
アプリ開発は、多くの方や開発会社にとって魅力的なビジネスの1つとなっています。アプリ開発による収益を得るためには、どのような方法があるのでしょうか?本記事では、アプリ開発で収益を得たいと考えている方を対象に、アプリ開発の収益形態や収益上の課題、アプリ開発の実情についてご紹介します。さらに、受託開発で収益を得る方法やアプリ開発の受注を成功させるポイントについても解説します。
目次
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アプリ開発の収益形態
アプリを作って収益を得る場合は、主に「広告収入による収益」「有料アプリによる収益」「受託開発による収益」の3つが挙げられます。
●広告収入による収益
アプリ内に広告を表示し、広告の表示回数やクリック数に応じて収益を得る方法です。一般的に、無料アプリでこの方法がよく使われています。広告プラットフォームと提携すると簡単に広告を表示できるため、比較的容易に収益を得やすい方法です。表示された広告のクリック数や広告経由での購入数に応じて収益が発生するので、大量のダウンロード数やアクティブユーザーを獲得しているアプリに適しています。
●有料アプリによる収益
アプリ自体に価格を設定し、ユーザーがアプリをダウンロードする際に料金を支払うという形で収益を得る方法です。ダウンロード時だけ料金を支払う「買い切り」と、利用料金に応じて定期的に支払う「サブスクリプション」があります。
近年では無料でも優れた機能やコンテンツを持つアプリがリリースされているため、競合他社の無料アプリと比較してダウンロード数が伸び悩むこともあります。そのため、有料アプリはユーザーに価値ある機能やサービスを提供し、「お金を払ってでも使いたい」と思ってもらえるようなアプリをリリースする必要があります。
最初は無料アプリとして配信し、一部の高度な機能や追加コンテンツを利用する場合に課金をしてもらう「フリーミアムモデル(無料およびプレミアム)」という手法もあります。
●受託開発による収益
アプリ開発会社や個人開発者が、他社や個人から依頼を受け、アプリ開発を請け負って収益を得る方法です。アプリの売上や利用料を得るのではなく、完成したアプリを納品して報酬を受け取ります。依頼者と契約を結び、開発費用や維持管理費を受け取ってアプリ制作を行うのが一般的です。
受託開発では契約に基づいて開発費用や支払い条件が明確に定められているため、開発期間や収益が予測しやすくなります。保守やサポートが契約に含まれている場合は、アプリ開発後も継続的な収益を得られます。その点、アプリ運用者としての広告収入や有料アプリに比べると収益が安定しやすいという特徴があります。
アプリ開発の収益上の課題
アプリ開発の課題として、広告のクリック数やアプリのダウンロード数が直接的な影響を与える収益形態は、市場の競争やアプリの評価によって収入が大きく変動しやすく、安定感に欠けるといった課題があります。具体的にいえば、アプリ開発の収益化には以下のような課題があります。
●集客が難しい
アプリ市場は飽和状態にあり、すでに多くの競合アプリが存在します。素晴らしい機能やデザインを持つアプリをリリースしても、プロモーションが不十分であれば、ユーザーに知られないまま埋もれてしまいます。アプリを発表するだけではユーザーに気づいてもらうことも難しく、ダウンロード数が伸び悩むものです。
競合との差別化を図れるアプリを作ることは前提として、効果的なマーケティング戦略を立て、ソーシャルメディアやブログなどで積極的にアプリを宣伝しましょう。アプリストアの検索を最適化する施策(ASO)を行い、アプリストア内での上位表示させる施策も効果があります。
●継続率(リテンションレート)が低い
アプリのダウンロード数や広告収入に影響するのは、アクティブユーザーの数です。ユーザーがアプリの利用を短期間でやめてしまうと、継続率(リテンションレート)が低くなり、長期的な利益が得られなくなってしまいます。
リテンションレートが低いアプリは市場での競争力が低く、ビジネスモデルが成立しづらくなります。ユーザーがアプリを継続して利用したいと感じるような機能やコンテンツを継続的に提供し、アプリの魅力を高める仕掛けが必要です。ヘルプセンターやFAQ、チャットベースのサポートなどを提供し、ユーザーがアプリで問題に直面した際に、迅速かつ効果的にサポートできる仕組みを整えるのも有用です。 あわせて、ヘルプセンターに寄せられた内容やユーザーからのフィードバックを収集しアプリの改善に活かしましょう。ユーザーが求める機能や改善点を踏まえたアップデートを行うことが、リテンションレート改善の第一歩です。
