アプリ開発ツールとは?基本機能や選び方をご紹介

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アプリ開発ツールのイメージ図

アプリ開発ツールは、プログラミング経験の有無に関わらず、アプリケーションを開発するための強力な助けとなります。主な機能として、GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)ビルダー、コーディング環境、デバッグ機能、データベース連携、アプリ配信などがあります。また、アプリ開発ツールにはさまざまな種類があり、それぞれの開発目的やプラットフォームに適したツールが利用されます。そこで、本記事では、アプリ開発ツールの概要や基礎知識、アプリ開発ツールの選び方についてご紹介します。

 

目次

 

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アプリ開発ツールとは

アプリ開発ツールは、モバイルアプリやウェブアプリなどのアプリケーションを開発するためのソフトウェアやプラットフォームのことを指します。アプリ開発には大きく分けて3つの方法があり、どれを選択するかで使用するアプリ開発ツールや環境は異なります。

 

  • ローコード開発

  • ノーコード開発

  • フルスクラッチ開発

 

ローコード開発とは、なるべくソースコードを書かずにアプリを開発する手法、もしくはそのような作業を実現する開発支援ツールやプラットフォームのことです。

一方、ノーコード開発とは、ソースコードをまったく書かずにアプリ開発を行う手法、もしくはそのような作業を実現する開発支援ツールやプラットフォームのことです。ローコード開発に比べると作れるアプリや機能は限られますが、非常に短い期間で開発可能です。

フルスクラッチ開発とは、ゼロからソースコードで書くアプリ開発の手法を指します。既存の開発支援ツールやパッケージを使わないので、高度なプログラミングスキルが必要です。ローコード開発・ノーコード開発に比べると時間はかかりますが、既存のフレームワークなどで提供されていない機能を開発したいという場合に適しています。

 

●アプリ作成に必要な開発環境

アプリを開発をするためには、まず開発環境を整える必要があります。ここでは、基本的な開発環境をご紹介します。

 

ハードウェア アプリの開発をするためのコンピュータが必要です。モバイルアプリを作成する場合は、実機テスト用のAndroidデバイスやiOSデバイスも必要です。
OS(オペレーティングシステム) iOSアプリを開発する場合はMacOSが必要です。AndroidアプリやWebアプリを作成する場合は、Windows、MacOS、Linuxなど様々なOSで開発できます。
統合開発環境(IDE) IDEは、テキストエディタ、コンパイラ、デバッガなど、開発に必要なツールをまとめたソフトウェアです。Androidアプリの開発には主にAndroid Studio、iOSアプリの開発には主にXcodeを使用します。
バージョン管理システム ソースコードやドキュメントなどが、いつ・誰が・どのように変更したかを記録・管理するツールです。GitやMercurialなどが利用されています。
CI/CDツール コードの変更を受けて自動的に統合、ビルド、テスト、デプロイするプロセスを簡単にするツールです。

 

開発環境は、アプリの種類や開発者のスキルによって異なりますが、ツールを適切に組み合わせて使用することで効率的にアプリ開発を進められます。アプリ開発ツールにはこれらのツールがまとめて組み込まれていることが多く、迅速にアプリ開発を進められるようになっています。

 

アプリ開発ツールの基本機能

アプリ開発ツールは、プログラミングの知識や技術を持たない方でもアプリ開発ができるよう設計されたツールです。ここでは、ローコード・ノーコードによるアプリ開発ツールで提供している基本的な機能をいくつか紹介します。

 

直感的な操作での設計 わかりやすいインターフェイスによって、ドラッグ&ドロップでアプリの機能やレイアウトを設計できます。
テンプレート 様々なアプリのテンプレートが提供されており、新しいアプリをゼロから作成する必要がなく、開発工数を短縮できます。
モバイル対応 レスポンシブデザインをサポートし、スマホ・タブレット・パソコンなど異なるデバイスで適切に表示されるアプリを作成できます。
API連携 外部のAPIとの連携によりユーザーはアプリをほかのシステムやサービスと簡単に繋げることができます。

 

アプリ開発ツールを活用することで、エンジニアとして知識がなくてもニーズに即したアプリを迅速に開発できます。ただし、これらのツールはアプリの柔軟性や拡張性の面で限界があり、カスタマイズが必要な独自のアプリを開発する場合には、高度な技術力が必要になることもあります。

 

開発できるアプリの種類

アプリには様々な種類があります。特定の環境やデバイスで動作するために設計されているアプリもあれば、複数のプラットフォームに対応するアプリも存在します。アプリの主な種類は、以下の3つです。

 

  • Webアプリ

  • モバイルアプリ

  • デスクトップアプリ

 

Webアプリは、ユーザーがインターネットブラウザを通してアクセスするアプリです。OSやデバイスの種類に関係なく、どのデバイスからでもアクセスできます。HTML、CSS、JavaScriptなどを使って開発されます。

モバイルアプリは、スマホやタブレットなどのモバイル端末で動作するアプリです。モバイルアプリはiOSやAndroidなど特定のOS向けに開発されます。

デスクトップアプリは、パソコンのOS(Windows、macOS、Linuxなど)上で動作するアプリケーションです。

Webアプリ・モバイルアプリ・デスクトップアプリは動作するプラットフォームが異なります。 そのため、複数のプラットフォームに対応するアプリを開発する場合には、プラットフォームに応じたプログラミング言語の知識と開発ツールが必要です。ただし、React NativeやFlutterなどのフレームワークを使えば、一度の開発で複数のプラットフォーム(iOSとAndroidなど)で動作するアプリを作成する「クロスプラットフォーム開発」ができます。

 

