「発注ナビ」にご登録いただいている開発会社の皆様が発注ナビの導入に至った経緯、その使用感、そして導入後のビジネスの変化は、どのようなものだろうか。大阪にオフィスを構えるOKデザイン株式会社の代表取締役である坂倉誠氏にお話を伺った。
社名 | OKデザイン株式会社 |
所在地 | 大阪府大阪市北区天満1-3-3 天馬ビル2F |
従業員数 | 1 – 30名 |
事業内容 | WEBサイト企画制作 WEBサイトの更新・運営サービス その他のインターネット関連事業 |
「顔の見える関係」を大切にしながら、中小企業を応援
もともと東京に本社を構える制作会社で、有名企業を顧客にWeb制作を手掛けてきた坂倉氏が、2014年に独立開業したOKデザイン株式会社。その特徴は『顔の見える関係』を大切にしていることと『丸ごと全部おまかせOK』なこと。
「かつて勤務していた会社では、お客様が大手企業ということでテレビCMなども展開しており、自分の手掛けた仕事がお客様にどれぐらい貢献しているかということが見えづらかった。そこで、独立後は、中小企業のお客様を応援していくことを決めました。お客様のビジネスに目に見えるカタチで貢献していきたいと考えました(坂倉氏)」
「顔の見える関係」を大切にするという同社は、実際に発注側の担当者と対面して要件のヒアリングを行うことを重視している。発注者は自社のビジネスのプロフェッショナルであり、OKデザインはWebによる課題解決のプロフェッショナルである。互いの持つノウハウを、顔を合わせながら練り上げていくことで最大の成果が導き出せるというわけだ。
各種Webサイトの企画・提案・制作から運用まで、豊富で多彩な経験を持つOKデザインは、新規サイト制作やリニューアルの提案や制作のみならず、Webによるマーケティングから毎月の運営管理まで、何でも相談できるため、中小企業にとって、非常に心強い存在となっている。
「中小企業では専任のWeb担当者を置いていないことも多く、また経営層の方々のITリテラシー次第で、かなり丁寧にご説明を差し上げなければならないケースもあります。後から思っていたのとは違ったというように、齟齬が生じてしまうのは避けたいこと。最初から顔を合わせて対話を重ね、信頼関係を構築していくのが、結果として成功への早道なのです(坂倉氏)」
発注ナビは会社設立当初から利用
顧客と「顔の見える関係」を築くには、直接、エンドユーザーから受注することが肝心だ。そのため基本的に「二次請け仕事はしない(坂倉氏)」というポリシーを貫く。二次請け、すなわち顧客と同社との間に大手制作会社や代理店が入ると、同社が対面するのは間に入る会社の担当者となってしまい、エンドユーザーと顔を合わせる機会が失われてしまうのである。
どのような場合も、課題を抱えているお客様から直接ヒアリングすることが大切だというのが同社の考え方。なぜなら、間に業者が入ってしまえば、そこに業者の思い込みや思惑といったものが、意図せずとも入り込んでしまう可能性があるからだ。
また、エリアの問題もある。大阪に拠点を構える同社が、ユーザーのもとを訪れ、顔を合わせながら打ち合わせをするためには、おのずと地理的な条件が課せられる。事実、同社はこれまで、そのほとんどを大阪近郊エリアの顧客から受注してきた。
「こうした条件をクリアしながらビジネスを展開していくためには、よほどの人脈か組織的な営業が必要ですが、設立間もない会社には難しい。そこで、当社では設立当初から、いくつかの案件マッチングサービスを利用してきました。発注ナビも設立当初から利用しています(坂倉氏)」
競合サービスに比べて発注ナビは商談に進める割合がダントツに高い
古くから複数のサービスを利用してきた同社だけに、各サービスの違いも見えていた。
「発注ナビがダントツでいいですね。紹介いただくお客様の課題解決に対する意欲が高い傾向にあります。他社のサービスでは、発注ナビよりもたくさんの案件を紹介してくれるものもあるのですが、お客様の課題解決の意欲が低くかったり、最初から見積書の収集が目的だったりして、結果として成約に至らないことが多いという印象です(坂倉氏)」
発注ナビでは、発注会社から問い合わせが入ると、発注ナビ側の担当者が発注会社から丁寧に内容を聞き取り、その結果を案件情報に反映させて案内している。そのため、受注側がエントリーの判断に必要となる最低限の情報を揃えているのはもちろんだが、発注意図や要件など、深堀できた情報も付加されている。
「発注ナビでご紹介いただくお客様は、まだ検討段階というお客様であっても要件がしっかりとしていて、こちらから具体的な提案をしやすいなど、きちんとした商談が行えるため、とても気に入っています。他社サービスでは、お客様が入力したメールフォームをそのまま転送してくるようなものもありました(坂倉氏)」
坂倉氏は、具体的な数値も示してくれた。
「10件の紹介があったとして、発注ナビなら商談に進める割合は70~80%です。比較的割合の高い競合サービスで40%程度、ひどいものになると10%に満たないサービスもあります。また、これまでに発注ナビから紹介を受けた案件が100件近くあり、そこから実際に受注もできている案件も多くあります。大阪エリアでという前提は付きますが、当社が利用しているサービスの中では最も高い数値ですね(坂倉氏)」
また、発注ナビでは掲載企業へのサポートも手厚く行っている。
「発注ナビの専任の担当の方と、定例でZoomによるミーティングをしています。ミーティングの内容は、紹介いただいた案件がどうなったか、受注に至らなかった案件について、エントリーがなぜ評価されなかったのかなど、情報を交換したり、アドバイスをいただいたりしています。数千社とお取引している発注ナビさんだからこそ第三者の視点で当社がどう見えているかということを知る手がかりになり、とても役立っています。こうしたサポートは、他社サービスでは経験がありません(坂倉氏)」
近隣エリアの案件はすべてエントリー!
