C言語とは、1972年に開発された、歴史の深いプログラミング言語の1つです。C言語を用いることによって、ハードウェアの制御からシステムの開発といった、IT分野で行われていることの大半が可能になります。そのため、汎用性の高い言語だといわれています。また、プログラミングの基礎知識から、実用性の高い応用力まで幅広く習得できるため、プログラミングを学ぶうえで、最初にC言語を選択する方も少なくありません。本記事では、C言語の特徴やC言語でできること、使うメリットやデメリットまで幅広くご紹介します。
目次
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C言語はプログラミング言語の中でも人気!
近年、アメリカのApple社が開発したSwiftや、Facebook社のHackといった新しいプログラミング言語が次々と登場しています。数多く存在しているプログラミング言語において、エンジニアに最も使用されている言語はどの言語なのでしょうか。オランダの「TIOBE Software」が月次で発表する、人気プログラミング言語ランキング「TIOBE Index」の2023年9月時点では以下のような結果となっています。
参照:TIOBE Index for August 2023
上記の結果からもわかる通り、C言語は11.27%を占めており、1位のPythonに次いで人気が高いことがわかります。多くのエンジニアに利用されているC言語とは、一体どのような言語なのでしょうか。
C言語とは
C言語とは、1972年に開発された歴史の深いプログラミング言語の1つです。アメリカ、AT&T社ベル研究所のDennis.M. Ritchie(デニス・M・リッチー)氏とBrian.W.Kernighan(ブライアン・W・カーニハン)氏によって開発されました。
現在は、開発元であるアメリカ国内のみならず世界中に普及しているほか、「C++」や「C#」のようにC言語から発展したプログラミング言語も数多く存在します。プログラミングの基礎知識から、実用性の高い応用力まで幅広く習得できることから、プログラミングを学ぶうえで、最初にC言語を選択する方も少なくありません。
C言語の特徴
PHPやPythonといった、ほかのプログラミング言語と比較すると、C言語の主な特徴は以下のとおりです。
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汎用性が高い
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プログラミングの実行速度が速い
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習得するのが難しい
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OSやプロセッサに依存しない
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フレームワークが豊富
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ライブラリも多い
1つずつ詳しくご紹介します。
●汎用性が高い
C言語はその汎用性の高さから、アマチュアからプロのエンジニアまで幅広く利用されています。元々C言語は、UNIXと呼ばれるコンピュータのOSを移植を容易にする目的で作られた言語で、メモリ領域の管理や、ポインター演算、ビット毎の論理演算など、ハードウェアに密着した処理がしやすいのが特徴です。しかし、後述する組み込みソフトやスマホのアプリケーション、ゲーム開発といったソフトウェア開発の分野においても、C言語は利用されています。何にでも対応できる自由度の高さこそが、古くからエンジニアの間でC言語が使用され続けている理由の1つです。
●プログラミングの実行速度が速い
プログラミングの実行速度が速いという点も、C言語の特徴の1つとして挙げられます。人間によって入力されたプログラムは、あくまで人間にしか理解できず、そのままでは動作しません。そのため、プログラムをコンピュータが理解できる言葉(機械語)に翻訳する必要があります。しかし、プログラムを実行しながら翻訳を行うと、同時に処理を行うために実行速度が低下してしまいます。
この、プログラムを実行しながら翻訳を行う方式を「インタープリタ方式」といい、BASICやPerlなどのプログラミング言語で使用されています。このインタープリタ方式に対し、プログラムの実行前に全体を翻訳して、実行速度を速くする方式のことを「コンパイル方式」といいます。プログラムを完成させて実行する必要がある分、万が一不具合があってもすぐに確認できないという欠点はありますが、C言語はこのコンパイル方式を使用しているため、プログラムを高速で動作させることができます。
●習得するのが難しい
