開発したアプリをストアにリリースするためには、所定の手続きを踏まなくてはなりません。今回は、アプリをリリースするための準備からストア申請まで、必要な手順や注意点を詳しく解説します。また、アプリのストア申請代行サービスを利用するメリット・デメリットや、依頼時の注意点についても触れているため、アプリ開発リリースをする予定の担当者は必見です。
目次
アプリ開発会社選びはプロにお任せ完全無料で全国5000社以上からご提案
アプリをリリースするための準備
アプリを開発したら、リリースに必要な機能チェックや運用方法の見直し、ストア申請の手続きなどを行う必要があります。ここからは、アプリをリリースするための準備について解説しています。
●アプリリリースに必要な機能のチェック
テスト環境を使って必要な機能が想定通りに動作するかをチェックしましょう。各モジュールの動作やや画面の見え方、ページへの遷移への動きなどを確認したうえで、ひと通りの動きを総合テストします。この時、「ユーザーにはどう見えるか」というユーザー目線を持ってテストすることが大切です。
●アプリの運用方法の見直し
アプリリリース後に、安定して稼働するために運用方法の見直しを行いましょう。アプリ稼働後のサポート・保守体制、障害発生時の対応方法、対応時間の方針を改めて固めて、ユーザーに安心して使ってもらうために必要な運用体制を整えておく必要があります。
●ストア申請の手続き
アプリをストアへリリースする際には、アプリの種類や対応OSに合わせた依頼先へ申請しなくてはなりません。例えば、開発したアプリがAndroidアプリであれば申請先はGoogle Playとなり、iPhoneアプリ(iOSアプリ)であれば申請先はApp storeとなります。アプリの種類と申請先との関係性を、正しく把握しておきましょう。
ストア申請の審査基準
iOSアプリとAndroidアプリなのかによって申請する先が異なるため審査基準をそれぞれ把握しておきましょう。ここはそれぞれのストアの審査基準について解説しています。
●iOSアプリの審査基準
iOSアプリとAndroidアプリでは、申請先だけでなく審査基準も異なります。それぞれの審査基準をしっかりと把握しておき、スムーズに審査をパスできるように準備を進めましょう。ここは、ストアの審査基準の一例を解説しています。
iOSアプリの審査基準(App store) | Androidアプリの審査基準(Google Play) |
---|---|
安全性、パフォーマンス、ビジネス、デザイン、法的事項の5項目により審査が行われる。 | 大まかに、コンテンツの内容、知的所有権、機能性、虚偽や悪意がない、収益化・広告の5項目により審査が行われる |
安全性の審査項目例
|
コンテンツの内容の審査項目例
|
パフォーマンスの審査項目例
|
知的所有権の審査項目例
|
ビジネスの審査項目例
|
機能性の審査項目例
|
デザインの審査項目例
|
虚偽・悪意に関する審査項目例
|
法的事項の審査項目例
|
収益化と広告に関する審査項目例
|
なお、ここでご紹介した審査項目は、あくまでも一例です。具体的な審査項目・基準の内容は、AppStore Reviewのガイドライン、及びGoogle Playのデベロッパーポリシーを確認しておきましょう。そのうえで、申請へ臨むことが大切です。
参照元: デベロッパーポリシー
ここまで、iOSアプリの審査基準、Android審査基準について解説してきました。ストアでの審査はアプリの内容や機能によって異なりますが、1週間以上を見込んでおくと良いでしょう。少しでも早くリリースしたいのであれば、ストアの審査基準をしっかりと理解し遵守しなくてはなりません。
なお、ストアでの審査に落ちてしまうことは「リジェクト」と呼ばれます。リジェクトされたということは、審査基準に則っていない部分が指摘されたということ。その場合は指摘内容を理解したうえで、再度審査へ臨む必要があります。
ストア申請の手順
申請手順としては、以下のような流れになります。
- Apple Developer Programアカウントを作成する
- Certificateでリリースのための証明書を発行する
- アプリごとに必要なApple IDを作成する
- CertificateとApple IDを利用してProvisioning Profileを作成し、ファイルをダウンロード
- App Store Connectへアプリの詳細情報を登録し、申請を行う
●Apple Developer Programとは?
