メール配信システムは、メールの一斉配信やメルマガ配信をする際にとても便利なシステムです。メール業務の効率化を加速させる以外にも、新商品の案内やセール情報を顧客に適切なタイミングで確実に届けることもできるので企業にとって重要なマーケティング手法の1つです。本記事ではメール配信システムの導入を検討中の方に向けて、システムを導入する際の機能の違いや費用、失敗しない選び方についても解説します。
目次
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メール配信システムとは
メール配信システムとは、メールを自動で配信・管理するシステムを指します。メール配信システムを使えば、大量のユーザーに向けて同時にメールを配信できます。配信したメールの開封率やその後のアクションを調べることができるので、効率的に顧客情報を得ることができます。
また、大量のユーザーに向けて同時にメールを配信する場合、手作業で行うと、送付先を誤ってしまうリスクがあります。内容によっては、スパム・迷惑メールとして振り分けられてしまう場合もあります。メール配信システムを使えば、このようなトラブルを回避することができるのです。
メール配信サービスの機能
メール配信サービスには、メールを配信するほか様々な機能が付いています。主な機能は次の3点です。
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自動配信やリスト管理
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セキュリティ
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効果測定やマーケティングへの活用
それぞれの機能について、詳しく解説します。
●自動配信やリスト管理
自動配信とは、事前に用意しておいたメールを指定した時間に配信するものです。メールの開封率には、配信時間が大きく関係します。手動で配信するのが難しい時間帯でも、メール配信システムの自動配信システムを使えば送りたいタイミングで一斉に配信することができます。例えば、クリスマスやお正月、顧客の誕生日などを事前に設定しておくことで、イベントに絡めたメールを自動配信することができます。誕生月限定のポイントアップや割引のお知らせを配信すれば、顧客満足度は上がりますし、リピート率の向上も期待できます。
「リスト管理機能」がついているものであれば、登録した利用者のリストを自動で管理することができます。リスト管理機能は顧客のリストを自動で管理するだけでなく、配信希望や配信停止の手続きも自動で行うことができるので、とても便利です。この機能を活用すればメール配信のA/Bテストも行えるため、より効果的なマーケティングをすることができるのです。
●セキュリティ
手動でのメール配信では、人的ミスのリスクが伴います。例えば、BCCに入れるべき宛先をCCに入れてしまう過失により、簡単に顧客の情報が外部に漏洩してしまいます。また、メールアドレスの入力ミスが原因で、顧客ではない別の方にメールを誤送信してしまうかもしれません。たった一度のミスでも、会社としての信用損失につながる大きなリスクが潜んでいるのです。
セキュリティを重視したいなら、メールマガジンを暗号化して送信する機能や、操作ログの管理機能のついたメール配信システムを選ぶのがおすすめです。配信を自動化すれば、手作業による基本的なミスは防げるようになります。この機能はメール配信システム側から、セキュリティソフトの提供を受けられることもあるので、メール配信システムを選ぶ際はこの点に注目です。
●効果測定やマーケティングへの活用
メール配信の効果を高めるには、PDCAサイクルを回すことが重要です。配信したメールの効果を分析する機能として、メール開封率やURLのクリック率、メールの配信がどんな商品や商材の購入につながったかを測定・検証できるものがあります。
配信したメールの効果を分析すれば、最適な配信時間や開封したくなるタイトル付け、クリックされやすいメール本文の作成など、自社の顧客に適した改善ができるようになります。取得したデータを自動でグラフ化できるメール配信システムを選べば、データの分析も簡単です。
メール配信システム導入のメリット
メール配信システムは、様々な企業が導入しているシステムです。メール配信システムの導入は主に次の3点が挙げられます。
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積極的なマーケティングが可能
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大量メールが自動で送れる
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業務の効率化
●積極的なマーケティングが可能
メールマガジンの配信は、攻めの広告と呼ばれるプッシュ型の集客方法です。セグメント配信や動画メール、レコメンドメールなど、顧客に合わせたマーケティング施策が可能なので、自社の特色に合わせたメールマーケティングができます。高機能な分析機能がついたメール配信システムを選べば、開封率やURLクリック率が高くなりやすいタイトル・文面を調べ、PDCAサイクルを回すことが可能です。
●大量メールが自動で送れる
メール配信システムを使えば、配信を設定するだけで自動的に大勢の顧客にメールを送ることができます。送信ミスを減らせるだけでなく、配信作業の手間も節約できます。お正月やクリスマスといった季節のイベント、誕生日など顧客個人の情報を設定し、指定した日に自動でメールを送ることも可能です。イベントに絡めた割引サービスのメールを事前に送ると、サイト訪問や購入など次のアクションにつながりやすくなります。
●業務の効率化
メール配信システムを活用すると、指定した日時に自動でメールを送ることができます。自動でデータの集計やグラフ化を行うシステムを選べば、分析業務も短時間で行うことが可能です。メールマガジンでA/Bテストなどを使い、開封率やクリック率の違いを分析したい場合も、自動でグラフ化できる機能があれば分析業務にかかる時間を節約できます。PDCAサイクルの回転を早めることが可能ですので、メール配信を最小の労力で最適化できます。
メール配信システムの導入手順について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
メール配信システムとは?メリット・デメリットや構築方法などについて解説!