ほかのプログラミング言語と比較をすると、C言語は習得する難易度が高いという特徴もあります。これは、C言語にハードウェアを制御する要素があり、コンピュータを構成するメモリやCPUといった部分の知識が必須となるためです。意図しない動作やエラーの対処ができないと、使用しているコンピュータやアプリケーションが誤動作を起こすこともあります。また、ほかの言語で自動的に実行される処理でも、C言語においてはコーディングが必要となることも多く、ソースコードの入力に相応の知識が求められます。覚える知識が多い分、習得する難易度も比例して高くなるといえます。
とはいえ、C言語は古くから存在するプログラミング言語のため、入門用の教本やサイトなどは充実しています。難易度こそ高いプログラミング言語ですが、学習自体は始めやすいプログラミング言語といえます。C言語をマスターすることで、JavaやObjective-Cのように、C言語の影響を受けて開発されたプログラミング言語の習得もしやすくなります。
●OSやプロセッサに依存しない
C言語のプログラムは、様々なOSやプロセッサで実行が可能なため、幅広い動作環境に対応できます。また、ソフトウェアの移植などにおいても容易にできるプログラムです。基本的に、C言語は特定のOSやプロセッサに依存しない仕様になっているため、WindowsやmacOS、LinuxといったOSはもちろん、Intel社・AMD社・ARM社といった主要メーカー製のプロセッサにも対応します。このように、特定の環境に限定されずにプログラムを開発できる点も、C言語が多くのエンジニアに用いられる理由の1つです。
●フレームワークが豊富
フレームワークとは、開発を効率よく進められる機能をあらかじめ備えている枠組のことを指します。フレームワークを使用することで、開発を効率よく進めるだけでなく、開発の幅を広げることもできます。C言語のフレームワークは、主にテスティングフレームワークという種類のものです。テスティングフレームワークとは、ソフトウェアテストの自動実行プログラムの作成や、テスト結果の自動判定や自動集計などの機能を提供するソフトウェアフレームワークのことを指します。C言語は、このテスティングフレームワークが豊富な点も特徴の1つとして挙げられます。C言語におけるフレームワークは以下のとおりです。
Unity
C言語におけるUnityは、組み込みシステムを含む、ユニットテスティングフレームワークのことを指します。プログラムの単体テストを行うためのフレームワークである「xUnit」の名前が名称の由来になっています。知名度が高い、C#をサポートする同じ名称のゲーム用のフレームワークとは異なるため、注意が必要です。Unityは、C言語用に作られた軽量なテスト用フレームワークで、実践的なテストにおいて必要とされる各種機能を搭載しています。また、標準で自動テストディスカバリ機能がついています。
CppUTest
CppUTestは、単体テスト用のフレームワークです。単体テスト用のフレームワークとは、プログラムの機能単位での小さな要素を取り出して、要素ごとに整合性が取れているかテストするフレームワークのことを指します。C言語だけでなく、C++にも対応しており、xUnitの仲間です。CppUTestの特徴は簡潔なプラットフォームで、大まかな機能についてはほかの単体テスト用のフレームワークと同様です。しかし、メモリリークを検出する機能があり、シェルスクリプトで書かれたツール群もついています。
Cutter
Cutterも単体テスト用のフレームワークであり、C言語とC++のフレームワークです。単体テスト用のフレームワークとしての一般的機能を備えており、ほかにもデバッグに適した出力結果やテストの共有ライブラリ化などの機能があります。また、テスト記述が簡単なため、使いやすいフレームワークだといえます。
●ライブラリも多い
プログラミングにおいて重要な役割を担っているライブラリが豊富な点も、C言語の特徴として挙げられます。ライブラリとは、特定の機能を持ったコードの集まりであり、プログラマーが簡単に再利用することができるように部品化したもののことを指します。ライブラリを活用することによって、プログラマーはゼロからコードを書く手間を省くことができるため、開発の効率化につながります。C言語において、「.h」という拡張子を持つ「ヘッダファイル」を取り込むことによって、標準搭載されているライブラリを簡単に活用できます。C言語における標準ライブラリの例は、以下のとおりです。
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sys/socket.h
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stdio.h
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math.h
