現在では多くの企業が、自社が提供している商品やサービスに対してブランドサイトを制作するようになってきました。サイト制作をするにあたって、ブランドサイトがほかのサイトとどう違うのか、どのように構成すれば良いかを悩む方も多いでしょう。本記事ではブランドサイトの目的や役割から、ほかのサイトとの違い、実際に制作する際のポイントまでを解説しています。ブランドサイトの制作や運用をする方は、ぜひ一度本記事に目を通してみてください。
目次
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ブランドサイト制作にありがちな悩みとは
初めてブランドサイトの制作を行う時に、下記のような悩みを抱える方は多くいます。
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ブランドサイトの全体の構成がわからない
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クライアント、ターゲット層の設定に悩んでいる
ブランドサイトを制作するうえで悩みが生じることは、悪いことではありません。こうした悩みを持たずにサイトを制作してしまうと、的外れなブランドサイトを制作しがちです。そのため、しっかりとしたブランドサイトを制作するために、ブランドサイトについて整理をし、理解を深めることが大切です。理解が深まれば、上記のような悩みも解決しやすくなります。
●ブランドサイトとは
端的にいえば、ブランドサイトとは「企業が提供する商品、サービス、ブランドなどについて認知してもらうために作られるWebサイト」のことです。サイトに訪れたユーザーに商品やサービスについて価値を感じてもらい、ブランド力を高めることを目的に作られます。
昨今では、数多くの商品やサービスが乱立しており、市場の中で差別化を図ることが求められてきました。ブランドサイトは商品やサービスに対するブランディングを行い、競争力を高めていくのが大きな役割です。ブランドサイトを制作することで、企業の商品やサービスのファンを増やすことにつながります。
ブランドサイトと別のサイトの違いを認識しよう
企業が運用するWebサイトには、ブランドサイト以外にも下記のようなものがあります。
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コーポレートサイト
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ECサイト
それぞれのサイトとブランドサイトの違いを理解することで、ブランドサイトの目的や役割がどのようなものかを認識できます。
●コーポレートサイト
コーポレートサイトは、直訳すると「企業のWebサイト」です。自社を紹介するためのプロフィールが掲載されているサイトのことで、企業の顔としての機能を果たしています。そのため、どのような会社なのか、自社はどのような製品やサービスを扱っているのか、どのような社会貢献活動を行っているのかなどの情報を掲載します。自社を知ってもらうためのサイトが、コーポレートサイトといえるでしょう。
●ECサイト
ECサイトとは、Eコマース(E-Commerce)サービスを提供しているサイトのことです。
ここでいうEコマースとは、インターネット上で商品やサービスを売買することを指します。ECサイトにはAmazonや楽天市場のようなモール型と呼ばれる所に出店するタイプや、自社サイトで提供する2つのタイプがあります。こうしたインターネット上で商品やサービスの売買を行うサイトがECサイトです。
ブランドサイトの目的・役割を整理しよう
ブランドサイトの目的や役割を整理し、理解することでサイトの制作がスムーズになります。
●目的
ブランドサイトの目的は1つではありません。主に以下のような目的を達成するのが、ブランドサイトです。
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認知度の向上
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価値の向上
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信頼性の向上
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優位性の向上
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購入を促す
自社がどんなに素晴らしい商品やサービスを開発したとしても、利用する顧客やユーザーまで届いていなければ意味がありません。そのため商品やサービスを認知してもらう必要があります。具体的には、テレビCMや街頭での広告、SNSを活用した広告などの施策を行うことで、顧客やユーザーに対しての認知を促します。そして、商品やサービスを認知した顧客やユーザーが、より商品についての詳細を知りたい時に訪れるのがブランドサイトです。
