ITエンジニアの中でも、クライアントに対するフォローやサービスの営業に特化している職種がセールスエンジニアです。技術的な知識だけではなくコミュニケーション能力も問われるセールスエンジニアは、会社の顔として重要な役割を担います。そのため、企業側としては、有能な人材を採用したいものでしょう。そこで大切なのが、採用の現状を把握することです。今回は現状を確認するうえで重要なポイントや、社員のスキルアップも踏まえて解説します。
目次
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セールスエンジニア業界における新規採用の現状とは
セールスエンジニア業界では、技術職や営業職からキャリアチェンジする方が多いのが現状です。
そのため、新卒を対象としたセールスエンジニアの募集は少ない傾向にあります。また、中途採用でセールスエンジニア限定の募集があったとしても、業務経験を条件にしているケースがほとんどです。
【おさらい】セールスエンジニアの特徴
セールスエンジニアは、自社サービスの導入をクライアントに提案したり、アフターサポートをしたりする職種です。
また、クライアントの悩みや不安を解決することもありコンサル的な立ち位置と捉えられます。
営業として自社サービスを伝える時は、実演をして製品の魅力を伝えるケースもあります。そのため、営業面・技術面で高いスキルを問われる仕事です。
●年収相場
セールスエンジニアの平均年収の相場は約500万円前後です。これは、技術系の中でもトップ5に入る金額です。割と高収入が得られる背景には、技術面と営業面それぞれの知識が問われることが影響しています。また、コンサル的な仕事内容やトラブル対応など、業務が多岐に渡る点も収入に反映されていると考えられます。
●システムエンジニアとの違い
IT系の技術職といえば、システムエンジニアを思い浮かべる方も多いでしょう。システムエンジニアは、基本的にシステムに関わる業務に特化しており、セールスエンジニアのような営業はしません。すでにクライアントである企業に対して、ヒアリングをしたり調整を行ったりすることはありますが、新規の顧客開拓をすることはほとんどありません。
セールスエンジニアはクライアントの要望をシステムに落とし込む必要があるため、その際にスタッフや様々な専門職とのコミュニケーションが問われる仕事です。
【振り返り】セールスエンジニアの仕事内容
続いては、セールスエンジニアの仕事内容について解説します。セールスエンジニアはIT系の技術職の中でも、仕事内容が以下のように多岐に渡ります。
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自社サービスを売り込む
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商談成立後の営業・技術部門の橋渡し
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クライアントのフォロー
営業面・技術面のスキルが必要な理由を、もう一度振り返ってみましょう。
●自社サービスを売り込む
セールスエンジニアの大切な仕事の1つが、自社サービスの売り込みです。サービスに関する情報を細かく把握し、クライアントの質問に対してわかりやすく答えなくてはなりません。こうしたプレゼンテーションは、システムエンジニアも行う業務です。
セールスエンジニアに特化した仕事として、プレゼンテーションに加えて交渉があります。クライアントが求める条件を踏まえて、互いに納得できる結論を導き出すスキルが必要です。
●商談成立後の営業・技術部門の橋渡し
商談が成立した後も、セールスエンジニアの仕事は続きます。交渉で得られた結論を踏まえて、技術部門とクライアントとをつながなければなりません。この時、正確な内容が伝わらなければトラブルに発展する可能性があるため、非常に大切な業務です。
また、クライアントから追加で要望が出されることもあります。全体の流れを汲み取りながら、クライアントが提示する要望に寄り添ってサポートするのも、セールスエンジニアの仕事です。
●クライアントのフォロー
サービスの納品が完了したからといって、セールスエンジニアの仕事は終わりません。納品後は、クライアントのアフターフォローを行います。商談も大切ですが、アフターフォローは会社の信用に直結するため、より重要な業務です。
また、クライアントの不安を解消するためのコンサル的な役割も担います。サービスエンジニアは、クライアントが安心してサービスを使うための大切な存在といえるでしょう。
求職者に求めるスキルとは
セールスエンジニアは、営業力に併せて技術的な知識が求められる仕事です。まず、コミュニケーションスキルが必要です。クライアントに対して、難しいシステムの話をわかりやすく伝えなければなりません。また、クライアントが抱えている悩みに対して傾聴する力も求められます。
加えてシステムに関する知識がなければ、正しいプレゼンテーションを行えません。クライアントの疑問に対して、速やかに答えられるだけの知識やスキルを身につけておくことが大切です。
求職者のキャリアパスも把握しておくこと
セールスエンジニア志望の求職者のキャリアパスは、「技術職から」「営業職から」の2パターンが挙げられます。それぞれ、どのような流れでセールスエンジニアになるのかを解説します。
●技術職からセールスエンジニアを目指す
もともと技術職だった人は、営業経験が乏しくコミュニケーションが苦手というケースも少なくありません。しかし、セールスエンジニアにおいてコミュニケーションスキルは重要であり、顧客とやり取りをするためのトレーニングが必要です。
技術職の中でも、エンジニアとしてクライアントへの提案や交渉の経験が豊富な方であれば、すぐにでもセールスエンジニアとしての活躍が期待されます。
●営業職からセールスエンジニアを目指す
営業職の経験がある方は、コミュニケーションスキルに長けている反面、技術面の知識やスキルが乏しい傾向にあります。
専門知識を身につけることがセールスエンジニア育成の第一歩です。
知識がない状態でセールスエンジニアになってしまうと、クライアントに不信感を与えかねません。また、専門知識に加えて、自社のサービス内容や業界全体の流れについてもしっかりと把握しておくと、クライアントの信頼を得られます。
サービスエンジニアの新規採用や社員のスキルアップに関する対策をする前に、業界の基礎情報を押さえておきましょう。
求職者の応募率を上げるポイント
どんな職種においても、求人票の記載内容を充実させることが大切です。
特に、サービスエンジニアは、仕事の内容が幅広く曖昧な情報では正しく伝わりません。求職者が自分のスキルを発揮できるように、下記の項目を明確に記載するようにしましょう。
チェックする項目 | 施策 | 施策の理由 |
---|---|---|
採用背景 | なぜ新たに人材を募集するのかを明確にする | 求職者が職場の現状をイメージしやすくなるため |
採用ポジション | 採用された後に、どのポジションに就くのかを明記する | 適した人材を見つけやすくなる |
仕事内容 | どんな仕事を担うのかを具体的に記載する | 企業によって仕事内容は様々なため |
必要スキル | 必要スキルを明記しておく | スキルが明確であれば、求職者は応募しやすくなる |
会社のアピールポイント | これまでの業績や将来のビジョンを記載する | マッチする人材に出会いやすくなる |
福利厚生や教育制度なども記載しておく | 求職者が安心して応募できる |
入社後のスキルアップ育成も重要?
