DX化が進む近年、業務効率化を目的に顧客管理システム(CRM)を導入する企業は増加しています。
顧客管理システムを導入する際に、既存のサービスを利用するか、自社で構築するのか、そもそも自社にとって顧客管理システムが必要なのかとお悩みの担当者の方も多いのではないでしょうか。また、実際に導入にかかる費用やランニングコストについて知りたいという方も少なくありません。
この記事では、顧客管理システムを導入する際の費用について、種類別とオリジナルで開発した際の費用相場、メリットやデメリット、選び方などについて幅広く解説します。顧客管理システム導入の際に、ぜひ参考にしてください。
目次
CRMツール選びはプロにお任せ完全無料で4~6製品に選定
顧客管理システム(CRM)の開発費用相場について
顧客情報を効率的に管理するための顧客管理システムには、クラウド型、オンプレミス型、オリジナルCRMの3種類が挙げられます。種類によって、導入費用やランニングコストは異なります。顧客管理システムに求める機能や利用人数(規模)によっても費用が異なるため、自社に合ったものを選ぶことが大切です。 そもそも顧客管理とは、「顧客満足度を向上させるために、顧客と企業(組織)との関係を構築することを重視し、収益性を上げるための経営手法のこと」を指します。そのため、顧客管理システムは、上記の概念をもとにセールス・マーケティングツールとして活用できるシステムだといえます。
顧客管理システムについて、機能の詳細や導入するメリットを知りたい方は、以下もぜひご覧ください。
▷顧客管理システム(CRM)と営業支援システム(SFA)の違い
クラウド型の顧客管理システムの費用相場
クラウド型の顧客管理システムの費用相場は、初期費用が無料のものから数万円かかるものまで様々です。企業から、数多くの顧客管理システムのクラウド型サービスが提供されているため、自社に適した機能や価格のものを選ぶことが重要なポイントです。さらに、初期費用だけではなく、継続的に使っていく際にはランニングコストもかかるため、持続的に使っていける顧客管理システムであるかという点にも注意して選びましょう。
●クラウド型の顧客管理システムの特徴
クラウド型の顧客管理システムは、アカウント(ユーザー数)ごとに、月額料金が決まることが多い傾向にあります。また、クラウドサーバ上にデータを保管するため、物理的な準備が必要ありません。そのため、初期費用が安価、もしくは無料であることが多いです。セキュリティ面においても、大手企業が提供しているような信頼できるクラウドサービスであれば、大きな問題はないといえます。
●クラウド型の初期費用とランニングコストの費用相場
クラウド型の顧客管理システムの初期費用は、無料~5万円程度 です。クラウド型の場合は、インターネット上のシステムを利用し、運営業者が所有するサーバにデータを保管する仕組みです。ユーザーは顧客管理システムのサービスを提供する企業と契約し、アカウントを発行してもらうだけで良いため、大きな開発は必要ありません。そのため、クラウド型の顧客管理システムの初期費用は、主に無料なケースが大半です。一部、カスタマイズできるものもありますが、その場合には別途費用が必要になります。
クラウド型の顧客管理システムは、一般的に利用する1ユーザーごとに月額料金が定められており、ユーザーの数が多いほどランニングコストが必要になります。そのため、顧客管理システムを「利用する従業員の人数×月額料金」というランニングコストが発生するといえます。
一般的な月額料金の相場は、1ユーザーあたり500~1,000円程度です。例えば、利用人数が20人の場合、20ユーザー×5,000円となり、月額1万円程度になります。ただし、顧客管理システムにおいて、ユーザー数が一定数以上の場合は割引がされるケースもあるため、必ずしも上記の計算に該当するとは限りません。
クラウド型の顧客管理システムは、利用サポートや機能などのオプションも最小限にとどめるといった使い方であれば、費用は相場の中でも最安の部類に入ることが多い傾向にあります。しかしその一方で、利用に関するサポートや、多くの有料オプションをつけた際には高額になる可能性もあるため、見積もりを依頼して検討しましょう。
オンプレミス型(パッケージ)の顧客管理システムの費用相場
オンプレミス型(パッケージ)の顧客管理システムの費用相場は、クラウド型よりも高い傾向にあります。オンプレミス型の場合は、自社でサーバを設置したり、ライセンス発行費用を準備したりする必要があるため、クラウド型よりも費用が必要になります。完全オリジナルに比べると費用は抑えられますが、ある程度の初期費用の予算を確保する必要があります。
●オンプレミス型(パッケージ)の顧客管理システムの特徴
オンプレミス型(パッケージ)の顧客管理システムは、あらかじめ社内に設置したサーバにインストールして使用するシステムのことを指します。そのため、その準備にかかわる初期費用が必要になります。また、オンプレミス型CRMは自社サーバで動かすシステムのため、一般的にインターネットを利用して社外で使用することができません。しかしその一方でセキュリティが高いため、インターネットが使用不可になるといったトラブルが起きた際にもシステムを使うことができるという点は大きな強みであるといえます。
