EC-CUBEとは?基礎知識と特徴をわかりやすく解説

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通信技術が発達し、誰もがネットショッピングを楽しめるようになった現代では、「販売拡大のためにネットショップを開業したい」と考える企業担当者や店舗オーナーの方も多いことでしょう。
今回は、ネットショップの開業に役立つEC-CUBEについて詳しく紹介します。
 

目次

 

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ECサイトとは

EC-CUBEの紹介をする前に、「ECサイト」について説明をしておきましょう。ECサイトとは、ネットオークションやコンテンツ配信サイトのように、電子商取引を行うウェブサイトの総称を指す言葉ですが、国内においては「ネットショップ」という意味で使用されています。スマホやタブレットといった通信機器の普及によって、ネットショッピングが手軽に行えるようになった影響に伴い、ECサイトを運営する企業やお店は増加傾向にあります。

国内のECサイト・ネットショップ実稼動店舗数

※出典:eコマースコンバージョンラボ【2019年最新版】国内のECサイト・ネットショップの総稼働店舗数

ECサイト戦略のコンサルを担う「エンパワーショップ株式会社」の調査によると、「国内のECサイト・ネットショップ実稼動店舗数」は2019年度で270万9,043店舗という結果が出ています。2017年度の同調査では、189万1,637店舗という結果が出ている結果から算出すると、わずか2年という期間で、80万近いECサイトが増えている計算です。

世間にインターネットが普及し始めた1990年代は、ECサイトで販売される商品も、大型家電や健康食品といった限定的なものがほとんどでした。令和の現代では、地域の特産品から日用雑貨に至るまで、あらゆる商品がECサイトで取り扱われています。

 

EC-CUBEとは

EC-CUBE(イーシーキューブ)とは、このECサイト製作に役立つオープンソース型ソフトウェアのことです。大手のディスカウントストアとしてお馴染の「ドン・キホーテ」や、書店チェーンとして知られる「ジュンク堂書店」など、実際にEC-CUBEを導入している著名なECサイトも数多く存在します。

主な特徴として、企業やお店が商品紹介を行うページや、ユーザーが実際に商品の注文を行うページの制作など、ECサイトに不可欠なWebページを作るための機能が網羅されています。このほか、EC-CUBEには商品別の売上集計や在庫管理といった、製作したECサイトを管理するための機能も備わっています。さらに、EC-CUBEはオープンソース型のため、自由にインストールをして使用できるほか、プラグインを利用して好みの機能を後から追加することも可能です。

WordPressやホームページビルダーのように、Webサイト製作に役立つソフトウェアは数多く存在しますが、中でもEC-CUBEは、Webサイトの中でもECサイトの製作に特化しています。

 

EC-CUBEを使用するメリット

●開発コストを抑えてECサイトを作れる

EC-CUBEを利用するメリットとして挙げられるのが、製作コストの安さです。もしも、ECサイトを独自に開発しようと考えた場合、ゼロから設計を行う必要がある分、開発に掛かるコストも増大します。EC-CUBEを使えば、ECサイト製作に必要な機能が揃っているおかげで、コストを抑えてサイト製作を行うことができるのです。

 

●運用コストを抑えてECサイトを運営できる

運用コストの安さもEC-CUBEのメリットとして挙げられます。例えば、Yahoo!ショッピングのようにショッピングモール内でお店を開く場合、出店数や売上額などに応じて、月額出店料や手数料の店舗運用費用が発生します。EC-CUBEを使ってECサイトを運営する場合は、この運用費用が発生しないためコストを抑えて店舗運営をすることが可能です。ただし、ECサイトを運営するにあたって、サーバーやドメインの使用料に関しては支払う必要がある分、完全に無料ではないという点を留意しておきましょう。

 

●カスタマイズ性が高い

ECサイトを作るうえで、カスタマイズ性の高さもEC-CUBEのメリットと言えます。例えば、サイトデザインの面では、豊富なテンプレートの中からデザインを選べるので、サイト運営者や商品のイメージに合ったECサイトの製作を行うことが可能です。また、機能面においても、数多くのプラグインが充実しています。「商品をもっと速く表示させたい」、「ECサイト内に自動翻訳機能を付けたい」、「定期販売がしたい」といった細かな要望も、すべて拡張機能で対応が可能です。

