マッチングシステムは個人同士だけでなく、企業同士または企業と個人を結びつける際に役立つシステムです。本記事では、マッチングシステムの種類や必要な機能、開発時にかかるコストについてご紹介します。
目次
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1.マッチングシステムとは
そもそもマッチングシステムとは、「企業や個人(消費者)など利用者同士を結びつけるシステム」のことです。例としては、ビジネス仲介サイトやフリーマーケットアプリ、求人情報アプリなどが挙げられます。これまでは、企業と消費者の関係を結びつけるマッチングシステムがほとんどでしたが、企業同士または個人同士をマッチングさせるようなシステムも多くみられるようになってきました。
2.代表的なマッチングシステムの例
マッチングシステムは、「BtoB(企業同士の取引)」「BtoC(企業と消費者である個人の取引)」「CtoC(個人同士の取引)」「CtoB(企業のニーズを満たす個人と企業の取引)」の4種類に大きく分けられます。それぞれの特徴と、代表的なマッチングシステムの例をいくつかご紹介します。
●BtoB
BtoBは「Business to Business」の略で、端的にいえば企業同士の取引です。自社のノウハウや人材、リソース不足を背景に、特定の業務を専門企業へアウトソーシング(外注)することは珍しくありません。こうした潮流の中で役立つのが、BtoBタイプのマッチングシステムです。
ビジネス系マッチングシステム全般
サービス・ノウハウ・スキルを必要としている企業と、それらを提供できる企業をマッチングさせるシステムがこれにあたります。発注会社は自社に足りないノウハウやスキルをカバーでき、受注会社は収益の拡大や顧客開拓の機会を得られるのがメリットです。システム開発や各種コンサルティングなど、ビジネス系マッチングシステムで依頼できる業務は様々です。
産業医向けマッチングシステム
企業と産業医をつなぐ専用のマッチングシステムです。労働安全衛生法において、「常時50人以上の従業員を雇用する事業所は、産業医を専任すること」が義務付けられています。産業医の選定に役立つのが、産業医向けマッチングシステムです。マッチングシステムサービスによっては、産業医の選定だけでなく、各種書類作成や申請作業のサポートを提供しているサービスもあります。
M&Aマッチングシステム
M&Aとは、企業の買収や合併を指します。M&Aマッチングシステムは、会社・事業を売却したい企業と、会社・事業を買収したい(譲り受けたい)企業を引き合わせるシステムです。M&Aマッチングシステムを活用することで、譲渡企業・譲り受け企業ともに条件の合う取引先を効率良く探せます。
BtoC
BtoCは「Business to Consumer」の略で、企業と個人間の取引のことで、企業側から利用者である個人にサービスを提供する形式です。身近な例としては、ECサイトが挙げられます。そのほかの代表的なサービスとして、求人・転職サイトや旅行予約サイトなど、個人のライフスタイルに深くかかわるシステムが多く見受けられます。大手企業が多く参入しているジャンルであるため、特定のジャンルに特化したニッチなサービスを提供できると差別化が図れます。
求人・転職サイト
必要な人材を探す企業と、就職先を探す個人をマッチングさせるサービスがこれにあたります。大手の人材系サイトのほかにも、企業が中心となって募集をかけるクラウドソーシング系のサイトも該当。形態は異なるものの、「企業と人材を結びつける」という特徴は一貫しています。
旅行予約サイト
ホテルや旅館にくわえ、航空券やレンタカーを予約できるサービスです。個人のニーズをより細かく反映し、オリジナルの旅行プランを作成できる旅行予約サイトも登場しています。
●CtoC
CtoCは「Consumer to Consumer」の略で、個人同士の取引を指す言葉です。フリマアプリをはじめ、婚活アプリやスキル系マッチングサイトなどが該当するといえるでしょう。
フリマアプリ
フリマアプリは、主流となっていたオークション形式よりも手軽に出品・やり取りができて、決済もプラットフォーム内で済ませられるといったメリットがあります。ユーザー登録すれば誰でも手軽に物品を売買できる手軽さにくわえ、売買システムがわかりやすい・匿名配送が可能でトラブル防止の工夫がされているといった点でも支持されています。