●オンプレミス型(パッケージ)の初期費用とランニングコストの相場
オンプレミス型(パッケージ)の顧客管理システムでは、初期費用とランニングコストと分けられないケースもあります。月々の利用料がかかるイメージではなく、その時の状況に応じて見積もりが必要なためです。例えば、20人程度でオンプレミス型の顧客管理システムを利用するとなった場合には、50万~200万円程度が相場です。オンプレミス型の顧客管理システムを利用する際の、主な費用の内訳は以下のとおりです。
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サーバの設置費用:5万円前後
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パッケージ料金:5万~10万円
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ライセンス発行費用:2万~10万円/人(利用ユーザー)
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年間保守費用:5万~30万円
オンプレミス型の顧客管理システムの料金は、社内のネットワーク環境や必要な機能などにより大きく異なります。そのため、クラウド型とは異なり、都度見積もりが必要な場合が多い傾向にあります。初期費用・ランニングコストともに、自社の規模や環境によって費用感は大きく異なるといえます。また、運用にあたっては、サーバを保守するための定期的な点検などが必要です。そのため、年間の保守費用がかかることも念頭において予算を算出しましょう。
オリジナルの顧客管理システムの費用相場
自社に合わせたオリジナルの顧客管理システムを構築する場合、ゼロから作る必要があるため高額になります。オリジナルのCRMを外部の会社に依頼する場合には、100万円程度の費用が必要です。
●オリジナルCRMの特徴
サービスが多様化している時代に合わせたパッケージ製品ではなく、自社のサービスに特化した、無駄がない点が特徴です。また、オリジナルの顧客管理システムを導入する場合、自社の用途に合わせた仕様要件の設定やシステム開発が行われるため、費用だけではなく、工数も必要になります。
●オリジナルCRMの初期費用とランニングコストの相場
オンプレミス型(パッケージ)と同様に、初期費用とランニングコストという区切りで分けることが難しい傾向にあります。自社に必要な機能を選んでフルカスタマイズできるため、開発会社の見積もりによって相場は異なりますが、一般的なオリジナルの顧客管理システムの費用相場は100万円程です。費用の内訳は、以下のとおりです。
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仕様要件の確定費用:20~25万円程度
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システム開発費用:60~75万円程度
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テスト・改修費用:15~25万円程度
※上記はエンジニア1人あたり約5万円程度の費用がかかると考えた場合の相場になります。
開発会社が提示するプラン、および自社で希望する機能や利用人数といった条件によって開発費用は大きく異なるため、複数の開発会社で見積もりをとって比較すると良いです。
顧客管理システム(CRM)を導入するメリット・デメリット
顧客管理システムには、顧客情報をまとめて管理できる機能が備わっているため、様々なメリットがあります。しかしその一方で、デメリットもあるため、導入する際には注意が必要です。ここでは、顧客管理システムを導入するメリットとデメリットについて詳しくご紹介します。
●メリット1:顧客情報集約でき業務効率化につながる
ExcelやMicrosoft Accessなどをローカル環境で管理している場合、部署やチームごとに顧客データが分散し管理が困難になることが起こり得ます。しかし、顧客管理システムによって顧客情報を一元管理することで、部署やチームといった組織にかかわらず、顧客情報を集約できます。顧客管理システムは基本情報だけでなく、これまでの商談履歴や購買履歴なども管理することができ、情報を共有しやすくなります。また、収集した情報をもとに様々なデータ分析を行うこともできます。データ分析は、今後の営業戦略や経営戦略を立てるために必要です。しかし、顧客管理システムを導入していない場合は、Excelなどから情報収集や分析、グラフ作成などを行うことが多いです。顧客管理システムを利用すれば、あらかじめ各担当者が情報の入力を完了しておくことで、レポート作成を自動で行うことも可能になります。このことから、顧客管理システムを導入することによって、業務効率化が実現する点は大きなメリットだといえます。
●メリット2:マーケティング戦略に役立てられる
顧客情報は企業にとって重要な情報資産であり、経営戦略を考える際には欠かせない要素の1つです。顧客管理システムは、収集した顧客に関する様々な情報を一元管理することができるため、分析することによってマーケティングに活用することもできます。以下の観点から情報を抽出することによって、マーケティング戦略に役立ちます。
