Python(パイソン)とは、プログラミング言語の1つのことです。1991年にオランダ人のGuido van Rossum(グイド・ヴァン・ロッサム)氏が開発しました。AI分野の発展が目覚ましい昨今、機械学習や深層学習を支えるプログラミング言語Pythonに注目が集まっています。
今回はこのPythonがどういった言語なのかについて特徴や活用方法などについて学んでいきましょう。
目次
■Python(パイソン)とは
Python(パイソン)とは、1991年にオランダ人のGuido van Rossum(グイド・ヴァン・ロッサム)氏が開発したプログラミング言語のことです。Pythonという名前に関しては、イギリスのテレビ局 BBC が製作したコメディ番組『空飛ぶモンティ・パイソン』にちなんで付けられました。少ないコードで簡潔に書けるため比較的読みやすくなり、読み間違えや書き間違えが起こりづらくなっています。プログラミングを一度経験したことのある方ならお分かりかと思いますが、この読みやすさ・書きやすさは重要で、開発効率の向上に寄与します。文法が分かりやすいことや誰が書いても同じようなコードになることから、初心者でも取り掛かりやすくなっている言語です。また、人工知能や深層学習の分野や、データ解析の分野で広く使われていることからも、現在Pythonに注目が集まっています。
日経 xTECHが2018年10月に実施した「プログラミング言語実態調査」で「今後スキルを磨きたい言語は何か」との質問に対して、最も多かった回答がPythonとなっています。
さらに、Pythonの上り調子は国家資格にも影響を与えています。IPA(情報処理機構)が基本情報技術者試験という国家資格の試験を実施しており、その試験問題の1つに複数のプログラミング言語の中から得意な問題を選択して答える形式のものがあります。選択できる言語として、これまでは「C」、「COBOL」、「Java」、「アセンブラ言語」、「表計算ソフト」がありました。それがAI人材育成のニーズに合わせ、2020年の春期試験から「COBOL」を廃止して「Python」を追加することが決定されました。
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■Pythonで開発するメリット
1.文法が覚えやすい
Pythonの大きな特徴としては文法を覚えやすいこと。プログラミング言語を学んでいくに当たって、プログラミングの仕組みを理解した後には、英語やフランス語など話すための言語を覚えるのと同じで、プログラミング言語ごとに文法を覚えることになります。Pythonの場合、その文法が必要最低限のものしかなく、シンプルで覚えやすい文法となっています。他のエンジニアが書いたコードを読んで勉強することもできます。
2.読みやすい・書きやすい
Pythonは読みやすさや書きやすさを重視して開発されたプログラミング言語で、誰が書いても似たコードになります。コードは書いた本人でも分からなくなってしまうこともあるのですが、Pythonの場合には解読しやすく、初心者がベテランの記述したコードを読んで学ぶことができるというのが魅力です。読みやすくするための記述ルールの1つに、オフサイドルールがあります。これは行の始まりをインデント(字下げ)して文の塊を表すルールのことです。入れ子構造が深くなるにつれて文が右側に書かれる(インデントで左側にスペースが開く)ようになるので、直感的に入れ子構造を理解でき、読みやすくなります。
3.ライブラリが多い
ライブラリとは、汎用性の高いコードをまとめたプログラムのことです。このライブラリとして作成されているものを自分のプログラムに組み込むことができるため、ライブラリを上手く活用することで自分が一からすべて作るのではなく、効率的にプログラムの作成を進めることができます。Pythonの場合は、数万に上るほど豊富なライブラリが公開されており、プログラミングしやすい環境が整っています。ライブラリには以下のようなものがあります。
■画像処理・音声処理・動画処理
■数値計算・信号処理・統計処理
■ウェブ開発・サーバー・フレームワーク
■データベース
■自然言語処理
4.インタプリタ型のためエラーを直しやすい
プログラミング言語にはコンパイラ型とインタプリタ型があります。コンパイラ型の場合には一度すべてコーディングした後にコンパイルして実行ファイルを作成し、それを読み込ませるとプログラムが実行するという流れになります。インタプリタ型の場合はプログラム実行と同時にコードを読み込むため、あらかじめコンパイルしておく必要がありません。インタプリタ型の場合には確認がしやすく、結果的にエラーが少なくなりエラーの解読に時間がかかりにくくなります。コンパイラ型で発生した大量のエラーを直していく作業は根気がいるため、不慣れな初心者には精神的なハードルが高いと言えるでしょう。そうしたこともあり、インタプリタ型のPythonはエラーを直しやすく、初心者にも取り掛かりやすい言語と言えます。
5.機械学習
現在、世界的に見て機械学習や深層学習(ディープラーニング)などAI分野への注目が集まっています。このAI分野のプログラム処理には高度な計算や統計処理が必要となるのですが、そこで役立つのがPythonです。AI分野の外部ライブラリも充実しており、Googleが開発したTensorFlowやFACEBOOKが開発したPyTorchという深層学習のライブラリ、データ解析に役立つpandasというライブラリなどがあります。こうした理由があり、AI分野の開発にはPythonが欠かせなくなっています。
■Pythonで開発するデメリット
1.実行の速度が遅い
Pythonの主なデメリットとしては、実行速度が遅いことが挙げられます。インタプリタ型はコンパイラ型よりも実行速度が遅くなる特徴があり、Pythonはインタプリタ型の言語となっています。企業などで使われる基幹システムや、大規模なシステム開発、処理速度の速さが必要となるゲーム開発などには不向きです。
2.インデントがずれるとエラーになってしまう