クラウドタイプとオンプレミスタイプの機能の違い
メール配信システムには次の2つのタイプが存在します。
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クラウドタイプ
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オンプレミスタイプ
ここでは、それぞれの機能の違いを解説します。
●クラウドタイプ
クラウドタイプのメール配信システムは、ベンダーがAWS(AmazonWebServices)などのクラウド環境にメール配信アプリを構築します。インターネット経由でユーザーが利用する仕組みです。クラウドサーバーにあるソフトウェアを、ユーザーがインターネットを経由して利用する形態を「SaaS」と呼びます。SaaSの代表的なものとして、GoogleスプレッドシートやDropboxが有名です。クラウドタイプのメール配信システムはSaaSを利用しているので、導入までの手間がかからず簡単に利用できます。
インターネットを活用することでいつでもどこでも利用できるクラウドタイプのメール配信システムは、通勤中や出張中、テレワークでも活躍します。しかしクラウドタイプのメール配信システムは、社内システムとの連携がとりづらく、既に導入してしまったシステムと合わせて活用することは難しいです。自社向けに特化させたシステムにカスタマイズする、ということもできない場合が多いので、その点は注意が必要です。
●オンプレミスタイプ
オンプレミスタイプのメール配信システムは、自社内に構築したサーバーにメール配信ソフトをインストールして利用します。システムを自社向けに自由自在にカスタマイズすることができるのが大きな特徴です。既存の効果測定ツールと連携したり、顧客リストから配信リストをスピーディに作成したりすることでコストの削減が可能です。
セキュリティ面でも、オンプレミスタイプのメール配信システムに軍配が上がります。プライバシーポリシーの観点から顧客データをクラウドに上げられない企業も、オンプレミスタイプなら安心して使えます。プライバシーマークやISO27001の取得を検討しているなら、オンプレミスタイプを導入することがおすすめです。サーバー構築費用やソフトのライセンス料など、ユーザー側の初期費用負担がやや大きいのでその点については注意が必要です。
クラウドタイプとオンプレミスタイプの料金・費用の仕組みと相場
次に、それぞれの具体的な料金、費用の仕組みについてご紹介します。料金や、費用の仕組みを理解し、より自社に適しているタイプを選びましょう。
●クラウドタイプの費用
クラウドタイプのメール配信システムは、オンプレミスタイプよりも安価です。料金は以下の通りです。
内訳 | 費用 |
---|---|
サーバー、PC環境設定のための初期費用 | 1万円~5万円程(※機能制限のある安価なシステムであれば無料の場合もある) |
ライセンス料 | 無料 |
月額費用(稼働の検証・保守費用) | 定額 |
従量課金 |
クラウドタイプの費用は基本的に初期費用+月額料金です。しかし、機能の追加に応じてオプション料金が発生します。ステップメール、効果測定、HTMLエディターを利用したい場合は、オプションの有無や料金設定にもご注意ください。システムを外注する際は、見積もりの際に使いたい機能を事前に伝えておくとスムーズです。
初期費用は長期契約をすれば、割引になるものもあるので節約できるポイントです。従量課金の場合、毎月のメール配信数や登録メールアドレスの数で金額が変わります。月当たり1万通から3万通送付で、月額7,000円から15,000円ほどかかると考えておくと良いでしょう。
メール配信用のソフトを端末にインストールする必要なく使うことができるので、ライセンス料やサーバー料金は必要ありません。初期費用と月額料金だけ用意すれば利用できるのでサーバーのメンテナンスも不要です。手間とコストを節約したいという場合は、クラウドタイプがおすすめです。
