社会にスマホが普及した現代では、あらゆる会社でアプリ開発の動きが進んでおり、iOSアプリの開発に着手したい企業も多いでしょう。実際に開発へ着手する前に、iOSアプリの開発に必要なものや知識を知っておくことが大事です。今回はiOSアプリの開発に必要な開発言語やソフトウェア、開発手順・準備を知りたい方に向けて、iOSアプリの開発に必要なものや開発環境、iOSアプリの開発手順などを中心に解説していきます。
目次
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iOSアプリを開発する前に準備するもの
iOSアプリを開発する前に、まずは以下のものを準備してください。
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パソコン
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アプリテスト用iPhone
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開発ツール
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Apple ID
パソコンはiOSアプリを開発する際に、プログラミングを行うためのハードウェアとして必要なものです。Windowsのパソコンでも開発自体はできるのですが、iOSアプリはリリース時にmacOSを介する必要があります。そのため、なるべくパソコンはMacのものが望ましいです。アプリテスト用iPhoneは、完成したiOSアプリの運用テストなどに必要で、端末の機種によってテスト結果が異なります。多くのユーザーが使っているであろう最新端末や、1つか2つ前の世代のものを用意すると良いでしょう。開発ツールについては後ほど詳しく説明していきます。Apple IDもリリース時に必要なものとなるため、事前に登録を済ませておいてください。なお、iOSアプリについての詳細は以下のページでご紹介しています。
ネイティブアプリとは?Webアプリとの違いやそのメリットとデメリットを紹介
●MacPCで開発する場合の参考スペック
iOSアプリ開発で使うMacのパソコンのスペックは、以下のものが目安となります。
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バージョン:macOS 10.15.2
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CPU:Core i5(1.5GHz/2コア 以上)
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メモリ:4GB以上
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ディスク:HDDかSSDで64GB以上
機器を用意する際の参考にしてください。もちろん、スペックが良いに越したことはありませんが、iOSアプリ開発はそこまで高い性能は必要ありません。以下からは、iOSアプリの開発に適した開発環境について解説します。
iOSアプリの開発に適した開発環境
iOSアプリの開発に適した開発環境として、以下のものが挙げられます。
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Xcode
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Xamarin
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Flutter
●Xcode
XcodeはMac専用の統合開発環境で、Apple社が開発したものです。Swiftというプログラミング言語を用いた、iOSアプリの開発に使われる環境です。開発環境の中でも、少ないコードでアプリ開発ができるメリットがあります。iOSアプリ開発初心者の方は選択肢の1つに入れてみてください。
●Xamarin
Xamarinは、C#を使ったiOSアプリ開発環境でオープンソースである分、誰でも利用しやすいです。本来ならiOSとAndroidのアプリで必要な環境や言語が異なりますが、Xamarinはどっちのアプリも開発できる汎用性の高さを持っています。その特性から、iOSとAndroidの両方で同時にリリースしたい方に特におすすめです。
●Flutter
Flutterは、Google社が開発したアプリ開発環境で、Dartを使ったクロスプラットフォーム開発ができます。ほかのアプリ開発環境と比べて、デザイン性に富んだアプリの開発がしやすく、高く評価されやすいUIの構築が可能です。ただ、Dartというプログラミング言語の普及率がそこまで高くないため、初心者が手を出すのにハードルが高いという欠点があります。
iOSアプリの開発に必要な言語とは
iOSアプリの開発に必要な言語としては、以下のものが挙げられます。
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Swift
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Java
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Python
