販促施策の一環として、多くの小売店でポイントカードが使われており、その種類は紙や磁器カード、クレジットカード兼用、スマホアプリなど数多くあります。
しかし、ポイントカードを導入したにもかかわらず、実際は販促や顧客管理に十分活用できているとは言えない企業も多いのが現状です。
今回は、ポイントカードシステムの機能や導入のメリット、リピーターを増やして販促に活用するコツなどをご紹介します。
目次
ポイントカード導入のメリット
多くの店舗でポイントカードが導入されているのは、リピーター確保や売り上げ増加に役立つと考えられているからです。具体的にどのようなメリットがあるのかを解説します。
●顧客の囲い込み
ポイントカードを発行することで、お客さまを固定化し、リピーターになってもらいやすくなります。お客さまは初めて行く店舗よりも、すでにポイントカードを持っている店舗のほうが得だと感じ、優先的に利用しようとする傾向があります。つまりポイントカードによってリピーターが増え、既存顧客の囲い込みができるので売り上げが向上するというわけです。既存顧客の囲い込みがうまくいけば、近隣の競合店対策にもなります。
ただし、競合店でもポイントカードを導入している場合が多いと考えられるので、差別化戦略が必要です。
●優良顧客の育成
お客さまがポイントカードを提示することで、店員が「いつも来店してくださるお得意さま」であることを把握できます。優良顧客のみ対象のクーポンを配布するなど、ポイントカードを持ったお客さまには付加価値のあるサービスで「おもてなし」をしましょう。そうすることで既存顧客の満足度を維持し、さらに優良顧客に育てる効果が期待できます。
●客単価のアップ
多くの店舗では売り上げに応じてポイントを付与し、そのポイントを貯めて還元するポイント還元方式を採用しています。還元率は店舗によって異なりますが、ポイントはその店舗だけで使える通貨と同等の扱いができるため、お客さまに「キャッシュバック=値引き」と感じさせる心理的効果を与えられます。
また、ポイント2倍・5倍など還元率の高い日を設けて集客している店舗もあります。通常の値引きでは集客はできても売り上げが下がる可能性がありますが、ポイントなら直接値引きせずに集客や売り上げアップが期待できるため、客単価の向上につながります。
●再来店促進
ポイントカードを作成すると、お客さまの多くは「同じ買い物をするならポイントの付く店舗が良い」と考えるので、店に行く機会が増えます。また、お客さまの中には、しばらく足が遠のいていると、ポイントカードに貯めたポイントを「もったいない」と感じて再来店する人もいるので、それだけ集客効果が期待できます。
ポイントカードシステムの主な機能
店舗やポイントカードの種類によってサービス内容は異なりますが、基本的な機能は同じです。ポイントカードシステムの導入前に基本的な機能を押さえておきましょう。
●ポイント付与
購入金額に応じて、会計時に自動でポイントを付与します。ボーナスポイントの設定や、特定の行動によるポイントアップ、特定日に限定してポイントを2~5倍に上げるといった対応も可能です。期限切れのポイントは自動的に消却され、返品があれば付与したポイントを戻すこともできます。
●会員ランクの設定
ポイント数に応じて、プラチナ、ゴールド、シルバーなど会員ランクを分けたり、属性によってレディス会員やシニア会員を設定したりできます。ポイント付与率を会員ランクで変化させたり、属性によって付加価値のあるサービスを行ったりすることで、優良顧客を育成する効果もあります。
●顧客管理
多くのポイントカードは、作成時に顧客データを登録します。そのため、登録されたデータをそのまま顧客管理システムとしても使用できます。
会計時には、来店回数、購入履歴、クーポン利用回数などのデータを取得できます。そのデータを分析して顧客ごとにDM(ダイレクトメール)を発行するなどのマーケティングを行うことも可能です。チェーン店なら店舗ごとに細かく分析を行うことで、企業全体を通した中長期的な経営戦略を練ることもできるでしょう。
●ポイント履歴管理