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効果のあったマーケティング施策の情報
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成約率が高い顧客の特徴
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リピート率
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顧客の離脱原因
収集したデータを正しく分析することによって、自社の強みや弱みが明らかになるため、マーケティング戦略に役立ちます。
●メリット3:顧客満足度の向上につながる
利益を上げて、企業がさらに成長するためには、既存顧客の満足度を向上させてリピーターになってもらうことも重要です。顧客管理システムを導入するメリットとして、「顧客満足度の向上につながる」という点も挙げられます。顧客管理システムを通して顧客のニーズや購買傾向を分析することによって、それぞれの顧客により適している商品やサービスを提案できます。そのため、顧客満足度の向上につながるといえます。また、顧客管理システムでは、以前の問い合わせ内容や取引履歴を一元管理することができるため、それらを把握して適切に対応することも可能になります。よって、より顧客からの信頼を得ることにもつながります。
●デメリット1:各種費用がかかる
顧客管理システムを導入することにはメリットが数多くありますが、その一方でデメリットもあります。まず、「各種費用がかかる」という点が挙げられます。顧客管理システムを導入する際には初期費用が、運用している間はランニングコストが発生します。利用するシステムや機能、利用規模によって必要な費用は異なりますが、継続的に費用が発生するため、導入に失敗し、活用できない場合にはコスト面においてマイナスになってしまうといえます。しかしその一方で、顧客管理システムを上手に活用できれば、負担するコスト以上のメリットが得られます。顧客管理システムは導入するだけでなく、継続的に活用することが重要なポイントであるため、無理なく継続して運用できるものを選びましょう。
●デメリット2:社内に定着するまで時間がかかることもある
顧客管理システムの導入当初は、情報入力や収集した情報を分析するなどといった作業を社内に定着させることに時間がかかることもあり得ます。前項でもお伝えしたとおり、顧客管理システムは導入することだけでなく継続して活用することが重要です。そのため、情報入力やデータの分析の習慣を社内に定着させる工夫が必要になります。例えば、部署やチームごとに顧客管理システム導入のリーダーを置き、ツールの使い方などを質問しやすい環境を作ったり、入力や分析などの機能がわかりやすいシステムを検討したりといった工夫をしましょう。
顧客管理システム(CRM)が持つ機能をチェック
導入する顧客管理システムによって、搭載されている機能は異なりますが、主な機能は以下の3つが挙げられます。ここでは、顧客管理システムが持つ機能について詳しくご紹介します。
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顧客情報の管理
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各種データ分析
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メールマガジン配信
●顧客情報の管理
顧客情報の管理機能は、顧客管理システムの最も基本的な機能だといえます。既存顧客、見込み顧客にかかわらず、自社が保有する全顧客の企業名、住所、担当者名、所属部署、過去の取引や問い合わせの履歴などをデータ化して、一元管理する機能です。具体的に管理できる情報は、以下の4つが挙げられます。
顧客の氏名や連絡先
顧客の基本情報の管理が可能です。機能が似ている名刺管理ツールで管理できるような、名刺に記載されている顧客担当者の氏名や会社の住所、電話番号、メールアドレスといった情報を、顧客管理システムでも管理できます。
過去の購入歴や取引履歴
管理できる情報は顧客の氏名や連絡先だけでなく、顧客の過去の購入履歴や取引履歴も挙げられます。こういった情報は、直接接触した担当者に属人化されてしまうことも起こり得ますが、顧客管理システムを導入して一元管理することによって、マーケティング戦略に役立てることができます。また、担当者の変更やトラブルが起きた際にもスムーズに対応できるようになります。
問い合わせの履歴
過去の購入や取引の履歴だけでなく、問い合わせの履歴を管理できる機能もあります。顧客の問い合わせ履歴までデータで管理し把握することによって、適切に対応することが可能になります。そのため、より顧客からの信頼を得ることにもつながります。
レビューやクレーム
顧客のレビューやクレームも、顧客管理システムで管理できる情報の1つです。顧客のレビューを把握することで、それぞれの顧客により適している商品やサービスを提案できます。また、クレーム情報を管理することによって、担当者が急に不在になった際にも担当者を問わずに迅速に対応することが可能になります。