●Swift
Swiftは、iOSアプリ開発向けにApple社が開発したプログラミング言語です。従来はObjective-Cと呼ばれる言語を使っていましたが、より簡単にアプリ開発ができるようにとSwiftが開発されました。スクリプト言語に近い形でプログラミング設計ができ、動作も軽いため、サクサクとiOSアプリのプログラミング作業がしやすいです。このSwiftについては、以下のページで詳しくご紹介しています。
『Swift』とは?Appleが開発した新しいプログラミング言語の特徴
●Java
Javaは、世界的に人気がある言語で、セキュリティ性の高さに秀でています。そのため、セキュリティを狙った攻撃を受けやすいような規模の大きいアプリを開発する場合におすすめです。このほか、処理速度の速さも特徴で、IT人材が不足している会社での利用にも適しています。Javaについては、以下のページで詳しくご紹介しています。
Javaとは?世界中で利用されるプログラミング言語の人気の理由
●Python
Pythonは、AI開発の分野でよく使われるプログラミング言語です。汎用性が高く、アプリ開発にも使えます。文法がすっきりしていて、初心者でも学習しやすいプログラミング言語です。開発をサポートするフレームワークも充実しているため、効率的なアプリ開発を行いたい方にも最適といえます。このPythonについては、以下のページで詳しくご紹介しています。
iOSアプリの開発手順
iOSアプリのおおまかな開発手順は、以下の通りです。
- 制作するアプリを企画する
- 画面設計図を制作する
- 開発を開始する
- 動作テストを行う
- アプリをリリース
●制作するアプリを企画する
まずは、制作するアプリをどういった内容にするのか企画を立てていきます。なかなかアイデアを出すのが難しいと感じる方もいるかもしれません。そういった方は、普段の日常生活で、「こうだったらいいのに」と思うことをアプリで実現させる考えを持つと、アイデアが出しやすいでしょう。
●画面設計図を制作する
企画が立てられたら、その内容を実現させるための画面設計図を制作していきます。ここで制作する画面設計図を基に、iOSアプリ開発の上流工程の社員ではなく、下流工程の社員が実際に開発に着手する形となります。そのため、下流工程の社員にも伝わるような画面設計図を制作することが大事です。また、画面設計図を制作する際には、ProttやCaconといったツールを使うのがおすすめです。
●開発を開始する
画面設計図を基に、実際にソースコードを書いてアプリ開発を始めていきます。画面設計図の内容が曖昧で伝わりにくい部分も大なり小なりはあると思われます。そういった場合は、予測で作業を進めず、一度確認を取ってから指示に従って開発を進めていきましょう。
●動作テストを行う
区切りの良いところまで開発が進んだら、問題なく動作できるかiPhoneを使って動作テストを行います。動作テストでエラーやバグが発生した場合に、エラーやバグが出た部分を修正していきます。ただし、アプリ開発が終わってから動作テストを行うと、修正内容に合わせて、別の部分の修正も必要となります。これが連鎖してしまうと、開発期間とコストを無駄に費やしてしまうため、一定ラインまで開発が進んだらチェックして、問題なければ次に進むといったやり方がおすすめです。
●アプリをリリース
動作テストが完了して、問題なくリリースできるところまで進んだら、アプリをリリースする準備を進めていきます。具体的なリリース方法として、まずは「iTunes Connect」のアカウントを登録してください。それから、「Apple Developer Program」の登録や審査に必要な各種手続きを踏んでいきましょう。Appleによる審査に合格したら、アプリのリリースができます。ただ、iOSアプリ開発を検討している方の中には、アプリ開発を行うような知識やスキルがない方も多いでしょう。そういった場合は、アプリ開発会社に外注(アウトソーシング)する方法があります。
以下の記事では、おすすめのアプリ開発会社についてまとめています。iOSアプリの外注を検討している方は、ご参照ください。
iOSアプリを収益化する方法
iOSアプリを収益化する方法として、以下の方法が挙げられます。
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有料ダウンロードにする
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アプリ内課金システムを採用する
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アプリ内広告を表示する
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定額課金制にする
iOSアプリのダウンロードを有料とすれば、収益を見込みやすくなります。無料で始めるユーザーからもお金を出してもらう方法として、アプリ内課金システムを導入する方法が特におすすめです。アプリのダウンロード自体は無料にして、より充実したサービスを受けられる課金システムを導入したほうが、より広いユーザーにリーチできます。最近では、アプリ内広告を定額課金で表示できなくする手法のアプリも増えてきています。
「iOSアプリ」と「Androidアプリ」何が違うの?