婚活アプリ
登録したプロフィールや好みなどをもとに、パートナーを探せるのが婚活アプリ。オンラインビジネスを主事業としてきた企業や結婚相談所、ライフサービス事業などを展開する企業が運営していることが多くあります。
スキル系マッチングサービス
スキル系マッチングサービスはBtoBでも導入されているサービスですが、個人間でスキルの売買を行うマッチングサービスも登場しています。ライティングをはじめ、イラストやSNSのアイコン、ロゴデザインの作成、写真撮影など売買できるスキルは多彩です。
これらのほか、個人ホストと旅行者をマッチングさせる民泊マッチングアプリもCtoCマッチングシステムの一種といえます。
●CtoB
CtoBは「Consumer to Business」の略で、BtoCとは異なり、個人が自らのスキルやサービスなどを企業に提供する取引のことです。フリーランスや個人事業主が企業とマッチングして仕事を請け負うクラウドソーシングサービスなどが該当します。
クラウドソーシングサービス
クラウドソーシングは、企業が不特定多数の個人に様々な業務を委託できるマッチングシステムです。副業先として登録している会社員や、専業のフリーランスのデザイナー、エンジニア、ライターなどに特定の業務を発注できます。プログラミングやデザイン、動画編集、記事作成、事務作業などの業務をアウトソーシング(外注)できます。発注側の企業にとっては、特定のスキルを持つ人材をプロジェクト単位で活用できるので、コストを抑えやすいというメリットがあります。
写真素材サイト
写真素材サイトは、個人のカメラマンやイラストレーターといったクリエイターが、写真やイラストなどの素材を企業に提供するプラットフォームです。企業は自社のWebサイトや広告などで利用するため素材を購入し、クリエイターはサイトを通じて販売収入を得ることができます。
3.マッチングシステム開発費用の相場【2025年最新版】
マッチングシステムのタイプ | 開発費用の相場 |
---|---|
プラットフォーム型 | 1,000万円 |
仲介型 | 500万円~ |
一括問い合わせ型 | 300万円~ |
メディア広告型 | 300万円~ |
マッチングシステムの開発は、単にサイトを構築するだけで終わるわけではありません。どのようなサイトにするか設計・定義、さらにサイトを構築した後に動作テストしたり、データ移行を行ったりといったすべての工程にコストがかかります。
加えて、マッチングシステムは「どの機能を充実させるか」「プラットフォーム型・仲介型などどのようなタイプのシステムにするか」という点によって開発コストが大きく変わるのが特徴です。必要最低限のものだけにするなら300万円前後で開発できるケースもある一方、1,000万円以上かかるケースもあります。
以下では「プラットフォーム型」「仲介型」「一括問い合わせ型」「メディア広告型」の4タイプのマッチングシステムを例に挙げ、それぞれに必要なコストの目安を解説いたします。
●プラットフォーム型の場合:1,000万円
ユーザー同士の取引場所を提供するのが「プラットフォーム型」です。ユーザー同士が直接取引を行うことを前提としており、フリマアプリや民泊マッチングアプリなどが該当します。構築費用の相場としては、1,000万円以上と考えておきましょう。サービスの手軽さからユーザーを呼び込みやすい一方、その分必要な機能も増える傾向にあります。その結果、構築費用が高めになるケースも少なくありません。
●仲介型の場合:500万円~
運営がユーザー同士を仲介するタイプのマッチングシステムです。傾向としては、求人・転職サイトや旅行予約サイトなどBtoCのモデルが多くみられます。運営側の負担が大きいため、高単価の商材の時に選ばれるタイプです。チャットサービスやカウンセリングサービスといった機能を搭載すると、開発費用の目安は500万円程度となります。
●一括問い合わせ型の場合:300万円~
ユーザーからの問い合わせを受け、見積もりや資料提供などを一括で行うマッチングシステムです。BtoB・BtoC向けのマッチングシステムが多く、特にBtoBに絞ったシステムでは商材も高単価なものが中心となります。構築費用の目安は、300万円前後とみえておきましょう。一括問い合わせ型は、申込みフォームや各種登録フォームなど必要最低限の機能を搭載すれば構築できるのが特徴。結果として、構築費用が安くなるケースがみられます。
