WebアプリをJavaで開発する手順やポイントを解説!

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Javaを使ったWebアプリのイメージ図

プログラミング言語の知識がなく、Javaでどんなアプリが作れるのかもわからないという方にとっては、アプリ開発の外注もハードルが高く感じられるかもしれません。外注をするにしても、言語の基礎知識は身につけておきたいものです。この記事では、WebアプリとJavaの基礎知識、Javaで作成できるアプリの概要、アプリ開発の外注先選びのポイントについて解説します。

 

目次

 

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Webアプリとは?

アプリケーションは、大きく分けると「Webアプリ」と「モバイルアプリ」に分類されます。本記事の主題である「Webアプリ」はどういったものを指すのかについて、押さえておきましょう。

 

●ブラウザから操作できるアプリ

Webアプリとは、簡単にいうとChromeやFirefoxなどのWebブラウザ(以降ブラウザ)から操作できるアプリのことを指します。閲覧しかできないWebサイトとは違い、Webアプリではブラウザを通してデータの保存・変更が可能です。

例えば、動画サイト(YouTube)、ECサイト(Amazon)、SNS(Facebook)もWebアプリの1つです。SNSへの投稿や商品の注文ができるのも、Webアプリとして動いているからです。

Webアプリは、基本的にブラウザから使用できるアプリケーションを指します。スマートフォンやタブレットにインストールして使用するアプリとは異なります。

 

●Webアプリが動く仕組み

Webアプリは、「クライアントサイド」と「サーバーサイド」に置かれたプログラムによって動作しています。クライアントサイドはWebブラウザで作動するプログラム、サーバーサイドはWebサーバー上で作動するプログラムです。Webアプリは、以下のような仕組みで動きます。

  1. ブラウザがサーバーにリクエストを送る
  2. リクエストの内容に応じてデータベースを操作する
  3. データベース反映後のHTMLをブラウザに返す
  4. ブラウザにHTMLが表示される

 

クライアントサイドからのリクエストをサーバーサイドが受けて、リクエストに応じてデータベースを書き換え、結果をクライアントサイドに返すというやり取りを繰り返します。こうしてブラウザからの変更がリアルタイムに反映されます。

 

Webアプリケーションサーバーとは?

Java言語でWebアプリを作成する場合に必須となるのが「Webアプリケーションサーバー」です。「Webサーバー」と混同されやすいのですが、役割が異なります。WebアプリケーションサーバーとWebサーバーとの違いを押さえておくと、Webアプリの理解がより深まるでしょう。

 

●サーバーの役割について

まずは、Webアプリケーションについて押さえましょう。Webアプリケーションサーバーについて知るには、まずサーバーサイドの仕組みについて知る必要があります。

サーバーサイドは、Webアプリを動かす「プログラム」とデータを保存する「データベース」に分かれます。プログラムとデータベースを1つのサーバーにまとめることもできますが、負荷が高くなり、メンテナンスが複雑になるというデメリットに加えて、サーバーが1台壊れるだけでサービスが停止してしまうというリスクもあります。したがって、Webアプリを運用する際には複数台のサーバーを用意することが多く、リクエストを処理する「プログラム」と、情報を保管する「データベース」は別々のサーバーで動かすのが一般的です。

別のサーバーで動かす際に、プログラムを動かすサーバーのことを「Webアプリケーションサーバー」、データベースを置いておくサーバーのことを「データベースサーバー」と呼びます。

上記を踏まえて、Webアプリケーションサーバーが行う処理を見てみましょう。

  1. Webサーバーからデータを受け取る
  2. サーバーサイドプログラムを実行
  3. データベースサーバーにアクセスし、検索・データ加工を行う
  4. Webサーバーに返答

 

ブラウザやWebサーバーからのリクエストを受け、中間に位置することから、Webアプリケーションサーバーは「ミドルウェア」とも呼ばれます。

 

●Webサーバーとの違い

Webアプリケーションサーバーは、Webアプリへのリクエストを処理するソフトウェアです。対して、Webサーバーは、Webブラウザからのリクエストに対して、静的データを返答します。一方、Webアプリケーションサーバーは動的データを扱うことができます。

サーバー 役割
Webサーバー 要求された静的データをブラウザに返します。動的な処理が必要な場合にはWebアプリケーションサーバーへリクエストを送り、その結果をブラウザに返します。(3層構成の場合)
Webアプリケーションサーバー Webサーバーからリクエストを受け取り、Java、PHP、Rubyなどのプログラムを実行し、Webサーバーに結果を返します。

 

Webサイトは、ユーザーからのリクエストを受け取ります。例えば、「会社概要をチェックしたい」や「絞り込み検索をしたい」といったリクエストです。

Webサーバーはリクエストを受け付けると、その結果をWebブラウザへ返します。会社概要ページといった画像・テキスト情報だけの静的なページであれば、そのままデータをブラウザに返します。