先ほどオフサイドルールについてお伝えしましたが、これは読みやすいというメリットがある一方で、エラーが生じやすいというデメリットの側面もあります。機械はインデントに使われる空白の数が同じものを1つのまとまりとして認識します。このインデントの位置(左側の空白の数)を間違えてしまうと、機械が正しく文の塊を把握することができず、エラーとなってしまいます。Pythonのコードを記述する際には空白の数への注意が必要です。
■Pythonの開発事例・活用事例
Pythonでは以下のようなものが作成できます。
■データの収集、処理、分析
■クローリング、スクレイピング
■機械学習、ディープランニング
■ゲーム、スマホアプリの開発
■Webアプリ開発
Pythonを使えばWeb上にある大量の画像を自動で保存できたり、フリーメールの自動送信ができたりするなど、効率化を図ることも可能です。なお、今では誰もが知るWebサービス「YouTube」や「Instagram」、「Evernote」、「Dropbox」などもPythonを使って作られています。
■Pythonの基本構文
Pythonがどのようなものかを知るために、基本的な構文についても見ておきましょう。
テキストの表示のさせ方
プログラミング言語の構文の説明でまず出てくるのが「Hello World」。これをテキストとして表示させる方法を見ていきます。Pythonで「Hello World」と表示させるためには、以下のプログラムをテキストエディタ(メモ帳も可)に記述します。
print(“Hello World”)
テキストエディタを「hello.py」で保存します。コマンドプロンプトを開いてファイルの保存先に移動し、「python hello.py」と書いて実行します。そうすると、コマンドプロンプト上に「Hello World」と表示されます。プログラムの文章は非常にシンプルなことが分かります。ただ、プログラミング言語に詳しくない方の場合、他の言語で記述するとどうなるか分からなければシンプルさが伝わらないでしょう。そこで、以下にJavaで記述したものと、C言語で記述したものをご紹介します。
■Javaの場合
public class HelloWorld{
public static void main(String[] args){
System.out.println(“Hello World”);
}
}
■C言語の場合
#include <stdio.h>
int main() {
printf(“Hello World\n”);
return 0;
}
これでPythonのコードがいかにシンプルかお分かりいただけると思います。
四則演算
Pythonで「足し算」、「引き算」、「掛け算」、「割り算」は簡単に行えます。以下がサンプルの記述です。
print(“1 + 2 = ” + str(1 + 2))
print(“5 – 2 = ” + str(5 – 2))
print(“10 * 2 = ” + str(10 * 2))
print(“30 / 3 = ” + str(30 / 3))
これを実行するとコマンドプロンプトには以下のように結果が表示されます。
1 + 2 = 3
5 – 2 = 3
10 * 2 = 20
30 / 3 = 10
条件分岐
条件分岐とは、条件を満たした場合に処理を実行するプログラムのことです。例えば、以下のソースコードは「変数ageの数字が20未満の場合には『あなたは未成年です』と表示させる」ものです。仮に変数ageに18を代入しましょう。
age = 18
if age < 20:
print(“あなたは未成年です”)
この実行結果は以下のようになります。
あなたは未成年です
for文でのループ処理
ループ処理は、指定した数だけ同じ処理を行うプログラムのことです。例えば、以下の場合には変数iを繰り返し表示させるプログラムとなっています。「range()」の部分はRange関数と言い、以下のように「range(3)」となっている場合には0~2までを出力します。つまり、最初は変数iに「0」が代入され、それが終わると次に変数iには「1」が代入されるといった形です。
for i in range(3):
print(i)
これを実行するとコマンドプロンプトには以下の結果が表示されます。
0
1
2
while文でのループ処理
ループ処理では、while文を使うこともできます。while文の場合、条件を満たしている場合に記述されたプログラムが実行されます。以下の場合は変数iの数字が3未満なら「print(“i = “,i)」と「i = i + 1」が実行され続けます。
i = 0
while i < 3:
print(“i = “,i)
i = i + 1
コマンドプロンプトには以下の実行結果が表示されます。
i = 0
i = 1
i = 2
■Pythonの将来性や今後の需要
Pythonは様々な分野で使われており、特にAI分野での活用が目立ちます。言うまでもありませんが、これから機械学習や深層学習などAI分野の研究や開発は進んでいくことになるでしょう。そこでニーズが出てくるのがPythonエンジニアです。
また、レバテックの調査によると、昨年に比べてPythonを使った新規案件が増えています。Pythonを扱えるエンジニアの不足も課題となりつつありますが、AI分野の加速に伴って新規案件も増え、それにつれてPythonを学ぶ方も増えていくでしょう。
Pythonの特徴や活用方法など、概略についてお分かりいただけましたでしょうか。AI分野の発展が目覚ましい昨今、機械学習や深層学習を支えるプログラミング言語Pythonに注目が集まっています。ただし、PythonがカバーしているのはAI分野だけではないことは、すでにPythonで作られたサービスの多様性が証明しています(YouTubeやInstagram、Dropboxなど)。システム開発の際は、このPythonをベースとした開発を検討してみてはいかがでしょうか。
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