各種データ分析
各種データ分析機能は、顧客管理システムに登録し収集した顧客情報をもとに、顧客の見込み度合いを自動で分析したり、図などによって可視化されたレポートを作成したりといった機能のことを指します。顧客の購買傾向などの様々なデータを分析することによって、それぞれの顧客に適したアプローチを行ったり、マーケティング戦略を立てたりすることが可能です。分析結果をもとに、訴求すべき商品やサービスを変更したり、メールマガジンの配信内容を変えたりすることができる機能が搭載されたシステムもあります。売上の向上を実現するためには、現状を正確かつスピーディーに把握し、課題の洗い出しや改善施策の実施といったPDCAを回すことが重要な要素の1つです。顧客管理システムの各種データ分析機能は、PDCAを回す際に大きく役立ちます。
●メールマガジン配信
メールマガジン配信機能は、顧客名簿と連動し、登録されている全員や指定した条件に当てはまる顧客のみに、一斉にメールを配信できる機能のことを指します。収集した顧客の情報をもとに分析した、それぞれの顧客に対して最適なアプローチや商品提案の結果に基づいてメールマガジンの配信を行います。メールマガジンの配信だけでなく、広報リリースの配信、イベント開催のお知らせなど、送信先が多くなるメールを送信できます。それぞれの顧客に最適なキャンペーン情報やイベント情報を送ることによって、顧客との信頼関係を築くことにつながるといえます。また、送信するだけでなく、送信したメールを受信者が実際に開封した割合や、メールに記載されたURLをクリックした割合などを集計、分析する機能が搭載されているシステムもあります。これらの情報は、今後の営業やマーケティング戦略にも役立ちます。
顧客管理システム(CRM)の選び方
前述のとおり、顧客管理システムは導入することだけでなく継続して活用することが、売上の向上や企業の成長にとって重要な要素の1つです。そのため、自社に適した顧客管理システムを選ぶことが大切です。選択するシステムを誤ってしまうと、「誰も利用しない」「必要な機能がなく不便」といった事態に陥ることも起こり得ます。顧客管理システムを選ぶうえでのポイントは、以下の4つが挙げられます。ここでは、顧客管理システムの選び方のポイントについて詳しくご紹介します。
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わかりやすい操作性を備えているか
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高い費用対効果が見込めるか
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自社の戦略に合う機能を備えているか
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ほかシステムとの連携が可能か
●わかりやすい操作性を備えているか
搭載されている機能も重要な要素ではありますが、誰もが利用できるわかりやすい操作性も重要です。システム導入にあたって、操作に関するセミナーの開催やマニュアルの作成が必要となると、企業にとって大きな負担になりかねません。起動方法や操作方法、画面の見方、文字の書体などにおいて、「どんな社員でも簡単に使えるかどうか」ということを必ず検証しましょう。初めて使う方でもわかりやすいインタフェースであるかを確認し、複雑ではない操作性のツールを優先して選ぶことも大切です。
●高い費用対効果が見込めるか
顧客管理システムを導入する際には、導入時の初期費用と継続利用のためのランニングコストが必要になります。顧客管理システムを導入することによって業務効率化につながりますが、業務が効率化されても回収できないほどコストが嵩んでしまうようでは本末転倒です。機能が豊富なシステムはその分高額になるため、将来的に利用する見込みがない機能が搭載されているシステムを導入することは避けましょう。導入後の費用対効果を見込んだうえで、コストパフォーマンスをシミュレーションすることが重要です。
●自社の戦略に合う機能を備えているか
「自社の戦略や改善したい業務に適した機能を備えているか」ということも顧客管理システムを選ぶ際の重要なポイントの1つです。システム導入の失敗例として、「思っていたほどのことができなかった」「システムが自社の業務内容や戦略に合わなかった」などというケースが挙げられます。具体的な自社の戦略や改善したい業務、目的について、実際に利用する社員を含めて話し合っておきましょう。話し合いで明確になったことをもとに、最適な機能が搭載されているシステムを選ぶのがおすすめです。
●ほかのシステムとの連携が可能か
顧客管理システムがほかのシステムと連携できることによって、登録した情報を転記する業務を削減できます。ほかのシステムと連携できれば、ミスの削減や業務の効率化などといった様々なメリットが得られるため、「自社の利用しているサービスと連携できるか」という点も選び方のポイントとして挙げられます。また、近年は、X(旧Twitter)やLINE、InstagramなどのSNSをマーケティングに利用している企業も増加しています。そのため、これらのSNSとの連携が可能なシステムであれば、より効果的な活用が期待できます。