●オンプレミスタイプの費用
オンプレミスタイプの料金は以下の通りです。
内訳 | 費用 |
---|---|
サーバー、PC環境設定のための初期費用 | 数千円~1万円程 |
ライセンス料 | 100万円~500万円 |
月額費用(稼働の検証・保守費用) | 3万円~5万円程 |
クラウドタイプと比べてかなり料金が高額になることがわかります。特に、システムをインストールするためのライセンス料が高額となる大きな要因です。また、自社でシステムをカスタマイズする場合は、別途費用がかかります。
費用面ではクラウドタイプに劣りますが、セキュリティ面やカスタマイズ面がより優れています。既存のシステムとの連携がとりやすく、今までの膨大な蓄積データを取り入れることができるのも特徴です。
メール配信システムの選び方
目先の費用だけで決めず、長期間利用することを前提に、自社にとって最も導入効果の大きいシステムを選びましょう。初期費用が高くてもメール配信や分析の手間が省けるシステムを選べば、費用対効果も見込めますし、業務改善にもつながります。ここからは、数あるメール配信システムの選び方をご紹介します。
●サポート体制
システムの扱いが心配な場合は、ヘルプデスクが設置されているなどサポート体制がしっかりしているシステムを選ぶのが無難です。サポート体制の有無だけでなく、サポート期間が十分な長さか、問い合わせに対する回答がスムーズかといった、長期間利用するうえでストレスなく使えるかどうかを視野に入れて確認しておきましょう。無料のトライアル期間中に何らかの問い合わせをして、対応を確認するのがおすすめです。システム会社を選ぶ時の目安として、開発拠点と営業拠点が近い会社のほうが、問い合わせへの回答が早い傾向があります。
●セキュリティ対策
顧客の個人情報を取り扱うメール配信システムでは、セキュリティ対策が必須です。クラウドメールが原因によるコンピューターウイルス感染を防ぐため、ウイルスチェックやスパムチェックを行えるサービスもあります。システムによっては、第三者への情報流出を防ぐための誤送信対策や暗号化の機能の付加も可能です。メール配信システムの選ぶ段階としては、大手企業への導入実績の有無や、プライバシーマークの取得があるかどうかを目安にすると良いでしょう。
●使いやすさ
メール配信システムを導入して業務効率を改善したい方は多いでしょう。しかしどれだけ機能が充実していても使いにくいと感じるシステムでは、業務の効率化は見込めません。問い合わせをしなくてもスムーズに使えるようなシステムを選べば間違いないです。無料トライアル期間のあるメール配信システムを選び、トライアル期間中に一通りの操作を試してみましょう。直感的に使えてマーケティング施策に集中できるようなメール配信システムを選ぶことがおすすめです。
まとめ
マーケティングに限らず、メール配信システムの活用法は様々です。例えば、教育関係者なら学校行事や不審者情報、休校情報を一斉に保護者に向けて連絡を取ることができますし、クリエイターなら独自のノウハウや限定の作品を有料で配信することも可能です。
オンプレミスタイプ、クラウドタイプのそれぞれの良さや機能性も参考に、より自社にマッチするタイプを選びましょう。導入前に、無料トライアル期間を設けている場合もありますので、実際に使ってみて、どちらにするか決めることをおすすめします。
また、自社のほかのシステムや分析に合わせた独自のシステムを利用したいなら、システム開発会社に依頼して開発してもらうことも良いでしょう。自社の仕様や配信対象に特化したメール配信システムの開発を任せる会社を探しているなら、システム開発会社向けマッチングサイト「発注ナビ」の利用をご検討ください。 即戦力のシステム開発会社を探すなら|発注ナビへ相談
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