通信技術が発達した現代では、様々なシステムをクラウドで実現する企業が大半となりました。インターネットを通じてアクセスや管理できるという特性から、クラウドは業務効率の改善などの効果が期待できます。一言でクラウドといっても、クラウドサービスには様々な種類があり、MicrosoftのAzure、GoogleのGCP、AmazonのAWSは3大クラウドサービスと称されています。中でもAWSは、2022年の世界IaaS市場1位であり、市場シェアは40%となっています。クラウドの開発依頼を検討している方の中には、AWSでのシステム開発や構築にかかる費用を知りたいという方も多いのではないでしょうか。今回は、AWSのサービス内容や料金体系、システム開発の見積もり方法などについて解説していきます。
目次
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AWS構築にかかる費用の例
AWSは、Amazonが提供しているクラウドサービスのことです。AWSは700種類を超えるサービスを提供しており、その中から利用したいサービスを選ぶことが可能です。AWSは、仮想サーバやストレージ、データベースなどといった、システム開発に活用するためのサービスも多く提供しています。AWSを使うことによって、簡単なWebアプリやスマホアプリなどの開発や公開をすることもできます。先述のとおり、AWSは2022年の世界IaaS市場1位であり、最も人気が高いクラウドサービスだといえます。クラウドサービスの中でAWSが人気を集めている理由は、初期コストを抑えやすいことや、クラウドサービスの先駆けといったことが挙げられます。
AWS構築とは、AWSのサービスを使ってシステム開発を行う環境を構築することです。AWSを使うことによって、Amazonが提供するサーバを借りることができるため、自社でサーバを構築する必要がありません。そのため、ゼロから環境を構築する際と比べて、大きくコストを抑えることができます。AWSは近年最も人気が高いクラウドサービスであるため、数多くの企業がAWS構築を代行しています。AWSの構築を外注する場合、費用は現行のシステムの構成によって大きく異なります。現行のシステムからAWSへの移行を含めた、一般的なシステム構成ごとの費用相場をご紹介します。
●検証環境の構築:20~30万円
Webサーバの構築を想定した検証環境の構築にかかる費用は、20~30万円程度です。この場合のシステム構成は、シングル構成を想定しており、構成例は以下のとおりです。
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Amazon EC2 1台
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Amazon RDS 1台
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Amazon Route 53
●本番環境の構築:50~60万円
冗長構成化され、セキュリティが強化されたWebサーバの構築を想定した本番環境の構築にかかる費用は、50〜60万円程度です。この場合のシステム構成は、高可用性・セキュリティ構成を想定しており、構成例は以下のとおりです。
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Amazon EC2 2台
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Amazon RDS 2台
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Amazon Route 53
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AWS WAF 1台
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AWS Certificate Manager
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Amazon Cloud Front
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Elastic Load Balancer 1台
●大規模アクセス環境の構築:70万円~
冗長構成化され、セキュリティが強化されたうえで、拡張性も高めたWebサーバの構築を想定した大規模アクセス環境の構築にかかる費用は、70万円以上です。この場合のシステム構成は、拡張性・高可用性・セキュリティ構成を想定しており、構成例は以下のとおりです。
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Amazon EC2 2台
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Amazon RDS 2台
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Amazon Elastic File System 1台
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Amazon ElastiCache 1台
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Amazon Route 53
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AWS WAF 1台
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AWS Certificate Manager
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Amazon Cloud Front
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Elastic Load Balancer 1台