Apple Developer Programとは、App Store向けアプリの開発・配信に必要な機能をまとめて利用できるサービスのことです。99USドル(日本円で11,000~14,000円程)の年間費用がかかりますが、Apple Developer Program への加入はApp Store内でのアプリのリリース・配信をするうえで欠かせない工程となります。
●Certificateとは?
Certificateとは、リリースに必要な証明書のことです。Mac内の「キーチェーンアクセス.app」でキーチェーンを起動させ、「キーチェーンアクセス→証明書アシスタント→認証局に証明書を要求」という操作を行うと、証明書アシスタントを呼び出せます。証明書アシスタントに、ユーザーのメールアドレス・任意の通称・要求の処理(ディスクに保存・カギペア情報を指定にチェックを入れる)を記入することで、Certificateをデスクトップへ保存できます。保存したCertificateに所定の作業を行いダウンロードすることで、証明書が発行されます。
●Provisioning Profileとは?
Provisioning Profileとは、アプリ開発元の情報を含んだファイルを指します。CertificateとApple IDを用いることで、作成できます。App Store Connectは、App Store内でリリースするアプリを管理できる専用Webツールのこと。Apple Developer Programに登録することで、利用できるようになります。なお、ストアへの登録にはアプリのスクリーンショット、プライマリ言語(App Store Connect内で設定した言語以外に設定できるデフォルト言語)、プロモーションテキスト(アプリの紹介文)、ビルド設定が必要です。
●Google Playにおけるアプリの申請手順
Google Playへ申請依頼をする際は、Googleアカウントとデジタル署名したパッケージファイル「apk(Android Package)ファイル」が必要となります。Googleアカウント登録時には25ドルが必要となりますが更新の必要はなく、登録は約48時間で完了します。パッケージファイルは、アプリを開発するために必要な統合開発環境「Eclipse」で作成可能です。Googleアカウントとデジタル署名入りのパッケージファイルを用意したら、Google Playへアプリを登録します。この作業を行うためには、アプリのアップロードや価格の設定、レビュー表示などが可能な「Google play Developer Console」へのアクセスが必要です。パッケージファイルを作成し、Google play Developer Consoleへアプリの情報を登録してアップロードを実行すれば、Google Playへの登録は完了です。
ストア申請の注意事項
ストア申請の際には、いくつかの点に注意する必要があります。App Store・Google Playへの申請時に意識しておきたいポイントを、以下でまとめました。
●App Storeにおける申請時の注意事項
App Storeの審査は、Google Playに比較すると審査は長くかかる傾向にあります。そのため、予定していたアプリのリリース時期より遅れての公開・リリースとなってしまうことも考えられるでしょう。スケジュールに余裕をもって審査を依頼することはもちろんですが、リジェクトとなる要因をできる限り取り除き、1回で審査をパスすることも重要となります。
例えば、クラッシュやバグの放置、リンク切れなど明らかな不備をなくしておくようにしましょう。こうした不備は、App Store Reviewガイドラインにおける審査項目の1つ、「パフォーマンス」に抵触するおそれがあるためです。また、ユーザーインターフェースの見やすさやアプリの使いやすさ、美しさが基準に達していない場合もリジェクトされる可能性が高まります。
例えば、1つの画面に要素をゴチャゴチャと詰め込んでいたり、フォントが小さく見づらかったりする場合は注意が必要です。「ユーザーが使った時に不便さを感じないか」というユーザー目線を持ったうえで、見た目や使いやすさなどにもこだわりましょう。
