情報システム部として対応が求められる業務は幅広い。PCなどのキッティングや、各種システム・SaaSの運用管理など、企業におけるITに関する課題は単なるシステム開発に限らないためだ。情報システム部が担う領域は、いずれも社員それぞれが円滑に業務を進めるために不可欠となるものだが、「そもそも専任の情シスがいない」「情シス部門はあるがリソースが不足している」といった問題への対応に悩む企業も少なくない。
この状況を解決する方法として、発注ナビでは情シスや社内IT業務の支援ができる会社紹介も行っている。これを活用したのが、エスエイティーティー株式会社だ。駿台グループの一員として、グループ内各社のIT運用を一手に担う同社では、現場ごとの事情にあわせた柔軟な支援を実現すべく、情シス業務のアウトソースを検討していた。背景にあった課題から発注ナビを利用した印象まで、同社のIT推進事業部次長である栗山 悠氏に話を伺った。
共通ルールでは対応しきれない。現場の個別要望に応えられる体制を作りたい

エスエイティ―ティー株式会社
IT推進事業部 次長 栗山悠氏
―― エスエイティーティー様の事業について教えてください。
エスエイティーティー株式会社 栗山氏:当社は、予備校を中心に教育事業を展開する駿台グループのITラーニング専門企業として、1986年に設立されました。教育に特化したシステム開発を行い、予備校や塾の運営などで培ってきたグループ内のノウハウをシステム化している点が特長です。校務支援システムなどのほか、学校だけでなく企業向けの事業としてeラーニングサービスも提供しています。
このほか、グループ内の情報システム部門としての役割も担っており、必要なシステムの開発からPCなどの運用管理まで、IT全般を引き受けています。
―― 今回のご相談について、どのような課題があったのでしょうか。
栗山氏:私が所属するIT推進事業部は、駿台グループ内の情報システム部門として3~10名ほどで対応しています。基本的にはグループ全体で共通のルールを整備して対応していますが、学校や教室といった現場と本部とでは、それぞれが担う業務によって異なるものを求められます。加えて、本部内からも同様にそれぞれ対立する要望を寄せられることがあります。たとえば、営業担当からは「PCを持ち出して、顧客との打ち合わせでも利用したい」という要望が、教科書などの制作チームからは「重い処理にも耐えられるハイスペックなPCを使いたい」といった要望がそれぞれ寄せられます。IT推進事業部のリソースの都合もあり、それぞれの要望へ個別に対応するのは難しい状況でした。
共通ルールの変更を検討するとしても数年単位で時間がかかるため、その間、現場は待っていられません。これまで教育現場はアナログなサービスが重視されていましたが、最近はITを駆使して学生をサポートする方針へと変化が進みつつあります。情シスとしても柔軟かつスピーディに対応するために、部署ごとの個別要望に暫定的に対応するような部隊を作りたかったものの、リソース上、社内では対応しきれないため、色々な会社と協業する形で実現できないかと考えました。
柔軟に進めるためにも、大手システム開発会社経由ではなく、直接コネクションを作りたい
―― それでアウトソースできるところを探したのですね。
栗山氏:情シス業務をサポートするSaaSの利用なども検討したのですが、あくまでITの知識がある情シスが利用することが想定された仕様だったので、現場で使うのは難しいと考えました。システムを知らない現場でもスピーディにITを活用できる体制を整えるには、柔軟に動ける会社に協力いただく形がよさそうだという結論です。
通常、システム開発案件では取引のある大手システム開発会社に相談しますが、大手はどうしても契約や要件を細かく定めたうえで体制を整えることになります。しかし今回の要件はそれでは進めづらく、おそらく普段取引のある会社の先にいるような規模感の会社がマッチするのではないかと考えました。大手の開発会社からそういった会社を直接紹介してもらうことも考えましたが、その場合は紹介元を通した契約になるのかなど、会社同士の関係性で難しい問題も出てきます。結果、当社で直接コネクションを作った方がよさそうだと考え、いろいろ模索する中で見つけたのが発注ナビでした。
―― 発注ナビはどこで見つけたのでしょうか。
栗山氏:こういうことを頼める会社をどう探すのかはかなり悩んだのですが、「普段から取引のある会社の、さらにその先にいるシステム開発会社は、普段どうやって仕事を探しているのか」を考え、そういった会社が“仕事を探す場所”を見ている中で発注ナビに出会いました。今回のアウトソースは特に納期が決まっているものでもなかったことから、ダメだったらそのときにまた考えようと、まずは頼んでみた形です。
紹介された会社は情シス業務の知見も深い。相談しながら着地点も見えてきた
―― 今回は発注ナビから3社ご紹介しましたが、いかがでしたか。
栗山氏:各社と打ち合わせをしましたが、どこもやりやすいと感じました。うち2社は打ち合わせに会社の責任者クラスの方が参加しており、情シスとしての知見も深く、安心感が大きかったです。
今回は要件が特殊で、現場専属の情シスとして動いていただくイメージでした。現場にはITに詳しくないスタッフもいますから、どんなリクエストが来るか分かりません。それらを一度受け取ったうえで、可能なものは対応してほしい……というのは、正直、かなり無茶なオーダーだとは思っていました。実際に、最初にお話ししたときも「この作業は受けられますが、ここからは難しいです」といった提案がありましたが、いろいろと相談する中で、「こういう形ならできるのでは」という着地点が見えてきました。
話を進めていた2社はどちらも規模がそこまで大きくなく、責任者の手が届く範囲で案件を進めながら、柔軟に対応してもらえるのではと感じました。まずは1度やってみましょう、とトライアルを進めています。
―― 情シス業務のアウトソースは、すでにスタートしているのですか。
栗山氏:2025年1月から3ヶ月間、トライアルとして依頼し、スタートしたところです。今は現状把握から進めている最中で、3月ごろには少し効果が見えてくると思います。この結果を踏まえて、4月から本格的に依頼するのか、体制を変更するのかなど検討する予定です。
既に付き合いのある会社との関係性悪化の心配なく紹介してもらえるのはメリット。追加紹介や、社内への横展開も
―― 発注ナビを利用してみて、実際の印象はいかがでしたか。
栗山氏:かなりスピーディに話が進んで驚きました。3ヶ月に1社紹介されるくらいのペースをイメージしていたので、想像以上に早かったです。
取引のある会社に紹介してもらうとなると、契約関連など煩雑な手続きが増え、会社同士の関係性に配慮する必要も出てきます。すでに取引のある会社への不義理や、関係性の悪化を心配することなく、新規で会社を紹介してもらえることの価値は大きいと感じました。
―― エスエイティ―ティー様の今後の予定をお聞かせください。
栗山氏:今回は3社紹介いただきましたが、もう少したくさんの会社を紹介してもらえばよかったかなとも思っています。今後、5社、10社と取引を増やす可能性もありますし、今回のトライアルがうまくいけば、追加での紹介もぜひお願いしたいです。
部署は異なりますが、社内にはシステム開発の案件も多くありますから、発注ナビの良さを共有し、会社全体でも活用していければと思います。
―― ありがとうございました。
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