上記の費用は、あくまで一例のため目安となりますが、AWSシステム構築を外注した際にはこの程度の費用がかかると想定しておきましょう。
AWSの料金体系
AWSの料金体系は少し特殊であり、以下の2つによって料金が決定します。ここでは、AWSの料金体系を「従量課金制」「サービス内容」ごとに詳しく解説します。
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従量課金制
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サービス内容
●従量課金制
従量課金制は、そのサービスを使用した分だけ支払う料金が変わる仕組みのことを指します。月額料金制では、サービスを十分に利用しなかった場合コストが無駄になってしまうことも起こり得ますが、従量課金制の場合はコスト無駄にすることなく利用できます。デメリットとしては、想定以上に高額な金額になるなど、コストの予測がしづらいことや、利用するサービスを拡大させた際にコスト面の対応が困難である点が挙げられます。事前に予算が立てにくいというデメリットはありますが、利用状況を細かく管理するようにすることによって使いやすくなる仕組みであるといえます。
●サービス内容
前述のとおり、AWSには700以上のサービスが用意されており、そのサービス内容によって利用料金が異なります。ですので、複数のサービスを利用する場合はそれだけ多くのコストがかかります。複数サービスを利用した際でも、セット料金などのような安くなるプランもありません。そのため、利用するサービスの選定は慎重に行いましょう。
Amazon EC2の利用料金内訳
Amazon EC2の利用料金内訳は以下のとおりです。
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サーバの台数
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ストレージの容量
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データ転送量
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インスタンスの種類
AWSで仮想サーバを構築する際は、一般的にAmazon EC2を利用します。サーバの用途によりますが、サーバ利用料がAWSの利用料金の大半を占めています。EC2は、インスタンスの種類(=契約方法)によって、料金が大きく異なります。インスタンスの中でも「オンデマンドインスタンス」と「リザーブドインスタンス」が代表的です。オンデマンドインスタンスは、使った時間分の料金が発生する料金体系です。一方で、リザーブドインスタンスは、1年もしくは3年の利用契約を交わすことによって、利用料が割引される料金体系のことを指します。
Amazon S3の利用料金内訳
Amazon S3の利用料金内訳は、以下のとおりです。
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ストレージの容量
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データ転送量
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リクエスト数
データ転送の料金は、転送したデータ量が多いほど割引されます。Amazon S3からインターネットへデータを転送する場合は、転送量が10TBを超えると割引が適用される仕組みです。また、リクエスト数とはデータのダウンロードや複製などの読み込み・書き込みの回数のことを指します。
Amazon RDSの利用料金内訳
Amazon RDSの利用料金内訳は、以下のとおりです。
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DBエンジンの種類
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インスタンスのスペック
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ストレージの容量
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AZの種類
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サーバの台数
Amazon RDSのインスタンスは、Amazon EC2と同様で従量課金制「オンデマンドインスタンス」と、定額制の「リザーブドインスタンス」があります。
AWS Lambdaの利用料金内訳
AWS Lambdaの利用料金内訳は以下のとおりです。
- Lambaへのリクエスト数
- メモリ使用量
AWS Lambdaでは、Lambda関数の実行と保存に使用できるコンピューティングおよびストレージリソース量が、デフォルト設定によって制限されています。Lambda関数の同時実行数の制限は、同一アカウントの同一リージョン内につき、1,000となっています。制限はリージョンごとに適用されていますが、ユーザーがAWSに上限緩和申請をすることによって制限を引き上げることが可能です。
AWSで構築できる環境とその利用料金例
AWSで構築できる主な環境として、以下の3つの例が挙げられます。ここでは、各環境ごとの利用料金例をご紹介します。
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リモートワーク用の仮想デスクトップの開発
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Windowsベースのファイルサーバ構築
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動的Webサイトの構築
リモートワーク用の仮想デスクトップの開発:321ドル/月