●収益モデルが合っていない
アプリで収益を上げるためには、適切な収益モデルを選択することが重要です。ゲームアプリではアプリ内課金や広告、情報提供型アプリではサブスクリプションが適しているといわれていますが、絶対的な法則ではありません。ユーザーからのフィードバックを収集し、ユーザーがどのような収益モデルに対して好意的か、どんな不満を持っているかを把握し、収益モデルを常に最適化する必要があります。ゲームアプリと広告の相性が良いからといって広告をたくさん表示しすぎるとUI/UXが悪化し、ユーザーがアプリから離れる要因になる可能性があります。
特定の収益モデルを選ぶだけでなく、複数の収益モデルを併用するという方法もあります。例えば、フリーミアムモデルとアプリ内課金を組み合わせたり、アプリ内広告とスポンサーシップを併用したりと、収益モデルは柔軟に選択可能です。もしアプリの中で複数の収益モデルを取り入れられるのであれば、うまくいく組み合わせを試してみてください。
●アプリの開発・維持コストが高い
アプリは対応デバイス(プラットフォーム)によって開発手段が変わるという特徴があります。例えば、AndroidとiOSの両方のプラットフォームでアプリをリリースする場合は、それぞれの開発に使う言語が異なる場合があるため、プラットフォームに合わせた開発が必要です。開発者のスキルや使用可能言語によっては、開発コストは膨らんでしまいます。
さらに、アプリは作って終わりではなく、定期的なメンテナンスとアップデートが必要です。対応するOSやデバイスが変更されたことをきっかけにエラーが生じることも多いため、アプリの稼働を安定させるためのコストも発生します。開発コストが大きいものの、リリースしたからといって収益を得られるかどうかは不透明です。アプリを維持するコストも必要になるため、収益化の計画が具体的ではないと開発コストを回収するので精一杯になってしまうという課題があります。
アプリ開発の収益実態
●広告収入・課金モデルの現実
広告収入やアプリ内課金というマネタイズをするアプリ開発は、一見すると不労所得のようですが、実情は異なります。多くのアプリは、月に数十円~数百円程度の収益しか得られておらず、アプリ開発だけで生計を立てられている開発者は限られています。競合が多いジャンルでは特に収益が下がりやすく、定期的に改善を加えなければ収益を維持できない、もしくはリリースしてもほとんどダウンロードされないということも珍しくありません。
●ニッチ戦略とターゲット設定の重要性
アプリ開発の収益を改善するためには、ターゲットを絞り、ニッチなジャンルで差別化を図るという方法があります。ターゲットが明確なアプリは検索からの自然流入が期待でき、宣伝にお金をかけなくてもダウンロード数が増えやすいからです。しかし、ターゲット以外には刺さらないニッチなアプリは、爆発的な拡散は望めないものの、アプリの継続的な更新や改善をして着実にダウンロード数を伸ばす施策が必要です。
●受託開発という選択肢
工夫次第では収益を伸ばせるものの、広告収入やサブスクリプションは不安定な手段であり、安定した収益を望む開発者にとっては厳しいマネタイズ手段といえます。
もし、アプリ開発で安定した収益を得たい場合には、受託開発をするという方法もあります。受託開発では開発費に加え、保守契約やカスタマイズの依頼などで固定収入が望めるからです。受託開発で安定した収益を確保しつつ、受注契約で得た経験やスキルを自身のアプリ開発に取り入れるという選択もできます。
アプリの受託開発で案件を獲得し、収益を得るためのポイント
アプリの受託開発には、まず開発技術や実績をアピールし、クライアントに技術力や実績を評価してもらう必要があります。案件獲得のチャンスを増やすためにやるべきなのは、ポートフォリオの作成や実績を積むことです。ここでは具体的に受託開発の案件を得るためのポイントをご紹介します。
●ポートフォリオを作成する
ポートフォリオとは、個人や企業が手がけたプロジェクトや実績をまとめたものです。アプリ開発のポートフォリオでは、開発したアプリの概要や開発スケジュール、開発の過程で起こった課題への対応策や工夫した点などの情報を入れるのが一般的です。