上記以外にも、C言語には数多くのライブラリがあります。C言語は歴史が深いため、先人が開発してきた独自のライブラリもWeb上にたくさん公開されています。ライブラリを活用することによって、プログラミングの負担を軽減し、開発の効率化だけでなく、開発の幅を広げることにも役立ちます。
sys/socket.h
sys/socket.hはソケットを作成するヘッダファイルで、C言語においてソケットを用いた「ソケット通信」を行う際に利用します。ほかのプログラムとの通信を行うことができます。
stdio.h
stdio.hは、ライブラリのうち、キーボードからの入力やファイル操作、ディスプレイへのデータ出力など、標準入出力関係の関数群を記録した「標準入出力ライブラリ」に対応するヘッダファイルのことを指します。ファイル名の「stdio」は、「standard input/output(標準入出力)」の略称です。
math.h
math.hは、C言語の数学的演算を行うヘッダファイルです。数学的な演算を行うための関数、マクロ、型が宣言、定義されており、三角関数などの数学的な処理を行うことができます。
C言語でできること
前項で触れたとおり、C言語は汎用性が高いプログラミング言語です。そのため、既存のシステムの保守運用だけでなく、広範囲な最先端分野においても採用されています。C言語の具体的な用途は、以下の5つが挙げられます。
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OSの開発
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組み込みソフト開発
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ソフトウェア開発
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基幹システム開発
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ゲーム開発
●OSの開発
C言語は、PCやスマートフォンの動作において欠かせないOSの開発が可能です。システムの根幹部にあたる部分の開発に優れているため、OSやデバイスドライバなどの、ハードウェアの制御をするプログラムを設計する際にも利用されています。また、描画に役立つライブラリが豊富な点もOS開発に適している理由です。実際にC言語で開発されたOSとして、「MacOS Xカーネル」や「Linuxカーネル」などが挙げられます。
●組み込みソフト開発
C言語の用途として特に需要が高いものは、組み込みソフトの開発です。組み込みソフトとは、家電製品や産業機器に組み込まれたプログラムのことで、エンベデッドシステムと呼ばれることもあります。車のカーナビを例に挙げると、「現在位置を表示する」「目的地までの最短ルートを割り出す」といったように、特定の機能を提供するのに必要になります。C言語では、これらを制御するプログラムを開発することが可能です。電子機器を動かすためのプログラムには、使えるメモリに限りがある中、高い速度性能が求められます。C言語は、メモリを管理しながら高速で軽量なプログラムを作ることができるため、組み込みシステム開発に最適です。
●ソフトウェア開発
「Windows」「Mac」「Linux」などのPCで普段使用しているようなソフトウェアにおいてもC言語が活用されています。例えば、Windowsの「メモ帳」、「Chrome」「Safari」などのブラウザが挙げられます。「MySQL」「PostgreSQL」のようなデータベース管理システムや、「Nginx」「Apache」などのWebサーバなどもC言語によって作られています。
また、C言語の高い処理速度を活かして、企業の人事や売り上げを管理する大規模な業務用のソフトウェアにおいても、C言語やC++で作られているケースは少なくありません。ただし、C言語単体ではリッチユーザーインターフェイスを作ることには適していないため、ソフトウェアを開発する際にはほかのプログラミング言語と組み合せて用いることもあります。
●基幹システム開発
C言語は、企業の基幹業務、根幹業務を管理するシステムである、基幹システムの開発も可能です。基幹システムは、それぞれの業務プロセスを効率化することが目的とされており、業界や企業の業務内容によって、どのシステムが基幹システムにあたるかは異なります。
万が一基幹システムに障害が発生すると、膨大な損害を被ることになります。そのため長い歴史を持つC言語は、その安定性と高速な処理速度といった特徴を活かし、基幹システムの開発にも活用されています。基幹システムは、処理が集中することがあるため、特に処理速度が重要視されます。C言語は処理速度が高速なため、基幹システム開発に適しているといえます。
●ゲーム開発
