CTIシステムという言葉を耳にしたことはありますか。CTIシステムは、日常の身近なところに数多く導入されています。CTIにご興味のある方、CTI開発・導入をご検討中の方に向けて、TI開発に関する基礎知識や費用相場について解説します。CTI開発に失敗しないための選び方のコツについても紹介します。
目次
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【おさらい】CTIシステムの基礎知識
CTIとは、Computer Telephony Integrationの頭文字を取ったものです。コンピュータと電話・FAXを統合する技術を指しています。CTIシステムには様々な機能があり、機能の種類と概要を、以下の表でまとめました。
CTIシステムの機能とは | ||
---|---|---|
機能 | 概要 | 区分 |
データベース照合機能 | 電話番号と顧客データベースを紐づけて照合をする機能 | 着信(インバウンド)の機能 |
自動配分機能 | 着信があった際に空いているオペレーターに電話を振り分ける機能 | |
自動音声応対機能 | 着信に対して自動の音声応対を行う機能 | |
録音機能 | 取引先やユーザーとオペレーターの通話内容を録音する機能 | |
自動発信機能 | 顧客データベースに登録されている電話番号に自動で発信をする機能 | 発信(アウトバウンド)の機能 |
番号入力省略機能 | 電話番号を入力せずにワンクリックで発信が行える機能 | |
ウィスパリング機能 | 通話中のオペレーターに対して第三者が音声を伝えられる機能 |
●CTIを導入したほうが良い理由3選
CTIを導入したほうが良い理由は、3つあります。
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電話業務の効率化
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顧客満足度の向上
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人件費・通信費の削減
●電話業務の効率化
CTI導入のメリットとして、最初に挙げられるのが電話業務の効率化です。従来は、オペレーターが電話対応をしながら記録しなければなりませんでした。録音、メモ、情報入力などの事務をシステム化することで効率アップを図れます。例えば自動架電機能により、受電の電話番号を即座に記録することができます。また、電話を受ける前にPCで発信者情報が通知されるため、聞き間違いや手動による入力ミスなどを低減にもつながります。
さらにポップアップ機能により、電話を受けると同時に顧客管理ツールを参照し、顧客情報を瞬時に確認することができます。検索する時間が短くなるため、顧客を待たせず対応が可能です。
そして顧客とのコンタクト履歴はその都度データ化されるので、オペレーター間で共有され属人化を避けることができます。
●顧客満足度の向上
CTIを導入することで、サービスの品質向上が図れます。CTIに搭載されたモニタリング機能を利用してフィードバックができるからです。フィードバックによってオペレーターの質が向上すると、顧客満足度向上と信頼度アップが期待できます。
また、チャットボット機能やガイダンス機能で案内をすることもできるため、顧客に不満が出にくくなることも、顧客満足度の向上につながります。
●人件費・通信費の削減
CTI導入の3つ目のメリットとして、問い合わせにかかる工数の削減があります。工数が削減できれば、人件費・通信費を減らすことにつながります。CTIを導入すると自動でオペレーターへの振り分けができます。オペレーターにつなぐ、自動音声やガイダンスでやりとりが完了できる、チャットで自動応答するという振り分けを適切に行うことで、オペレーターの工数や人数の適正化が実現できるからです。
CTIについて詳しい解説はこちらで行っています。「CTIとは?システム導入で期待できる効果と自社に合う選び方のポイント」という方は、ぜひご覧ください。
CTIシステムの導入にかかる費用相場とは?