●メディア広告型の場合:300万円~
Webサイトのアフィリエイト広告で収益を上げるタイプのマッチングシステムです。構築費用相場は300万円前後で、仲介コストや運用コストを抑えて運用できるのがポイント。くわえて、一括問い合わせ型と同様、必要最低限の機能を搭載すれば運用をスタートできるのも魅力です。ただし、SEO施策による集客が必須で、収益が安定するまでに時間がかかることもあります。
4.マッチングシステムの開発費用の内訳
マッチングシステムの開発にかかる費用について、主な内訳をご紹介します。
●人件費
マッチングシステムの開発にかかる費用の多くは、エンジニアやプログラマーなどにかかる人件費です。人件費は、開発に携わる人数や開発期間に合わせて変動します。マッチングシステムに求める機能の数や複雑さが高まるにつれて、開発担当者の工数が増えて、人件費は増えていきます。
●デザイン費
デザイン費は、アプリやサイトを利用する際の画面(UI)のデザインにかける費用を指します。前述した人件費の中に含まれることもあります。利用者が使いやすくなるよう、視認性や操作性を考慮したデザインにすることが重要です。規模によりますが、10万円~100万円程度が目安です。
●諸経費
人件費やデザイン費以外で、アプリやサイトなどマッチングシステム開発にかかる費用が諸経費です。具体的には開発やデータの保存・送信に利用するサーバーなどの設備にかかる費用、ソフトウェアを使用する際のライセンス料、ドメイン費用、SSL証明書費用などが挙げられます。SSLはインターネット上でデータを暗号化する仕組みで、個人情報の漏洩対策に必要です。証明書の発行には年間5万円~10万円ほどがかかります。
また、スマホアプリをリリースする際にはiOS、Androidそれぞれ所定の登録費用がかかります。iOSは99ドルで毎年同額の更新料がかかり、Androidはアカウント登録時にのみ25ドルがかかります。また、アプリ内の課金額の15%~30%は手数料として、それぞれ徴収されます。
5.マッチングシステムの開発以外にかかる費用
マッチングシステムの開発には、前の見出しで述べた直接的なコストの他にかかる費用があります。ここでは開発費以外の費用に関してご説明します。
●運用・保守・修正費
マッチングシステムは開発してリリースした後でも、安定したサービスの提供を行うため、継続的に運用・保守を行う必要があります。障害発生時には、原因究明や早期の復旧が必要です。また、ユーザーニーズの変遷に伴って、システムの改善・修正が必要になることもあるでしょう。運用・保守などにかかる月額費用の目安は、一般的に開発費の5%程度とされています。
●集客・宣伝費
マッチングシステムの開発・リリース後には、収益化のため適切な集客・宣伝を行う必要があります。集客・宣伝方法には、広告・プレスリリースやコンテンツマーケティング、チラシ配り、交通広告などの施策がありますが、いずれも月額20万円~30万円程度が目安となります。マッチングシステムによって、適切な集客・宣伝方法は異なるため、費用対効果を考慮して選択しましょう。
●モニター費
マッチングシステムの集客方法のひとつとして、モニターを利用することも重要です。マッチングシステムのリリース前にモニターにお金を払って利用してもらうメリットは大きく2つあります。1つは「初期ユーザーとレビューの獲得」です。そもそもマッチングシステムは、利用者が一定数いなければ魅力的に見えません。また、レビュー(口コミ)を重視する人も多いので、モニターにはレビューの投稿も依頼しましょう。2つ目は「ターゲットとのズレの改善」です。ターゲットに近いモニターに利用して率直な意見をもらうことで、システムの改善につながります。
一般的にモニターの費用は、個人向けサービスで1人あたり2,000円~5,000円、法人向けで1人あたり2万円~20万円程度が目安です。個人向けでは100人以上、訪人向けでは5人以上のモニターを集めておくと良いでしょう。
6.マッチングシステムの開発費用を抑える方法
マッチングシステムの開発にはさまざまな費用がかかります。ここでは費用を抑えるための方法をいくつかご紹介します。
●欲しい機能を整理して絞り込む