ゲームの開発にも、C言語が用いられています。人気があるゲームの1つでもある「スーパーマリオブラザーズ」シリーズでも、初期においてC言語で開発されています。元々主流だった「コンシューマーゲーム」は、データの容量がシビアであるという特徴があり、プログラムを軽量化することが特に重要なポイントでした。C言語は軽量で高速なプログラムを作ることができるため、様々なゲームの開発に用いられてきました。最近のゲームの開発においては、高度な演出やグラフィックが求められる傾向にあり、ゲーム開発に特化した「ゲームエンジン」の代表格である「Unity」や「Unreal Engine」で使えるC#やC++が主流となっています。
C言語と関連する言語
現在、数多くのプログラミング言語が存在していますが、それぞれの言語は互いに影響を与え合っています。先述のとおり、C言語は長い歴史を持つプログラミング言語であるため、C言語から発展した言語もあります。C言語から発展した、代表的なプログラミング言語は以下の3つが挙げられます。
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C++
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C#
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Objective-C
1つずつ、詳しくご紹介します。
●C++とは
C++は、C言語の開発から約10年後の1983年に作られたプログラム言語です。「シープラスプラス」と読みますが、日本国内においては縮めて「シープラ」と呼ばれることもあります。C++という名称には、「C言語よりも前進した言語」という意味が込められています。C言語と同じく、OSやメモリといったハードウェアを制御できるプログラム言語で、C言語の機能を拡張し「オブジェクト指向」という概念を取り入れる形で作られています。オブジェクト指向とは、オブジェクト(モノ)を組み立てるように表現して、コンピュータに動作をさせるプログラミングのことです。C言語と互換性があり、C言語とC++を併用することで、開発効率の優れたプログラムを作成することが可能です。
C++でできること
C++はC言語の拡張版であるため、基本的にはC言語で開発できるものはC++でも開発が可能です。C言語よりも、さらにスピーディーな開発ができる点がメリットだともいえます。C++を利用することでできることとして、まず大規模業務システムや公共機関のシステムの開発が挙げられます。C++は、プログラムの実行速度が速く、OSの制御が可能なため、多くの業務システムに用いられています。そのほか、人工知能(AI)の開発やロボットの制御技術にも活用されています。C++はロボットに対して複雑な命令をプログラミングすることが可能なため、特にロボットなどの最先端の制御技術の開発にも役立っています。近年発達している、これまでインターネットにつながっていなかったあらゆる「モノ」をインターネットに接続する技術である「IoTシステム」や、各種機械の制御技術、組み込みシステムなども、C++言語によって開発できます。
●C#とは
C#とは、2000年にMicrosoft社によって開発された「.NET」というフレームワークを扱うためのプログラミング言語です。C++にJAVAというプログラミング言語の概念を踏襲する形で作られています。C♯は、C++のようにC言語との互換性はなく、まったく別のプログラミング言語といえます。C言語やC++のように、ハードウェアの制御には適していないものの、C♯は開発元がMicrosoft社であることから、Windowsアプリケーションなどのソフトウェア開発や、Webアプリ開発に向いているプログラミング言語です。検索エンジンの「Bing」や、Microsoft社の公式サイトは、実際にC#を使って開発されています。C++やC#も、名前にCが入っているという点は同様ですが、特徴や用途に関しては大きく異なります。
C#でできること
先ほども触れましたが、C#はMicrosoft社によって作られた言語のため、Windowsアプリケーションの開発を得意としています。例えば、Microsoft OfficeのExcelやPowerPointなどの、日常生活において身近な存在であるアプリケーションにもC#言語が活用されています。「Xamarin」という開発環境を使うことで、Androidのアプリケーションも開発できます。また、Visual Studioという開発環境を使うことによって、TwitterやFacebookなどといったWeb上で動かすことができるアプリケーションの開発も可能です。また、C#はゲーム専門の開発環境である「Unity」を扱うことができる唯一の言語です。Unityは、PS4やNintendo Switchなどのゲームを開発できます。
●Objective-Cとは
