AWSとは?Amazonが提供するクラウドサービスの基礎知識とメリット
AWSとは、Amazonが提供しているWebサービスの総称です。
クラウドコンピューティングを利用して、ストレージやデータベース、サーバなど、さまざまなサービスを貸し出しています。
Amazonが使用しているサーバをベースにしているので安定性が高く、個人ユーザーだけではなく企業ユーザーも数多く利用しています。
今回は、AWSについての基礎知識や主なサービス、メリット・デメリットなどをご紹介します。
目次
AWSの基礎知識
AWSは「Amazon Web Services」の略で、名前のとおりAmazonが提供しているWebサービスです。Amazonが自社サイト「Amazon.com」を運営しているノウハウを活用して、2006年7月に公開されました。サーバやデータベースなどのサービスをインターネット経由で貸し出しています。
インターネットを経由してさまざまなサービスを貸し出す方法を「クラウドコンピューティング(クラウド)」といいます。反対に、自社内にサーバなどのすべての設備を用意することを「オンプレミス」といいます。
クラウドコンピューティングのサービスには、レンタルサーバやデータベースのほか、ストレージを利用したデータの保存やバックアップ、ソフトウェアのオンデマンド配信なども含まれます。
クラウドコンピューティングでは、ユーザーはサーバなどの設備を用意する必要がありません。インターネットに接続できる環境さえあれば、必要なサービスを必要な分だけ自分のシステムに導入して利用できます。必要なコストはサービス利用料のみです。
Amazonのようにクラウドコンピューティングの提供者は「クラウドサービスプロバイダー」、または「クラウドプロバイダー」と呼ばれます。AWSは米国東部、西部、南米、ヨーロッパ、東南アジア、東アジア、オセアニアなど11の地域で展開し、2017年11月現在、世界190カ国で100万人以上のユーザーが利用しています。小規模なスタートアップ企業から大企業、米国の政府機関などもAWSのユーザーです。

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AWSが選ばれる理由
世界のクラウド市場では、Amazonのほか、Microsoft、Google、IBMの主要4社がシェアの過半数を占めています。なかでも、AWSは大手クラウド事業者を抑えて世界シェアトップを誇っています。
●必要なサービスのみを選べる
AWSには「AmazonEC2(仮想サーバ)」をはじめ、90以上のサービスが用意されています。企業経営に必要なあらゆるWebサービスやITリソースを網羅しているため、必要に応じてAWSの機能を組み合わせて導入することで、さまざまなサービスを柔軟に利用できます。
●従量課金制
AWSは初期費用がかかりません。費用はサービスを利用した分だけ、利用時間や通信量に応じた料金を支払います。パッケージサービスではないので、使わないサービスに無駄な出費をすることがなく、途中でサービスを拡大したり追加したりすることも可能です。
例えば、レンタルサーバなどはアクセスに合わせて必要な量を調整できます。そのため、アクセスが多ければ自動的に料金が変わり、経理上は固定費ではなく変動費となります。
●セキュリティが高い
AWSは、もともとAmazonが自社のサーバとして運営に利用していたものを提供しているサービスです。Amazon.comには日々多くのアクセスやトランザクションを処理し、最新のセキュリティ状態を保っているという実績があり、ユーザーからも信頼されています。
また、医薬品や金融機関、政府機関などのさまざまな規制を満たす高いセキュリティレベルを保ち、各国の規制やコンプライアンスにも対応しています。
●パフォーマンスが高い
AWSのサーバは世界11の地域に分散していて、ユーザーに最も近い設備からサービスが提供されます。ハードウェアは定期的に最新のものに更新されているため、常に高いパフォーマンスが実現可能です。
AWSのサービス
AWSでは大きく分けて90以上、細分化すると700以上ものサービスが提供されています。ユーザーはAWSの中から利用したいサービスを借りてデータベースを作成したり、自分のサイトを公開したり、開発したWebサービスを提供したりしています。そのため、ただ「AWS」というだけでは、どのサービスを利用しているのかはわかりません。
●AmazonEC2(Amazon Elastic Compute Cloud)
