XMLは、文章の見た目や構造を記述するためのマークアップ言語の一種です。
主にデータのやりとりや管理を簡単にする目的で使われ、記述形式がわかりやすいという特徴があります。
一方、HTMLも XML と同じマークアップ言語のひとつです。
どちらもWeb制作に必要な言語ですが、両者にはどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、XMLの基礎知識や特徴、HTMLとの違いについてわかりやすくご紹介します。
目次
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XMLの基礎知識
XMLとは「Extensible Markup Language」の略で、日本語では「拡張可能なマークアップ言語」と訳されます。特定の企業が提供している技術ではなく、インターネット上で使用される各種技術の標準化推進団体である、W3C(World Wide Web Consortium)によるオープンな規格です。
マークアップ言語とは、タグと呼ばれる特殊な文字列を使用して、文章の構造やタイトル、文字の修飾情報などを埋め込んでいく言語です。
タグとは、<〇〇>と</〇〇>のように、スラッシュ「/」のないタグとスラッシュのあるタグで囲むことで、囲んだ文字列を修飾するものです。スラッシュのついていないタグが命令の始まりを示し、スラッシュのついたタグが命令の終わりを示します。タグで囲んだ範囲が、そのまま影響範囲になります。
タグの中の言葉を変えることで、囲まれた文字列に修飾情報を与えることができます。XMLでは、囲んだ文字列をデータとしてわかりやすく管理する目的でタグを使います。
XMLの特徴
XML以外にもマークアップ言語には、HTML、RTF、SGMLなどがあります。では、マークアップ言語の中で、XMLはどのような特徴を持っているのでしょうか。
●データの意味がわかりやすい
XMLはデータの管理ややりとりを簡易にするために、広く用いられているマークアップ言語です。なかでも、XMLがわかりやすいといわれる理由は、データの意味に合わせて要素名を自由に定義し、データを明確に目立たせることができるためです。XMLではタグと呼ばれる文字列を使いますが、囲んだ文字列を修飾するタグの<〇〇></〇〇>の「〇〇」の部分を要素名といいます。要素名が異なれば,修飾する文字列の意味も異なります。XMLは、タグに用いる要素名を自由に定義できます。
例えば、文章中に「新しいオフィスの移転先はA区B町1-2-3です」という記述を出したい場合、新住所の部分をXMLでマークアップすると、
「新しいオフィスの移転先は<住所> A区B町1-2-3</住所>です」
とできます。
新住所を「住所」という要素名でマークアップすることで、オフィスの住所が検索しやすくなります。マークアップは、商品名や品目名、取引先名など任意の種類のデータをわかりやすく設定することが可能です。
●拡張性が高い
XMLはアプリケーション間のデータ交換手段としても用いられます。XMLは拡張性が高いのが特徴で、要素名などのデータ構造を自由に定義できるため、データの管理に向いています。
例えば、商品ID、商品名、価格、販売開始日等の要素名をXML文書内で定義し、データにあたる文字列をそれぞれの要素名のタグで挟みます。データの構造をXML文書内に記述するとテキストベースで成立するため、手軽にデータ交換が行え、そのままデータの格納が可能です。
●あらゆるコンピュータシステムへ適応可能
汎用性の高さと共有のしやすさもXMLの特徴です。記述方式が世界標準で統一されているため、データをXML化することであらゆるコンピュータシステムに応用ができ、情報共有や情報公開を簡単にしてくれます。統一された汎用的な形式でデータを格納しておけば、インターネットを通じて世界中で再利用することも可能です。
XMLとHTMLの違い
語感もよく似たXMLとHTML。どちらもマークアップ言語のひとつです。初心者にとっては混同しがちな2つの言葉ですが、両者の用途はまったく違います。
HTMLとは「Hyper Text Markup Language」の略です。Webページを記述するための表示用言語で、XMLと同じく文章中の文字列をタグで挟むことで、Webページに装飾を施すのが目的です。簡単にいうと、人間に情報をわかりやすく表示するための言語といえます。
一方のXMLは、データ記述用の言語です。文書中のデータをわかりやすくしたり、データを交換したりできます。マシンに情報をわかりやすく、効率よく伝えるための言語といっても良いでしょう。
HTMLを使ってデータを記述し、見た目はきれいに整理されていても、マシン側では文章の意味を理解できません。しかし、XMLを使って文章中のデータの要素名や属性を定義することで、マシン側にデータの重要度(大小関係など)を認識させられます。
役割の違うXMLとHTMLですが、両者を連携させることで効率的なシステム運用を行えます。例えば、XMLでデータを格納・管理したあと、HTMLに変換・表示することも可能です。併用することでそれぞれの苦手な点を補い合い、データをさらに便利に扱うことができます。
XMLの関連ツール
データの構造を記述するのに便利なXML。ただ、XMLはプログラムの仕様なのでさらに効率よく記述したり、データ管理したりするためにツールが開発されています。代表的なXMLの関連ツールを4つご紹介します。
●XMLエディタ/生成ツール
XMLの記述をサポートしてくれるのが、XMLエディタです。従来のテキストエディタではできないXMLの文法チェックが、このツールを用いることで可能になります。編集しながらリアルタイムでの検証ができるタイプもあり、文書の誤りをすぐ発見できるので、効率良くXMLの編集ができます。
●XMLパーサ(処理エンジン)
アプリケーションへのデータの受け渡しを円滑にしてくれるのが、XMLパーサです。XMLパーサは、XML文書からテキストデータを抜き出し、アプリケーションが利用しやすい形に変換します。アプリケーション側にXML文書を解釈したり、変換したりする機能を直接組み込むよりも、XMLの文法などを意識せずに効率的にデータ処理を行うことが可能です。
●XSLTプロセッサ
XML文書を、HTMLファイルやほかのスタイルのXMLに変換するときに使用する実行エンジンをXSLTプロセッサと呼びます。XSLTプロセッサはXML単体ではなく、レイアウトなどのデザイン情報を記述したXSLTファイルとセットで使用し、XML文書を基にWebページに変換する際などに効果を発揮します。
XSLTプロセッサはInternet Explorerなどのブラウザに標準搭載されています。
●データ連携(EAI)ツール
データ連携ツールであるEAIは「Enterprise Application Integration」の略で、異なるシステムやアプリケーション間でデータ同士を連携し、統合化するための仕組みです。より拡張性が高いシステムを構築する場合に役立ちます。
例えば、システムAではデータフォーマットにCSVファイルを、システムBではXML文書をそれぞれ採用している場合、2つのシステム間でデータフォーマットが異なっているため、そのままではデータを連携できません。その際にデータ変換をノンプログラミングで担ってくれるのがEAIです。
データ管理の効率を高めるXMLの汎用性
XML は、HTMLと比較すると馴染みの薄い言語かもしれませんが、データ管理の用途では抜群の使い勝手を誇る言語です。
文書内でデータ構造を自由に定義できる汎用性の高さが魅力で、特に情報を正確にやりとりする必要性がある場合に、XMLは効果を発揮します。
一度使ってみれば、XMLがデータ管理の効率を高める優れた技術であることを実感できるでしょう。
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