「発注ナビの案件は、上場企業や有名企業から依頼が多い」と語るのは、東京都品川区に本社を構えるソフトウェア開発会社である株式会社国際テクノロジーセンターで営業を担当する友成祐二氏だ。その言葉通り、同社は発注ナビを通じて大手企業からの受注を次々と成功させており、1000万円超の案件も複数成約に至っている。その秘訣とは、いったいどこにあるのだろうか。商談を進める上での同社ならではの取り組みについて、お話を伺った。
社名 | 株式会社国際テクノロジーセンター |
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所在地 | 東京都品川区東五反田1丁目21-13 ファーストスクエアー五反田 7F |
従業員数 | 101 – 300名 |
事業内容 | ITコンサルティング、アプリケーション開発、インフラ構築・保守運用、エンジニアリングサービス、建設コンサルタント |
掲載カテゴリ |
- 導入前の課題
9年前にSIerに勤めていた友成氏が同社に入社。前職で培ったノウハウやコネクションを活かし、SIerからSESの案件や請負開発案件を獲得していくことで売上げを伸ばした。エンドユーザーからの受託開発も手掛けることに。しかし、エンドユーザの受付突破することが非常に大きな障壁になっていたため、営業施策を模索することに。
- 導入後の効果
上場企業や有名企業からの案件を受注することに成功。受託案件の営業体制も確立。エンジニアもエンドユーザー目線でシステムを捉える習慣がつき、より一層、ユーザーフレンドリーなシステム開発を心がけるようになったほか、新人も上流工程へのステップアップを志すようになった。
まずはSESで売上げを伸ばしていくところから着手
株式会社国際テクノロジーセンターは、東京都品川区に本社を構えるソフトウェア開発会社だ。同社は1983年に建設コンサルタントとしてスタートした会社で、その後、IT関連事業を始めたという。現在、IT事業では、SESに加え、スマートフォンアプリやWebアプリケーションシステムの受託開発に注力している。
同社がソフトウェア開発をスタートさせたのは、友成氏が入社する10年以上前のことだという。
「当初は代表の繋がりで案件を獲得していたと聞いています。規模も小さい案件が中心で、案件数もそれほど多くはありませんでした」(友成氏)
9年ほど前に、営業担当として友成氏が同社に入社し、そこから同社の営業スキームは変わっていった。
「まず、どうすれば売上げを伸ばせるかを考えました。転職前の人脈を活かし、SIerからSESの案件を受注しました。大手SIerでは部署横断的に仕事をいただけたので、SESと請負ともに売上げが伸びたのはもちろんですが、社内の技術や対応力もアップしました」
そうすると次はSIerとの付き合いだけで良いのか、という気持ちになったという。
「そういえばエンドユーザーとの仕事がないな、と気づきました。そしてこの会社でエンドユーザーからの受注スキームをどのように構築していこうか、と悩みました。前職時代もエンドユーザーからの直接受注を手掛けていましたが、入口は既存のお客様の紹介で、そもそも数が少なく、継続性もありませんでした。継続的に受託案件を受注していくには、どういう方法があるだろうかと情報を収集しました」
発注ナビから、いきなり大きな会社を紹介され、3件目で初受注
そのような中で、マッチングサービスというもの知ったという。
「複数のマッチングサービスを調べた結果、発注ナビはとてもリーズナブルでした」
当初は気になる案件があったらスポット的にエントリーできるリードジェンプランを選択し「これは!」と思った案件に対して数件、エントリーをしてみた。
「最初に大企業からの案件を紹介されたので『こんな会社も紹介してもらえるのか』と驚きました。その会社には、訪問して提案を行いました。その次の案件も、有名なメーカー企業を紹介されました。ただ、お客様の希望される開発スケジュールに対応できずに失注してしまいました」
同社が初受注に至ったのは、3件目に紹介されたお客様だった。
「2018年10月に利用を開始し、2019年4月に3件目に紹介されたお客様から案件を頂きました。続いて4件目も受注できました。約半年で4件の見込みあるお客様が紹介され、しかも2件の受注につながったことに驚きました。いきなりお客様との商談ができるので、発注ナビは受付突破を強力にサポートしてくれるサービスだな、と感じました」
エンドユーザーからの新規受託開発の受注に新たなスキームが確立できるという感触を得た同社は、導入から2年目の2020年に月額固定プランのセレクトプランに変更し、本格的な利用を開始した。プラン変更後も大口の案件受注を獲得することができた。
2000万円、1700万円と大口の案件獲得にも成功。他サービスに比べて大手が多い印象
「大手化粧品メーカー様の案件で、2000万円という案件を受注できました。それ以外にも大手企業や、その後の展開が期待できるお客様など、いろいろ紹介いただいています。直近では、教育用教材開発で1700万円という案件も受注しています」
そんな同社の営業体制はどのようになっているのだろうか。
「現在、営業担当者は3名体制で、受託開発の営業は私が担当しています。発注ナビの運用は、プロジェクトマネージャーと手分けをして行っています」
プロジェクトマネージャーもエントリーの判断を担っている。
「当社が得意としている分野にエントリーをしています。Webアプリケーションの分野が多いのですが、スマートフォンアプリ開発が絡むものはより積極的にエントリーしているかもしれません」
提案書作成にかける工数とアナログ的アプローチが決め手!?