顧客管理システム(CRM)の導入までの流れ
顧客管理システムの導入を成功するためには、サポート体制の確立や支援などが重要です。あらかじめ大まかな導入のプロセスを把握することによって効率的に計画を進めることができるといえます。ここでは、顧客管理システムの導入までの流れについて詳しく解説します。
●導入目的や目標設定・社内共有
顧客管理システムを導入する際には、目的や目標を決めることが重要な要素の1つです。目的や目標がなければ、それに合わせたシステムを選ぶことができません。また、せっかく導入しても目的が異なる場合、費用対効果が見込めません。そのため、導入前に自社の課題を明確にし、導入の目的や目標を設定しましょう。目的や目標が設定できたら会社内での共有が必要です。顧客管理システムを使うことには、社員間の連携が欠かせません。そのため、あらかじめ導入の目的や意図を共有しておくことによって、よりスムーズに運用することが可能になります。「顧客管理システムを活用することが売上の向上につながる」というポイントを会社全体で共有できれば、システム導入への理解も深まるといえます。
●必要な機能の洗い出し
導入目的や目標の設定が完了したら、必要な機能を洗い出しましょう。顧客管理システムは数多くあります。基本的な機能は同様であるものの、中には特徴的な機能を備えていたり、特定の機能に特化したりして、差別化を図っています。そのため、自社に最適なシステムを選ぶには、必要な機能を洗い出しておくことが重要なポイントになります。
●担当者・ツール選定
顧客管理システムの導入にあたって、担当者を選定することによってより効果的に運用できます。特に、導入当初には細かいデータ項目の入力を行わなければなりません。専門の担当者がいることでスムーズに使いこなせるようになるといえます。また、実際に導入するうえで最適な顧客管理システムを選んでいきましょう。先述のとおり、顧客管理システムも多様化しており、豊富な種類の中から自社のサービスや業種に応じて適したサービスを利用できます。1社のツールだけに絞るのではなく、必ず何社か選んで具体的な見積もりを出したうえで、自社に最適な顧客管理システムを選ぶようにしましょう。
●トライアルを活用してツールを比較
近年の顧客管理システムのサービスには、トライアル期間が設定されているものが多くあります。数日間などといった短期間では正当に評価することが難しいため、最低でも2週間から1ヶ月の期間、選定したツールを実際に運用してみましょう。実際に使用してみることによって、自社にとっての新たな課題や必要な機能が判明することも起こり得るため、複数の部署と連携し、比較を行いましょう。また、初めて顧客管理システムを導入する場合は、わかりやすい業務に活用するところからスモールスタートし、うまく運用できそうであれば徐々に範囲を広げていくやり方がスムーズなため、おすすめです。
●運用ルールの設定
顧客管理システムの導入において、運用ルールを設定しておくことも重要です。例えば、システム管理の担当者や顧客データベースのオーナーの部署・部門などについては事前に決めておきましょう。実際に運用をしてうまくいかない部分があれば、都度見直しや改善を行うことも大切です。効果測定や営業手法の改善が必要になることも視野に入れて、最大限活用できるようなルールや体制を整えましょう。
見積もり依頼時のチェックポイント
複数社に見積もりを依頼し、見積書を受け取った後は、依頼した内容や項目、数量や単価に誤りがないかを最初に確認しましょう。複数の見積もりを比較する時は、どの見積書も予算の範囲に収まっているのかを見るためにも、合算した金額も確認することが大切です。
チェックするポイントとして、「作業項目」が挙げられます。「顧客管理システム開発一式」などといったように、特に細かい内訳が記載されていない場合は注意が必要です。細かい項目として記載されていない内容では、実際にどのような作業を行うのかが不明確なためです。不要なことまで作業工程に含まれており、その分のコストまで請求されることも起こり得ます。工数や価格が妥当であるかをチェックするためにも、個別の作業項目の確認は重要なチェックポイントだといえます。
見積書が「顧客管理システムの開発一式」というような形式だった場合は、具体的な項目を明記してもらうよう再度依頼しましょう。作業項目の単価は依頼する会社によって様々ですが、ある程度の相場があります。上記で紹介している価格を参考にしたり、複数の見積書を参考にしたりして単価が妥当であるかを確認しましょう。また、見積書に注意書きがある場合もあります。注意書きを見落とさないよう、しっかり確認することも大切です。
顧客管理システムを導入することによって、業務の効率化や顧客満足度の向上など、得られるメリットは数多くあります。ただし、導入する際には自社に最適なシステムを選ぶことが重要です。しかし、自社だけで外注先を選定するとなると、どんな開発会社を選べば良いのか迷ってしまうこともあります。
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