自社の得意分野やアプリ開発経験を明確にし、どのようなアプリ開発案件に対応できるのか、クライアントにどのような価値を提供できるのかを整理しておきましょう。今まで着手してきたプロジェクトを振り返り、作成したアプリやソースコードを整理します。アプリ開発のスキルや実績が一目でわかるようにポートフォリオを整理し、見やすくデザインされた形式でまとめてみてください。
ポートフォリオはクライアントに対してアピールする技術力の根拠になりますが、受注のチャンスを増やす手段としても効果的です。ポートフォリオを営業ツールとして活用する場合は、発注を検討している企業が知りたがる使用技術や開発スケジュールを記載することで、発注者が問い合わせをしやすくなります。
●ビジネスマッチングサービスを活用する
ビジネスマッチングとは、「ビジネスパートナーを見つける場」、または「企業と企業を結び付けるサービスそのもの」を指す言葉として使われます。ビジネスにおける需要と供給の間を取り持ち、下「仕事を依頼したい企業」と「仕事を受注したい企業」の双方でWin-Winの関係を構築するのがビジネスマッチングです。このビジネスマッチングを提供するサービスは増えており、アプリ開発の分野に強みを持つサービスもいくつか存在します。その1つが「発注ナビ」です。発注ナビはIT案件に特化しシステム開発・Web制作会社の営業活動を効率化するビジネスマッチングサービスです。
このようなビジネスマッチングサービスを利用して受注した案件は丁寧かつ迅速に対応し、実績を少しずつ獲得していきましょう。受注数が増えるごとにポートフォリオが充実し、次の案件獲得のチャンスも増えていきます。
初めて受託アプリ開発を受けるときの注意点
受託開発で初めて案件を受注する際には、トラブルを未然に防ぎ、クライアントとの信頼関係を築くために、契約前・開発中・リリース後のそれぞれの段階で押さえておくべきポイントがあります。
以下では、初案件で特につまずきやすい8つの注意点を解説します。
●要件定義とゴールのすり合わせを最優先する
受託開発で最もトラブルになりやすいのが、「何を作るか」の認識のズレです。クライアントが求める機能や目的、ターゲットユーザー、達成したい成果を具体的にヒアリングし、文書化して合意を取ることが重要です。
口頭だけのやり取りでは解釈のブレが生じやすく、後から「イメージと違う」といった指摘を受けるリスクが高まります。要件定義書や仕様書という形で残し、双方が署名・承認する仕組みを作ると、その後の工程での認識のズレを大幅に減らせます。
●見積もり範囲と追加費用の条件を明確にする
見積もりに含まれる作業範囲と、含まれない作業を明示しておかないと、後から「これも含まれていると思った」という主張をされる可能性があります。
例えば、画面デザインは別料金か、API連携は何本まで含むのか、管理画面の有無、対応OSのバージョン範囲などを具体的に記載しましょう。
また、追加機能やデザイン変更が発生した場合の追加費用の算定方法(時間単価×工数、または定額制など)も事前に合意しておくと、その後のトラブルを防げます。
●スケジュールとマイルストーンを具体的に決める
「だいたい3ヶ月後」といった曖昧なスケジュールではなく、要件定義完了日、デザイン確定日、開発完了日、テスト期間、リリース日といったマイルストーンを明確に設定します。
各マイルストーンごとに成果物や確認事項を決めておくと、進捗管理がしやすくなり、クライアントも開発状況を把握しやすくなるでしょう。
初案件の場合はバッファを多めに取り、余裕を持ったスケジュールを組むことで、想定外の作業や修正が発生しても対応できる余地を残しておくと安心です。
●仕様変更のルールを決めておく
開発途中でクライアントから「やっぱりこの機能を追加したい」「デザインを変更したい」といった要望が出ることは珍しくありません。しかし、仕様変更を無制限に受け入れてしまうと、スケジュールとコストが大幅に膨らみ、プロジェクトが破綻するリスクがあります。
契約時に「○○日以降の仕様変更は追加費用が発生する」「変更は書面での申請と承認が必要」といったルールを明記し、変更管理の仕組みを整えておきましょう。
柔軟な対応は大切ですが、ルールがないと際限なく変更を求められる事態になりかねないため、注意が必要です。