 

●情報共有できるコミュニティが充実している

EC-CUBEは開発や店舗運営に関わる人に向けたコミュニティが充実しています。困ったことがあっても、ほかのユーザーにすぐに質問できる体勢は整っているため、初心者でも問題解決がしやすい点も特徴です。EC-CUBEは日本で作られたソフトウェアなので、国内の利用者が多く、日本語で質問しやすい環境が整っています。

 

EC-CUBEを使用するデメリット

●サイト製作と管理のスキルが必要

EC-CUBEは、あくまでECサイト製作と管理の機能に特化しているだけで、提供元からマニュアルは公開されていません。そのため、サイト製作の知識がまったくない状態では、ECサイトを作ることは困難でしょう。カスタマイズの内容によってはプログラミング言語の知識が求められます。先に挙げた通り、初心者向けのコミュニティこそ充実していますが、万が一、ECサイトでシステムエラーが発生した場合においても、運営者自身が自己責任で対処をする必要があります。

 

●集客力がない

EC-CUBEでECサイトを作った場合、ECサイトの集客は運営者自身で行う必要があります。例えば、楽天市場やAmazonのようなショッピングモール内でお店を開く場合、ある程度の集客力を期待できます。これは、ショッピングモールの利用者が多いことに加え、楽天やAmazonが持つ知名度のおかげで、ユーザーからの信頼を得やすいためです。しかし、EC-CUBEには集客や宣伝を行う機能は存在せず、ショッピングモールのような集客力を期待できません。

 

EC-CUBEの動作環境と導入方法

分類 ソフトウェア Version 動作確認済み
WebServer Apache 2.4.x
(mod_rewrite / mod_ssl 必須)
2.4.6
PHP PHP 7.1 〜 7.2.19
Database PostgreSQL 9.2.x / 10.x
(pg_settingsテーブルへの参照権限 必須)
9.6.6
Database MySQL 5.5.x / 5.6.x / 5.7.x
(InnoDBエンジン 必須)
5.6.33
Database SQLite(開発用途向け) 3.x
OS ブラウザ
Windows(Windows7以降) Internet Explorer11以降
FireFox 最新
Google Chrome 最新
Mac(OS X以降) Safari 最新
iOS (10以降) Safari 最新
Android (4.4以降) 標準ブラウザ 最新

※出典:EC-CUBE EC-CUBE 4.0 開発者向けドキュメントサイト

 

公開されている、EC-CUBE4.0の動作環境は上記の通りです。それ以前のバージョンの動作環境や導入手順については、EC-CUBEの公式ホームページを確認してください。EC-CUBEのインストールには、事前にComposerやDocker Desktopの導入が必要となります。ですが、初心者の方であれば、Webインストーラを用いた初心者向けのインストール方法と手順が公開されているので、導入が難しいようであれば、EC-CUBEの 開発者向けドキュメントを参照にしても良いでしょう。

 

EC-CUBEのライセンスとは

●GPLライセンス

EC-CUBEを使用するには、GPLライセンスと商用ライセンスのどちらかのライセンスを選択する必要があります。GPL(GNU General Public License)ライセンスは、無償で利用できるライセンスです。すべての機能を使用できますが、オープンソースであるEC-CUBEをカスタマイズしてECサイトを製作した場合、カスタマイズ後のソースコードを公開する必要あります。

 

●商用ライセンス

商用ライセンスは、有料で利用できるライセンスで、1サイトにつき26万4,000円かかります(令和2年現在)。使用できる機能は無償版と同じですが、こちらはソースコードを公開する必要がありません。ほかのネットショップにはない独特な機能を搭載したECサイトを製作し、ソースコードを非公開にしたい場合においては、有償版の利用をおすすめします。

今回は、EC-CUBEについて紹介しました。企業担当者の方の中には「インターネット上でお店を開く」という行為に、ハードルの高さを感じてしまう方も少なくないでしょう。そんなハードルの高さを限りなく下げてくれるのがEC-CUBEです。機能性に優れたEC-CUBEを使って、お店の開業や運営を検討してみてはいかがでしょうか。

 

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