まず、開発するマッチングシステムについて、目的を再確認して、目的達成のために必要な機能を整理しましょう。その上で各機能について優先順位を付けて、「絶対に必要な機能」と「可能であれば入れたい機能」とに分けるようにしましょう。その上でターゲットへのヒアリングなどを行い、必要な機能に絞り込めば、開発にかける工数が減るため、開発費用を抑えられます。また、目的や必要な機能を曖昧なままにしておくと、開発会社もその後の追加修正などが起こる事態を先読みして、見積もりが高くなってしまう恐れがあります。
●パッケージ開発やノーコード・ローコードなどの開発手法を活用する
パッケージ開発とは、すでにある程度できあがったシステムのテンプレートを利用してシステムを構築する開発手法です。必要に応じて機能を拡張することも可能です。また、ソースコードの記述が必要ない「ノーコード」や、記述を最小限に抑えた「ローコード」の開発ツールを使うという方法もあります。いずれも、開発にかける工数を大幅に削減できるため、開発費用の削減につながります。
●アプリではなくサイトを検討する
一般的にスマホで利用するマッチングアプリを開発するよりも、Webブラウザで動くマッチングサイトを作成したほうが開発費用は掛からない傾向にあります。スマホアプリは、登録費用や課金時の手数料などもかかってしまうため、アプリでなくてもよい場合はサイトでのサービス提供も検討しましょう。
●外注する部分を減らす
自社で対応可能な部分は、外注しないというのもコスト削減の一つの方法です。例えば、システムの開発のみ外注し、デザイン部分は社内のデザイナーを利用すれば、開発にかかる人件費の総額を抑えることができます。
●スケジュールに余裕を持つ
余裕のあるスケジュールにしておくことで、コストを削減できる可能性があります。マッチングシステムの開発が短納期になってしまうと、開発会社に依頼する場合、緊急対応の料金を上乗せされてしまうおそれがあるからです。
●スモールスタートで行う
最初から規模の大きいシステムを作成するのではなく、サービスの拡大に伴って徐々に拡大していけば、初期費用を抑えることができます。初期の段階では必要最低限の機能に抑えておけば、開発費用を抑えることも可能です。
●補助金を活用する
マッチングシステムの開発には、補助金を活用できる可能性があります。2025年5月現在、利用できる主な補助金制度として以下が挙げられます。対象条件やスケジュール、補助金の額などは制度により異なり、また、毎年変更となるため、公式サイトの記載を参考に応募しましょう。
・IT導入補助金2025
https://it-shien.smrj.go.jp/
・ものづくり補助金
https://portal.monodukuri-hojo.jp/
・小規模事業者持続化補助金
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/shokibo/2025/250501jizoku_01.html
7.マッチングシステムに必要な機能
マッチングシステムに必要な機能は、サービスの内容によって異なります。多くの場合は以下のような機能を導入する必要があります。
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商品、商材一覧機能
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マイページ機能
-
ログイン・ログアウト機能
-
ユーザー管理機能
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メッセージ機能
●商品、商材一覧機能
商品、商材一覧機能は、主にオンラインショッピングやフリマアプリなどのマッチングシステムで必要となる機能です。商品や商材の一覧機能を搭載すれば、取り扱う商品数が多くても個々の商品の視認性が上がり、ユーザビリティを高められます。なお、ビジネス系マッチングシステムの場合は商品や商材ではなく案件内容や依頼の一覧機能になります。
●マイページ機能
ユーザーのプロフィールやサービスの利用履歴(購入・予約・支払い・マッチング履歴)を残すための機能です。マイページ機能があることで、サービス利用時の入力を省略できたり、プロフィール情報をもとにマッチング精度の高い企業や個人とのマッチング率が上がったりします。マイページ機能があることで幅広い情報を管理できるので、どんなシステムでもマイページ機能は欠かせません。
●ログイン・ログアウト機能