●テスト範囲と受け入れ基準をあらかじめ決めておく
「完成」の定義が曖昧だと、何度テストしても「まだ不具合がある」と指摘され続け、リリースが延びる恐れがあります。
単体テスト、結合テスト、受け入れテストのそれぞれで、誰が何をテストするのか、どの程度の不具合までを許容するのか(軽微なUI崩れは後日修正、致命的なバグはリリース前に必ず解消など)を事前に決めておくようにしましょう。
受け入れ基準を満たした時点でプロジェクトは完了とし、それ以降の修正は保守契約や追加契約として扱う、という線引きを明確にすることが重要です。
●リリース後の保守・運用をどこまで対応するか決める
アプリは一度リリースしたら終わりではなく、OSのアップデート対応、不具合修正、機能追加など継続的なメンテナンスが必要です。リリース後の保守をどこまで開発費に含むのか、別途保守契約を結ぶのか、無償対応期間はどれくらいかを契約段階で明記しましょう。
一般的には、リリース後1〜3ヶ月程度は軽微な不具合修正を無償対応し、それ以降は月額保守費や都度見積もりで対応するケースが多いです。運用フェーズの責任範囲を曖昧にすると、無償で延々と対応を求められるリスクがあります。
●コミュニケーション頻度と連絡手段を決める
クライアントとの連絡手段(メール、チャット、ビデオ会議など)と定例報告の頻度(週1回、隔週など)をあらかじめ決めておくと、双方の期待値をそろえやすくなります。
連絡が途絶えると不安や不信感が生まれやすいため、進捗報告や課題の共有を定期的に行う仕組みを作りましょう。初案件では特に、こまめな報告でクライアントの安心感を高めることが信頼構築につながります。
●トラブル発生時の報告の流れを決める
不具合や納期遅延、仕様の実現困難など、トラブルは必ず起こり得ます。問題が発生したときに「誰に」「いつまでに」「どのような形で」報告するかを事前に決めておくと、クライアントの不信感を最小限に抑えられます。
トラブルを隠したり報告を遅らせたりすると、後で発覚したときに信頼を大きく損ないます。問題が起きたらすぐに状況と対応策を報告し、解決までのスケジュールを共有する姿勢が、長期的な信頼関係の構築には欠かせません。
初案件だからこそ、誠実で透明性の高いコミュニケーションを心がけましょう。
アプリの受託開発で受注を成功させる秘訣
アプリ開発は競争が激しいため、受注を成功させるためには技術力だけでは不十分であり、プロジェクト管理やクライアントとの折衝力などのスキルも必要です。ここでは、アプリ開発の受注を成功させるためのポイントを2つご紹介します。
●顧客ニーズの把握と提案力の強化
アプリ開発の受注成功のカギは、顧客ニーズの把握と提案力の強化にあります。発注者が求めるアプリを実現するためには、クライアントが求めるニーズの把握が不可欠です。顧客ニーズを踏まえて自社の開発力や対応力を理解してもらう提案力があれば、受注確率も高くなります。顧客ニーズを把握するスキルがあることで、クライアントの期待に即した納品物の制作が可能となり、クライアントとの信頼関係を構築できます。また、その信頼関係が新たな案件を受注する足がかりにもなります。
●プロジェクトマネジメント能力の向上
プロジェクトマネジメントは、システム開発を成功させるためにチームメンバーと取引先の間に立ち、交渉や調整を行う業務です。コミュニケーションに重きを置く業務であり、アプリの実装作業とは異なる種類のスキルです。しかし、プロジェクトマネジメント能力が低いチームは、クライアントからの無理な要望を引き受けてしまう可能性が高く、プロジェクトを炎上させてしまうリスクがあります。プロジェクト全体の予算や納期を考慮し、クライアントの要望を聞きつつ、過度な要求を安請け合いしないという折衝力は、アプリ開発の受注者にとっては必須のスキルです。
開発プロジェクトに携わるチームメンバーの進捗管理を行い、コミュニケーションが取れる体制を整えて、チームメンバーが品質の高いアプリ制作に専念できる工数の確保も重要です。プロジェクトの過程でトラブルはつきものですが、問題を隠さずに報告し、迅速に解決策を探すという姿勢を見せることは、クライアントからの信頼獲得につながります。信頼を獲得できれば、その後の受注率の向上も期待できます。
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