販売業務を効率化したいけれど、コストは抑えたい—そんな企業にうってつけなのが「無料の販売管理システム」です。本記事では、受注・在庫・請求などを一元管理できる無料ツールの仕組みや有料版との違い、導入時に気をつけたい選び方のポイントや、おすすめの無料ツールまで紹介。初めてシステム導入に挑戦する中小企業や個人事業主の方に向けて、コストをかけずに業務改善へ踏み出すヒントを解説します。
目次
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無料の販売管理システムとは?
販売管理システムは、企業が行う受注や在庫、請求といった一連の販売プロセスをひとまとめに管理できるシステムです。これらの業務を個別のツールやシートで別々に管理していると、データを重複して入力する手間や、入力ミスが起きやすくなります。
しかし、販売管理システムを利用すれば、必要な情報を一か所に集約することができるほか、入力の手間も削減できるため、販売管理における作業効率を高めやすくなります。そんな販売管理システムの中には、無料で使えるものもあります。導入時の費用をなるべく抑えたい企業や、こうしたシステムをはじめて導入する企業にとっては、大きなコストをかけずに試せることため良いでしょう。
特に、初めて販売管理システムを導入する企業にとっては、導入のハードルが低いことが大きなメリットになります。受注管理や請求書発行などの基本機能さえ揃っていれば、手間のかかる書類作成や転記が大幅に減り、人的ミスを軽減して業務を進めることができます。
●無料版と有料版の販売管理システムの違い
前述の通り、販売管理システムは無料で使えるものから有料のものまで様々です。よくある大きな違いとしては「各種制限の有無」が挙げられます。
例えば、無料版はユーザー数や取り扱える伝票数に一定の上限が設けられている場合が多く、顧客数や商品数の登録に制限がかかることもあります。月々の取引件数が多い企業だと、すぐに上限に達してしまうケースもあるため、導入前の段階で自社の取引規模や成長性を考慮することが大切です。
また、無料版では使える機能が限定されていることがあり、請求書のフォーマットを細かく変更したい場合などに、有料プランへのアップグレードを求められるケースもあります。
一方、有料版を利用すると、各種制限が解除されたり、上限が広がったりするほか、問い合わせ対応や操作手順のアドバイスなど、サポートの範囲が広がる場合が多いです。電話相談や導入時のセットアップ支援などが含まれている場合もあるため、サポートを手厚く受けたい企業には有料版のほうが導入の恩恵を受けやすいでしょう。
今後、取引件数やユーザー数が増加する可能性がある企業の場合は、無料版から有料版にスムーズに移行できるかを事前に確かめておくと、後々の負担を減らしやすくなります。
●どんな企業に向いている?
無料の販売管理システムは、従業員数の少ないスタートアップ企業や個人事業主の方が、まずは気軽に試してみたいときに向いています。とりあえずシステム化してみたいけれど、導入費用を最小限に抑えたい場合に役立つでしょう。
また、これまでExcelで売上や在庫管理を行っており、限界を感じ始めている場合にも有効です。複数のファイルに分かれていたデータを一元管理できるようになると、在庫の把握や請求のタイミングを逃さずに済むようになります。
無料版で十分に運用できるならそのまま使い続けられますし、もし機能不足を感じたときは追加費用の検討や、別のシステムへの移行に取り組みやすいでしょう。
無料の販売管理システムを選ぶ際のポイント
販売管理システムを導入する際は、多角的な検証が欠かせません。ここでは、無料版の販売管理システムを選ぶときに特に注目すべき点をご紹介します。
●1. 必要な機能が揃っているか
販売管理では、見積から受注、請求書の発行や在庫数の更新まで、一連の流れがスムーズに進まないと作業効率が下がってしまいます。無料システムの中には、これらを自動連携できるものがある一方で、無料版のために一部機能がロックされているケースもあります。
自社の取引形態を考えたときに、見積や受注を同時に扱う必要があるのか、在庫状況が常に最新化される仕組みが必須なのかなどを洗い出し、それを満たせるかを確認しましょう。また、顧客管理機能や商品ごとの管理をどこまでシステム化したいかによって、必要となる機能も異なります。データの反映が一元化されることでと転記が減り、人的ミスが抑えられるため、基本的な連動機能はしっかり備わっているほうが便利です。