ユーザー名(またはID・メールアドレス)とパスワードを使い、安全にシステムへログインするための機能です。ログイン・ログアウト機能は、マイページと併せて必須となります。ユーザーIDやメールアドレスはアカウントの識別子として、パスワードはアカウントを保護するためにそれぞれ必要です。加えて、ユーザーの本人確認の役割も果たします。
●ユーザー管理機能
ユーザー管理機能は、マッチングシステムを利用するユーザーの情報を管理する機能です。マッチングシステムを導入する場合、サービスを提供する側と利用する側とでユーザーの情報を管理するシステムが重要になってきます。この機能があるからこそマイページ機能やログイン・ログアウト機能が意味を成していて、ほかにもアカウントの作成や編集、削除などユーザーにかかわる操作のすべてができるようになっています。
●メッセージ機能
メッセージ機能は、取引相手と連絡をするために必要な機能です。BtoBサービスやCtoCサービスなど、相互の密接な連絡が必要とされるマッチングシステムには特に欠かせない機能だといえるでしょう。さらに、テキストとして利用履歴や取引の履歴が残るため、トラブルが発生した際に運営側で対処しやすいというメリットもあります。
8.マッチングシステムの収益モデル
マッチングシステムの収益モデルは、「手数料型」「広告収入型」「継続課金型(サブスクモデル)」「従量課金型」の4パターンに大きく分けられます。各収益モデルの特徴について、以下でご紹介します。
●手数料型
マッチングシステムを利用する対価として手数料を設け、その手数料で収益を上げるモデルです。取引成立やマッチング成功、各種サービスの利用など、手数料を設けられる場面は様々。例えば、大手フリマアプリの場合、物品の売買が成立した際に一律の手数料をユーザーから徴収しています。
●広告収入型
マッチングシステム上に広告を掲載し、広告主から収益を得る収益モデルです。マッチングシステムのみならず、幅広いジャンルのWebサービスで取り入れられている仕組みです。掲載するマッチング商材やメディアの規模が大きければ大きいほど広告料を高く設定でき、その分高い収益が期待できます。従来のバナー広告のほか、媒体のコンテンツに自然な形で溶け込む「ネイティブ広告」が多くみられます。
●継続課金型(サブスクモデル)
一定期間ごとに一律の利用料金を徴収する収益モデルです。広告収入型と同様に、マッチングシステムだけでなく各種ストリーミングサービスやカーシェアリングサービスなど幅広いジャンルで取り入れられています。継続的に安定した利益を期待できますが、継続課金に足る質の高いサービスを提供できる否かがカギとなります。
●従量課金型
システムやサービスを利用した分の料金を徴収する収益モデルです。マッチングシステム以外では、電気や水道、ガスなどのライフインフラサービス、コインパーキングやインターネットカフェといったサービスでも導入されています。利用した分だけを支払うため、ユーザーからの納得感を得やすいのが特徴です。
9.マッチングシステムの主な構築方法
マッチングシステムの主な構築方法は、CMS構築・パッケージ開発・フルスクラッチ開発の3パターンです。それぞれの方法が持つ特徴や魅力を解説いたしますので、「自社のマッチングシステムにはどの方法が向いているのか」とお悩みの方は下記の情報も参考にしてみてください。
●CMS構築
CMS(コンテンツ管理システム)とは、簡単にWebサイトを作成・管理・編集できるシステムのこと。特に高い知名度を誇るのが、オープンソースのCMS「WordPress(ワードプレス)」です。無料で手軽に使えるものや拡張機能が豊富に用意されているものも多く、開発のハードルが低めなのが大きな魅力。「構築にかかる費用や時間コストをできる限り抑えたい」という方におすすめの方法です。
●パッケージ開発
あらかじめ用意されている専用開発パッケージを利用し、マッチングシステムを構築する方法です。システムのテンプレートを利用し、必要に応じて独自機能を追加したり、拡張機能を用いたりしてカスタマイズするのが一般的な使い方です。「開発の知識がなくてもすぐに使える」「カスタマイズの自由度が高い」など、長所としている部分はパッケージごとに異なります。それぞれの違いや長所を見極めたうえで、自社が開発したいマッチングシステムに適したものを選ぶことが重要です。
