることができます。お客様とのお打ち合わせを通して具体的な仕様を詰めて行った際に、「こんな金額 は到底ありえない」となりますと、双方で再度提案内容の練り直しが発生することが良くあります。確かに内容次第で予算は前後するかもしれませんが、お客様 の経営的・戦略的に投資できる金額があるかと思います。
山田 また、お客様自身で「ゴール」は何かということを決めることも、私たちがよい提案するために非常に大切なことです。例えば、「Web サイトを前回作ってから5 年経ち、古いからそろそろリニューアルしたい」というご相談があったとします。その背景には何らかの課題があって、その課題を解決したいという要求があるはずです。Webが古いからリニューアルしたい、ではなくて、Web リニューアルによって、お問合せを増やしたいのか、アクセス数を増やしたいのか、何がゴールなのかを、お客様自身で一度整理していただくと、その課題を解決できる最適なリニューアル案を、私たちも自信を持って提案できるようになります。
Q.「予算の規模感」を決めたくても、皆目見当がつかない場合はどうすればよいのでしょうか?
山田 その場合は、私たちの過去の事例をいくつかお見せして、この案件の場合はこのくらいの費用がかかりましたとお伝えできます。さらには、具体的にどのような進め方でプロジェクトを進めればよいのかを含めて意識共有することで、お客様にも担当頂く仕事が出てきますので、それも含めたプロジェクト全体のイメージを持っていただければと思います。
Q.「概算でいいので、簡単な見積をとにかく早急に欲しい」という要求を行うことは、問題があるのでしょうか?
山田 実際、そういったご要望はよくいただきます。ただその場合、開発にあたって、どういったデザイン・システムが必要になるのか、全体像が把握できない状態でお出しすることになるので、双方のリスクヘッジの意味合いも含めて、ある程度多めに見積もって出さざるを得ません。
私たちは、お打ち合わせを通して、十分なヒアリングをさせて頂き、お客様の課題を解決するためにどういった仕組みや機能が必要になるのかを洗い出すことで、正確な見積をご提示しております。
木越 一部の開発会社では、見積内容が一式いくらと、かなり大雑把に出している所もあるようですが、個人的にはそういった見積は要注意だと感じます。そのような不明瞭な見積は、お客様、開発会社双方が、何がどこまで含まれているか、ゴールのために何の機能を開発する必要があるのか、全体感が共有できていない場合が 多いです。そういった場合、プロジェクトが始まってからトラブルが起きる可能性があります。
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