大手企業からの案件を次々と受注している同社だが、その秘訣はどこにあるのか。商談の進め方で工夫している点についても聞いてみた。
「提案に多くの工数をかけています。見積りだけではなく、実現可能な提案、夢を少し入れた提案など、複数の提案パターンを用意するように心がけているため、どうしても工数がかかってしまいます。私は、もともとSIer出身で、提案書ベースの営業をしてきました。当時は提案書作成に40時間以上かけていました。何千万円もの案件ならば、これぐらいかけないと熱意は伝わらないという思いがありました。今も、その方針に変わりありません。お客様は、数字だけ見せられても、何にどれだけの費用がかかるのかが、わかりませんから、その説明が必要なのです」
同社では、それ以外にも実践していることがある。
「どんなお客様でも、必ず一度はお客様先に訪問し、対面で打ち合わせをしています。一度お会いすれば、後はリモートでということも多いですね」
新型コロナウイルスが流行してからは、遠方のお客様も増えているという。
「お客様もリモートでの打合せや、遠方への発注に抵抗がなくなったのかもしれません。それでも当社では、いずれかのタイミングで一度はお客様とお会いするようにしています。実際に大阪のお客様とは、受注が決まってからではありますが、大阪へ出向きお会いしてきました」
リモート会議やチャット、メールなどのデジタルツールは利用するものの、アナログ的なアプローチも忘れないというのは同社の営業スタイルの特徴かもしれない。それは、次のことからもわかる。
「とにかく電話はマメにするようにしています。もしかするとお客様が迷惑に感じるのではないかというほどに(苦笑)。電話は効果的だと感じていて、決め手は電話だったと思える案件も少なくありません」
エンジニアの意識も変わり始めた。社内に蓄積された知見やノウハウを活かして将来は自社サービスも視野に
発注ナビの導入がもたらしたのは案件の受注だけではなかった。副次的な効果もあった。
発注ナビで初めて受注したお客様は、今でも保守契約などで関係性は続いている。
「エンドユーザーに対して提案する機会が増えたことで、プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーの意識が変わりました。SIerからの仕事をしていたときには、お客様から言われた通りに作っていましたが、エンドユーザーからの受注の場合、お客様はシステムに詳しいとは限りません。ユーザーの目線でものを考え、問題意識を持つようになりました。むやみに機能を追加していくのではなく、お客様の業務の流れからすると、ここはシステム化しなくても良いのでは? といったことも考えるくせがつき、これまで以上にユーザーフレンドリーなシステムの開発ができるようになったのではないでしょうか」
新人エンジニアの意識も少しずつ変化してきた。
「新人エンジニアの中に、上流工程を手掛けたいという人が増えてきた印象です。こういうことができるから、こういう提案をしてみたらどうだろうか、ということまで考える、そんな面白さに気が付いてきたようです」
新人からベテランまで、社内のエンジニアの意識が変わってきたというが、同社のビジネスは今後、どのように変わっていくのだろうか。
「エンドユーザーからの受注は今後も変わらずに取り組んでいきたいと考えています。営業体制も整ったので、今後も発注ナビを使っていくことになるでしょう。その一方で、エンジニアのノウハウも蓄積され、ビジネスモデルに対する知見も増えてきたので、今後はそれを活かしたビジネスを展開できないかと考えています。現状、検討しているのが自社サービスの提供です。まだアイデアの段階で、そこからいかにマネタイズしていくかが今後の課題になるでしょう。またSIerからの受注も引き続き行っていきます。新規のSIerの開拓もしていきたいですね」
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