希望する人材が採用できたら、次はスキルアップを考える必要があります。セールスエンジニアは、クライアントと直接やり取りをする仕事です。信頼してもらうための知識やスキルを身につけなければなりません。効果的にスキルアップをするためには、会社側のサポートが大切です。
新人研修に加えて、セールスエンジニア職専用の研修も必要です。セールスエンジニアに限らず、スタッフ全員がモチベーションを保ちながらスキルを磨けるように、社内教育制度を設けることをおすすめします。
●スキルアップを自主性に任せるとどうなるのか?
在籍する社員のほとんどがIT関係に疎く、新たにセールスエンジニアを募集した場合は、ほかの社員が教えられないという理由で、スキルアップを自主性に任せることもあるでしょう。
しかし、社員のモチベーションが低く自ら学ぶことをしなかった場合、誰も助ける方が周りにいないためスキルアップが望めません。また、社員によってスキルに差が生じます。
研修や教育制度を設ける時のポイント
下記に挙げるポイントを踏まえて、社員のスキルアップを図りましょう。
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研修を行う目的・目標を定める
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研修期間・研修方法を決める
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研修内容を決める
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研修後の効果測定を実施する
社員のスキルアップを目指して、研修や教育制度を設計したいと思っても、何から始めれば良いかわからない方も多いはずです。効率的な研修を実施するためには、ポイントを押さえる必要があります。
●研修を行う目的・目標を定める
単に研修を行ったからといって、スキルアップが望めるものではありません。まず、大切なのは「なぜ研修を行うのか」ということです。「社員のスキルアップを図りたい」という漠然とした目標ではなく、具体的な目的・目標を定めるように心がけましょう。
新入社員に対する研修であれば、スキルを均一化させることも大切です。未経験の方でも仕事に馴染めるように、スキルのバラつきを整えることを目的にすると、研修内容を明確にできます。
●研修期間・研修方法を決める
研修目的・目標が定まったら、研修期間や研修方法を決めましょう。目的・目標に見合った期間設定が大切です。
一般的に、社員研修に設ける期間は1〜2ヶ月程度ですが、未経験者がプログラミングを学ぶ場合は、数ヶ月〜1年程度かけてスキル習得を目指すこともあります。
また、研修方法には様々な種類があります。主な研修方法は「社内研修」「外部研修」「eラーニング」の3つです。続いては、それぞれの特徴を解説します。
社内研修
できるだけ費用を抑えて研修をしたい場合には、社内研修がおすすめです。社内研修の講師は、自社スタッフが講師を担当します。基本的に社内研修の企画は自社で行うため、自由度が高い点がメリットです。しかし、その分手間がかかる点はデメリットといえます。普段から社内研修を行っている企業なら問題なく進められますが、慣れていない場合は、企画自体を外注するとスムーズに進むでしょう。
外部研修
エンジニアに向けて開催される対外的な研修に出向くことを、外部研修といいます。研修内容が明確でピンポイントに学べるため、目的がはっきりしていると参加しやすいです。研修期間は、数日〜1ヶ月程度が一般的です。しかし、社内研修よりも費用がかかる点は注意しておく必要があります。研修内容によっては、1人当たりの研修費が高額になるケースの少なくありません。費用対効果を検討したうえで、取り入れることをおすすめします。
eラーニング
PCやスマートフォンを活用して学ぶ方法を、eラーニングといいます。スマートフォンが普及している昨今、eラーニングを導入する企業が増えてきました。動画講義は気軽なうえに、見たい時に視聴可能で回数制限がない点がメリットでしょう。基本的に、受講者のみが参加できる有料のアカウントを取得しなくてはなりません。外部研修と比べると非常にリーズナブルで、数千円から受講可能です。しかし、eラーニングだと講師に直接質問がしづらいデメリットがあります。受講後に質問ができる体制が整っていると、より効果的です。
●研修内容を決める
社員研修の目的によって、研修内容を設計することも大切です。
研修内容が目的に沿っていないと、スキルアップを図れません。技術を習得するための研修の場合、講義だけを受けていても実践に役立たないでしょう。
即戦力につなげるためには、参加者が自分で考え実行する時間を設けなければなりません。ケーススタディやロールプレイングなどを取り入れると、体感して覚えやすくなります。
●研修後の効果測定を実施する
研修が終わったからといって、完璧にスキルアップができたとは限りません。
研修後には効果測定を実施して、どの程度効果があったのかを確認しましょう。参加者にアンケートを取ったり、簡単なテストを実施したりして理解度をチェックします。
効果を可視化すると、次への課題がわかり改善しやすくなるでしょう。
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