ポイント履歴は、顧客ごとの購入履歴にもなるので、ポイント残高だけでなく、「いつ」「何を購入したか」までわかります。この履歴データはお客さま自身もWebやアプリから参照できます。それによって、ポイントに関する問い合わせの数を減らすことができるので、店舗にとってはコスト削減になります。
ポイントカードシステムでリピーターを増やすコツ
ポイントカードシステムを導入しても、「サービスや商品自体が気に入らなかった」「他店に比べて優位な点を感じられなかった」といった理由で、再来店しないお客さまはたくさんいます。そうした事態を防ぐためには、他社と差別化してリピーターを増やす工夫が必要です。
●来店回数によって特典をつける
初回来店時にポイントカードのシステムを説明します。多くのポイントカードシステムでは、10回来店で割引、1000ポイント達成で商品券配布など、少し遠いところに特典が設定されています。しかし、初回からしばらくの間、何のメリットもないシステムではポイントカードの効果が薄く、再来店する気にならないお客さまも多いでしょう。
そこで、来店することでメリットが生まれるシステムを設定します。「2回目の来店でポイント2倍」「3回目の来店で粗品プレゼント」などの特典を付ければ、3回目までは再来店するお客さまの数を増やすことが可能です。美容院など短期の再来店が難しい業種の場合は、「3カ月以内の来店でノベルティプレゼント」といった長めのスパンで2度目、3度目の再来店を狙いましょう
●アクションポイントを付与する
アクションポイントとは、何らかの行動にポイントを付与するシステムです。来店でポイントが付く「来店ポイント」、オンラインストアや店頭の端末にログインしたらポイントが付く「ログインポイント」、エコバッグを持参したら加算されるポイントなどがあります。
購入しなくてもポイントが加算されるので、お客さまにはインセンティブになります。
ポイントカードシステムはアプリがおすすめ
ポイントカードをアプリとしてスマートフォンと連動させる動きも一般的です。中にはポイントカードは作成せず、アプリやLINE@での会員登録のみという企業もあります。
●スマートフォンアプリでのポイントカードシステム
スマホアプリのポイントシステムの多くは、オンラインショップと実店舗のポイントを共通で管理できます。スマホは多くの人が持っているため、アプリにすればポイントカードを持ち歩く必要がありません。磁器カードは不要なので、財布に入っている他店のポイントカードに埋もれる心配もないでしょう。ポイントカードを忘れることがなく、ポイントの付け忘れも減少し、いつでもポイントを貯められます。
ただし、スマホアプリでのポイントシステムはスマホを使わない層が多い店舗には不向きです。高齢のお客さまなどスマホを持っていない、または操作に慣れていない層には、逆に使いにくくなってしまいます。その場合は、紙や磁気カードのスタンプカードとの併用を検討しましょう。
●スマホアプリのメリット
スマホアプリなら、プッシュ通知を使った積極的な来店促進が可能です。セールのお知らせやクーポンを送信したり、新メニューの告知を行ったり、店舗ごとの営業時間変更などを知らせたりできます。
アプリはスマホにインストールするだけで使えるものが多く、名前や住所など詳細な個人情報を入力しての会員登録が不要です。ポイントカード発行までの時間も不要で、発行や紛失時の再発行の費用がかかりません。そのため、顧客は気軽に登録ができます。
また、会員登録がなくてもアプリの登録番号が名前の代わりとなるため、顧客データとして扱うことができます。
ポイントカードシステムは導入後のサービス維持が重要
ポイントカードは多くの店舗が導入しています。
しかし、ポイントカードサービスを行っている店舗が多すぎるため、今ひとつ効果を上げられていない店舗もたくさんあります。
これからポイントカードシステムを導入する場合は、どのようなサービスで差別化を行うのか、マーケティングにどのように活かすのか、どのような効果を上げることが目標なのかなどの計画を立ててから、効率的に導入しましょう。
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