今回は、ECを開始するとき、モールへの出店と独自ドメイン運用のどちらを選ぶべきかについて。
スケールメリットを期待するならモール
ブランドを確立しているなら独自ドメイン
ランニングコストか、イニシャルコストか。比較検討も必要
はじめに
自社の規模・割けるリソース・商品の特徴を念頭に
EC事業を始めるにあたって、有名ショップモールなどに出店するのがいいのか、それとも自社で独自ドメインを取得し、ECサイトを運用するべきなのか迷う方も多いと思います。
モールと独自ドメイン、それぞれのメリットやデメリット、向き不向きなどについてまとめて御紹介します。
モールに出店するメリット
モールに出店するメリット。それは「スケールメリット」に尽きます。何千、何万というショップが出店する有名モールの場合、モール自体のブランド力もあり、多くの見込み顧客を誘導してくれるでしょう。
また、モールを訪れる見込顧客は「気に入ったものがあったら買う」ということを前提にしている点も見逃せません。
過当競争に注意
もしもあなたの持っている商品が「類似商品がなく」「ひと言で言い切れる特徴があり」「価格競争力に優れている」ものであれば、こうしたショップへの出店は積極的に検討してみるべきかもしれません。
ただし、もしあなたの商品が「類似のものが山ほどあり」「これという差別力を持たず」「価格面でもそれほどメリットがない」としたら、モールへの出店は慎重になった方がいいかもしれません。
多くの見込み顧客はモールの中で、ジャンルや商品名、キーワードといった検索を繰り返して膨大な商品をふるい分け、最後に残ったひと握りの商品の中からどれを購入するか決定します。ブランド名などが確立されていれば、たとえば「ナイキ スニーカー」などのキーワードで選択してもらえるかもしれません。しかし、たとえばあなたが「ものすごく美味しいケーキ」を販売していたとしても、検索キーワードでの差別化ができない以上、「ケーキ」という膨大な商品群に埋没してしまうかもしれません。
独自ドメインで運用する場合
規模はそれほど大きくなくても、その性能やクオリティが業界的に知られ、評価が確立しているような会社・ブランドの場合は自社ドメインによるECサイトを立ち上げることを検討すべきかもしれません。
特に一定数以上のユーザーが社名・ブランド名・商品名で検索することが期待できる場合は、モールへの出店よりも独自ドメインのメリットが大きくなります。
社名・ブランド名・商品名を名指しで検索するユーザーは、「類似のもの」ではなく、あなたの製品やサービスそのものを求めている可能性が高いでしょう。独自ドメインによる直販のECサイトの存在を知れば、そこから購入したいと考える方が多いのではないでしょうか。
必要なサービスを整えることが重要
ただし独自ドメインによるECサイトは、決済(クレジットカード対応など)や買物カゴ機能、商品の配送状況確認など、大手モールが提供しているような機能が手薄になる可能性があります。「多彩な決済機能がない」「申込みから配送までの状況が把握できない」というようなことでは、せっかくの販売チャンスを失ってしまうかもしれません。独自ドメインによるECサイトでも、モールの優れている点は積極的に導入していくべきではないでしょうか。
おわりに
大手モールの多くは出店費用、月額利用料、そして商品が売れるたびに手数料などのランニングコスト(運用費)が割高になります。一方、独自ドメインによるECサイトの開設はどうしてもまとまったイニシャルコスト(初期費用)が必要です。
どちらが自社のビジネスに向いているのか、たとえば1年~3年という中長期的なコストパフォーマンスはどちらが優れているのかといった点については、モール運用者、ECサイトを提供するASP業者などからそれぞれ見積りを取り、収益モデルなどについての提案にも耳を方向け、比較検討すべきではないでしょうか。
<参考URL>
ネットショップの基礎知識
ECサポーター
http://tsuhan-ec.jp/qa/syosai.php?id=2
ドリームゲート ネットショップ
http://www.dreamgate.gr.jp/knowhow/netshop/id=1252