●2. 使いやすさと操作性
システムを導入しても、操作方法が複雑で現場でうまく活用できなければ、効率化どころかかえって混乱を招きます。無料の販売管理システムを選ぶ際は、画面がシンプルで日常業務を行いやすいかどうかを確認すると良いでしょう。
もしデモ画面やトライアル期間があれば、いくつか操作してみて、見積書や請求書の作成がスムーズに行えるか、在庫数を更新するときの流れが煩雑ではないかなどを確認しましょう。専門的なITスキルがなくても管理画面で簡単に設定変更ができるかどうかも重要です。
慣れればすぐに使いこなせるものが多いですが、サポートが手薄な無料版だと、特に導入初期に対応に追われる可能性があります。従業員が業務の合間にマニュアルを参照しながらでも運用を継続できる仕組みになっているかどうかをチェックすることで、導入後のストレスを減らしやすくなります。
●3. データの連携やエクスポート機能
販売管理システムで蓄積したデータを分析したい場合や、外部の会計ソフトやPOSレジなどと組み合わせたい場合には、ExcelやCSV形式でのエクスポート機能が欠かせません。無料版だと出力できるデータの量や内容が制限されるケースもあるため、どこまで柔軟に利用できるかを導入前に把握しておきましょう。
クラウド上でデータを共有できるシステムなら、在庫担当や会計担当、営業担当が同時にデータを参照して作業することが可能になり、連携を強化しやすいです。また、帳票類の自動作成や外部サービスとのAPI連携といった拡張機能を使用する予定があるなら、無料版でも部分的に対応できるかを確かめておくと安心です。
●4. ユーザー数やデータ量の制限
無料版であっても、ユーザーが複数人で利用することを想定しているシステムは少なくありませんが、人数の上限が3名まで、5名までなどと決まっていることが多いです。また、月ごとに発行できる伝票数が1,000件までなど、具体的な制限も設定されている場合があります。
取引が多い企業や、今後取扱商品の数が増える見込みがある場合は、将来的に無料版の枠からはみ出す可能性を考慮し、移行プランの有無や移行手順のわかりやすさを確認すると良いでしょう。せっかく無料版で操作に慣れても、いざ有料プランに切り替える段階でデータの移行が面倒だったり、引き継ぎに手間がかかったりすると、スムーズな拡張が難しくなります。
担当者が増えたときに追加ライセンス料がどの程度かかるか、利用できるデータ容量は十分かなど、今後の運用を考えたうえで選ぶことが大切です。
●5. サポートの有無
無料プランでも、最低限のヘルプページやFAQが用意されているかどうかを事前に確かめると安心です。導入初期、特にシステムの画面に慣れるまでは、操作手順でつまずきやすいでしょう。
わからない点を解消できる問い合わせ先やチュートリアルページがあるかどうかは、大きな差を生みます。メールやチャットで質問できるサポートがあれば、すぐに問題解決を図れるでしょう。
また、無料版を導入する間だけでなく、事業拡大時にシステムの追加機能を検討したり、ほかの部署への導入を検討したりするときに、どこまで相談できるかも重要です。システム開発会社のサポート方針によっては、カスタマイズの相談や外部システム連携についてのアドバイスを受けられることもあるため、長期的にシステムを使い続けるときに大きな助けになります。
おすすめの無料販売管理システム
無料でも基本的な受注・売上管理をひと通りまかなえるシステムはいくつも存在します。ここでは、比較的取り組みやすく、機能面や使いやすさで注目されやすいシステムをいくつか取り上げてみます。
●フリーウェイ販売管理
フリーウェイ販売管理は1,000件までの伝票管理に対応し、最大3名のユーザーで共有できる無料プランが特徴的です。売上や請求、入金の管理をシンプルな画面構成で行えるため、はじめて販売管理システムを導入する企業や、人数の少ないチームでの運用に向いています。
入力データがリアルタイムに集計されるため、必要な情報を即座に確認できる点が利点です。伝票数が増えたり、扱う商品が増加して無料版ではカバーしきれなくなった場合は、有料プランに切り替えることで制限を拡張できるので、段階的な導入にも適しています。
参考:フリーウェイ販売
●Main販売管理