また、ほかアプリとの差別化にも気を配りましょう。既存のアプリと似通っていると模倣アプリとみなされてしまい、著作権や商標権などに抵触するとしてリジェクトされる可能性があります。中には、「既存アプリの名称と似ている」という理由でリジェクトへ至ったケースもあるため要注意です。
また、搭載されている機能の必要性が認められないと、アプリとしてのリリースが難しくなります。搭載機能やユーザーニーズを鑑みたうえで、「アプリである必要性」を正しくアピールしましょう。
●Google Playにおける申請時の注意事項
Google Playの審査の結果通知は、App Storeと比べると比較的早めです。ただし、App Storeと同じくアプリの機能・内容によっては審査が長引く可能性も十分に考えられます。いずれにせよ、余裕をもって審査依頼を提出することが大切です。Google Playへの申請時の注意事項は、App Storeとほぼ同様と考えておきましょう。バグやリンク切れなどの基本的な不備を解消しておくこと、独自性・機能性のアピールをすることが求められます。
アプリの申請代行サービスを活用するという手もある
ストアの審査基準は多岐にわたります。場合によっては、「なぜリジェクトになったのか釈然としない」「どう対応すれば良いのかわからない」と迷ってしまい、アプリのリリースが遅れてしまうケースもあります。そこで、アプリの申請代行サービスを活用するのも良いでしょう。以下でご紹介するのは、アプリの申請代行サービスのメリット・デメリットと選び方です。
●アプリの申請代行サービスの種類とメリット・デメリット
アプリの申請代行サービスを活用するメリットは、何といってもリジェクトの可能性を抑えられるという点にあります。申請依頼を出す前にアプリの内容をチェックしてもらえるため、自身だけでは気づけなかった問題点にいち早く気づけるのがポイント。これにより、リジェクトのリスクを抑えられるでしょう。
また、各ストアへの申請方法や手続きのフローは、予告なしに変更されるケースもあります。こうした事情に対応するために、専門知識を持った申請代行サービスを活用するのは有用だといえるでしょう。
その一方で、自社で申請する場合に比べてコストが高くなるのがデメリットです。さらに、審査をパスできなかった際には、再審査時に別途費用がかかることもあります。そのほか代行業者とのコミュニケーションに問題があった場合、申請までの時間がかかってしまうなどのデメリットがあります。
●代行サービスの選び方と注意点
代行サービスを選ぶ際には、「費用体系」「サービス内容(対応範囲)」「実績」「コミュニケーション能力」の4点に注目すると良いでしょう。例えば、「費用体系は明瞭でわかりやすいか」「審査にパスできなかった場合の再審査費は必要か」といった点をチェックすることをおすすめします。サービス内容については、「どこからどこまでを対応してもらえるのか」という点をチェックしましょう。代行サービスによっては、「登録代行からリジェクト対策まで対応」というところもあれば、「アプリのコンサルティングからリジェクト対策まで対応」というところもあります。自社に必要なサービスはどこからどこまでなのか、一度明確にしておくことをおすすめします。
実績の豊富さも重要ですが、類似しているアプリの申請実績と、審査をパスした件数にも注目しましょう。類似案件の申請経験が豊富であれば、そのアプリ申請代行サービスには一定のノウハウが蓄えられているといえます。その結果、登録から申請までの流れがよりスムーズになることもあるでしょう。
開発したアプリをストアにリリースするためには、各アプリストアによる審査をパスしなくてはなりません。「自社のみで申請を行うのはハードルが高い」「リジェクトのリスクをできる限り軽減したい」という場合は、アプリの申請代行サービスを活用するという手があります。
発注ナビは、システムの開発会社と発注会社をつなぐマッチングサービス。各種アプリ開発が得意な会社はもちろん、アプリ申請代行サービスに強い開発会社の情報も提供しています。丁寧なヒアリングをもとに、お客様のニーズに合った代行会社をご紹介・提案いたします。アプリ申請代行サービスの利用を考えている方は、発注ナビをお役立てください。
アプリ開発会社選びはプロにお任せ完全無料で全国5000社以上からご提案
■アプリ開発に関連した記事