EC2は、必要なときにだけ使用できる仮想レンタルサーバで、料金は利用する容量とアクセス量に応じて変化します。AWSの中でも特にユーザー数の多いサービスです。
「Elastic(弾力のある、伸縮自在の)」という名前のとおり、運営しているWebサイトの規模やアクセスによる負荷に応じて、利用する容量を変更できます。これにより、キャンペーンを行ったり、コンテンツがSNSでシェアされたりして突発的にアクセス数が増加しても、容量オーバーでサーバがダウンすることはありません。
●RDS(Amazon Relational Database Service)
RDSはマネージド型のデータベースサービスです。OSやDBMSをインストールしたり、運用管理をしたりする必要がないので、リレーショナルデータベースの運用を簡単に行うことができます。MySQLやOracle、SQL Serverなどに対応しており、それぞれの機能をフルに利用できます。
自動バックアップも可能で、アクセスの負荷を軽減したり、冗長性を持たせたりすることもできるため、大規模なデータベースの構築・運用も可能です。
●Amazon CloudFront
CloudFrontは、コンテンツデリバリーネットワークサービスです。動画や画像などのコンテンツファイルを、コンテンツデリバリーネットワークを介してユーザーに配信することで、Webサイトでコンテンツを簡単に配信できます。初期費用や毎月のコストは必要なく、EC2と同じように利用した分だけの費用が発生します。
●Amazon S3(Amazon Simple Storage Service)
S3はAmazonのサーバを利用したストレージサービスです。データをクラウド上に保管して、どこからでもデータを閲覧・保存できます。利用した分だけの料金がかかるので、気軽に利用できます。
開発やデータベースのバックアップなど、容量の大きいデータにも対応しており、Webサービスやシステムに導入してデータを別のシステムに受け渡すための保管場所などに利用することもできます。
さらに大量のデータの場合は、スピードにやや難があるものの、低コストの「Amazon Glacier」というサービスを利用することもできます。
ほかにもDNS、VPC、システムのモニタリング、オンライン決済、アカウント管理、動画変換などAWSにはさまざまなサービスがあり、必要なものだけを連携して利用可能です。
AWSのメリット・デメリット
AWSはとても便利なサービスですが、メリットと同時にデメリットもあります。サービスを利用する前に、メリット・デメリットの両方を検討しておきましょう。
●メリット
AWSは、サーバなどのハードウェアやアプリケーションソフトウェアを購入したり、設置したりする必要がないので初期費用が必要なく、契約費用もありません。料金は利用量に応じて決まります。小規模なスタートアップでも大企業でも、それぞれのスタイルに合わせて利用できます。
また、すぐに利用を開始できる点も大きなメリットです。オンプレミスサーバのようにサーバの選定や設定などは必要ありません。ハードウェアやソフトウェアの選定や設置はAWSが行うので、ユーザーはすぐに使い始めることができます。準備期間が不要のため、時間や人手を節約して、システム開発に集中できます。
●デメリット
AWSは利用量に応じて料金が変化するサービスが多いので、毎月の費用が一定ではありません。使った容量は見ることができるので、ある程度の見積もりを出すことはできますが、請求書が来るまで正確な料金がわからないのが一般的です。
毎月のコストが固定費ではなく変動費になるのはメリットですが、請求額がわからないのはデメリットといえるでしょう。
AWSが提供しているのは、サービスのみです。豊富なメニューが揃っていますが、サービスの利用方法について個別のサポートはありません。実現したいWebサイトやWebサービス、さらにAWSの導入などは自分で行い、トラブルが発生した際も対処する必要があります。
利用価値が高いAWSの豊富なサービス
AWSはほかにも、エンタープライズアプリケーションやモバイルサービス、ゲーム開発のためのサービスなど、豊富なサービスを取り揃えています。
大量のアクセスやトランザクションにも耐えるサーバを持っているなど、企業が使いやすい特徴があります。
すぐに利用を開始でき、使った分だけ料金を支払う従量課金制なので、使い勝手の良いサービスといえるでしょう。

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