ブランドサイトでは、訪れた顧客やユーザーに対して、商品やサービスの価値を感じてもらうことが重要です。そのためには「この商品は信頼できる」「他社のサービスと比較して素晴らしい」と感じてもらう必要があります。ブランドサイトでは、訪れた顧客やユーザーが商品やサービスに対して、よりポジティブな印象を持つようなサイト作りが求められます。
そして、商品やサービスに対して価値を感じてもらったら、最後は購入を促すことも大事です。顧客やユーザーが利用したいと思った後に、購入までの導線をきちんと設計するようにしましょう。
●役割
目的と同様にブランドサイトが果たすべき役割も複数存在します。
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ブランドイメージの向上
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ECサイトなど販売チャネルへの導線
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購入・利用の成果達成率の向上
まずは、「ブランドイメージの向上」です。ブランドイメージの向上は、ブランドサイトを作るうえで、もっとも重要であるといっても過言ではありません。なぜなら、ブランドサイトによって顧客やユーザーの商品に対するイメージが決まってしまうためです。このような理由から、ブランドサイトは細部にまでこだわって制作することが求められます。
また、商品やサービスに対して好印象を持ってもらった後、購買へ促すために販売チャネルへの導線を確保しておくことも大切になります。ポジティブなイメージを持ってもらった顧客やユーザーに対して、すぐに購入へ移れるように販売チャネルへの導線を整えておきましょう。そうすることで、自社で掲げている購入・利用に対する成果達成率の向上に貢献します。ブランドサイトを制作する際は、こうした役割があることを理解しておくことで、どのようなサイト設計を行えば良いかが把握しやすくなります。
ブランドサイト制作時に意識しておきたいこと
ブランドサイトの制作をする時に意識しておきたいことは、以下の3点です。
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ペルソナを設定する
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ユーザー目線でのコンテンツを制作する
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ブランドの魅力的な情報を発信する
●ペルソナを設定する
ブランドサイトにおけるペルソナとは、端的にいえば「仮想のターゲット」です。ブランドサイトの制作者は、ペルソナを設定することにより、自社の商品やサービスをどんな方に届けたいのかを決めます。ペルソナが大事な理由は、より顧客やユーザーのニーズを把握して、商品やサービスの認知を広めるためです。例えば、「20代社会人の男性」ではペルソナとして不十分です。以下のように、ペルソナはより詳細に設定する必要があります。
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25歳の男性社会人
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新卒3年目で収入は350万円
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平日週5日で働いており、土日休み
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出身は東京
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現在は福岡に勤務中
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休日は1人でキャンプに行くのが趣味
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1人キャンプを充実させる道具を集めたい
上記のようなペルソナを設定することで、よりブランドサイトの具体性が定まります。コンテンツの制作も具体性を持たせられるので、より効果の高いブランドサイトの制作につながります。反対にペルソナが設定されないと、ターゲット像がぼんやりとしてしまうため、魅力的なブランドサイトを制作しにくくなるでしょう。
●ユーザー目線でコンテンツを制作する
サイトに訪れたユーザーに価値を感じてもらえなければ、ブランドサイトは意味がありません。そのため、顧客やユーザーがどんな情報を知りたいと思うのかを一番に考え、ユーザー目線でコンテンツを制作する必要があります。ユーザーにメリットを感じてもらえるようなコンテンツ制作を行ううえでも、ペルソナの存在が役立ちます。
●ブランドの魅力的な情報を発信する