Objective-Cとは、C言語にSmalltalkのオブジェクト指向の機能を融合させた言語のことを指します。C言語からの派生言語ではありますが、独自の言語構文を持っているのが特徴の1つです。従来はMac OS用のアプリケーションを開発する言語として用いられていましたが、iOSアプリの開発言語としても活用されることによって急速に普及しました。ただし、近年はSwiftが登場したことによって開発環境の移行が進み、Objective-Cの需要は徐々に減少傾向にあります。
Objective-Cでできること
先述のとおり、Objective-Cを活用してできることとして、iOSアプリの開発が挙げられます。主にアプリの保守やアップデートに、Objective-Cを用いている企業が多くあります。ほかにも、Webアプリ開発やシステム開発でも活用されています。Webアプリ開発では、主にサーバサイドの開発で利用される傾向にあります。システム開発においては、主にバックエンド開発やAPIの開発で用いられています。
C言語を使うメリット
長い歴史を持つC言語が様々な分野・業界で活用されている理由は、以下のようなメリットがあるためです。
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開発の自由度が高い
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異なるOSやハードウェアへの移植も簡単
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C++や Objective-Cと互換性がある
詳しく紹介していきます。
●開発の自由度が高い
まず、C言語の最大の特徴である、開発の自由度が高い点がメリットとして挙げられます。C言語は、組み込み機器のソフトウェアやOS、ゲーム、業務システムなど、幅広いソフトウェアの開発に活用されています。JavaやRuby、Python、PHPなどといった、ほかのプログラミング言語の動作環境もC言語で書かれているため、C言語を使いこなすことができれば、同時にOSや言語の仕組みがわかるようにもなります。
●異なるOSやハードウェアへの移植も簡単
C言語は、標準規格がANSI(米国国家規格協会)によって制定されています。ANSIの標準規格に則って書かれたプログラムは、様々なハードウェアやOS上で動作するため、異なるOS間やハードウェア間でのプログラム移植が簡単に行えます。また、C言語は長い歴史を持つ言語であるため、移植のノウハウが豊富にある点も移植性が高い理由だといえます。
●C++やObjective-Cと互換性がある
前項でもご紹介したとおり、C++やObjective-Cは、C言語から発展した言語です。C++やObjective-Cは、C言語にオブジェクト指向を取り入れる形で作られた言語のため、C言語で身につけた多くのノウハウを応用して発展させることができます。このように、C++やObjective-Cと互換性があるという点もメリットです。
C言語を使うデメリット
C言語を使うメリットが数多くある一方で、もちろんデメリットもあります。C言語を使うデメリットは、以下の2つが挙げられます。
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習得難易度が高め
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作業が煩雑になりやすい
詳しくご紹介します。
●習得難易度が高め
まず、C言語のデメリットとして、習得難易度が高い点が挙げられます。C言語の「ポインタ」や「配列」、「構造体」の概念を理解することが難しく、多くの初心者の方がつまずいてしまうためです。ポインタやメモリ操作だけでなく、プロジェクトごとに必要となるライブラリや開発手法など、学習しなければならないことが多岐に渡っていることも習得難易度が高い理由の1つです。
●作業が煩雑になりやすい
開発の際、オブジェクト指向で開発すると、開発作業を分担しやすくなったり、セキュリティーを強化させやすくなったりします。
しかしC言語は、C++やJavaのようなオブジェクト指向の概念が適用できないため、複数人での開発において煩雑になる傾向にあります。そのため、大規模なチーム開発の場合は不便に感じることもあるでしょう。
C言語は、根強く支持されている言語の1つです。プログラミング言語の元祖ともいえるC言語は、単純な仕様ながら、シンプルゆえに自由度の高いプログラムを組むことができます。C言語を使うメリットは数多くあるとともに、その一方でデメリットも併せ持っています。しかし、C言語を使った開発経験が豊富な会社であれば、C言語の弱みをカバーして開発を進めてくれます。
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