まず、在宅やリモートワークで働く従業員のための仮想デスクトップの開発をする場合の料金目安をみてみましょう。AWSでリモートワーク用の仮想デスクトップの開発をした場合の月額料金目安は、月額321ドル(47,453円※)となります。※2023年9月20日時点で1ドル147.83円。上記のケースでは、以下のサービスをそれぞれ選択しています。
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仮想デスクトップ:Amazon WorkSpaces
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仮想デスクトップの認証:AWS Directory Service – AD Connector
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オンプレミスとの接続:AWS VPN – AWS サイト間 VPN
仮想デスクトップの認証は、AD Connector以外にもSimple AD、AWS Managed Microsoft ADを選択することも可能です。オンプレミスとの接続は、AWS Direct Connectを選択することも可能です。
上記の例での構成の場合は、オンプレミス環境とはVPNによって接続し、仮想デスクトップの認証をAD ConnectorからオンプレミスのActive Directoryドメインへプロキシし、既存のActive Directoryと連携する仕組みです。Workspacesを利用するクライアントからのVDI接続は、オンプレミスを経由せず、インターネット経由で接続します。
参考:AWS ソリューション構成例 – 仮想デスクトップ (VDI)│AWS
●Windows ベースのファイルサーバ構築:420〜925ドル/月
続いて、ハードウェアのメンテナンスを含めて運用管理していたWindowsファイルサーバをAWSクラウド上に移設するために、Windowsベースのファイルサーバ構築をする場合の料金目安をご紹介します。2TB容量のWindowsファイルサーバ環境をAmazon FSx for Windows File Serverで構築する場合の月額料金目安は、月額420~925ドル(62,088~136,742円※)となります。※2023年9月20日時点で1ドル147.83円。
上記のケースでは、それぞれ以下のサービスを選択しています。
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ファイルストレージサービス:Amazon FSx for Windows File Server
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アクティブディレクトリサービス:AWS Directory Service for Microsoft Active Directory
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オンプレミスとの VPN 接続:AWS Site-to-Site VPN
FSx for Windowsはユーザー認証にActive Directoryを必要とするため、上記の例においてはAWS Directory Service for Microsoft Active Directoryを活用し、Windowsファイルサーバと社内とのネットワーク接続には、AWS Site-to-Site VPNを活用します。また、データ転送料金は、Windowsファイルサーバに格納されたデータのうち、月に10%ほどのデータが利用されていると想定した場合の計算になります。
参考: AWS ソリューション構成例 – FSx for Windows File Server による Windows ファイルサーバ
●動的Webサイトの構築:760ドル/月
最後に、恒常的にトラフィック増が見込まれるような動的なWebサイトを、AWSクラウドで運用するためにAWS構築する場合の料金目安をみてみましょう。恒常的にトラフィック増が見込まれる動的WebサイトをAWSで構築する場合の月額料金目安は、月額760ドル(112,350円※)です。※2023年9月20日時点で1ドル147.83円。
このケースでは、それぞれ以下のサービスを選択しています。
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ロードバランサー:Elastic Load Balancing
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SSL/TLS 証明書:AWS Certificate Manager(ACM)
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Web サーバ:Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)、Amazon Elastic Block Store(Amazon EBS)
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データベース:Amazon Relational Database Service(Amazon RDS)
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NAT ゲートウェイ:NAT Gateway
恒常的にトラフィック増が見込まれる、会員制サイトやECサイトなどの動的なWebサイトにおいては、障害対策や快適なレスポシビリティを実現するために、スケール可能かつ高い可用性を持ったインフラが必要とされます。上記の構成においては、2つのアベイラビリティゾーンにまたがった構成をロードバランサーで連携することによって、単一障害点を排除し、アクセスの負荷分散が可能になります。また、障害発生時にはデータベースを自動的にフェイルオーバーすることもでき、負荷が増大した場合には、インスタンスタイプをより高スペックなものに変更したり、台数を増やしたりするといった対策が可能です。
参考:AWS ソリューション構成例 – 動的 Web サイト
AWSの料金の見積もり方法