アプリ開発ツールを使うメリット・デメリット

アプリ開発ツールには多くのメリットがありますが、一方でいくつかの制約も存在します。以下では、メリット・デメリットそれぞれについて解説します。

 

●メリット

アプリ開発ツールを使うメリットは、以下のとおりです。

 

  • 環境構築が不要

  • 開発期間の短縮

  • コスト削減

  • 複数のプラットフォームに対応しやすい

 

アプリ開発ツールの多くはクラウドベースで提供されており、開発環境を構築する必要がありません。環境設定の手間を省けるだけでなく、開発にかかわる方が同じ環境を使えるというのも大きなメリット。開発環境の統一は、異なる開発環境を使うことで生じるバグを防げたり、デプロイメントを安定させたりすることにもつながります。また、既製のテンプレートを活用してアプリを構築することで、コードを書く時間を大幅に削減でき、アプリの開発工数が短くなります。開発時間の短縮はコスト削減にもつながり、通常はフルスクラッチ開発よりもコストが低くなります。

さらに、作成したアプリが複数のプラットフォーム(iOS、Android、Web上など)で動作するよう設計されているアプリ開発ツールを使えば、それぞれのプラットフォームに対して個別にアプリを開発する必要がありません。

 

●デメリット

アプリ開発ツールを使うデメリットは、以下のとおりです。

 

  • デザイン・機能に制限がある

  • ベンダーロックイン

 

アプリ開発ツールは非常に使いやすい一方で、提供される機能やテンプレートに制限があります。独自のカスタマイズを加えたいと考えている場合には、自由度が低いと感じられるかもしれません。

また、アプリ開発ツールを使うことで、ベンダーロックインといい特定のアプリ開発ツールの提供会社に依存するリスクがあります。利用しているツールの提供会社がビジネスやサービスを中止したり、大幅な値上げをしたりした場合、開発に影響が出ます。ほかのプラットフォームに移行したいと思っても、アプリ開発ツールは独自の仕組みでアプリ開発をサポートしているので、移行する場合には手間もコストもかかるおそれがあります。

 

種類別|アプリ開発ツールの紹介

ここからは、実際に使われている人気のアプリ開発ツールを紹介します。

 

Monaca クラウド技術を活用したアプリ開発ツール。JavaScriptとHTML5でスマホアプリを開発できます。
Platio 業務改善をサポートするモバイルアプリをノーコードで作成できます。
Glide ノーコードのアプリ開発ツールで、スプレッドシートでデータベースを管理できます。テンプレートが豊富で、一部は無料で使うことも可能です。
Bubble 高度なWebアプリ作成に向いているノーコードツールです。日本語には対応していませんが、教材が豊富なため学習しやすいツールです。
Adalo ネイティブアプリの作成もできるノーコードツールです。無料プランがあり、アプリの種類に応じたテンプレートも多数用意されています。
Composer Pro(AppGyver) 複雑なアプリ作成にも利用できるツール。データベース機能の充実や、直感的な操作でロジック(プログラムの動作を決める手順・規則)の作成が可能です。
Appy Pie 日本語で利用可能できるノーコードツールです。カスタマイズ性が高く、AI搭載の画像編集機能を提供しています。
Yappli ネイティブアプリをスピーディーに開発できるノーコードツール。機能追加やデザイン変更、実機確認も容易にできます。
AppInstitute 中小企業向けに設計されたビジネス向けのモバイルアプリ開発ツールです。アプリの構築は無料で可能です。

 

アプリ開発ツールを選択する時のポイント

価格が安かったり多彩な機能が使えたりと、魅力的なアプリ開発ツールはたくさんありますが、重要なのは目的に合うツールを導入することです。アプリ開発ツールを比較する際には、以下4つのポイントをチェックしてみましょう。

 

●開発したいアプリが作れるか

アプリ開発ツールでアプリの要件を満たせるのであれば、ツールを導入することで開発時間が短縮され、コスト削減につながります。しかし、アプリ開発ツールを使うことで必要な機能が追加できない・クロスプラットフォームにできないなどの制限を受け、要件を満たすことが難しくなるケースもあります。将来的な拡張性も視野に入れて、あらかじめアプリ開発ツールの特徴や実現できる機能について調べておくことが大切です。

 

●ツールの使いやすさ

アプリ開発を進めるためには、ツールを使いこなす必要があります。使いやすいアプリ開発ツールを選ぶことで学習コストが下がり、開発期間を短縮できるからです。一方、使いやすさだけを求めると、柔軟性やカスタマイズ性に制限がかかることがあります。使いやすさだけでなく、必要な機能・性能や柔軟性・カスタマイズ性も考慮しましょう。

 

●料金プランの検討

ツール導入にはコストがかかりますが、プランによっては機能を追加できたり、開発サポートを受けられたりします。一方、追加料金が発生したり、料金体系が変わったりすることもあるため、予想外のコストが発生する可能性も否定できません。料金体系を理解し、コストが変動するリスクも含めて検討することが重要です。

 

●サポートの有無

サポートが受けられると、問題が発生した場合に迅速に解決策を見つけることができ、スムーズに開発が進められます。ただし、対応時間が決まっている、技術的サポートが受けられない、サポートを受けるために追加料金が必要になるといったケースも考えられます。サポートの対応時間、品質、料金体系を確認し、自社のニーズに適しているか評価することが重要です。

アプリ開発ツールを選択する際は、アプリの要件や予算などを考慮に入れ、複数のツールを比較検討することが重要です。開発ツールを利用してアプリを作成するのも良いですが、ノーコードツールだとカスタマイズが難しく、機能に制限がかかることもあります。カスタマイズ性や拡張性を重視するのであれば、アプリ開発を外部に依頼するという方法を取るのも1つの選択肢でしょう。

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