しかし、ブラウザからのリクエストが「絞り込み検索」といった動的な処理の場合、Webサーバーは一旦Webアプリケーションサーバーへ処理のリクエストを依頼したうえで、処理結果をブラウザへ送ります。

このようにWebアプリケーションサーバーが動的な処理を行い、Webサーバーは静的な処理を行っています。

 

Javaの特徴

Javaはオブジェクト指向のプログラミング言語です。Webアプリのほかにも基幹システム、IoT機器など、身の回りの様々なものにJavaが使われています。Javaには、以下のような特徴があります。

  • 様々なOSに対応した言語

  • オブジェクト指向の言語

  • プログラマーからの人気が高い言語

 

●様々なコンピューターに対応した言語

Java最大の特徴は、「Java仮想マシン(JVM)」を通して動作するところです。JVMは、プログラムの実行に差異がないように調整するソフトウェアで、プログラムと実環境の間に入る通訳のような役割を担います。

Javaは「Write once, run anywhere(一度書けばどこでも動く)」というスローガンをもとに開発されました。この思想は今でこそ珍しくありませんが、Javaが誕生する以前のシステム開発はプラットフォームに依存するのが当たり前でした。

Windows、Mac、Linuxで動作するプログラムを作りたいなら、それぞれのOSに合わせた開発環境が必要だったのです。プラットフォームに依存しないという思想は革新的で、Javaはシステム開発のスタイルを大きく変えた言語といえます。

 

●オブジェクト指向の言語

オブジェクト指向であることは、Javaの大きな特徴の1つです。オブジェクトには「物」や「対象」という意味があり、プログラミングにおいては「データと処理の集まり」を意味します。理解しにくいですが、「効率的な開発を目指すために作られた」という点を押さえておきましょう。

例えば、カーレースのゲームを作成する場合、車種を増やすごとに車の動作・見た目・ボディカラーを逐一定義するとソースコードが膨大になるうえ、後から「ブレーキ機能をつけたい」といった全体にかかわる操作性の変更があれば、全車種のコードを書き換えなくてはなりません。

大量の車種を用意する場合は、「車(設計図)」、「属性(排気量・カラー・速度など)」、「動作(前進・停止・後退など)」を組み合わせて車というモノを作るほうがシンプルで効率的です。オブジェクト指向型言語では、車種を増やすなら「車」オブジェクトの中にある「属性」を変えれば良く、操作性の変更があれば「車(設計図)」に手を加えるだけで済みます。

オブジェクトが独立しているため、一部のソースコードに手を加えても別のプログラムに影響を及ぼしにくく、全容を把握していないプログラマーでもコーディングに参加できるという利点があります。このような特徴から、オブジェクト指向で記述するJavaは大規模なシステム開発に向いています。

 

●プログラマーからの人気が高い言語

Javaは安定性や保守性に優れた言語で、汎用性も高く、プログラマーからの根強く支持されている言語です。Oracle社によれば、Java開発者は全世界におよそ900万人(2017年時点)といわれており、GitHubリポジトリのアクセス頻度をベースにした調査によれば、1997年から2019年までトップ3にランクインするほど人気の言語でした。

Javaによるシステム設計や既存システムの保守・運用を求める企業も多く、サーバーサイドでJavaを使えるプログラマーは常に求められています。プログラミング言語の中でも、特に需要の高い言語の1つといえるでしょう。

 

WebアプリをJavaで開発する手順

JavaでWebアプリケーションを開発するには、下記のような手順を踏む必要があります。

  1. アプリの仕様書を作る
  2. 開発環境を整える
  3. コーディングを行う
  4. テストを行う

 

●1.アプリの仕様書を作る

まずは、どのようなアプリにするのか、どんなプラットフォームで動かすのか、データベースをどうするのかなど、アプリの「仕様書」を作ることが大切です。

アプリの仕様を固める作業は「設計」と呼ばれています。設計が不完全なプログラムは、動作が不安定だったり大量のバグが生じたりします。事前に「どう動かすのか」をしっかりと考えることが大切です。

 

●2.開発環境を整える

開発をするための環境を構築します。以下のものをインストールしましょう。

ソフトウェア 概要
JDK(Java SE開発キット) Javaで開発を始めるための必要最低限のソフトウェアがまとまったもの。JDKにはJRE(Javaプログラムを動かすための実行環境)もパッケージされており、JREがないとJavaの実行ができません。
IDE(統合開発環境) シームレスな開発を実現する補助ツール。アプリ開発に必要な複数のソフトウェアを同じ操作画面から利用できるようになり、開発の効率が上がります。代表的なIDEとしてEclipseがあります。
サーブレットコンテナ Webサーバー上で動くプログラム「Java Servlet(サーブレット)」を動かすためのソフトウェアです。代表的なサーブレットコンテナとして、「Apache Tomcat」、「JBoss」、「GlassFish」などがあります。

 

●3.コーディングを行う

設計が完了したら、仕様書をもとにコーディングを開始します。単体テスト(ユニットテスト)をこまめに行うことで、大規模な修正を減らすことができ、コーディングを円滑に進められます。