AWSの料金は従量課金制で予測しづらいというデメリットがありますが、「pricing calculator」を使用することによって、大まかなコストを見積もることができます。ここでは、pricing calculatorを用いたAWSの料金の見積もり方法を解説します。
●pricing calculatorの特徴
pricing calculatorは、AWSのサービスを利用した場合のおおよそのコストを算出する見積もりツールのことを指します。料金の変更や税金、割引などの要素があるので、正確な金額は算出できません。しかし、ある程度の目安がわかり予算が立てやすくなるため、活用しましょう。
●pricing calculatorの使い方
まず、扱いやすくするためにツールの使用言語を設定します。デフォルトはEnglishに設定されているため、企業で使用したい言語に切り替えましょう。実際の見積もりを出す際は、ツールを開いて「見積もりの作成」を選択します。次に、検索欄にサービス名を入力して検索し、そのサービスの設定を開きましょう。リージョンやOS、要求スペック、ストレージなどを設定することによって、見積もりの金額が算出できます。
TCOとpricing calculatorについて
前項でご紹介したpricing calculatorは、正確なTCO(システムの維持に必要とするすべてのコスト)が算出できないため、完璧な見積もりのツールとはいえません。pricing calculatorで算出できるのは、AWSに対して支払うコストの見積もりのみです。そのため、より具体的な費用を見積もる場合は、開発費用や運用に必要な人件費といった社内的なコストを含めた計算が必要です。AWSに対してのコストと社内的なコストを個別に管理するなど、それらとは別に合算した場合のコストを算出しておきましょう。また、AWSのサービスを導入する際にはコスト削減を意識しながら使用することが重要です。
AWSの代表的なサービス
「AWSの料金体系」の項目でも少し触れましたが、AWSが提供している代表的なサービスとして以下の4つが挙げられます。ここでは、それぞれのサービスについて詳しくご紹介します。
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Amazon EC2
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Amazon S3
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Amazon RDS
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AWS Lambda
●Amazon EC2
Amazon EC2は、「Amazon Elastic Compute Cloud」 の略称で、AWS上に仮想サーバを構築するサービスのことを指します。 Amazon EC2を利用することによって、クラウド上にOSを乗せた仮想環境を作り上げることができます。この仮想サーバのことをインスタンスと呼び、アプリケーション用のサーバとデータベース用のサーバをそれぞれ用意するために2つのインスタンスを作成することが可能です。複数のサーバを柔軟に触ることができるのが、EC2の大きな特徴です。同時に、システム開発へかかる時間的コストを大幅に削減できるため便利です。また、サーバのスペックを変更する機能や料金体系が従量課金制になっており、無理なく利用できるというメリットも注目を集めています。
●Amazon S3
Amazon S3は「Amazon Simple Storage Service」の略称で、容量無制限のストレージサービスのことを指します。 Amazon S3を離党することによって、主にWebサイトやアプリケーション上のデータのバックアップ、または復元などが可能です。容量の制限がないため、データを自由にアップロードできる点が、ほかのストレージサービスにはない強みとして挙げられます。1ファイルにつき5TBまでという制限はありますが、それにさえ注意していればデータの保存に困ることはありません。大量のデータを扱っていて、複数のデバイスに分けないと管理できないといった事業所などにおすすめできるサービスです。またデータを3つのデータセンターに自動的に複製するため、ほかのデータセンターに残っていれば復旧できます。高いバックアップ性を維持できるため、安心してサービスを利用できます。
●Amazon RDS
Amazon RDSは、「Amazon Relational Database Service」 の略称で、AWSにおけるリレーショナル型のデータベースのことを指します。リレーショナルとは関係性のことで、リレーショナル型のデータベースは行と列の2つの軸で表示できるExcelをイメージしていただくとわかりやすいです。ある条件に対して複数のデータを管理したり、編集を行うためにアクセスしたりできる仕組みです。そのため、顧客リストや従業員リストなどの情報管理に適したサービスです。データの暗号化やアクセス権限も自由に設定しやすく、導入もしやすいため高い人気を集めています。
●AWS Lambda
Amazon Lambdaは、サーバレスの「FaaS」を活用したクラウドのことを指します。FaaSとは、インターネット上でプログラミング処理したものをそのまま定義したり、実行したりする形態のクラウドのことです。サーバレスは、その名のとおりサーバがいらないということを意味しています。事前にクラウド上にプログラムを定義しておけば、それ以外の処理はAWSが勝手にしてくれるという利便性の高さを持ち、AWSの中でも数多く利用されているサービスの1つです。なお、AWSのサービスについては、別ページでも解説しています。AWSの基礎知識や導入するメリットなどを知りたい方は、以下をご参照ください。
▷「AWSとは?Amazonが提供するクラウドサービスの基礎知識とメリット」
AWS構築を外注した際の流れ
AWS構築を外注する際には、構築・運用の両方、またはいずれかの外注を検討するのが一般的です。
AWS構築のみを外注した際の流れは以下のとおりです。ここでは、AWS構築を外注した際の流れについて、詳しくご紹介します。