そんな同社では発注ナビを、具体的にどのような形で利用しているのだろうか。
「ビジネスが東京一極集中であるため仕方がありませんが、首都圏以外の案件数自体はそれほど多くありません。したがって、大阪近郊エリアの案件を見つけたら、当社で手掛けられるものは、基本的にすべてエントリーするようにしています(坂倉氏)」
同社では大阪や神戸など近郊エリアのWeb制作案件のほとんどにエントリーしている。ただし、同社のポリシー通り、二次請けの案件については除外しており、あくまでもエンドユーザーから直接発注されている案件に限っているという。
地方でシステム開発やWeb制作を行う会社は、同社のように近隣エリアでビジネスを展開していくことも可能だし、逆に、地方に拠点を構えながら東京の案件を積極的に取りに行くといったビジネス展開も可能だ。
実際にOKデザインでも、エリア外の案件を取りに行ったケースがある。
「以前、愛知県でどうしても手がけてみたい案件があり、受注したケースもあります。同様に、現在、発注ナビ経由で東京のお客様の案件にエントリーして、商談を進めている段階です。その時のビジネスに合わせてフレキシブルに使えるのはいいですね(坂倉氏)」
遠隔地の場合、打ち合わせはやむを得ずオンラインミーティングを活用するものの、それでも初回は実際にお客様先を訪問し、きちんと顔を合わせて打ち合わせをすることは忘れないという。
「中小企業のお客様には、オンラインの打ち合わせが嫌だという方もいますし、中には使ったことがないという方もいます。当社としては、そうしたITに馴染んでいないお客様を全力で支援していきたいという思いがあるので、今後も対面による打ち合わせやサポートを大切にしていきたいと考えています(坂倉氏)」
あくまでも中小企業の応援にこだわりたい
同社が受注する案件は平均すると100万円弱(80万円~90万円)のレンジのものが多いという。もちろん、200万円クラスのものもある一方で、20万円クラスの案件でも受注することがあるという。その理由は、やはり同社の理念にあった。
「かつて、起業間もないある会社から、コーポレートサイト制作の依頼を受けました。たしか予算は15万円ほど。スタッフは社長さんお一人で、まだ実績もない。それならば『社長の顔を出しましょう』と、こちらから提案。写真を撮って掲載し、最低限必要なページを制作させていただきました。その後、会社はみるみる成長を遂げ、あっと言う間にスタッフは10名超え、現在もなお業績を拡大中です。その社長さんとは、ある大阪ローカルの展示会で年に1回お会いするのですが、いまだに当時のWebページをそのまま使っていただいています。毎年『もうすぐリニューアルするから、そのときはよろしく』と言われ続けています(苦笑)が、そうして自分がお手伝いした会社が成長していく過程を見られることが嬉しくて仕方がありません(坂倉氏)
そんな同社だが、今後のビジネス展開について、どのようなビジョンを抱いているのだろうか。
「私は現在55歳。これまでは、あと5年ほど続けながら、5年でどう会社をたたむかを考えるつもりでいたのですが、昨年、その考えを改めました。Web系広告代理店で修行した息子が戦力に加わったため、今後は若手スタッフを積極的に採用し、バックエンドのシステムにも手を広げていくなど、さらなる発展を目指したいと考えています。中小零細企業では、ITリテラシーが低いために、IT化ができていない会社や、不要なサービスを押し付けられて損をしている会社が数多くあります。そんな社長さんたちの力になれれば、と考えるようになりました(坂倉氏)」
新たな目標を打ち出したOKデザインでは、システム開発という新しい領域に進出する際も、発注ナビを積極活用していくという。生まれ変わるOKデザインの今後の活躍は要注目だ。
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