複数人で作業をする場合は、ガイドラインに則ったコーディングを進めることになります。ほとんどのアプリはリリース後もメンテナンスが必須です。したがって、アプリを開発する時には、ルールに沿った記述を行い、メンテナンスしやすいソースコードで開発を進めるのが望ましいのです。

 

●4.テストを行う

コーディングが終わったら、テストを行います。すべてのプログラムを組み合わせたうえで動作確認やバグチェックを行い、修正を繰り返して完成を目指します

プログラム単位ごとに行う「単体テスト」はもちろん、複数のプログラムを同時稼働させて行う「結合テスト」も行い、最終的には本番と同じ使用環境で全体の動作をチェックする「総合テスト」を行います。プログラム単体では発見できなかったバグ、ハードウェア関連の動作不良といった不具合の修正が完了したら、Webアプリは完成です。

専門知識を要するアプリ開発をはじめて自社だけで行うのは至難の業です。自社アプリの開発を考えている場合は、外注してしまうのも1つの手。効率良く外注先を探すには、システム開発会社向けマッチングサイト「発注ナビ」の活用をご検討ください。

発注ナビでは、システム開発業界に精通したスタッフがヒアリングを行い、希望に合った会社をご提案します。発注ナビの利用は、相談から見積もりまで完全無料。アプリを開発したいとお考えの方は、お気軽にご相談ください。

 

Webアプリ開発におけるJavaの学習項目

Javaを使ってWebアプリを開発したいと考える方の参考として学習項目について紹介します。アプリ開発のためのJavaにとって大切な学習項目は、以下の3つです。

  • オブジェクト指向の3大要素:スパゲティコードを書かないために、継承・カプセル化・多態性(ポリモーフィズム)を理解する

  • データベース:データ保存に必須の「データベース」の基礎的な知識を知っておく

  • サーブレット・JSP:Webアプリを開発する際に必須のサーブレットやJSPの知識を知っておく

 

Webアプリ開発に人気のJavaインストールアイテムとは?

Javaに対応したインストールアイテムについて把握しておくことで、自分が開発したいアプリに合ったソフトウェアに巡り合えるでしょう。ここでは、人気のIDEとサーブレットコンテナについてご紹介します。

インストールアイテム 種類 概要
Eclipse IDE(※1) Javaの開発環境を標準搭載した初心者向けのIDE。Javaのコンパイラ(※3)が搭載されているため、JDK(※4)の設定をしなくてもJavaを動かせます。
IntelliJ IDEA 使いやすさと品質向上サポートに定評がある有償のIDE。Java以外の言語を使う方にもおすすめ。
Apache Tomcat サーブレットコンテナ(※2) サーブレットコンテナのデファクト・スタンダード的存在。無償提供されています。
JBoss 日本ではあまり構築事例がないですが、海外では政府機関システムでも活用実績があります。

(※1)IDE:統合開発環境。複数のソフトウェアを統合し1つの画面で操作可能にするツール。

(※2)サーブレットコンテナ:Webサーバー上で動くJavaプログラム(Java Servlet)を動かすソフトウェア。

(※3)コンパイラ:プログラミング言語で書かれたソースコードをコンピューターへの命令コードに変換するプログラム。

(※4)JDK:Javaでプログラムを組むのに必要なものが揃ったパッケージ。コンパイラも含まれる。

 

WebアプリをJavaで開発する際のポイント

WebアプリをJavaで開発する際のポイントは、以下の2点です。

 

●フレームワークの選定・活用

Javaの基礎知識を身につけたら、フレームワークについて学んでみましょう。フレームワークとは、開発を効率化するために使うテンプレートのようなものです。ソースコードをゼロから書くと時間がかかりますが、フレームワークを活用することで、開発間を大幅に短縮できるうえ、複数人との作業も容易になります。JavaにはSpring Framework、Jakarta® EE、Apache Strutsといったフレームワークがあります。Javaでシステム開発するにあたってフレームワーク選びは重要なポイントです。代表的なフレームワークは概要を押さえておきましょう。

 

●Java APIの活用

APIは「Application Programming Interface」の略で、別ソフトやプログラムと連携するための端子のようなものになります。

Java APIは、Javaのクラスをまとめたライブラリを指します。

Javaを使っていくうえで、このライブラリを利用できるようになれば、プログラムで記述するには手間がかかってしまう機能も、簡単に使えるようになります。また、コードの記述量を減らし、読みやすくできます。

アプリ開発の外注先を選ぶ際に大切なのは、自社の要望を叶えてくれるシステム開発会社を選ぶことです。しかし、数ある会社の中から選定するのは簡単ではありません。適切な外注先を探すために、システム開発会社に特化したマッチングサービス「発注ナビ」をご利用ください。ご要望をヒアリングしたうえで、全国5,000社もの開発会社の中からパートナー会社の選定をサポートします。お気軽にご相談ください。

 

 

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