CTIシステムの導入にかかる費用相場は、システムの形態がオンプレミス型とクラウド型かどうかで変わってきます。表でまとめてみると、形態の違いによる費用相場の違いがはっきりとわかるはずです。
なお、ここでいう初期費用とは導入にかかる費用のこと、月額利用料金とはサービス利用で支払う費用のことです。
システム形態 | 初期費用 | 月額利用料金 |
---|---|---|
オンプレミス型 | 数十万~百数十万円(ライセンス費用込) | 基本的になし |
クラウド型 | 無料~数十万円 | 1人あたり数千円 |
さらに追加オプションや保守サービスを利用する場合は、別途費用が必要になります。
●オンプレミス型とクラウド型の費用が違うわけ
オンプレミス型とは、自社に合ったCTIを構築したサーバーを社内に置く方法です。サーバーを設置しなければならないため、初期費用がかかりますが、逆に月額利用料金はかからない場合がほとんどです。
オンプレミス型の費用としては、初期費用は数十万円で、利用者1人あたり1万円以上のライセンス(使用許可証)費用を支払うというものや、初期費用と百人分のライセンスを組み合わせて百数十万円かかるといったものがあります。
一方、クラウド型は企業側のサーバーに置かれたサービスを、インターネットでつないで利用するものです。契約期間が終わると利用できなくなるといった性質があり、このクラウド型の場合、初期費用は比較的低コストで抑えられますが、サービスを継続的に利用するため月額の利用料金が発生します。
クラウド型の初期費用は無料で提供する会社もあれば、数万~数十万円必要な会社もあり様々です。月額利用料金は1人あたり数千円程度の会社が多いです。
●オンプレス型とクラウド型のメリット
CTIのオンプレミス型とクラウド型では、それぞれメリットが異なります。
まずオンプレミス型の最大のメリットは、セキュリティ面が強固である点です。インターネットに接続せず運用するので、サイバー攻撃や顧客データの流出の危険性が低くなります。また、必要に応じてカスタマイズを行うこともできるため、自社に合ったシステムの構築が可能です。
逆に、クラウド型の場合は低価格・低納期で導入できるメリットがあります。増席や会社の移転などがあってもスムーズな移行が可能です。
それぞれの違いの詳細は「オンプレミスとクラウドのメリットを比較!自社に合うのはどっち?」で紹介しています。システム導入を検討されている方は、こちらもご確認ください。
CTIシステムを選ぶポイント5選
CTIシステムを選ぶポイントは、自社の課題を解消できるシステムか、自社のインフラ状況に適しているか、など多角的な視点から検討してシステムを選ぶのが一番です。費用が安いから、機能が多いからといった短絡的な理由では、導入に失敗してしまいます。
先程解説したシステム形態の違いも含め、下記のような視点から検討を重ねて、導入するCTIシステムを決めていきましょう。
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必要な機能が標準搭載している
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システム構築にかかる期間
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他システムとの連携
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サポート体制
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保守管理費用やバージョンアップ費用
●必要な機能が標準搭載している
まずCTIシステムの中に、欲しいシステムが標準搭載されているか確認しましょう。特に、費用が最も安い基本プランの中に必要な機能が含まれていることが、非常に好ましいです。
もし欲しい機能がなかった場合はオプションで追加するか、もしくは必要な機能が追加されている別プランを選ぶしかありません。その場合基本プランよりも、費用が高くついてしまいます。
●システム構築にかかる期間
システムの構築にかかる期間は、どちらのタイプを選択するかによって変わります。オンプレミス型は約3ヶ月から半年程度、クラウド型は数週間程度です。
オンプレミス型は、サーバーを購入してシステムをカスタマイズするため、少し時間がかかります。クラウド型は、すでに構築されたサービスをインターネット経由で利用するため、導入にさほど時間はかかりません。
●ほかのシステムとの連携
CTIを選ぶ場合、ほかのシステムと連携がスムーズかどうかは重要なポイントです。連携がスムーズに行えないと、システムを変更する必要性が出てきます。
CTIは、CRM(顧客管理システム)やSFA(営業支援システム)と連携させる場合が多いでしょう。上手く連携させることで、業務効率化を図ることができます。使いやすさだけでなく、CTI導入の効果を最大限に発揮できるようシステム連携についても確認しましょう。
●サポート体制
事前検討の時に、サポート体制の確認を必ず行いましょう。トラブル発生時のサポート体制がどうなっているかは、自社の信用にもかかわる重要事項です。
特に土日祝日にCTIシステムを稼働させて業務を行うなら、休日でもサポート対応をしてもらえるかどうかを、必ず確認しましょう。
●保守管理費用やバージョンアップ費用
CTI導入の時は、継続して利用することを見越し、ランニングコストも含めた検討が重要です。CTIの導入時にコストが集中するように思われがちですが、月額利用料金とは別に、その後の保守コストも重要なポイントです。システム開発会社によっては、保守管理費用やバージョンアップ費用が別途かかる場合があります。
導入費用と保守管理費用の双方を明確に把握しておくには、販売会社に見積もりの作成を依頼し、会社との密なやりとりが必要です。
まとめ
CTIはコールセンターで多く導入され、業務の効率化やコスト削減、お客様満足度の向上といった様々な効果を得ています。CTIには、初期費用がかかるものの自社に合わせたカスタマイズが可能なオンプレミス型と、インターネット環境が整っていれば短期間で導入が可能なクラウド型の2種類があります。それぞれのメリットと費用相場の違いを突き合わせて、自社の運用に合ったものを検討しましょう。
なおCTI導入を検討中の方へ、自社に合ったシステム開発を行う場合、費用はさらにかかりますが使い勝手は段違いなはずです。
自分だけで調査して、比較して自社に合うシステム開発を探すのはなかなか難しいです。1社ずつホームページを確認して問い合わせ、依頼する会社候補を絞り、様々な要素を比較してみて最終決定を下すのは時間と手間がかかってしまいます。
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