ブランドサイトに訪れるユーザーの多くは、特別感やお得感を求めています。ブランドサイトを訪れたことで知り得た情報や、ブランドサイトに訪れたからこそできた体験などに、顧客やユーザーは価値を感じます。そのため、ブランドの魅力的な情報を発信することが大事です。先述したようにユーザー目線でコンテンツ制作することを意識し、ブランドイメージをアップさせることが求められます。
例えば、文章より写真を多めにしたほうが、魅力的に伝わるブランドもあれば、写真よりも動画コンテンツを多くしたほうが商品の良さを伝えられるブランドもあります。自社のブランドイメージに沿った形式で、コンテンツを魅力的に伝えていくことが求められます。
ターゲット設定のポイント
ブランドサイトのターゲット選定のポイントは「セグメンテーション」と「ターゲティング」です。
セグメンテーションは、先述したペルソナの設定にも通じます。具体的には地域や気候などの「地理的変数」、性別や年齢、職業などの「人口動態変数」、ライフスタイルなどの「心理的変数」、価値観などの「行動変数」とあらゆる切り口から、自社がターゲットにしたい人物を絞り込んでいきます。セグメンテーションによって大まかな人物像をつかみ、ペルソナによってより詳細な人物像へと落とし込むイメージです。
一方のターゲティングとは、「自社ブランドが勝負する市場を選ぶこと」です。自社のブランドを売り込むのに勝負する市場を絞り、その市場に合った商品やサービスを提供するための戦略を練っていきます。市場を選択する際は自社のブランドの強みを活かし、他社の商品やサービスよりも優位に立てることが重要です。
こうしたセグメンテーションやターゲティングを行い、戦略に沿ったブランドサイトを構築していきます。また、ブランドサイトは制作するだけでなく、より認知されるためにSEOやCROといった施策も必要になってきます。こうしたSEOやCRO施策まで手が回らない場合は、ホームページ制作会社に依頼するのも1つの方法です。下記の記事に詳細を記載しています。
参考事例を紹介
以下では、ブランドサイトを展開している参考事例を2つご紹介します。ぜひ自社のブランドサイトを制作する際の参考にしてみてください。
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コカ・コーラ
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日産自動車
●コカ・コーラ
世界的な企業であるコカ・コーラでも、ブランドサイトを展開しています。サイトを開くと、コカ・コーラのイメージカラーでもある赤色を基調に作られているのが特徴です。また炭酸のようなデザインも施されていて、誰もが一瞬でコカ・コーラのサイトであるとわかる工夫がされています。
また、気になる商品をクリックすると、すぐにAmazonなどの販売ページに飛ぶリンクが貼られており、販売チャネルへの導線もきちんと掲載されています。このほか、コカ・コーラに合う食事や現在展開中のキャンペーン情報までもが網羅されており、訪れたユーザーが価値を感じるコンテンツが数多く設置されているのも特徴です。
●日産自動車
日産自動車のブランドサイトでは、まずキャッチコピーが掲載されているのが特徴です。テレビCMなどでもおなじみの「やっちゃえNISSAN」が表示されるようになっており、日産自動車全体のブランドサイトになっています。
サイト内には日産自動車が自動車開発で行っている技術の紹介や、日産自動車の自動車ブランドの特設ページへ飛ぶリンクも設置されています。シンプルかつスタイリッシュなサイトとなっており、技術力の高さや手が届きそうなラグジュアリーさを感じる演出がちりばめられているのも特徴です。
自社に制作するノウハウがないなら制作会社に依頼するのがおすすめ
ブランドサイト制作をするノウハウがない場合は、制作会社に依頼をすると良いでしょう。昨今は、Webサイトの設計開発を得意とする企業も多く、外注(アウトソーシング)で手軽に制作依頼ができます。
ただし、企業によって得意とするWebサイトが異なるという点には注意が必要です。特定の業界に特化する企業や、コーポレートサイトやECサイト作成に長けた企業など、得意とする案件は企業ごとに違います。そのため、自社の希望に見合ったブランドサイトを制作してくれる企業を吟味しましょう。開発会社が何を得意とするかは、企業のオフィシャルサイトを通じて開発実績を確認するのが理想です。また、制作を依頼する際は、見積もりをしっかり取ったうえで、予算を超えないようにしてください。
ユーザーの目線に立ったサイト制作を
ブランドサイトを適切に運用することで、自社ブランドの向上につながります。
大切なのは、ただ商品やサービスの魅力だけを漠然と発信せず、利用してほしいユーザー目線でサイトを設計・運用することです。ユーザー目線になっているサイトを作ることができれば、ブランドに好印象を持ってくれるユーザーは増えやすくなります。そのためには、具体的なターゲットの設定は欠かせません。最初から完璧なブランドサイトは制作できません。魅力的なブランドサイトを制作・運用するため、本記事を参考にしつつトライアンドエラーを繰り返していきましょう。
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