Main販売管理は、伝票数に上限がないにもかかわらず無料で使えるというシステムです。かんたんモードと通常モードの2種類を切り替えられるため、IT操作に慣れていない従業員と慣れている従業員が混在していても、導入がしやすいでしょう。
売上・仕入れ・在庫情報を連動させて一元管理し、ExcelやCSV形式への出力にも対応しています。ほかの会計ソフトにデータを取り込んで分析するなど、外部システムとの連携も比較的スムーズに進めやすいです。
参考:Main販売管理
●COSMOS 汎用販売管理ソフト
COSMOS 汎用販売管理ソフトは、見積から納品、請求までの流れをまとめて扱えるので、受発注が多い事業での利用に向いています。シンプルな画面設計が採用されているため、転記ミスを減らしつつ在庫数や支払い状況を効率的に確認したいというときに便利です。
無料版でもバージョン更新が案内されるため、システムを常に最新の状態に保ちやすいことも安心できる要素でしょう。一定の流れがあればスムーズに使いこなせるようになるため、中小規模事業が初めて導入する販売管理システムとしても検討しやすいです。
●セールスノート
セールスノートは、操作方法をわかりやすく設計し、システム初心者の事業者でも導入しやすいとされています。顧客や商品カテゴリなど、様々な項目で絞り込み検索ができるため、過去の取引データを参照して業務を進めたい場合にも有用です。
必要最低限のサポートを無料で利用できる仕組みがあり、困ったときにはメールで問い合わせることで対処法を把握しやすいです。とくに導入初期の段階で、慣れない操作に戸惑う可能性がある場合には、不明点をすぐに相談できる体制は助けになります。
参考:セールスノート
無料版では物足りないならカスタマイズや外注も視野に
無料の販売管理システムは、導入当初の費用を抑えながら基本的な業務をまとめられる便利な選択肢ですが、事業が成長したり特殊な業務プロセスが増えたりすると、機能面で足りなくなる可能性があります。
そのようなときは、より多くのデータ量や高度な機能に対応できる有料プランへのアップグレードを検討するか、システム開発を外部に依頼して独自のカスタマイズを加える方法もあります。
●システム開発を外注するメリット
外注する最大の利点は、自社の業務フローや独自のルールに合わせて、細部まで作り込んでもらえる点です。無料システムにはない特殊なレポート機能や、顧客管理の仕組みを付け足すなど、自社が本当に必要としている要素をカスタマイズできるのが外注の強みになります。
また、セキュリティやバックアップの方針を独自に設定したい場合も、開発会社に相談すれば実装してもらえるでしょう。運用開始後も、開発会社による保守・サポートがあれば不具合や追加要望にすぐ対応してもらえるため、安心して使い続けられます。
●外注の流れ
まずは、どのような課題を抱えていて、何をどこまで改善したいのかを明確に洗い出します。そして、複数の開発会社やフリーランスを比較し、それぞれの得意分野や実績、費用感、納期を照らし合わせながら依頼先を絞り込んでいきます。
見積を取り寄せて検討する段階では、追加で必要になりそうな機能や、検討中の外部システムとの連携方法、保守コストなどについてもしっかり確認しておくと、後から「想定外の費用が発生する」といったトラブルを防ぎやすくなります。
契約後は、開発の進捗を定期的に確認しながら要望をすり合わせ、本番稼働前のテストもしっかり行って、満足度の高いシステム導入を目指しましょう。
販売管理システムで業務効率化を!
無料で提供される販売管理システムを活用すると、初期費用を気にせずに業務効率化の第一歩を踏み出しやすくなります。最初は小規模で使い始め、受注や売上、在庫管理などの基礎的な作業をまとめることで、事務処理の手間を減らしやすくなるでしょう。
さらに、データを一元管理しておけば人的ミスを防ぎやすくなるうえ、経営判断に必要な情報をすぐに引き出しやすくなります。もし無料版を利用してみて機能不足や拡張の必要を感じたら、移行先の有料プランや外部への開発依頼も検討すれば、より高度なシステムへと拡張しやすくなるでしょう。
事業が大きくなれば、独自要件を盛り込んだシステムが必要になってくるケースが増えますが、最初の導入時点から大きな負担を背負う必要はありません。適切なタイミングでスケールアップを検討することが、費用対効果の高いシステム運用につながります。
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