ここで、iOSアプリ」とAndroidアプリの違いについても言及しておきましょう。それぞれで以下の点に違いがあります。
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開発言語
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開発環境
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公開方法
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審査
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公開にかかるコスト
●開発言語
開発言語はiOSアプリだと、SwiftやJavaがよく使われます。それに対してAndroidアプリは、iOS以上にJavaが使われることが多いです。最近ではKotlinを使って、より手軽にAndroidアプリ開発が行われることも少なくありません。
●開発環境
開発環境は、iOSアプリだとXcodeやXamarinがよく使われています。一方で、Androidアプリでは一強といっても過言ではないほど、Android Studioが使われています。クロスプラットフォームでアプリを開発する場合は、Android Studioは使えないため、クロスプラットフォームに対応したツールを利用してください。
●公開方法
公開方法は、いわゆるアプリのダウンロード先で、iOSアプリはApp Store、AndroidはGoogle Playとなっています。先述の通り、アプリの公開には審査が不可欠です。Androidでも仕組みは同様です。アプリ公開の際には審査に通る条件を押さえておきましょう。
●審査
アプリの審査方法は、公開先によって異なっています。App Storeでは専門家によって人力でアプリが審査されるため、1週間くらいの時間がかかってしまいます。一方で、Google Playでは自動の審査システムで審査されているため、審査にさほど時間はかかりません。このように、クロスプラットフォームに対応したアプリでAndroid版のリリースのほうが早い理由は、審査方法が異なるためです。
●公開にかかるコスト
アプリをリリースするのに、実はコストがかかります。iOSアプリだとデベロッパー登録料として毎年99ドル払う必要があります。Androidアプリだと初回登録時に25ドルの支払いが必要です。
アプリ開発の参考にしたいおすすめiOSアプリを紹介
アプリ開発をする上で一番大切なのが、企画の段階で「どんな悩みを解消するようなアプリを開発すればいいのか」を考えることです。そこで、アプリ開発のアイデアがなかなか浮かばない方に向けて、参考例として以下のアプリの概要やアイデアについて紹介していきます。
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Quicka2
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PicFrame
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Pushbullet
Quicka2はアプリ検索を快適にするアプリです。検索ライブラリを見やすくしたり、再度検索しやすくしたりしてくれる機能が搭載されています。PicFrameは100以上のフレームを使って写真などを加工するアプリです。好きなフレームで写真をよりきれいにしたり、フレームの幅を変えたり、自由にテキストラベルを追加したりできます。最後のPushbulletはAndroidのアプリですが、パソコンからさまざまなデータをAndroid端末に送れるアプリです。パソコンで調べていた情報を、外出してからもそのままスマホで見られて便利です。
自社開発が難しい場合は外注も検討しよう
日本はiPhoneを利用しているユーザーが多いため、多くのユーザーに使ってもらう目的でiOSに対応したアプリを開発したいと考える方が多いです。しかし、iOSアプリの開発にはそれに合った開発環境や言語などを押さえておく必要があります。自社で開発が可能な方は、iOSアプリ開発の流れを参考に、開発に着手してみてください。また、アプリ開発が完了したら、アプリのリリース準備も進めておいてください。
繰り返しになりますが、自社で開発ができない方はアプリ開発会社に外注する方法もあります。依頼先選びに失敗しないように、コスト面や会社の実績面などを踏まえて慎重に外注先を決めていきましょう。発注ナビでは、アプリ開発を得意とする開発会社とのマッチングが可能です。専門コンシェルジュが丁寧に案件内容をヒアリングいたします。まずはお気軽にご相談ください。
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