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ヒアリング
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要件定義
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設計書作成
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各種検証
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環境構築
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試験報告書提出
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システム移行
●ヒアリング
まず、ヒアリングを行います。現行システムの課題や問題などについてヒアリングされるため、事前に自社で明確にしておきましょう。ヒアリングで相談した内容をもとに、外注先から課題解決のための要件が提案されます。主に、内容・概算の費用・スケジュールなどが挙げられます。内容や費用、期間などはこの工程でほぼ確定してしまうため、発注側と外注先で齟齬がないようにすり合わせをすることが大切です。要望がある場合は、明確に伝えるようにしましょう。
●要件定義
ヒアリングで提案された要件を発注側が承諾後、その要件をもとに外注先が要件定義書を作成します。要件定義書には、構築するAWSの概要や導入の目的、導入後の業務フロー、必須条件などが記載されます。AWS構築は要件定義をもとに行われるため、成功を左右する重要な工程となります。そのため、必要な機能などの重要なポイントについては発注側が納得できるまで話し合いましょう。
●設計書作成
発注側が要件定義書を承諾後に、外注先が設計書を作成します。
●各種検証
設計書の作成が完了したら、環境構築前に外注先が事前検証や負荷検証を実施します。
●環境構築
事前検証・負荷検証の結果を踏まえ、設計書をもとにした環境を構築します。環境構築において、発注側が対応する作業は基本的にありませんが、全体の進捗は適宜チェックしましょう。
●テスト報告書提出
環境構築後のテストを実施し、外注先が報告書を提出します。
●システム移行
外注先が、現行システムからAWSへのシステム移行の代行、もしくは、移行作業の一部支援を行います。
システム開発の依頼先の選び方
外注でシステム開発会社に依頼する際は、AWSによるクラウド開発にかかるコストを把握しておくことが重要です。コストをある程度把握したうえで、以下の方法で依頼先を選びましょう。
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AWSを使ったシステム開発の実績のある会社に依頼する
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複数見積もりをとって比較検討する
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マッチングサービスを利用する
ここでは、それぞれの方法について詳しく解説します。
●AWSを使ったシステム開発の実績のある会社に依頼する
一言でシステム開発の会社といっても、会社ごとにどういったジャンルに強みや実績を持っているのかは異なります。そのためシステム開発の会社の中でも、できる限りAWSを使ったシステム開発の実績を持っているところで依頼しましょう。そうすることによって、失敗するリスクを削減し、安定したクラウドサービスを開発してもらうことにつながります。
●複数見積もりをとって比較検討する
システム開発だけに限らず、何かを依頼したり購入したりする際には、複数の選択肢の中から比較検討することは欠かせない要素の1つです。見積もりをとる際には、3社程度に依頼するのがおすすめです。また、見積もりをとる際には依頼するシステムの仕組みを明確に伝えることも大切です。正確に伝わらなかった場合は正しい料金が算出されない可能性があり、比較検討が困難になるため注意しましょう。
●マッチングサービスを利用する
見積もりの依頼をする会社の選定をする工程は、時間がかかってしまうこともあり得ます。その場合は、マッチングサービスを利用するのがおすすめです。 マッチングサービスでは、専門家のアドバイスを受けられるものも多く、専門家と相談しながら見積もりをもらうことが可能です。特に、アウトソーシングのノウハウがない企業の場合、複数見積もりをとって比較検討するためにも、マッチングサービスは必要不可欠だといっても過言ではありません。自社で調べるよりも効率的に数多くの開発会社を見つけられるため、積極的に活用しましょう。
AWSに特化したシステム開発会社を探してみよう
AWSはAmazonが提供するクラウドコンピューティングサービスです。AWSは、インターネット上でサーバやストレージ、データベース、ソフトウェアなどに関する200以上のサービスを提供しています。AWSを使ったシステム開発を依頼する際には、それに特化したシステム開発会社を中心に複数見積もりをとって比較することが大切です。
AWSの料金はサービス別に異なっており、従量課金制で料金が請求される仕組みとなっています。従量課金制では自分の使用したサービスの状況によって料金が変動し、無駄なコストがかかりませんが、明確な予算を算出しにくいデメリットがあります。そのため、AWSを活用したシステム開発を外部に依頼する際には、料金のシステムを把握しておくことが大切です。
発注ナビであれば、独自のネットワークを活かして、AWS開発や導入サポートの経験が豊富な開発会社を最短1日よりご紹介可能です。専門知識をもったコンシェルジュが最適な発注先をご提案いたします。対応社数は全国5000社以上で平均4~5社を厳選し、最短1日でご紹介!ご相談からご紹介までは完全無料です。AWS開発や導入を検討している企業担当者の方は、開発会社探しにぜひご利用ください。
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