また、ソースコードの記述を必要としない「ノーコード」や、記述を最小限に抑えた「ローコード」で開発できるツールも多く存在します。パッケージ開発と同様に、工数を削減できるため、利用を検討してもよいでしょう。
●フルスクラッチ開発
CMSやパッケージを用いず、ゼロからシステムを構築する方法です。テンプレートに縛られず自由にカスタマイズできるため、大規模なマッチングシステムの構築に適しています。また、「独自の機能を多く実装したい」という場合にもおすすめです。ただし、CMS構築やパッケージ開発とは異なりシステムの土台から構築する必要があるため、コストが膨らみやすいというデメリットもがあります。
この他に、スクラッチ開発とパッケージ開発を併用する方法もあります。これは、パッケージ開発を使用しながらも、独自機能の部分だけ一から開発するという手法で、双方の長所の良いとこ取りをした手法です。ただし、独自開発する部分が増えれば開発費用はかさむため、本当に独自機能が必要かを確認し、費用対効果を考慮しましょう。
10.マッチングシステムの見積もり時に注意すべきポイント
マッチングシステムは、自社で構築すればそれだけコストを抑えられますが、内部にシステムの開発環境を持つ企業は多くありません。そのため、システム構築を専門とする会社や個人事業主に依頼するのがほとんどです。依頼をする際は、できる限り開発コストを抑えるために複数見積もりを取って、安いところで依頼するのがベストです。マッチングシステムの見積もり時に注意すべきポイントは、以下のとおりです。
●システム設計・定義をしっかり固める
マッチングシステムの見積もりを依頼する前に、システム設計・定義をしっかりと固めて、それを相手に正確に伝えなければなりません。マッチングシステムの構築を自社ですべて完結させない場合は、システム構築を依頼する相手と擦り合わせをします。この擦り合わせがしっかりできていないと、ミスマッチで想像していたものと違うシステムが出来上がってしまいます。まずはどういったユーザーをターゲットにして、どんな形で利益を獲得していくのかをはっきりとさせて、それをもとにシステム設計・定義をしっかりさせていくことが大事です。もしそこの段階でどうすればいいのかわからない場合は、システム設計・定義から依頼してみても良いかもしれません。
●非機能要件をないがしろにしない
システム設計・定義を自分たちで考えていく場合は、非機能要件をいい加減にしないことが重要です。非機能要件とは、システムの拡張性や信頼性、セキュリティなどの部分に該当する要件のこと。非機能要件がしっかり構築されていないとサービスリリース後にトラブルが発生しやすくなり、サービスの評価を落としてしまう可能性があります。ストレスなくサービスを利用してもらうためにも、非機能要件の定義は綿密に行いましょう。
●マッチングシステムの開発実績が豊富な会社を選ぶ
マッチングシステムの開発は、できるだけその実績が豊富な会社を選ぶことが大切です。同じシステム開発に優れた会社でも、専門とするジャンルが異なればそれだけ出来上がるものが変わってきます。マッチングシステムの分野で成果を出している会社を調べて、そこで見積もりの依頼をするようにしたほうが良いでしょう。
●既存のシステムを利用して開発する場合も見積もりを取る
既存のシステムを利用して、新しいマッチングシステムを構築する場合でも見積もりを取るのが理想です。既存のものを活用して新しいものを作る場合も、独自の工程が必要となります。少なくともデザイン面は大きく変えなければならないことが通常であり、少し画面をいじっただけでどうにかなるというものではありません。既存のシステムを利用してマッチングシステムを構築する場合は、システム改修において実績が豊富な会社に依頼することをおすすめします。
●競合サービスと差別化する
競合となるサービスがあればしっかり調査した上で、機能や料金面などで差別化するようにしましょう。すでに他に一定以上の利用者がいるサービスがあるのであれば、何らかのメリットを提供できなければ、新規ユーザーの獲得は難しいといえます。そのためにも、ターゲットとなるユーザーのニーズの深掘りが重要です。既存の競合サービスに関する不満を分析し、その解消につながるような差別化を行いましょう。
11.マッチングシステムの最適な発注先をスムーズに見つける方法
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